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「責任感」は就活生が自己PRでよくアピールする項目です。それだけに、的確な表現が思い浮かばずに悩み、結局ありきたりの内容でまとめてしまうケースが少なくありません。それでは、他の就活生との競争に打ち勝つのは至難の業です。
そこで、責任感により説得力を持たせて採用担当者の心を掴む自己PR作成の秘訣をいくつか紹介します。ぜひ実践して、ありきたりの自己PRから脱却しましょう。
自己PRで評価される責任感とは
自己PRで採用担当者から高く評価される責任感とは、どのようなものでしょうか。
それは、実際に仕事でも役立ち、発揮される力であることが伝わる内容です。何を任されても最後までやり遂げる力、有言実行する力、困難な中でも投げ出したりせずに解決まで導ける力、人から強制されてではなく、自ら考えて動く力などです。
次の3つのポイントでより詳しく見てみましょう。
何かをやり遂げることや有言実行する力
自己PRで評価される「責任感」を別の言葉で言い換えると、仕事をやり遂げる能力や、プランやアイデアを有言実行する力です。いずれも職種にかかわらず働くうえで必要な要素であり、アピールに値する資質です。
無責任な人に仕事を任せたいと思う企業はまずないので、責任感を持って仕事をやり遂げられる、口先だけでなく言ったことを必ず実行するといった責任感のアピールは採用担当者としても高評価になります。
責任感は、リーダー職にも必要とされる能力です。仕事をするうちに身につくものでもありますが、すべての人がそうとは限りません。
そのためすでに責任感が備わっている人であれば、好印象となるのです。
逆境でもあきらめずに解決策を見いだす力
責任感とは、困難な状況の中でも解決を見いだして全うする力でもあります。仕事では、時には困難な状況の中で責任を課せられる場合があります。当然、普段よりも失敗したり、うまくいかない可能性は高まるでしょう。
そうした状況を見越して「自分には無理だ」「自信がない」などの理由で責任を背負うことを回避する人もいます。あるいは引き受けたとしても、成功する見込みがないとわかると投げ出してしまう人もいます。
真に責任感がある人は、逆境に置かれた場合でも、この仕事を任されたのは自分であると受け止めて、途中で投げ出したり、諦めたりすることはしません。むしろ、どうすれば困難を切り抜けられるか、問題を乗り越えられるかを考え、解決策を見いだします。
結果、責任感がある人は「どのような仕事でも安心して任せられる人だ」という高評価につながり、ゆくゆくは重要なプロジェクトやポジションも任されるようになります。
主体性を持って動ける力
責任感がある人は、主体性を持って行動する力があるともいえます。
主体性がない人には、物事に対して受け身的、指示待ち人間的な傾向があります。人から指図されないと動こうとはしません。根底に面倒を背負いたくない、余計な責任を負いたくないという自己防衛本能が働くからです。
真の責任感には覚悟が伴います。自分の発言、あるいは自分で考えて行動した結果に対して、責任を持つ覚悟です。
仕事をしていると、時には上司の指示や仲間のサポートが得られない中で、自分で考えて行動する必要がある場面に遭遇することもあります。責任感のある人は、自分の考えや行動に対して責任を持つ必要性を知っているので、与えられた仕事をどうすれば全うできるか、どうすればゴールに到達できるのか、自分の頭で考えて行動できます。
こうした姿勢は、「人に言われたからではなく自分で考えて行動できる人」「無駄を厭わずに自発的に行動して結果を出せる人」「的確な判断力がある人」などの高評価につながり、より自由な裁量権の伴う、責任ある仕事を任されるようになります。
責任感の自己PRで書く内容
責任感を自己PRで記載する場合、どのようなポイントを押さえておけば、より責任感が効果的に伝わる文章になるのでしょうか。
次の3つのポイントを押さえて書けば、あなたがアピールしたい責任感の内容が、より具体性と説得力をもって採用担当者に伝わります。それぞれ詳しくみていきましょう。
1.何に対しての責任感なのか
一言で「責任感」と言ってもさまざまに内容が異なるのは、すでに解説したとおりです。そもそも、人によって責任感のイメージは異なります。
最後までやり遂げることも責任感ですし、上記のように有言実行することも責任感です。指示されたことを的確に作業できる正確さがあることも責任感と言えます。
採用担当者が持つ責任感のイメージと自分が持つ責任感のイメージに相違がある場合、自己PRで記載した通りには伝わらない可能性も有ります。何に対しての責任感なのか、適切な言葉を用いて補足すれば、自分の意図する責任感が伝わりやすくなります。
責任感を言い換えるとわかりやすい
責任感を別の表現で言い換えると具体性が増すので、採用担当者もイメージしやすく、自分が意図する内容との齟齬も回避しやすくなります。
以下のような言い換えが考えられます。
- 与えられた責任を最後まで全うする姿勢
- 周囲が嫌がるような仕事や役割も自発的に引き受ける力
- 与えられたゴールに向かって物事をやり抜く力
- 逆境でも解決策を見出して責任を全うする力
- 困難(逆境)をチャンスに変える力
自分がアピールしたい責任感のイメージが的確に伝わる言い換えを考えてみましょう。
2.具体的にどのように取り組んだのか
どのような場面で発揮される責任感なのか、具体的な取り組みの事例やエピソードを交えて伝えると、あなたの責任感のイメージが採用担当者に伝わりやすくなります。
ただ、「責任感を持って必死に頑張りました」との一文だけでは、何も伝わりません。具体的にどんな努力をしたのか・その結果何がどう変わったかなどを伝えることではじめて、自分が有する責任感を強みとして説得づけられます。
選ぶべきエピソードや取り組みの例
自己PRで責任感をアピールする場合に適切なエピソードや取り組みの事例としては、以下にまつわる事柄が挙げられます。
- クラブ活動:クラブの一員として、あるいは何らかの責任者として、どのような役割を与えられ、どう行動したか?
- 委員会や生徒会の活動:与えられた職責の中でどのような問題が起こり、どう対処して解決したか?
- アルバイト:チームワークの中で自分がどのような責任を負い、どう考え行動したか?
自分一人ではなく、何かのグループや組織に属している状況では、自分の発言や行動が他の人にも影響を及ぼします。こうした人とのかかわりの中で、自分が規模の大小問わず何らかの責任を任された状況を取り上げて盛り込めば、説得力のある内容を記載できます。
3.今後どのように活かしていきたいのか
責任感に限らず、自己PRに盛り込む内容は、最終的に企業に入社してどう活かすことができるのかにつなげましょう。
企業は、学生が入社後の自社とのミスマッチによりすぐに離職してしまうことを懸念しています。しかし責任感が強い人材であれば、入社後に多少の試練やチャレンジを経験したとしても、周囲への影響や自分の責任を考慮してすぐ辞めるという結論には至らず、様子を見ながら働いているうちに定着してくれる可能性も高まります。
従って、入社後に責任感をどう発揮して仕事をしていきたいかの意思を伝えることは、採用担当者の心を掴むうえで極めて重要なポイントです。
社会で責任感が必要になる場面
社会や会社ではどのような場面で責任感が必要になるでしょうか。いくつか例を挙げてみましょう。
たとえばせっかく入社しても早々に「雰囲気が合わない」「仕事が面白くない」などの理由で辞めていく人が少なくありません。しかし責任感のある新入社員はたとえ多少の違和感や問題を感じることがあっても、安易な決断をせず自分の仕事や役割を全うしようと会社にとどまり続けます。
会社に入社すれば、社員や顧客の個人情報、企業秘密など多数の情報を扱うことになります。もしミスや故意にデータや情報を漏洩した場合は企業の信頼が著しく損なわれるでしょう。そのため、社員は責任を持って個人情報・企業秘密の保護を徹底しながら業務に当たる必要があります。
また、上司から今日中に仕上げなければならない業務を依頼されて残業になるケースもあります。そんなとき、誰にも引き継ぎもせずに未完了のまま退社してしまえば、たとえば翌日の大事なプレゼンに間に合わず現場に多大な迷惑をかけることになります。責任感の強い人なら、自身でやり切るか最低でも周囲に相談・ヘルプを募って業務を完遂するでしょう。
このように、数え上げればきりがないほど、社会や会社では責任感が試されるシーンがたくさんあります。こういった、会社で責任感が求められる場面をイメージしながら活かし方を考えてみてください。
責任感を自己PRするうえでの注意点
責任感を自己PRするうえでどういったことに注意するべきでしょうか。
たとえば、誰でもやっていて当然の行動を責任感の表れとしてアピールしても、インパクトに欠けます。また、一度は責任を全うしたものの、その後同じような場面に置かれて取るべき責任を果たさなかった場合は、真に責任感があるとは言えません。
次の2つのポイントを押さえておけば、採用担当者の心を納得させられる責任感のアピールができます。
当たり前のことをやり遂げるのは「責任感」ではない
よく学生の「責任感」の自己PRに、以下のようなものがあります。
これは「責任感がある」といえるような内容ではありません。当たり前のことをただやっているだけだからです。塾講師のアルバイトで生徒の面倒を見るのは対価としてお金が発生しているので、当たり前のことです。
「業務内容をしっかりこなす」のは、当たり前のことであり、アピールできることではありません。
再現性がないものは自己PRの要素にならない
自己PRをする場合、再現性がなくてはアピールになりません。上記で解説した、仕事で活かすことが大切だからです。
責任感のエピソードにおいても、「そのときだけのこと」であれば仕事での再現性はないので評価には値しません。
押さえておきたい!自己PRの型
文章を書く際に構成で悩む人は多いでしょう。文章は、はじめに結論、そのあとから具体的な内容を述べることで、エピソードの全体像が見えます。
下記の型に従って自己PRを構成するだけで、相手に伝わりやすい「責任感」の自己PRがつくれるようになるでしょう。
自己PRが書けない時は、自己PR作成ツールを活用しよう
自己PRの内容が薄いと、志望企業に採用されません。選考を突破するには、自己PRを作り込む必要があります。
そこで活用したいのが、自己PR作成ツールの「自己PRジェネレーター」です。
このツールを使えば、簡単な質問に答えていくだけで理想的な流れの自己PRが完成します。
無料でダウンロードできるので、ぜひ活用して採用される自己PRを完成させましょう。
責任感の自己PR例文
責任感を自己PRでアピールしたい場合、参考になる例文があればイメージしやすいですよね。良い例、悪い例それぞれで自己PRの例文を1つずつ紹介します。
良い例
私は、責任感を持って物事に取り組むことをモットーとしています。
東京の大学に行くと決めた際も親の反対に遭い、「奨学金とアルバイトで得た報酬を生活費に充てて迷惑をかけずにやっていくから安心してほしい」と親を説得し、納得させた経緯があります。。自分で約束したことに責任を持つため、実際に仕送りは学費の支払いに充て、生活費はアルバイトと奨学金で賄っています。
家庭教師のアルバイトをしていますが、報酬を頂いているからには具体的な結果を出す責任を負っているので、いろいろ工夫して取り組んでいます。
責任感を持って受験生を指導をする取り組みの一環として、まずは信頼関係の構築に力を入れています。信頼が得られれば、コミュニケーションもスムーズになり、生徒のやる気も引き出しやすくなります。
また、自分の指導力を上げるために、同じ大学内で家庭教師をしている仲間と情報交換会を月一回ペースで行うことにしました。情報交換を通じて、自分に足りなかった視点・知識・ノウハウを得ることで、それぞれの生徒により適した指導が可能になりました。結果、担当していた生徒全員が第一志望の学校に合格することができました。
御社に入社しても、責任感を持って自分に与えられた役割や業務を遂行するとともに、周囲の人々とよい人間関係を構築し、信頼し協力し合えるチームワークを通じて最大限に成果を高め、会社の成長に貢献していきたいと思っています。
実際の体験談を通じて、人との約束や与えられた仕事を責任を持って全うする力があることがしっかり伝わる内容です。しかも、責任を果たす中でプラスαの成果をもたらす力の持ち主であることが明確にイメージできます。
また、責任感との関連で、信頼関係を構築する力や、自立心、問題解決能力、向上心を有している点も伝わってきます。実際に採用した場合も信頼して仕事を任せられる、長く活躍して周囲の良いお手本になる、具体的な成果を出せる人材という期待感につながるでしょう。
悪い例
私は、何事も責任感を持って取り組みます。与えられた仕事は、最後まできちんとこなし、途中で投げ出したりはしません。
また、期日を守り、丁寧な仕事をすることをモットーとしています。自分の仕事は、周りに迷惑をかけず、一人で最後まで責任を持って終わらせるようにしています。
業務上、期日を守ったり、与えられた仕事を終わらせたりすることは、社会人として当然のことです。そのため、責任感をアピールするには、あまりインパクトがあるとは言えません。
また、一人で周りに迷惑をかけないことも大切ですが、期日までに終わらなさそうな時には、一人で抱え込まず、助けを求められるような柔軟さを見せることも大切です。
具体的なエピソードを使い、責任感以外にもバランスの取れた人物であることをアピールできるようにしましょう。
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自己PRでは責任感に対しての具体的なイメージを抱かせるのが大切
責任感を持って物事に取り組むことは大切です。しかし、ただ責任感と言っても、捉え方やイメージは人それぞれです。そのためまずは責任感を適切な表現に言い換え、それからエピソードや仕事への活かし方で説得力を持たせましょう。
あなたが意図する責任感を採用担当者が具体的に把握できれば、企業側もあなたの人柄を知り、実際に採用した際にはどのような活躍ができる人材かをイメージしやすくなります。
また誰でもやるような当たり前の内容ではなく、物事に主体的に取り組める、業務でも一貫して発揮される責任感であるという点も重要です。今回の記事で紹介したポイントを参考に、採用担当者の心に刺さる自己PRづくりにチャレンジしてみてください。
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