賢者の就活では、新卒就活を経験してきた就活の先輩59人を対象に、最終面接の面接官や質問内容、雰囲気についてのアンケート調査を実施。
その結果、就活生の3人に1人の14名が最終面接で逆質問を受けていると判明しました。
実際に面接で質問した内容をいくつかご紹介します。
- なぜ面接官がこの会社を志望したのか
- 会社で大変なこと
- 人事が入社した頃の話
- 会社内で活躍している人はどんな人か
- 入社するまでに身につけておくべきスキル
- 社内から見た会社の率直な印象
- 女性が活躍できるかどうか
- 面接官の入社の決め手
特に、面接官の入社理由や自社への印象など、その面接官ならではの話を聞く質問内容が多くみられました。創業者ではない限り、その企業に入社した理由があります。入社する企業を選択するために、経営に携わる最終面接者の考えや経験を知りたい就活生は多いようです。
この記事では、最終面接で逆質問をする際の、質問の仕方や注意点について解説します。
最終面接で逆質問をする理由
企業はなぜ最終面接でも逆質問をするのでしょうか。
最終面接の担当者が逆質問をする理由について解説します。
人柄と企業の社風とのマッチ度を見たい
企業が最終面接で逆質問をするのは、就活生の人柄と企業の社風とのマッチ度を確認するためです。質問の内容をもとに、企業の理念や社風、方向性にマッチする人材かどうか確かめています。
本人の好奇心や発想力から生まれる逆質問は、面接の質問項目の中でも特に人柄が出やすい部分です。志望動機や自己PRは似通った内容になりやすい一方、自由度の高い逆質問で何を聞くかは人によって大きく異なります。
就活生の一人一人の本音が出る逆質問は人柄を見極めやすいため、企業は質問内容から「自社の理念に合うか」「自社で活躍してくれる人材かどうか」を確かめているのです。
例えば、入社後の働き方や期待するものに関する逆質問からは、企業の文化を理解しようとする意欲が読み取れます。
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最終面接と一次二次の逆質問の内容は変えるべき
逆質問は面接官の役職に合わせた内容を選びます。
一次面接は人事の若手社員、二次面接は現場の管理職、最終面接は役員といったように面接が進むごとに面接官の役職は異なります。
最終面接は社長や役員など会社の経営に携わる人が担当
最終面接の面接官は、社長や役員など会社の経営を担う役職者が担当するケースが多いです。
おすすめの逆質問としては、現場の詳細な業務に関する内容ではなく、会社のビジョンや事業の変化、経営者が考える組織で働く人に対して望むことなどです。
一次面接は人事の若手社員
一次面接の面接官は、人事の若手社員が担当するケースが多いです。
若手社員に最終面接者相手のような、企業のビジョンや事業の変化について質問しても、明確な回答があるとは考えられません。
若手社員への逆質問としては、企業に対する理解を深める質問や、業務に対する理解を深める質問がおすすめです。
企業に対する理解を深めたい場合は、社風や人事制度に関する質問、業務に対する理解を深めたい場合には、面接官の一日のスケジュールや、その企業での業務に求められる資質などです。企業研究を深め、二次最終面接に向けた対策にもなります。
一次面接だからと言ってインターネットで調べればわかるようなことを質問してしまうと、企業研究不足としてとマイナス評価をされる可能性が高くなるので気を付けてください。
二次面接は業務上の管理職
二次面接の担当者は、業務上の管理職である場合が多いです。
この場合の逆質問は、チームで業務を進めるにあたる具体的な質問や、部下を持つ立場に関する質問などがおすすめです。
業務上の管理職は、複数の部下を取りまとめマネージメントをしながら、現場で事業の売上を追う役割です。
目標売上を達成するための具体的な取り組みや、仕事においての失敗談ややりがい、部下を持つ立場だからこそ思う、企業に向いている人材などが知れます。
自分が企業に入社したときのキャリアビジョンを考える要素にもなる逆質問もおすすめです。
逆質問は何を聞くべき?面接段階に応じた質問例付きで解説
最終面接での逆質問を考える方法
面接の担当者によって逆質問の内容を変更する必要があることは紹介しました。
ではここからは逆質問を考える際にチェックすべき2点を紹介します。
webサイトや採用サイトのチェック
逆質問を考えるには、企業への正しい理解が不可欠です。既に企業研究を入念にしてきた人も、改めて企業のwebサイトや採用サイトなどに目を通し、基本情報を再確認しましょう。
具体的には、以下のような媒体・手段での情報収集がおすすめです。
- 企業ホームページ
- 採用サイト
- 企業紹介パンフレット
- 企業が開催する説明会やイベント
- 会社四季報https://shikiho.jp/
特に企業ホームページは、事業内容や企業理念、採用情報や福利厚生などの基本情報を網羅しています。また、IR情報を見ると、業務提携した情報なども掲載されているので、今後の事業方針などの質問も考えやすくなります。
会社四季報は東洋経済新報社が運営しているサイトです。企業の現在の財政情報が分かるだけでなく、今後の業績予想なども掲載されています。最終面接者である役員や社長への逆質問を考える上でIR情報の収集は有効です。
企業ホームページや採用サイトなど参考にするのはいいですが、「○○はどういうことですか?」など、深堀もなく、自分の考えを述べないまま質問するのはNGです。
企業の強みが記載されているのに、面接で「御社の強みを教えてください」と逆質問しても、リサーチ不足を露呈するだけです。
社長のインタビュー誌や書籍の確認
社長のインタビュー誌や書籍があれば、目を通しておきましょう。企業ホームページや採用サイトなどに掲載されていないような情報を入手できるチャンスです。
特にチェックしておきたいのは以下の5つです。
- 社長の考え方や価値観
- 今後の経営方針
- 求める人材
- その企業ならではの強み
- 採用で重視するポイント
社長の話をもとに企業の強みや経営方針を知れば、逆質問の内容を考えやすくなります。
たとえば、「今後はネットショッピング事業を拡大していく」と社長が語っていれば、事業拡大の意図や企業にもたらす恩恵について質問できますよね。
社長の構想に共感し、自分も事業に興味を持ったのなら、新入社員が事業に携わるために必要な能力について質問するのも効果的です。
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逆質問の仕方
逆質問は質問の仕方によっても印象の与え方が変わります。
より最終面接者に印象を残すための質問の仕方を紹介します。
入社することを前提とした伝え方にする
最終面接では入社への熱意や働くことへの意欲が評価されるため、自分が入社するのを前提にした逆質問が効果的です。早めに活躍していきたい気持ちが前面に出ているような逆質問で、志望度の高さをアピールしましょう。
「御社に入社したら1日も早く仕事を覚え、貢献したいと考えています。そのためにも入社までに準備しておくべきことや、身につけておくべきスキルなどがあれば教えてください」
最終面接まで進んだ就活生は、既に企業の求める水準をクリアしているといっても過言ではありません。採用できる人数が決まっている中で、最終的な決め手となるのは志望度の高さです。
入社することを前提とした逆質問で、入社への熱意や働くことへの意欲を示しましょう。
自分の考えを述べたうえで相手の意見を伺う
「自分はこう考えるが、あなたはどう思いますか」という形式の逆質問は、企業への理解度の高さと論理的思考力のアピールにつながります。
たとえば働くことへの意欲をアピールしたいときは、
「私もいつか社員をまとめる立場になって、企業の持続・発展に貢献していきたいと思っております。社長が従業員の信頼を維持するために心がけていることがあれば、ぜひ教えてください」
といった質問が例に挙げられます。
このように自分の考えを述べたうえで相手の意見を伺う質問からは、ただ相手に意見を伺う質問以上に、企業への関心の高さが読み取れます。入社後の将来設計のほか、企業の理念や強みについて自分の考えを述べるのも効果的です。
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最終面接におすすめの逆質問
これまでに、最終面接の担当者や逆質問の考え方紹介しました。
ここからは最終面接でおすすめの逆質問4つのケースを紹介します。
経営(戦略やビジョン)に関する逆質問
企業の経営に関する逆質問は、自分のやりたいことが実現可能か見極めようとする姿勢をアピールできます。自分なりの考えを伝えながら的確な逆質問をすれば、企業研究を深くおこなっているアピールにもつながるでしょう。
「御社の企業理念は〇〇だと存じておりますが、企業理念を実践しているようなエピソードがあれば教えてください」
「御社では現在◯◯事業に力を入れておりますが、今後伸ばしていこうと考えている事業はありますか?」
「中期経営計画書を拝見し、商品を大幅に見直すと知りました。御社には人気の商品が多くありますが、見直しを決定されるまでにどのような経緯があったのでしょうか?」
自社の強み・課題に関する逆質問
自社の強み・課題に関する疑問も、企業研究を深くおこなっているアピールにつながる逆質問です。面接官からの回答を聞いたうえで、「入社後はその課題にこうアプローチしたい」と自分の意見を伝えられると、前向きな印象を与えられます。
「〇〇様から見て、御社の一番の魅力は何ですか?」
「ここをもっと改善していきたい、というチームの課題はありますか?」
「よく御社の強みは〇〇と言われますが、それを実際に体感されたエピソードはありますか?」
入社後の働き方や期待するものに関する逆質問
しっかりと入社後のビジョンが描けていると面接官に伝われば、働くことへの意欲をアピールできます。的外れな逆質問にならないよう、新入社員に求められていることや入社後の働き方をきちんと調べておきましょう。
「〇〇様は社員の皆さんに対し、どのように仕事に取り組むことを求めていらっしゃいますか?」
「入社後は〇〇のプロジェクトに参加したいと考えているのですが、新入社員が参加するために必要なことは何ですか?」
「現在活躍している社員さんに共通する考え方や姿勢はありますか?」
面接官個人の会社での経験を問う質問
面接官個人の話を引き出すような質問は効果的です。経営者は自分の会社に誇りを持っている人が多いため、中身の濃い回答が期待でき、さらに会話を膨らませやすくなります。
最終面接の面接官を務める人物があらかじめわかっている場合は、その人の経歴を調べて逆質問を考えてみましょう。
「〇〇社長が将来に描いている夢やビジョンを教えてください」
「役員に至るまでの社会人人生を通して、どんなことに最も苦労しましたか?」
「御社のインタビュー記事で、〇〇様は今までに××を手掛けたこともあると拝見しました。その経験から得たものや苦労に感じたことがあれば教えてください」
最終面接のNG逆質問3選逆質問での注意点3つを解説します。
最終面接に限らずどの段階の面接でも共通する内容もありますので、面接前には押さえておきましょう。
御社の主力サービスについて教えてください
「主力サービス」は調べたらすぐにわかる情報なので、企業に対して興味がないように見えます。企業理念や事業内容、主力サービスといった企業ホームページに載っているような情報を質問をするのは避けましょう。
どうしても質問したい場合は、「自分はこう考えるが、あなたはどう思いますか」の形式で、基本情報をさらに深堀りする逆質問にすべきです。
「御社の主力サービスは〇〇だと存じておりますが、新入社員が参加するにはどのような能力・心がけが必要でしょうか?」
「今後、サービス提供の対象を拡大していくことはお考えですか?」
入社してからはどのような研修制度がありますか
「どのような研修制度があるのか」「研修の期間はどれくらいなのか」といった質問は、自ら学んでいこうとする姿勢が読み取れないためNGです。
企業が求めているのは自主性と成長意欲のある人材ですので、「自ら学ぶ意志」が伝わるような逆質問にしましょう。
「研修の内容はどのような基準で決められているのでしょうか」
「新人研修では◯◯について学ぶとのことですが、御社では◯◯をより深く学びたい人向けに、××の資格取得支援制度があると伺っています。仕事をするうえで××の資格を持っていると、どのようなメリットがあるのでしょうか」
ライバル社と比べて○○の売り上げが3年連続負けている理由は何ですか
ライバル社と志望先の企業を比較しながら質問すること自体は問題ありませんが、志望先の企業の弱点を突くような逆質問はNGです。
面接官も人間ですから、このような質問をされれば答える気がなくなってしまいます。面接は相手を論破することが目的ではないため、最終面接であれ担当者が答えにくい逆質問は避けましょう。
「ライバル社との差別化を図る上で、御社が一番大切にしていらっしゃることはなんですか」
「〇〇社が主力サービスの方向性を大きく転換させると発表しましたが、同じ分野のサービスを展開する御社では方向性の見直しをお考えですか?」
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最終面接では面接官の役職に合った逆質問をする
最終面接は社長や役員などの経営者が面接官を担当します。面接官の立場によって回答の具体性が異なります。最終面接の場合は、企業の経営、ビジョン、事業の変化など、経営者としての具体的な回答がもらえます。
逆質問は、自分をアピールするためだけのものではなく、就活生側も入社する企業を判断するための材料を得る機会です。
立場に合わせて面接官が気持ちよく答えられる質問を選ぶのではなく、新卒入社してこの企業で働きたいと思えるか、疑問や不安を解消できる質問を考えて最終面接に臨みましょう。