自己PRで「協調性」を上手くアピールする4つの秘訣【例文あり】

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目次

自己PRでは「協調性があります」というものをよく見かけます。実際、企業では、大半の仕事を個人ではなく複数人が連携・協力しておこなうため、周囲と歩調を合わせながら物事に取り組める協調性は、新卒の選考でも評価される資質の一つといえます。

そのため「協調性」を強みとしてアピールすることは可能です。

しかしそれをどう具体的に自分の強みとしてアピールすればよいかわからずに悩む就活生は少なくありませんさらに協調性を強みとしてアピールする就活生は多いだけに、ありきたりな表現だと埋もれてしまう恐れがあります。

今回は、わかりやすい例文も交えながら、協調性を自己PRする際に気を付けておきたいポイントを徹底解説します。

自己PRで協調性をアピールするまえに知っておくべきこと

自己PRで「協調性」をアピールする際は、いくつか押さえておきたいポイントがあります。そのまま「協調性」を長所としてアピールすることは可能ですが、他の応募者と大差ない内容であれば、特に気に留められずに流されてしまう可能性があります。

これらのポイントを踏まえて協調性に関する自己PRを組み立てれば、より採用担当者の心に刺さる内容へとレベルアップできます。ぜひ参考にしてください。

多くの学生が使いやすく埋もれてしまいがち

企業に入社するとさまざまな業務や責任を担うことになりますが、基本的に自分一人だけで完結する仕事はありません。そのため、周囲と歩調を合わせて協力しながら仕事を進めていく上で、協調性は必要不可欠な資質です。

「協調性」は企業で重宝される資質だけに、就活生にとっても、強みとしてアピールしやすい側面があります。そのため、多くの就活生が自PRで協調性を強みとして紹介します。

その分、ただ「協調性がある」とアピールしただけでは、他の就活生と似たような内容で埋もれてしまう可能性があります。

リアルな体験のエピソードを入れたり、キャッチーな表現を使うなどの工夫をして、どのような特徴をもった協調性であるかをアピールしないかぎり、他の就活生との差別化を図るのは困難です。

「それは協調性?」と疑問に感じる内容になることも

協調性が強みとして使いやすいのは、一つには幅広い意味合いがあり、漠然としているからです。それだけに、使い方を誤って理解したまま自己PRでアピールすると、「それは本当に協調性と言えるのか?」と受け取られる可能性があります。

たとえば、「人と人との間を取り持ってグループをまとめた」といったエピソードを通じて「協調性がある」とアピールできるかというと、そうとは限りません。「コミュニケーション能力が高い」「リーダーシップがある」などとも解釈できるからです。

したがって、自己PRで「協調性」をアピールする際は、何をもって「協調性がある」といえるのかををきちんと突き詰めたうえで内容を組み立てるの必要があります。

企業で求められる協調性の意味とは?

ここまでの内容を踏まえると、まずは「協調性」が何を意味するか、特に「企業で求められる力」という観点から、理解するのが先決です。企業で必要とされる「協調性」の意味をきちんと把握できれば、自己PRも的確な内容で組み立てることが可能です。

それでは、いくつかのポイントで企業が求める「協調性」の意味を確認していきましょう。

周りと連携して物事を円滑に進める力

「協調性」という単語を辞書で紐解くと「他の人と物事をうまくやっていける傾向や性質」と解説されています(『スーパー大辞林』より)。

さらに「協調」という言葉そのものは、「互いに協力し合うこと。特に、利害や立場などの異なるものどうしが協力し合うこと」と解説されています(『デジタル大辞泉』より)。

これらの意味を踏まえ、社会やビジネスの場で「協調性」をとらえるとすると、「目標達成に向けて周囲と連携できる能力」「周囲を巻き込んで一つにし、物事を良い方向へと変えていく力」などといった解釈が可能です。

また、「意見や立場が異なる相手とも協力し合いながら状況の改善や問題の解決に向けて考え、行動できる能力」と言い換えることもできます。

社会に出ると、職場の人間関係でも外部の顧客や取引先とのお付き合いでも、さまざまな利害が絡み合います。そのなかで協調性を発揮して、どうそれらの人間関係と向き合い、社会人として成長していけるかは重要な課題です。

協調性は「コミュニケーションが上手」「誰とでも仲良くできる」とは異なる

協調性を自己PRする人のなかには、「コミュニケーションが上手」「誰とでも仲良くできる」という点をアピールするケースも見受けられます。

しかし面接では、社会で求められる協調性に沿った強みをアピールしなければなりません。

コミュニケーションが上手で誰とでも仲良くできることそのものは、素晴らしい強みです。ただ、学生時代の交友関係や馴れ合いといった延長線上で、社会人として人間関係を構築できるかというと、なかなかうまくいきません。

企業でももちろん、周囲と調和や一致を保ちながらチームワークを築き上げていくことは大切です。

その一方で、仕事のなかで協調性を活かした活動で会社の売上につながる成果を上げていく必要もあります。上司から高い評価を得るために、同僚よりも優れたパフォーマンスを示していく必要もあります。

社会人になった以上、学生時代のような仲良しこよし的な人間関係の延長線上で協調性を位置付けるのではなく、お互いに利害が絡む関係性のなかでも協調性を発揮して上手に付き合いつつ、よりよい利益やより高い評価につなげていく必要があるのです。

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就活でアピールできる協調性を詳しくみていこう

ここまでで、学生としての視点から見る協調性と、社会人としての視点から見る協調性の違いがなんとなく見えてきたでしょうか。

では、企業で求められる協調性とは、具体的にどのようなものでしょうか。

それは、周囲と連携して物事を円滑に進めるために必要な力です。その中身をさらに分解してみていきましょう。それらの力を自己の強みとして位置付けられれば、より「仕事で活かされる」協調性の自己PRがしやすくなります。

相手の意見にも耳を傾けられる

自分の意見をしっかり主張するのも大事ですが、同時に、自分とは異なる相手の意見や主張に耳を傾けて受け止める姿勢が協調性といえます。

企業では、自分が提出した意見が取り上げられて具体的な成果に結びつけば、自分に対する評価が高まります。ただし、常に自分の意見が正しいとは限りませんし、なかには自分とは異なる、あるいは自分より優れた意見が出てくる場合もあります。

その際、相手の意見に耳を傾ける力、つまり傾聴力があれば、相手の意見やアイディアを謙虚に受け止めることができます。結果、自分の意見が通らなかったとしても、客観的に事実を受け止めて次のステップに進むことが可能です。

傾聴力のある人は、仕事場でも他の人の助言や指摘を成長の肥やしにして伸びていきます。

聞く耳のある人には、他の人も気安く会話したり、心を開いて相談したりしてくれるので、チームメイトとのコミュニケーションも促進され、協力したり競争し合ったりして、お互いに成長し、またより良い成果を挙げていくことができます。

周囲を見て適切な行動ができる

自分のことで一杯な人、あるいは他者に関心がない人は、周囲に目を配ることができません。周りと噛み合わない行動をとってマイナスの結果を出したり、逆に個人プレーに走って一人勝ちするようなこともしばしばです。

しかし、周囲を見て適切な行動ができるタイプの協調性を備えた人は、チームや個人のどの部分がうまくいっていないか、どの部分が足りないか、逆にどの部分がうまくいっているかなどを見極めたうえで、それに合わせて自分がどう動けばより良い結果に結びつくかを適切に判断し、的確な行動に起こすことが可能です。

このタイプの協調性を備えた人は、仕事の面でも高く評価されます。理由は、周囲に合わせて適切な行動を取り、会社の売上やチームのパフォーマンスに貢献できるからです。

例えば、所属チーム内での成功例に合わせて自分も同じように動くことで成果を高めたり、逆にうまく回っていない部分をサポートして課題を解決をする、などの行動に出ることで、チーム全体の成果を高めることが可能です。

人当たりが良い

人当たりの良さも、協調性の一つのかたちです。人の意見を聞かないタイプ、プライドが高そうな人は、周囲が声を上げずらい雰囲気を生み出す原因となるものです。

対して、人当たりの良い人には、他の人も意見したり相談したりしやすく、気軽にフィードバックも得られるなどで物事が良い方向へ進むので、おのずと周囲の人間関係における潤滑油のような役割を果たします。

また、優しい人柄、面倒見の良い人柄を発揮して、困っている人に助けの手を差し伸べ、問題解決を図ることもできます。

このタイプの協調性を持った人材は、企業でも重宝されます。たとえば、人間関係がギスギスしているチームに人当たりが良い人が一人でもいれば、他のメンバーもその人には安心して心を開くので、チーム全体の雰囲気が改善され、良い結果を生み出すことができます。

他の社員が仕事や人間関係などがうまくいかなくて悩んでいる際も面倒見の良さを発揮してサポートに回れるなど、上の目が行き届かない部分にも目端が行き届きます。

自己PRで協調性を伝える前に用意しておく要素

ここまでで、自分がアピールできる協調性とは何かが見えてきたのではないでしょうか。しかしそれだけでは、自己PRで適切に協調性をアピールするには実はまだ不完全です。

次に、採用担当者の心に刺さる自己PRの回答を作るために必要な要素をいくつか紹介していきます。これらの要素を事前に把握して、より自己PRとして効果的な形に回答をまとめましょう。

①自分の「協調性」を表現できるキャッチフレーズ

すでに確認したとおり、企業で必要とされる「協調性」のかたちはさまざまです。つまり、ただ「協調性があります」の一言だけでは、あなたが具体的にどのような協調性の持ち主なのかが採用担当者には伝わりません。

また、先に解説した通り協調性は数多くの就活生が用いる強みのため、「協調性があります」の一言で終わらせるのは自分のアピールが埋もれてしまうことにもつながります。

だからこそありきたりで抽象的な印象で終わってしまうことがないよう、以下の例文のように、あなたの「協調性」を表現できる的確なキャッチフレーズを探すことが重要なのです。

以下は、協調性をテーマにしたキャッチフレーズの例です。この中から自分に近しいものを見つけ、自分なりにアレンジしてみましょう。

      
  • 行間を読む協調性
  • 他の人の「声に出してはいないが、心で思っていること」を感じ取れることを指しています。
  • 人間潤滑油
  • 意見が激しく対立してしまい、なかなかお互いの意見を擦り合わせていくことが難しい時に、間に入って調整し、話し合いをスムーズに進めることができることをアピールしています。
  • 裏方のプロ
  • リーダーシップを取る代わりに裏方に徹し、チームがうまくまとまるようサポートできる力を指しています。
  • 周囲を巻き込む協調性
  • 自分だけでなく周囲の人も相互に協調性を持って動けるよう、良い影響を与えることができることを表現しています。

このように、現を工夫して協調性をアピールすれば、他のあなたの協調性が発揮される場面や、周囲にもたらす効果が具体的に伝わり、他の就活生と似通ったありきたりな自己PRになることを避け、採用担当者の興味を引く内容へと差別化を図ることができます。

主体的な行動が具体的に話せるエピソード

協調性を自分の強みとしてアピールする際は、その根拠となるエピソードが必要です。ただ「私の強みは協調性です」と伝えるのは簡単ですが、それだけでは本当に協調性があるのか、どのような内容の協調性なのか、裏付けとなる情報が不足しています。

実体験に基づいたエピソードがあれば、あなたが確かにその協調性を備えている人材であることが裏付けられるほか、その強みがどのようなタイプの協調性なのかも伝わりやすくなるでしょう。

エピソードでは、きちんと自分が主体性を持って行動できる、企業に役立つ人材であることをアピールするのが大事です。企業側は、ただ周囲の空気を読みながら動く人や、誰かの指示がないと動けない人ではなく、自ら考えて行動を起こせる人材を求めています。

それは、人から言われなくても自分から目的を立てて行動したり、問題点に気づいた際も必要な改善策を見極めて実践できるからです。それらの行動を通じて確実に結果を出し、周囲にも良い影響を与えます。

そのエピソードにおける自分の考えと行動

過去の経験を話すだけでは自分の人柄が伝わりにくいため、エピソードを話すときは当時の自分の考えや行動も具体的に述べてください。どのような考えでその行動をとったのか伝えることで、あなたの人間性を理解してもらえます。

面接官は自己PRのエピソードから過去の経験を聞きたがっているわけではなく、そのエピソードをもとに、あなたがどのような考え方や価値観を持つ人間なのかを知りたいと考えています。そこから自社に相応しい人柄かどうかを見極めるのが選考の目的の1つだからです。

たとえば、次のようなエピソードではどうでしょうか。


アルバイト先で困っている新人を見かけたら、そのままにせずすぐに声をかけるようにしている。周囲の同僚とも話し合って、皆で新人をフォローするよう努めたところ、雰囲気がよくなり、定着率も改善された。

この場合「困っている人を放置しない」という考え方、「周囲と協力して改善にあたる」という行動から、「物事の改善に向けて周囲を動かす」という協調性が読み取れます。さらに、困っている人を放置しない、周囲と協力して改善にあたる人柄も伝わってきます。

協調性は「流されやすい」「意見がない」とも捉えられる

協調性は自己PRのテーマに選びやすい強みの一つです。

しかし、伝え方によっては「流されやすい」「自分の意見がない」「積極性に欠ける」「優柔不断」といったネガティブな印象につながる可能性もあります。

それは多くの場合、自らの考えや意見によらず、ただ周囲の状況や変化を見ながら流れのままに行動するような内容でエピソードをまとめ、協調性をアピールしているからです。

せっかく協調性をアピールしたのに、むしろ消極的なイメージに映るようでは本末転倒です。

協調性の自己PRでは「主体性が大事」である点はすでに解説しましたが、だからこそその点を改めて踏まえて、しっかり「自分が何を考え、どう行動したか?」をきちんと明確化させて、自己PRを組み立てることが大切です。

自分の行動による周囲の変化

協調性に関するエピソードを組み立てるうえで、自分の考えと行動を明示することが大切だということはすでに解説しましたが、その結果として、周囲にどのような良い変化が起こったかも必ず述べる必要があります。

周囲に起こった具体的な変化まで述べることで、それが単なる自己満足による行動ではなかったと採用担当者を納得させられるとと同時に、良い結果が伴うことで協調性があることの根拠をきちんと示せるからです。

加えて、考えと行動のみで話を結んでしまうと、どうしても尻切れトンボな印象が拭えません。「で、だから何?」という疑問が残り、説得力に欠ける内容で終わってしまいます。

自分がどのような協調性を持つ人材かをきちんと伝えるためにも、周囲に起こった良い変化は漏らさずエピソードに含めましょう。

社会や企業において協調性が活かせる場面

協調性をアピールするエピソードでは、自分の考えと行動、そして周囲への良い影響を押さえて組み立てるのが大事ですが、それに加えて社会やその企業において、その協調性が活かせる場面を考えておくことも欠かせません。

理由として、まず、強みが活かされる場面が具体的に示されることで、採用担当者は、あなたの協調性が仕事ででどう発揮され、どのような良い影響をもたらすかをイメージしやすくなります。

入社後の働きぶりや活躍の様子も描きやすくなるので、協調性が重視される社風の企業であれば、採用に向けて本格的に検討してもらえる可能性が高まります。

逆に、例えば協調性がさほど重要視されない、少数精鋭のベンチャーのような企業の担当者にとっては、「自社にそぐわない人材」と判断される可能性もあり、ミスマッチの防止につながります。

ただし、協調性がその企業でどう活かされるかは、実際にそこで働いた経験がないだけに、想像力を働かせてイメージするしかありません。

そのためには、十分な企業研究が必要です。新卒者が配属される可能性がある職種にはどのようなものがあるか、各職種の仕事内容はどのようなものかなどを、企業のホームページや採用ページなどでリサーチしましょう。

OB・OG訪問の場で、仕事で得られるやりがいや押さえておくべきポイントなど、先輩社員から体験談を聞くのも一つの手です。

自己PRで協調性をアピールする際の構成

自己PRの内容を作成するうえで押さえておくべき要素がそろったところで、次に、それらの要素をどうつなげて自己PRを組み立てていくかを解説していきます。

自己PRを作成する際に役立つのが、以下のフレームワークです。この流れで構成を整えることにより、自己PR全体がわかりやすい内容でまとまり、アピールしたいポイントが、読み手(聞き手)に伝わりやすくなります。

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では、ポイントごとの詳しい解説に入ります。

自己PRが書けない時は、自己PR作成ツールを活用しよう

自己PRの内容が薄いと、志望企業に採用されません。選考を突破するには、自己PRを作り込む必要があります。

そこで活用したいのが、自己PR作成ツールの「自己PRジェネレーター」です。
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無料でダウンロードできるので、ぜひ活用して採用される自己PRを完成させましょう。

1.まずは強みを一言で述べる

例文
私は縁の下の力持ちとして「糊」のような役割を担う人間です。チームのために自分が何をできるかを常に考え、行動することが出来ます。

上記のフレームワークを踏まえ、まずは、冒頭で自分の強みが「協調性である」という結論を述べます。結論から内容をスタートすれば、あとはその結論を補足するための説明となるので、自分が最も伝えたいポイントを漏れなく押さえて述べることができます。

ただし、「協調性があります」のみでは、抽象的すぎて印象に残りません。

印象に残るためにはあなたの協調性を的確に表現できるキャッチフレーズが必要だということは先ほど解説しました。ここでそのキャッチフレーズを用いて自分の協調性がどのようなタイプのものかをアピールし、採用担当者の興味を惹きましょう。

2.協調性を発揮したエピソードを述べる

例文
この力を発揮したのが、ベンチャー企業のインターンで多国籍チーム(韓国2名・日本2名・仏1名)で新規事業立ち上げをおこなった経験です。

自分の強み「協調性」を伝えたあとは、先ほど見つけた協調性を裏付けるエピソードを持ってきます。

エピソードを述べる際は、まず自分の協調性が発揮される前提として、どのような課題があったのかから始めましょう。その課題があったからこそ、元に自分がどう考え、どういう行動を起こしたのかを説明できます。

協調性を裏付けるためのエピソードも、「前提となる課題」→「その結果としての考え・行動」→「行動を起こした結果(影響)」という順序で述べることで、採用担当者にわかりやすく伝えることができるでしょう。

③そのエピソードにおける自分の考えと行動

例文
そこで、私は自身の語学力を活かし、彼らに現状の不満点を聞き出していきました。

すると、リーダーの指示が少し曖昧なため、何をすればいいかわからないので作業が進められないと不満を持っていることがわかりました。そこで、私は両者の間のパイプ役となり、リーダの指示をできるだけわかりやすい形で彼らに伝えるようにしました。

具体的には、言葉だけでなく、図や手書きのイメージ図を使って「作業の最終的なゴールはどこか」を彼らが把握できるように工夫しました。

次は、先ほど見つけた「課題解決のための自分の考えや起こした行動」を詳しく説明します。

例文では、この就活生が自分のできることを探してチームに働きかけたり、チーム内のコミュニケーションが促進されるようさまざまな工夫をしたことが説明されています。

こうした行動から、周囲に合わせて適切な行動を起こせるタイプの協調性を持っていることが、採用担当者に伝わります。

この例文のように、周りに流されるのではなく、自分自身が考えて行動を起こした点もきちんと押さえて説明すれば、問題の解決や状況の改善に向けてあなたが主体的に動けることがきちんと強伝わり、自社にとって役立つ人材という評価につながるでしょう。

4.周囲がどのように良く変わったのかを述べる

例文
この取組の結果、チームがまとまり、多国籍メンバーのチームでも事業を立ち上げることが出来ました。

ここでは、先ほど見つけた要素の中から「自分の行動による周囲の変化」について盛り込みましょう。

自分の協調性が改善につながったことまで述べられれば、その協調性で組織にメリットを生み出せる人材であることをアピールできます。

状況が改善されたことが述べられていなければ、「それは自分のただの思い込み、独りよがりな考えと行動に基づくもので、強みとは言えないのでは?」と、採用担当者に受け止められてしまう可能性もあります。

だからこそ協調性を発揮した結果が周囲に及ぼした良い影響はしっかりと述べ、協調性が強みであることを明確に示しましょう。

5.どうやって会社に貢献するかで締める

例文
OBの方から、貴社の上流SEは、お客様と協力会社の間を上手く取り持ちながら開発を進めていかなければならないと伺いました。貴社の下で、パートナー会社とクライアントの間の「糊」になり、システム開発を成功に導きたいと考えています。

自己PRの最後は、社会や企業において協調性が活かせる場面を絡めて、まとめます。

「自分にはこのような協調性があって良い変化を生み出せる人間である」で終わるのではなく、「社会や企業でその協調性がどう活かされるのか」まで具体的に述べられれば、採用担当者はあなたが協調性を活かして自社に貢献してくれることがより理解しやすくなります。

協調性が活かせる場面を述べることで、企業に役立つ人材であることをしっかりアピールして、自己PRを締めましょう。

協調性の自己PRの例文

ここまで、企業で必要とされる協調性のかたちや、自己PRで協調性をアピールするために必要な要素や、アピールに役立つ構成などのポイントを解説してきました。それらの内容を踏まえて、協調性をアピールする自己PR例文を3つ紹介します。

自分で自己PRを考える際に、より具体的なイメージで内容を組み立てやすくなるとともに、「まだ自分でどう協調性をアピールしたらよいかわからない」という人でも「何となく」のイメージをつかむうえで役立ちます。評価ポイントまで合わせて参考にしてください。

例文①


私の強みは、他者の意見に耳を傾けて協力していくことができる協調性です。

大学ではサッカー部に所属していました。とにかくサッカーを楽しみたい仲間が集まってわきあいあいプレーする雰囲気の弱小チームでした。

ある時期、大会を1ヶ月後に控えていたにもかかわらず、なかなかチームがまとまらず、個々のレベルや参加意識にもムラがあり、いくら弱小といえどこのままではいけないという危機感が部員の間で募っていました。

そこで私は全体ミーティングの場で、月~金の夕方におこなっていた全体練習をこの1ヶ月限定で土・日もおこなってはどうかと提案しました。部員の半数は賛成しましたが、他の半数からは反対意見が出ました。「バイトのシフト調整がしづらい」「就活の準備がある」などが主な理由でした。

そこで私は、各人の予定や都合も考慮しつつ、大会までもう1ヵ月しかない点も踏まえたうえで、「1ヶ月のみ、土日を含めて毎日夕方練習する。ただし火・木は自己参加で、参加する場合は自分の弱点強化に集中するという練習スケジュールにしてはどうか」と提案したところ、全員に受け入れられました。

意見した私本人はもちろん、ほとんどの部員が毎日練習に取り組んだ結果、大会参加への意識が高まり、苦手な技術も改善できたことで、前年度を上回る3回戦突破の成績を収めることができました。

入社しても持ち前の協調性を発揮して、さまざまな人の意見に耳を傾け、個々の置かれた立場を考慮しつつ、全員が同じ目的に向かって邁進できるよう協力することで、会社の利益に貢献していきたいと考えております。
Point:

自分の強みがどのようなタイプの協調性であるかをわかりやすく表現し、冒頭で明確に述べています。問題に対して自分が持った考えや起こした行動も、自分が持つ協調性の特徴と矛盾がない内容でまとまっています。

周囲に与えた影響、さらに入社後で活かされる場面もしっかり触れられているので、採用担当者も、就活生が謙虚な人柄を活かして人を繋いで活躍する様子をイメージしやすいでしょう。

例文②


私の強みは、複数の意見をまとめ、物事をより良い方向に進めていく協調性です。

大学ではバスケサークルのマネージャーとして、学内に5つあるバスケサークルで頂点を争う学内交流戦の優勝に貢献しました。

毎年最下位になるような弱小チームだった私たちは、最下位脱却に向けて対策を練ることにしたのですが、チームとしての連携強化メニューを増やしたいという部員と、個別メニューを増やしたいという部員で意見の対立がありました。

そこで私はマネージャーとして、「他チームの練習方法」「自チームの課題」を調査し、その調査結果に基づいて練習メニューを全員で決めることを提案しました。

きちんとしたデータに基づいて練習内容を考えた結果、連携強化と個人強化のバランスがうまくとれた練習をできるようになり、大学3年次の学内交流戦では見事2位という結果を出せました。惜しくも優勝はできませんでしたが、チームが以前より活発化しているのを強く感じます。

マネージャーとして複数の意見をまとめてきた経験を活かし、入社後はチームの調整役として積極的に働きかけ、利益に貢献できる人材になるよう尽力していきます。
Point:

協調性を裏付けるエピソードが非常に具体的な例文です。「調査結果に基づいて練習メニューを決めるよう提案した結果、バランスがとれた練習をできるようになった」という話からは、自分の働きかけがチームの成長につながったことが読み取れます。

例文③


私の強みは、柔軟な思考力でチーム全体の生産性を高められる点です。

大学時代はインテリアデザイン学科に所属していたのですが、その学科の授業では図面やパースの作成、模型製作などの作業をチームで進めるグループワークがよくおこなわれていました。大学に入るまではグループワークにほとんど馴染みがなかったので、誰も効率的な進め方がわかっておらず、当初は、作業中に手持無沙汰になる人が何人もいるようなひどい状態でした。

せっかくチームで作業しているのになかなか作業効率が上がらなかったため、私は試しに役割分担を提案してみることにしました。具体的には、図面を書くのが綺麗な人、模型を作るのが得意な人、といったようにそれぞれの強みを活かした役割分担です。

その結果、役割が曖昧なまま進めていたときよりも遥かに作業効率が上がり、ようやくチームとして作業する意味を見出すことができました。

このように私は、チーム全体の生産性を高めるための柔軟な思考力を持っています。この強みを活かし、入社後も常に効率的な作業方法を模索しながら、チーム全体の生産性を高めていきたいと思います。
Point:

協調性を「チーム全体の生産性を高められる」に言い換えてアピールした例文です。協調性だけだと強みを読み取りにくいものですが、別の言葉に言い換えることによって、どんな協調性が強みなのかよくわかります。

例文④


私の強みは、情報共有を通じて周囲と協調できる点です。

大学時代は靴屋の販売員として働いていたのですが、そこではお客様に渡す靴のサイズを間違えるというミスが頻繁に起きていました。他の店員と情報を共有しながら問題の原因を究明したところ、たとえ国内メーカーであっても、箱に印字されたサイズと中身のサイズが違うケースがよくあると判明。

箱に印字されたサイズだけを見て安心していた結果が、サイズを間違えるミスにつながっていため、全店員に周知したうえで、マニュアルにも「箱と中身のサイズが合っているか確認する」と明記するよう店長に提案しました。それ以来は、以前のように間違ったサイズをお客様に渡してしまうミスは完全になくなっています。

私はこの経験から、働くうえでは、一つの作業を複数人で協力して進める協調性だけでなく、小さな情報も全員で共有する協調性が大切なのだと気づきました。

御社においても、従業員全員がミスなくスムーズに仕事を進められるよう、気づいたことはどんどん共有していきたいと思います。
Point:

この例文では「情報共有を通じて周囲と協調できる」という協調性をアピールしています。アルバイトのエピソードでは、「なぜ協調性が自分の強みだと考えているのか」「なぜ情報共有が大切だと思うのか」が具体的に述べられています。

例文⑤


私の強みは、意見が対立し合う中で新たな道を提案し、周囲をまとめる協調性です。

農学部の所属講座で文化祭の企画を立案・実施した際、私はリーダーを任されました。企画会議では、「今人気の野菜を使ったスイーツの模擬店を出す」という意見と、「講座の研究テーマの1つであり、世間の関心も高いSDGsに関する研究発表の展示をする」という意見で二つに分かれました。

そこで私は、「どちらかにせず、SDGsと野菜スイーツ両方を活かせないか」と提案したところ、そこから更にさまざまなアイディアが出されました。それらをまとめて、最終的に「SDGsをコンセプトにした野菜スイーツの模擬店」に決定しました。

文化祭に向けて、講座で育てた野菜に、SDGsに関連のある農法で育てられた野菜も一部取り入れながらのスイーツ作りと、農業を通じてSDGsを解説した展示制作を進めました。文化祭では、ユニークなコンセプトに興味を持った多くの来場者に足を運んでいただきました。

貴社に採用していただいた暁には、個々の意見を尊重しながら周囲を一つにまとめ、チームの目標を達成に貢献できるよう頑張りたいと思います。
Point:

文化祭は、出し物の企画にしろ、イベントの運営にしろ、異なる意見が対立する場面が多くみられるため、協調性をアピールするには良い題材です。

協調性に関する特徴と、就活生の考え方、行動、周囲に及ぼした良い結果、そして入社後に発揮される場面と、いずれも内容がマッチしていてバランスが取れています。

協調性は自己PRで使える! だからこそ工夫をこらして刺さる内容にしよう

協調性は自己PRのテーマにしやすい強みの一つなだけに、伝え方を工夫しないと、他の就活生の自己PRと大差ない内容で、採用担当者にはありきたりな印象で受け止められてしまうリスクがあります。

協調性にもいろいろなかたちがあります。まずは自分に備わった協調性のかたちは何かを突き止めるのが先決です。

それを軸に、まずは協調性の自己PRで必要な5つの要素を準備しましょう。

そしてそれら5つの要素を解説した構成のフレームワークに沿って配置していくだけで、協調性をアピールできる自己PRがスムーズに組み立てられます。

ぜひ本記事の内容を参考に、採用担当者に刺さる協調性の自己PR作成にチャレンジしてみてください。

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