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就活の面接では「好きな言葉は何ですか?」と質問されることがあります。その場合、たとえ「好きな言葉」があったとしても、それが回答として適切な内容かどうか判断に困るのではないでしょうか。
ましてや「好きな言葉」がない人なら、どう回答すればよいかわからず面食らってしまう可能性もあります。
とはいえ、「わかりません」「回答は差し控えます」などと答えるわけにもいかないので、どのように対応して高評価につなげられるかがポイントです。
そこで、「好きな言葉は何ですか?」が質問される意図や、的確な答え方を例文付きで徹底的に解説します。
記事を読めば、「好きな言葉は何ですか?」という質問に、慌てずに適切な回答を返して、高評価につなげられるようになりますよ。
【質問の意図】なぜ面接官は「好きな言葉」を質問するのか?
そもそも面接官が「好きな言葉」を質問するのは、どのような意図からでしょうか。
面接官の意図が理解できれば、その意図に沿って的確な回答を準備して高評価や好印象につなげやすくなり、面接突破の確率を少しでも高められます。
2つのポイントで、「好きな言葉」がたずねられる理由を解説します。
1.就活生の価値観・こだわりを知りたい
リクルートの調査によれば、企業が採用において一番重視するのは「人柄」です。学生の人柄を最も知りたいと考えているのです。
「どんな言葉が好きなのか?」には、その人の価値観・人柄が現れます。たとえば「やらない後悔より、やる後悔」が好きな人と「石橋を叩いて渡る」が好きな人では、価値観が全く違いますよね。このように「好きな言葉」は、その人の人柄を映す鏡なのですね。
だから、企業は面接で「好きな言葉」を聞き、就活生の人柄・価値観を知ろうとしているのですね。
2.就活生の価値観が形成された経緯を知りたい
学生の価値観がどのような過程で形成されたのか?も企業は知りたいと考えています。ただ「私の好きな言葉は「継続は力なり」です」とだけいっても、「なぜそうなったのか?」がわからなければ意味がありませんよね。
単に好きな言葉を知りたいだけでなく「どうしてそれが形成されたのか?」その経緯を知りたいと考えています。
面接で「好きな言葉」を質問された時の回答例
私の好きな言葉は「継続は力なり」です。
小さな努力を日々積み上げることが、大きな成果につながると信じているからです。
大学から始めた空手も、最初は練習にすらついていけないレベルの実力でしたが、日々、他のメンバーがやらない自主筋トレ・自主稽古・出稽古を続け、最終的にはチームの中で唯一の入賞者になることができました。
この経験から、たとえすぐに結果が出なくても、努力を続けることが成功を生むことを学び、「継続は力なり」と信じるようになりました。
上記の例文をもとに、面接で「好きな言葉」を聞かれた場合の回答の作り方を解説します。的確な回答をするうえでの参考にしてください。
1.まずは好きな言葉を述べる
私の好きな言葉は「継続は力なり」です。
「好きな言葉」に限らず、どのような質問にも共通することですが、まずは結論から始めましょう。自分の「好きな言葉」は何かをはじめに答えておくことで、最も肝心なポイントを忘れずに伝えることができます。
結論から始めれば、あとはその言葉が好きな理由などの補足となるので、順序立てて話しやすくなります。
2.その言葉が好きな理由を伝える
小さな努力を日々積み上げることが、大きな成果につながると信じているからです。
「好きな言葉」を伝えるだけでなく、「なぜその言葉が好きなのか?大事なのか?」という理由も併せて説明しましょう。その言葉が好きなのには、何かしら自分の価値観と共鳴する部分、「自分もそうありたい」など心に引っかかるものがあるからです。
好きな理由が明確に述べられていれば、面接官が知りたいと思っているあなたの人柄・価値観もより明確に伝わります。
先ほど解説した通り、人柄や価値観は仕事への取り組みや人・組織に対する姿勢などに影響する大事な要素です。
3.「好きな言葉」を意識して行動したエピソードがあれば併せて述べる
大学から始めた空手も、最初は練習にすらついていけないレベルの実力でしたが、日々、他のメンバーがやらない自主筋トレ・自主稽古・出稽古を続け、最終的にはチームの中で唯一の入賞者になることができました。
この経験から、たとえすぐに結果が出なくても、努力を続けることが成功を生むことを学び、「継続は力なり」を常に心にとどめておくようになりました。
「好きな言葉+好きな理由」だけでは、どうしても薄っぺらい回答になってしまいます。
たとえば、「私の好きな言葉は『継続は力なり』です。小さな努力を日々積み上げることが、大きな成果につながると信じているからです。」
これだけだと、単なる「建前感」がありますよね。悪くはありませんが、誰でも言える内容でもあります。
この回答をより良いものにするには、「好きな言葉にもとづいて行動したエピソード」を加えることです。例文のように、エピソードを加えると、実感のこもったより良い回答になります。
また、具体的に行動する様子を伝えることで、あなたの人柄もアピールできるでしょう。
その言葉に基づいて行動したエピソードやそこから学んだことがあれば、必ず併せて説明するようにしましょう。
個人の思想で採否決定することはタブーとされる
注意すべきこととして、現在では、応募者の適性や能力に基づいた公正な採用選考が推進されています。厚生労働省の公正な採用選考の基本では、本人の責任のないもの、個人の思想信条への質問は、配慮すべき質問事項とされています。
尊敬する人や、座右の銘、政治、思想に関する質問は、個人の思想信条の自由とされているので、面接でこれらについて質問をして採否決定をすることは、就職差別につながります。
個人の思想を問う質問をする企業はほとんど無いと考えられますが、もし志望企業で質問されたときは、選考をそのまま受け続けるのか、就活生が企業を選択する判断基準にしたほうがいいでしょう。
【39点以下は危険度MAX】
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「好きな言葉」とはどんなものを答えればいい?
ここで気になるのが、「好きならどのような言葉でもいいのか?」というポイントです。
単に「好きだから」という理由でやみくもに言葉を「好きな言葉」を紹介したところで、それが必ずしも高評価や好印象につながるとは限りません。
では、どのような言葉なら回答としてふさわしいのでしょうか。適切な言葉を判断するうえで役立つ判断基準を3つのポイントで紹介します。
①自分の行動の基準になっているもの
面接官が「好きな言葉」を通してあなたの価値観を探ろうとしています。そのため、自分の性格や人柄が見えるように「自分の行動や判断、価値観の基準になっている言葉」を選んで伝えるのがポイントです。
具体的には、いくつか気になる言葉をピックアップしたうえで、その中から「実際にその言葉に基づいて行動したことがある」ものを好きな言葉として1つ選ぶのがおすすめです。
②企業の社風に沿ったもの
好きな言葉が複数ある場合は、その中から企業の社風にマッチすると思われるものを選んで紹介するのも有効です。
面接で企業側が「好きな言葉」をたずねる理由の1つが、好きな言葉から伝わる人柄や価値観を通じて、就活生が自社の社風や企業理念にマッチした人材かどうかを判断することです。
そのため、「好きな言葉」が、志望企業の社風や企業理念に沿ったものであればあるほど、自社にふさわしい人材であるという評価へとつながり、採用される可能性が高まると考えられます。
③自分の強みや性格に関連したもの
「好きな言葉」を的確に選択するうえで考慮すべきもう1つの重要なポイントが、自分の強みや性格とのかかわりがあることです。
面接やES(エントリーシート)では、自己PRやガクチカなどを通じて自分の強みや性格をアピールします。その際、アピールポイントが複数にわたると、いずれのポイントも内容が薄くなり、最も強調したい強みや人柄が面接官に伝わりにくくなる恐れがあります。
本当に伝えたい強み・人柄に的を絞ってアピールすることが重要です。
さらに、面接とESの両方で首尾一貫した内容をアピールするためにも、「好きな言葉」を選ぶ際は、「自分が最も伝えたい強み・人柄」とのつながりが明確な言葉になるよう心がけましょう。
面接で答えるべき好きな言葉のジャンル
ここまでで、「好きな言葉」を的確に選択する判断基準となるものがわかったものの、具体的なアイディアが浮かばない人も多いことでしょう。
「好きな言葉」にもさまざまなジャンルがあることを押さえておけば、自分が好きな一言が見つけやすくなります。
「好きな言葉」にはどのようなジャンルがあるのか、それぞれのメリットや例も含めて一つひとつ解説していきます。
単語
文字通り、「漢字2文字」などの短い一言で構成された短い言葉です。単語はすっきりと簡潔に伝えられるのがメリットです。
一方、簡潔なだけに幅広い意味合いがある言葉の場合は意味が絞り込みづらく、説明が不十分だと、面接官に間違って理解される恐れがあります。なぜその単語が好きなのか、どういった意味合いがあるのかなど、きちんとした解説が必要です。
・信頼
・努力
・夢
・希望
・創造
ことわざ
有用な知識や教訓などを伝えるために、昔から言い伝えられてきたのが「ことわざ」です。ことわざは種類が多いので選択肢が豊富です。単語とは異なり意味合いや用法も明確で、よほど特殊なことわざでもない限り、説明の際もさほど言葉は必要ありません。
それだけに、意味や用法を間違えて使用した場合は、知識の欠如や準備不足を露呈することにもなりかねず、注意が必要です。特にネガティブな意味合いを持つことわざを紹介する場合は、プラスの意味合いに受け取ってもらえるよう、しっかり解説しましょう。
・千里の道も一歩から
・待てば海路の日和あり
・人事を尽くして天命を待つ
・鶏口となるも牛後となるなかれ
・雨だれ石を穿つ
四字熟語
文字通り、4文字の漢字で構成された熟語です。名詞や社会通念、教訓、知識を伝えるものなど、意味合いや用途の違いによって多種多様な四字熟語が存在するので、豊富な選択肢の中から自分の気に入ったものを「好きな言葉」として選べます。
四字熟語は意味合いが明確なため、これもさほど説明は必要ありません。ただし、一般的ではない四字熟語を「好きな言葉」として取り上げる場合、意味の説明だけでかなりの時間が割かれる恐れがあるため、説明に手間取らないよう周到に準備しておきましょう。
・一念発起
・粉骨砕身
・初志貫徹
・泰然自若
・先手必勝
偉人の言葉
過去に偉大な業績を成し遂げた人物、あるいは現在進行形で活躍している有名人などが語った言葉も「好きな言葉」として使用できるジャンルです。著名な人物が語った言葉の場合、その人物の人柄や生き方なども絡めながら伝えられるため、面接官側もイメージも膨らませやすいのがメリットです。
一方で、単語や指示熟語と違って長い言葉になりやすく、言葉遣いや意味合いを間違えて使った場合は、自らの認識・知識不足を露呈することになります。
それだけに、誰がどのようなシチュエーションで、どのような意味を込めて語ったかのか、背景事情をしっかり押さえておくことが肝心です。
・僕の才能が何かと考えたとき、それは伸び幅なのかと思いました。(大谷翔平)
・万策尽きたと思うな。自ら断崖絶壁の淵に立つ。その時はじめて新たなる風は必ず吹く。(松下幸之助)
・何事も、成し遂げるまではいつも不可能に見える。(ネルソン・マンデラ)
アニメや漫画・映画のセリフ
アニメや漫画、映画のセリフは名言の宝庫です。たとえ空想上の人物であっても、主人公や脇役などがそれぞれの生き様や信念を通じて語ったセリフには、人の心を揺り動かすパワーがあります。
特に面接官側も事前に知っている作品からのセリフの場合、ストーリーも絡めて容易にイメージを膨らませてもらえる可能性が高いのがメリットです。
ただし、偉人の言葉と同様に言葉や意味合いを間違えて使用すると、知識・認識不足を露呈する結果になります。一字一句正確に再現する必要はありませんが、事前に作品名や語った人物、言い回しなどをしっかり確かめておきましょう。
また、面接官側がその漫画やアニメ、映画を知らなかった場合は、作品の説明が必要になるでしょう。話が冗長にならないよう注意が必要です。
・生殺与奪の権を他人に握らせるな。(『鬼滅の刃』富岡義勇)
・才能は開花させるもの、センスは磨くもの。(『ハイキュー!!』及川徹)
・人生はチョコレートの箱みたい。食べるまで中身は分からない。(『フォレスト・ガンプ』 フォレスト・ガンプ)
歌詞
自分が好きな歌の歌詞も『好きな言葉』として取り上げやすい言葉です。歌詞は限られた文字数の中で選りすぐった言葉を紡いで作り上げたものだけに、心に深く残る言葉が多く見つかります。
特に著名な歌手が歌った曲の歌詞の場合は、その歌手がもたらす印象も絡めてより明確なイメージが面接官に伝わる効果が期待できます。
有名な映画や漫画のセリフの場合は、ストーリーとの関連性で、聞き手に意味合いやイメージが伝わりやすいのがメリットです。一方、歌詞の場合は、有名な曲ならまだしも、聞き手が知らない曲の場合、具体的な意味合いが伝わりにくい可能性があります。
また、歌詞の言葉を間違えて伝えると、本来自分がその歌詞に込めて伝えたかった意味合いとは間違って解釈される可能性もあります。
以上のような理由から、歌詞を「好きな言葉」に選ぶ場合は、事前に言葉や意味合いをしっかり確認して記憶しておきましょう。
・闘う君の唄を 闘わない奴らが笑うだろう ファイト!(『ファイト!』中島みゆき)
・僕らは未来のため生きてるんじゃない 今だけの大事なことだってあるはず(『Ready To Fly』嵐)
・過去の自分が今僕の土台となる(『キミシダイ列車』ONE OK ROCK
身近な人から言われた言葉
家族や友人、先輩など、身近な人から語られて、心の支えになっている言葉や人生の指針になっている言葉も、「好きな言葉」として取り上げるのに相応しい内容です。誰かからの受け売りではない、あなた自身のオリジナルな言葉として、説得力と好感をもって受け取られるでしょう。
ただし、身近な人の言葉であっても、あいまいな記憶に基づいて「好きな言葉」として紹介した場合、不明瞭な説明になってしまう恐れがあります。
誰がどのような状況でその言葉を語ってくれたのか、その言葉がその後どう自分の支えになっていたのかを、きちんと整理したうえで紹介するようにしましょう。
・何もしないで後悔するよりも、行動してから後悔するほうが絶対にプラスになる
・他人からどう見られるかじゃなくて、自分がどう思うかが大事)
・誰かを尊敬できる人ほど成長できる
好きな言葉がわからない…そんな人の探し方
ここまでで「好きな言葉」の適切な見極め方や各ジャンルについて解説してきましたが、それでも自分の「好きな言葉」が何か思い当たらない人もいることでしょう。
でも、心配する必要はありません。「好きな言葉」がわからなければ、今から見つければよいだけです。「好きな言葉」を見つけるために役立つ3つの探し方をご紹介します。
①本や映画を読む
「好きな言葉」を見つけるうえで有効な方法の一つが、本を読んだり映画を鑑賞したりすることです。
本や映画には印象的な表現やセリフが多々出てくるので、その中で特に心に残った内容をピックアップして、「好きな言葉」として紹介するとよいでしょう。
本や映画は、あれこれ手を広げると時間がかかるため、自分が好きな作家や監督・俳優の作品、好きなテーマ・ジャンルに絞るほうが、もともと思い入れがあり、共感もしやすいため、「好きな言葉」を見つけやすいでしょう。
読むべき本や鑑賞すべき映画が分からない場合は、話題作やロングセラーなどからピックアップするのがおすすめです。
②強みに関連する言葉を調べてみる
前述のとおり、面接官が「好きな言葉」をたずねるのには、就活生の強みを把握したいという狙いもあります。
そこで、自分の強みに関連している言葉にはどのようなものがあるかをリサーチし、その中から特に強く印象に残ったものを好きな言葉として挙げるのも1つの手です。
この方法であれば、本や映画に目を通すよりも時間をかけずに好きな言葉を見つけられる可能性が高いので、おすすめです。
たとえば、自分の強みが「チャレンジ精神に富む」であれば、「チャレンジ精神 ことわざ」「チャレンジ精神 四字熟語」などの言葉でインターネット検索してみましょう。該当する語句が続々と見つかるはずです。
③有名人の名言を調べてみる
一定の分野における成功や貢献、業績などで知られる有名人の言葉をリサーチして、特に心に残ったものの中からピックアップするのも、「好きな言葉」を見つけるうえで手っ取り早い方法です。
たとえば、現在進行形で活躍しており、誰もが知っているスポーツ選手などの言葉は説得力があり、面接官の共感も得やすいでしょう。
気になる有名人がいれば、「人物名 名言」などのキーワードでインターネット検索してみるとよいでしょう。どの有名人かが絞り込めていない場合でも「有名人 名言」などのワードで検索してみれば、続々と検索結果にヒットするはずです。
面接で好きな言葉を質問された時の答え方
ここで、面接で「好きな言葉」を質問された際の回答例を、解説を交えながらご紹介します。
本番で実際に「好きな言葉」を尋ねられた際、各ジャンルでどのようなポイントを押さえて対応したらよいかが分かるので、ぜひ参考にしてください。
単語「勇気」
私の好きな言葉は、「勇気」です。
大学入学当初、私は「引っ込み思案」でした。
私自身を変えたいと思って、人前に出る機会の多い文化祭実行委員会に参加しました。
委員会の活動において、「勇気」を持って人前に出たり、積極的に意見を提案するなどして、引っ込み思案な自分を変えることができました。
なぜ「勇気」という言葉を好きになったのか、実体験を交えて経緯をきちんと伝えることができています。さらに、その言葉をもとに行動を起こして自分を変革できたというエピソードを通じて、説得力がある内容にまとめられています。
単語「信頼」
私の好きな言葉は、「信頼」です。
私は野球部において、捕手としてプレーしていました。
投手を上手くリード出来なかった時に、私と投手でどのようなピッチングをしたいのか話し合いました。
私はそこで「信頼」関係を作りました。
その後、投手は私の出すサインに対して自信を持って投球するようになり、結果としてバッテリーが機能するようになりました。
この経験から私は人と何かをする際には信頼関係が大切なのだと学びました。仕事も人とすることがほとんどなので、この言葉を胸に留め、信頼関係を築き合いながら仕事に励みたいです。
「信頼」を意識して行動し、結果に反映させられた経緯を、具体的なエピソードを通じてしっかりと説明できています。冒頭で結論を述べたうえで、経緯および結果を順序だてて簡潔にまとめているので、論理的な思考・説明力の証明にもなっています。
ことわざ「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」
私の好きな言葉は、「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」です。
本当に賢い人物ほど、謙虚な姿勢を取るという意味に惹かれて、この言葉を好きになりました。
自分自身が成長するために、常に謙虚な姿勢を保ち続けたいと思っています。
結論およびそれを補足する背景理由がとても簡潔にまとめられた回答例です。短いながらも、「人を尊敬できる」「成長意欲が強い」などの就活生の人柄や強みが十分に伝わっている点が評価できます。
ことわざ「縁の下の力持ち」
私の好きな言葉は、「縁の下の力持ち」です。
私は自らが先頭に立って全体を引っ張っていくよりも、見えない部分で周囲をサポートするほうに喜びを見いだすタイプなので、この言葉に深い共感を覚えます。社会人になっても、自分の強みを発揮して、周囲の人々や組織の成功・成長の役に立ちたいと思っています。
好きな言葉を通じて自分の人柄・強みをしっかりと打ち出せています。入社しても周囲や組織を盛り立てて活躍できる人材という期待感も感じさせるので、面接官からは好印象を持たれるでしょう。
四字熟語「初志貫徹」
私の好きな言葉は、「初志貫徹」です。
私は、サッカー部の活動のおいて「県大会優勝」という目標を掲げ、常に意識していました。
残念ながら優勝には至らなかったものの、この目標を意識しながら最後まで戦い抜いたので、悔いなく部活動を全うすることができました。
以後、「初志貫徹」という言葉は私の中で大切な行動原理になりました。社会人になっても、何事も初志貫徹で取り組んで行きたいと思っています。
何かを始めたら最後まで全うする姿勢は、社会人として高く評価される資質です。その資質を自分の強みとして、「初志貫徹」という好きな言葉と実体験を通じて、上手に表現できているといえます。
入社しても、責任をもって仕事に取り組んでくれる人材、長く活躍してくれる人材という期待感にもつながるでしょう。
四字熟語「局面打開」
私の好きな言葉は「局面打開」です。
私は元来打たれ弱い性格で、何か問題があると諦める、困難を回避しようとする傾向がありました。しかし、自分が尊敬するスポーツ選手がこの言葉を好きな言葉に掲げていたことを知りました。以後は困難や課題に直面した際は、この言葉を意識して行動するよう心がけています。
これからも「局面打開」を掲げ、最後まで諦めずに進んでいきたいと思います。
あえて本来の自分の弱さを引き合いに出しつつ、「好きな言葉」をきっかけに意識が変わっていったというエピソードを通じて、実直な人柄が効果的に伝わってきます。
入社後に問題や困難に直面したとしても、誠実かつ真摯な姿勢で仕事に取り組める人材といった高評価にもつながるでしょう。
偉人の言葉「成功とは与えることなり」
私の好きな言葉は、ヘンリー・フォード氏の「成功とは与えることなり」です。
10代の頃にこの言葉に出会い、それまでの成功のイメージが大きく覆されました。それからというもの、自分が利益を得るよりもむしろ人に何かを与える、贈ることができるほうが本当の成功である点を価値観の中心に据えて考え、行動してきました。
一人ひとりが、自分のことも大事にしつつ、他者の利益や幸福を追求することで、自分自身の仕事や人間関係、生活、さらには社会全体がより良い方向へと変えられていくものと確信しています。
自分の価値観のコアにあたる部分を、「成功とは与えることなり」であることを明確に表現できています。
自分以上に他者の利益を優先させるという考え方は、社会人として大切な姿勢なので、面接官にも好印象を持って受け止められるでしょう。
偉人の言葉「時計を見るな」
私の好きな言葉は、トーマス・エジソン氏の「時計を見るな」です。
なぜ私がこの言葉を好きになったかというと、時間を気にしているようでは良い仕事ができないことを端的に表しているからです。
エジソン氏のように何かの分野で一歩抜きんでる、優れた業績を収めるためには、こうした、わき目もふらず、ひたむきに物事に取り組む姿勢が重要であると考えます。
「時計を見るな」というインパクトのある言葉を冒頭に持っていくことで、「この先で何を言いたいのだろう」という聞き手の興味喚起の効果が出ています。
説明を通じて言葉の意味する内容や理由が明確に説明されている点も、端的にまとめられた回答として評価できます。
アニメや漫画・映画の名台詞「やりたいことを思いっきりやるためには、やりたくないこともおもいっきりやんなきゃいけないんだ」(『ちはやふる』駒野勉)
私が好きな言葉は、「やりたいことを思いっきりやるためには、やりたくないこともおもいっきりやんなきゃいけないんだ」です。
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受験勉強に疲れていたころに漫画を読んでこの言葉に出会い、「好きなことに集中するためには、嫌いな物事からも逃げてはいけないのだ」という貴重な人生の教訓を学びました。
以後、私の大切な行動原理の一つとなっています。
一見月並みな表現の言葉を通じて、人生における奥深い教えを学んだ体験が伝わってくる内容です。
社会人としての責任を果たしつつ、仕事にもしっかり取り組んでくれるであろう誠実な人柄に期待を感じさせる内容としてまとめています。
歌詞「ダメじゃないよ僕たち 終わらせんな可能性」(『可能性』サンポマスター)
私が好きな言葉は「ダメじゃないよ僕たち 終わらせん可能性」で、サンボマスターというバンドが歌っている『可能性』という曲の一節です。
この一節を、落ち込んだ時などに心に言い聞かせることで自分を奮い立たせています。
どのような困難や課題に直面しても、この言葉に励まされながら、新たな希望や可能性を信じて前進したいと思わされます。
好きな歌詞の一節を通して、「困難にも諦めない」「忍耐強い」などの人柄が伝わるようまとめられています。
忍耐強さや打たれ強さは社会人として重要な資質であり、困難や課題を通して成長し、長く活躍してくれる人材というポジティブなイメージにつながるでしょう。
家族の言葉「習うよりも慣れろ」
私の好きな言葉は、父がずっと言っていた「習うよりも慣れろ」です。なぜなら最も自分を成長させてくれる言葉だからです。
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私は大学生の頃から、貿易事務職の仕事に就くため、英会話スクールで英語を学んでいました。しかし、貿易事務職の仕事における英会話は、いわゆる「ビジネス・イングリッシュ」であり、英会話スクールの学びでは足りないと感じました。
そこで私は、「習うよりも慣れろ」の信念に従って、社内コミュニケーションに英語を使用している外資系企業でのインターンに参加しました。短期間ではありましたが、生のビジネス・イングリッシュに触れることで、多少なりとも自信につなげることができました。
あの時の決断と経験が、今日まで能動的に実践的な英語を学び続ける姿勢につながっていると思います。
「習うよりも慣れろ」という言葉は、具体的な行動をうながすものです。父親から語られた言葉ということで、本人にとって大切な言葉である点もよく伝わってきます。
まさにその言葉を指針として起こした行動が具体的な結果につながっている状況が、エピソードから明確に伝わってきます。
「好きな言葉」について質問された時のNG回答例
「好きな言葉」を質問された際に、回避すべきNG回答例も併せてご紹介します。なぜNGなのかの理由も併せて解説しているので、マイナス評価につながる回答とは何かの具体的なイメージがつかめます。ぜひ参考にしてください。
NG例①
『私の好きな言葉は、「挑戦」です。
私は、挑戦することにより、自分自身を成長させることができると考えています。
御社に入社した暁には、挑戦して結果を出していきたいです。』
なぜ「挑戦」という言葉が好きなのか、挑戦という理念の元に何を得られたかがアピールできていません。これだと、面接官に「考えが浅い学生だ」という風に捉えられかねません。
NG例②
好きな言葉は、「考えるよりもまず行動」です。
私は3回生のころ、白神山地の植林ボランティアに行くか悩んでいました。
その時私は、所属しているゼミの教授から「考えるよりもまず行動だ」と言われて、ボランティアに参加することにしました。
結果として、ボランティアで人間的に一回り成長することができました。
好きな言葉によって成果を挙げることが出来た点はアピールできています。しかし、会計職という綿密性の高い職種に対するアピールとしては不適切です。
「好きな言葉」ではあなたの人柄を見たい! あなたらしい言葉を備えて面接に臨もう
面接で面接官が「好きな言葉」を聞くのは基本的にNGではあるものの、内容で合否を判断するのではなく、あくまで就活生の人柄や強み、自社の社風とのマッチ度を知りたいという意図であることがほとんどです。とはいえ、好きな言葉であればなんでも良いわけではありません。
今回ご紹介したポイントを押さえておけば、どのようなジャンルの、どのような内容の言葉が「好きな言葉」として回答するのに適しているか、また実際にどう対応すべきかがわかってきます。
面接で「好きな言葉」の質問に適切に回答して高評価を得、採用される可能性を高められるよう、本記事で学んだポイントをぜひ活用してください。
【39点以下は危険度MAX】
本番前に、面接偏差値を診断しておこう
今年はweb面接をおこなう企業も増えていますが、自分の弱点を把握し適切に対策しなければ、どんな形式であれ面接を突破することはできません。
そこで活用したいのが、面接偏差値診断ツールの、「面接力診断」です。
24の質問に答えるだけで、自分の強みと弱みをグラフで見える化できます。
診断であらわになった自分の弱点を効率的に対策し、志望企業の面接を突破しましょう。