面接で「自分の長所と短所」を聞かれたら?的確な答え方を例文付きで解説

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採用面接のなかで、「あなたの長所はなんですか?」「長所と短所を教えてください」と質問されることは珍しくありません。

回答の準備をしていないと、質問があった際に、特にエピソードの無い思いつきの回答をしてしまったり、なかなか答えられなかったりする場合もあります。

ここでは、長所や短所を質問する理由や、答え方について紹介します。

採用担当者が長所と短所を質問する理由

会社の社風がマッチしているか知るため

企業が長所や短所を質問する大きな理由の1つは、学生が自社の社風とマッチしているかどうかを判断するためです。

いくら優秀な学生であったとしても、社風に合わなければ会社に馴染めず、円滑な業務遂行が難しくなります。最悪の場合、早期退職の原因となってしまうことも。そのため、採用担当者は学生と社風の相性を重要視するのです。

社風との相性を伝えるには、選考を受ける企業の雰囲気に合わせて、伝える内容を考えることが重要です。例えば、主体性を重んじる企業では、行動力のある学生は高く評価され、優柔不断という短所は致命的になりかねません。

OB訪問や会社説明会に参加し、会社の雰囲気を把握してから、社風と相性の良い長所とマイナス評価に繋がりにくい短所の組み合わせを見極めるようにしましょう。

自分を客観的に把握できているか知るため

自分の短所・欠点を認めることは組織で働くためには大切です。上記でも述べているように、企業に勤める場合、1人ではなくチームで仕事をします。自分の短所を把握している人は、苦手な部分はフォローしてもらうなどして協力し合いながら仕事を進められます。

そのため、自身の長所・短所を客観的に理解できている人は、「入社後も仕事をするうえで自分の課題と向き合い働ける」と評価されます。

自分の短所を素直に認められるかどうかを、企業はこの質問を通じて確認しようとしています。性格検査の結果と照らし合わせて質問される場合もあるので、嘘・誇張は辞めましょう

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面接で長所と短所は何と答えた?就活の先輩の回答を大公開

2021.07.30

長所と短所が分からない人は自己分析から始める

企業が長所と短所を質問する理由を紹介しました。
しかし、自分の長所や短所がわからないという人もいるのではないでしょうか。
そこで、ここでは長所と短所の見つけ方を4つご紹介します。

自分史の作成

自分史とは、自分の過去から今までの経験をまとめたもの、言わば自分の人生の記録です。

自分史と言われると難しく感じるかもしれませんが、自分の過去の経験をリストアップしてまとめるだけなので難しく考える必要はありません。過去の出来事をきれいにまとめることが目的ではなく、あくまでも自分の大切にしている価値観や性格を探るためのものです。

具体的には、小学校・中学校・高校・大学の各年代別に、当時頑張っていたことや熱中していたこと、人間関係や印象に残っている思い出などを書き出す作業です。

過去を振り返り、思い出を書き出すことで、自分がどんな考えを持って行動する特性があるのか、どんな状況でどんな感情になりやすいのか、行動や感情のパターンが見えてくるでしょう。

自分の感情・行動パターンが分かれば、あとは簡単です。一言で表しましょう。例えば、行動力や集中力、短気やマイペースなどです。

自己分析では過去の出来事を振り返り、自分の行動や感情パターンを見つけることで自分の長所や短所も分かるのです。

マインドマップの作成

マインドマップ

マインドマップ

マインドマップとは、頭の中で考えていることを書き出すことで、思考を整理したり発想力を高めたりするための手法です。

書き出すための紙とペンさえあれば、いつでもどこでも簡単に作業ができます。

マインドマップでは、まず中心にテーマやキーワードとなる単語を置きます。ここでは自己分析をおこなうので、「自分」と書きましょう。そして、そこから関連する言葉やイメージする単語を、思いつくままに放射線状に繋げていってください。例えば、自分⇒趣味⇒サッカー⇒身体を動かす⇒爽快感…のように自由にどんどんと掘り下げていきましょう。

この場合、長所になりそうなものとして、人との関わりや負けず嫌い、短所とかんがえられそうなものとして、感情で動きがちなことや、こだわりが強いなどが考えられますね。

ライフラインチャートの作成

ライフラインチャート

ライフラインチャート

ライフラインチャートとは、自分の過去の経験と満足度の関係をグラフで表したものです。

横軸に時間軸、縦軸に幸福度を設定して、過去の出来事に対する感情の起伏を見える化することで、自分の価値観やモチベーションの根源を探ることができます。

強く印象に残っている経験や転換期となったような出来事などを思い出して時系列で書き出し、その時々の幸福度を考えて、最後にそれぞれを曲線で繋いでみましょう。

そして、各出来事において、なぜ幸福度が高いのか(低いのか)を掘り下げることで、自分の長所や短所、大切にしている軸が見えてきます。

あくまでもあなた自身を分析するためのものなので、世間的な評価や他人の考えに流されることなく、自分なりの指標で幸福度を考えることがポイントです。

過去を振り返る点では、自分史と同じですね。自分史と同じように、幸福度が低いとき高いときの理由を深堀しましょう。なぜ幸福度が高いのか、なぜ幸福度が低いのか、なぜを繰り返すことで、自分の感情や行動の共通点や特徴が分かり、長所・短所を見つけられます。

自己分析ツールの使用

自己分析に使える手法をいくつか紹介してきましたが、あなたの人間性を客観的に分析してくれる自己分析ツールを利用するのもおすすめです。

最近では無料で利用できるサービスも非常に多く、簡単な質問に答えていくだけで、あなたの性格や長所・短所を分かりやすく言語化して、データとしてまとめてくれます。さらには、あなたに向いている業界や職種を提示してくれるものも。

ただし、1つの自己分析ツールだけを信用しすぎることがないように注意してください。特に質問数が少なく、短時間で自己分析がおこなえるようなサイトは、正確なデータが得られる可能性が低くなります。必ずしも正確な診断結果が出るわけではないということを念頭に置き、複数のサイトやアプリを利用して、複合的に判断するようにしましょう。

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長所と短所は表裏一体で回答する

長所と短所には、表裏一体の関係となるものが多くあります。そのため、長所と短所を同時に質問された場合は、行き過ぎた長所を短所として説明したり、短所をその裏返しとなる長所で補足してアピールしたりすることも可能です。

例えば、「私の長所は責任感が強いところです。ただ、慎重になりすぎることもあります。」のように回答すれば、シンプルに長所と短所が伝わりやすく、それぞれが矛盾してしまうことも避けられます。

もちろん、必ずしも表裏一体の関係にあるものを選ぶ必要はなく、長所と短所を別々に回答しても問題ありません。ただし、ある程度繋がりのあるものを選ぶ方が、話のまとまりがよくなります。また、長所や短所が思いつかない場合にも有効な手段なので、1つのテクニックとして覚えておくようにしましょう。

表裏一体となる長所と短所の例をいくつか紹介しますので、参考にしてみてください。

長所・短所表

長所・短所表

長所と短所の伝え方

長所と短所がわからないと思っていた人も、見つけ方や考え方について把握できたかと思います。
ここからは、見つけた長所、短所の伝え方を解説します。

長所:長所を発揮したエピソードとセットで伝える

長所だけを答えても説得力がありません。長所をアピールする時は「長所を発揮したエピソード」とセットで答えるようにしましょう。

「長所を発揮したエピソード」をあわせて答えると、説得力のある回答になります。エピソードとセットで伝えることで、あなたの長所が仕事にどう役立つか面接官がイメージしやすくなるのです。

短所:理解・対策していることを述べる

自分の短所を理解し、対策していることを伝えましょう。

自分の短所を認め「その短所に対してどんな工夫をしているか」を述べてください。

たとえば、「せっかちでよく計算を間違える」が短所なら「他人に二重チェックをしてもらう」「重要な作業はチェックリストをつくり抜け漏れを防ぐ」のように、『具体的な対策案』を伝えます。

短所に対する日頃おこなっている対策を述べることで、短所を理解していることが伝わります。

面接で「長所と短所」を聞かれた時の回答例

長所と短所の回答例を紹介します。参考にしてください。

例文①【長所:継続力】

例文

私の長所はコツコツと努力を継続できる点です。

大学1年生から1日30分の英語学習を毎日続け、地道に努力を続けてきました。また、授業のスキマ時間や電車の移動時間も上手く活用して学習を進めた結果、最初は420点しかなかったTOEICを805点まで伸ばすことができました。

このように小さな努力を積み上げていけるのが私の長所です。

一方で、短所は、新しいことをはじめるのが少し苦手な点です。

長く続ける前提で考える癖があるため、なかなか新しいことに乗り出せないところがあります。興味があるのに、始められていないことがいくつかあります。この短所を克服するため「気軽にできるところからスタートする」を心がけるようにしています。

たとえば、運動をゼロから始めるのは大変なので、今は「1日10分の散歩」にチャレンジしています。

【評価ポイント】
長所と短所が表裏一体していますね。

長所においては、コツコツと努力をした結果である「TOEICを805点まで伸ばすことができた」と成果も記載されています。結果が伴っていることで、長所の信憑性が高くなります。

例文②【長所:スピード感のある行動】

例文

私の長所は行動力があり、スピード感をもって作業を進められることです。

私がホールスタッフのアルバイトをしていた飲食店では、ピークタイムにスタッフの手が回らなくなることが多く、注文待ちのお客様からクレームをいただくこともしばしばありました。そこで、私はホールの状況を注意深く観察し、常に先を読んで早めの行動を心掛けました。さらに、自分の気付きや工夫をマニュアル化して、他のスタッフに共有しました。その結果、お客様からのクレームは減り、お客様の回転率も向上したことで店の売上アップに貢献できました。

一方で先を急ぐあまり、小さなミスの増加や、必要のない作業をすることが私の短所です。アルバイトでもケアレスミスの多さを指摘されたこともありました。そのため、作業後に再度確認をすることでミスを減らし、報連相を細目におこない効率よく仕事を進めることを意識しています。

【評価ポイント】
主体的となって取り組んでおり、なおかつ取り組み内容が細かく記載されているので採用担当者もイメージがつけやすいです。また、スピード感の長所とケアレスミスの短所は長所と短所が表裏一体となっているので、信憑性もあります。

改善点は、具体性をもたせることです。スピード感とあげているので、どのくらいの期間でこれらを取り組んだのか、その他だと、クレームはどのくらい減ったのか、お客様の回転率はどのくらいアップしたのか、お店の売上はどのくらい伸びたのか、数字を用いて具体的に伝えられると、アピールにも繋がります。

例文③【長所:継続力】

例文

私は責任感が強く、一度始めたことは最後までやり遂げることができます。一方で、何でも自分ひとりで抱え込んでしまうのが短所です。

私は大学時代にバレー部に所属していましたが、サーブの成功率がチーム内で最低でした。サーブミスはそのまま失点となってしまうため、サーブを安定させることは試合結果に大きく影響します。

そこで、相手の陣形を崩せるようなサーブコントロールを身に付けるため、毎日サーブ100本の自主練習を課しました。そして、最後の公式試合を終えるまで、1日も欠かさずやり遂げました。その結果、成功率はチーム内でトップ3に入り、サービスエースの回数はチームトップとなりました。

一方で、当初はサーブについて1人で悩んで、練習方法を自分で考えようとしてしまっていました。しかし、監督やチームメイトからもっと頼ってほしいと言われ、相談に乗ってもらったり、練習に付き合ってもらったりと、色々と助けられました。この経験から、自分ひとりで責任を負いすぎるのではなく、もっと周りを頼って物事を進められるように心がけています。

【評価ポイント】
面接では話す内容も大切ですが、聞き手が理解しやすいように構成を考えることも重要です。特に結論を先に述べることは意識しましょう。

例文では、まず最初に自分の長所と短所を伝え、関連するエピソードで上手く自分の主張を補足しています。

さらに、サーブ練習という1つのエピソードの中で長所と短所を説明することで、分かりやすくまとめられています。

長所と短所が分からない人は自己分析をして表裏一体となる回答を作成しよう

長所と短所が思いつかないという悩みは、就活生の永遠のテーマとも言えます。どちらか一方はすぐに思いつくけど、もう一方が中々見つけられないという人も多いのではないでしょうか。

内閣府が若者1,000人を対象に調査した「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(平成30年度)」の第2部 調査の結果第1章人生観関係
には、「自分には長所があると感じている」という設問に対して、37.7%が「そう思わない」と回答していることがデータとして記載しています。

しかし、人間誰もが長所や短所を持っているものなので、思いつかないからといって焦る必要はありません。しっかりと自己分析をして自分自身を見つめ直すことで、自分の強みや弱みに気付くことができるはずです。長所か短所が1つでも見つかれば、そこから派生させて導くこともできます。

出来る限り多くの長所と短所を見つけて、志望企業にマッチした回答を作成するようにしましょう。

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