目次
就活で避けては通れないグループディスカッション。グループディスカッションを上手く進めるには、グループディスカッションの進め方・流れを深く理解しておく必要があります。
そこで、「コンビニの売上を二倍にするには?」というよく出るタイプのお題をもとに、グループディスカッションの進め方・流れを詳しく解説していきます。
進め方1 時間配分と役割決めから始めよう
まずは、効率よく進めるために、時間配分と役割を決めます。
時間配分
グループディスカッションは厳しい時間制限があり、その時間内で結論を出し、発表をしなければなりません。だから、議論に入る前に議論のタイムテーブルを決めておきましょう。
たとえば、よくあるお題「コンビニの売上を二倍にするには?(制限時間30分)」なら、以下のタイムスケジュールを組んで、時間配分をします。最初に時間配分をすることで、議論に筋道が生まれ、効率的にディスカッションを進めることができます。
お題例…コンビニの売上を二倍にするには?(制限時間30分)
- 課題定義(2分)…そもそもこの質問はどういうことを聞いているのか?どんな答えが必要か?チームで共有する
- アイデアのブレスト(10分)…出されたテーマのアイデアを出し合う
- アイデアの整理・まとめ(10分)…提出された意見をまとめ、チームの結論を選ぶ
- 発表の形にまとめる(3分)…人事に発表するため、チームの結論をロジカルにまとめる
- 発表の予行練習(2分)…発表者が事前にリハーサルをしておくと、上手くまとまる
- 予備の時間(3分)…時間内にまとまらなかった時のために、予備の時間をとる
スタンフォード大学の研究によれば、人は「一番最初に発言した人」をリーダーとみなす傾向があります。まず、「時間配分を決めませんか?」と口火を切り、主導権を握りましょう。
役割
時間配分を決める段階で主導権を握れていたら、そのまま自身がリーダーとして役割決めを進めていきましょう。
リーダー(司会進行・ファシリテーター)
リーダーは参加メンバーをまとめてスムーズかつ活発な議論を促す役割です。アピールしやすいポジションですが、自身の意見ばかり強く主張するのは禁物。メンバーそれぞれの発言を上手く引き出して、チームとしての結論を導くことを意識しましょう。
タイムキーパー(時間配分)
先に決めたタイムスケジュール通りに議論が進むように時間管理をする役割です。盛り上がってくると、どうしても時間が押してしまいます。ただ残り時間を知らせるだけでなく、時間内に結論をまとめられるように会話をコントロールするスキルも求められます。
書記
ディスカッションの内容を記録するのが書記です。地味なようですが、ただメンバーの発言をメモするのではなく、議論全体の流れをまとめて結論へと導くという重要な役割を担っています。
その他
「その他」と書きましたが、上記のような役割以外のメンバーこそが議論をつくるのです。積極的に発言するのはもちろん、他のメンバーが発言しやすいような場の雰囲気づくりを心がけましょう。
あなたにぴったりな役割はどれ?
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進め方2 課題を定義しないとチームがバラバラになる
グループディスカッションを効率的に行うには「課題定義」が必要です。聞かれている質問を具体的に定義し、チーム内で共有しましょう。少しイメージが沸かないでしょうか?
たとえば、「コンビニの売上を二倍にするには?」という課題。これって「オフィスビルの側にあるコンビニ」なのか「田舎の国道沿いのコンビニ」なのか「学生街のコンビニ」なのかでやることって全く違いますよね。だから、まずは以下のような台詞でスタート地点を設定します。
「一口にコンビニと言っても、国道沿いのコンビニか、学生街のコンビニか、オフィスビルのコンビニか…で売上増加施策は全く違いますよね。どんなコンビニを想定して議論をするのか?チームで定義を共有してから議論を始めませんか?」
だから、まずチーム内で「ここで議論するコンビニ」とは何なのか?スタート地点を共有しておきましょう。
原因分析フェーズが必要な場合も
「少子化を止める解決策を論じなさい」「オレオレ詐欺を減らす解決策を考えなさい」といった「問題とその解決策」を論じるグループディスカッションでは、アイデアを出し合う前に「そもそもなぜその問題は起きているのか?」を議論した方が良いでしょう。
そもそも、なぜオレオレ詐欺は起こるのでしょうか?たとえば、「高齢者個人情報の流出」「使い捨ての匿名携帯電話の増加」…などの様々な要因があると思います。まずは、主要な原因を洗い出してから、その解決策を論じませんか?
このように「問題と解決策」を議論するディスカッションでは、原因分析のフェーズを設けると、生産的なグループディスカッションになります。
進め方3 チームからアイデアを引き出そう
課題を定義したら、次はその課題を達成するためのアイデアについて、チームで話し合いましょう。この段階では「いかにチームから意見を引き出すか?」が重要になります。楽しい雰囲気で、チームから様々な意見を引き出せば、最終的な発表の質も上がります。
チームから上手くアイデアを引き出すには以下の点を意識してください。
- 傾聴する。相手の目を見て、「ええ」「はい」と相槌をうち、うなづきながら話を聞く
- 意見を否定しない。否定・検討は後の段階で。ここでは意見を肯定的に受け止め、チームから意見を引き出していく
- 発言できていないメンバーに話をふる。ここで意見を出させないと後のトラブルになる可能性もあるから
- 適宜要約をしよう。「なるほど〜ですね」と相手の発言をまとめていくと、チームが意見を認識しやすく、議論のかみ合わせがよくなる
- アイデアのレベルはここでは考えない。とにかく発言をして、議論を活性化させよう
これらのポイントを実践し、グループディスカッションを活発にしましょう。
進め方4 アイデアを整理しよう
アイデアをまとめ、チームの結論を選ぶ前に、アイデアを整理しましょう。出された意見を大きなくくりでグループ化して、チームが議論をしやすい準備を整えます。
それでは、そろそろまとめに入っていきたいと思います。大学付近のコンビニの売上を伸ばす方法として、今まで出た意見は大きく二つのグループに分けられると思います。
- A 客単価を上げる方法
- 女子学生向けの高級スイーツを仕入れる
- 男子学生向けに「60円でお弁当に揚げ物一つトッピング」サービスを始める
- etc…
- B 集客を増やす方法
- Twitterで話題になるような「●●頼み過ぎちゃいました」のような写真をあげ、話題づくりをする
- 勝手に大学非公認のゆるキャラをつくり、そのキグルミで接客をする
- 美男美女の定員を取り揃える
- etc…
で、この中で「集客を増やす方法」として一つ、「客単価をあげる方法」として一つを選んでいきませんか?あるいは、両方をミックスさせるのもありだと思いますが、いかがでしょうか?
このように「意見をグルーピング」すると、対立点や類似点が明確になり、「これからどんな議論をすれば意見がまとまるか?」が圧倒的にわかりやすくなるのです。
上手く意見を整理してグルーピング出来れば、それだけでグループディスカッションを通過できるほど、人事から評価されます。
進め方5 アイデアを選び、まとめよう
アイデアを整理したら、チームの中での結論を選んでいく段階です。ここで多数決に頼る人がいますが、絶対にやめてください。グループディスカッションでは「いかに合意形成をするか」が見られているので、多数決は評価されません。
グループディスカッションで上手く合意形成をするには、以下のポイントを意識してください。
- 「良い・悪い」を言い合うとまとまらない。「費用」「スピード」「実行容易性」「効果」等のアイデア評価基準を設定し、アイデアを採点していこう
- まとまらなそうな場合は、有力なアイデアを上手く混ぜあわせ、いいとこ取りをしたアイデアにまとめよう
- 明確な対立点がある場合は「AとBの意見は大枠では同じだが、Cという対立点がある。この対立点について話合いませんか?」と対立点の解消を促す
特に「費用」「スピード」「効果」のような誰もが合意できる評価基準にもとづいてアイデアを採点していく手法は、どのグループディスカッションでも有効です。使いこなしてみましょう。
進め方6 アイデアを磨き上げよう
チームの中でアイデアがまとまりました。このまま発表!とする前に、もう少しアイデアを磨き上げていきましょう。所詮、ブレストで出た思いつきレベルのアイデアなので、このままでは詰めが甘く、面接官に突っ込まれてしまうからです。
具体的には、以下のポイントを詰めて、アイデアをブラッシュアップしましょう。
- What…要するに何をするのか?
- Why…なぜそれをするのか?なぜ他の方法よりその方法が良いのか?
- Where…どこでするのか?
- When…いつするのか?
- Who…誰がするのか?
- How…どうやってするのか?
- How much…どのくらいお金がかかるのか?かけるのか?
これらのポイントを詰めていけば、思いつきレベルのアイデアでも、発表に耐える素晴らしいアイデアに変えることができるでしょう。
グループディスカッションが苦手な人はこちらを要チェック
グループディスカッションの苦手を克服する5つの極意
進め方7 ロジカルに発表をしよう
意見をダラダラと述べるような発表だと、どんな良い議論をしても、印象が悪くなってしまいます。逆に、発表を上手くまとめれば、悪印象を払拭可能です。
発表をロジカルにまとめあげるには、外資系の会社でよく使われるメッセージのフレームワーク「PREP」を使いましょう。といっても、非常に単純です。
- Point(結論)…要するに、結論は何か?
- Reason(理由)…なぜその結論に至ったのか?
- Example(具体例)…理由に関する具体的な根拠・事例・仮説を話す
- Point(結論)…最後にもう一度まとめる
このポイントに基づいてプレゼンテーションをまとめれば、発表がスッキリまとまります。たとえば、
【結論】大学付近のコンビニの売上を伸ばす方法として、「大学非公認のゆるキャラをつくり、集客に利用する」ことを考えました。
【理由】現在、ゆるキャラがブームであり、大学のモチーフと絡めたキャラクターをつくれば、学生の間で話題になり、自然と集客が増えると考えたからです。
【具体例】学内でコスプレをしている人を写真にとってTwitterにあげている学生をよく見かけます。もし、大学と関連のある、少しパンチの利いたゆるキャラならば、学生がTwitterに写真をあげ、自然と話題になるはずです。また、ゆるキャラと関連づけた商品はそうでない商品とくらべて、30%も売上が上がるというデータも見たことが有ります。
【結論】非公認のキャラクターをつくり、それに関連付けて商品を販売することで、集客と客単価アップを同時に狙っていく。これが私達のグループの結論です。
と、このようにまとめていきましょう。PREPにもとづいてまとめれば、どんな内容でもそれなりにまとまります。
コツ1 自分が貢献できる役割になろう
グループディスカッションの評価で重視されるのはチームにおける貢献性です。
ノートをまとめるのが得意なら書記、自ら積極的にアイデアや意見を出して活発に議論をするのが好きなら敢えて何も役割につかないなど、自分の強みを活かしましょう。
人によっては、面接の場では見せられない能力をアピールするチャンスなのです。
リーダーは発言の機会も多くアピールしやすい役割ですが、場をまとめるのが苦手な人が無理にやると逆効果。もちろん積極的な発言を意識するのは大事ですが、目立つことが目的ではないことを覚えておいてください。
コツ2 人事がみるポイントを意識して発言しよう
グループディスカッションのテーマはさまざまですが、人事担当者がみているポイントは共通しています。
企業は何も画期的な意見や結論を求めているわけではなく、社会人として組織内で仕事をする上で必要不可欠な素質をチェックしているのです。
以下で紹介するポイントをおさえて、限られた時間の中で人事の評価に繋がる効果的なアピールをしましょう。
協調性
グループディスカッションで最も重要視されるのはチームワークです。活発な議論を促し、時間内に結論をまとめられるような協調性が求められます。
どんなに優れた意見であっても、他を否定して主張を押し通そうとする姿勢は評価を下げる恐れがあります。メンバーの意見の良いところを肯定・評価しつつ、自身の考えを述べることで建設的な議論の場を自分で作り出しましょう。
ただし、協調性を重視するあまり理由もなく他の意見に同調するのはNG。チーム内の議論の方向性がズレていると感じたら積極的に指摘するバランス感覚も大事です。
その場合も自身の考えを押し付けるのではなく、論理的に理由を説明し、メンバーに妥当性を問うというプロセスを意識してください。
論理的思考力
明確な理由とともに筋道立ててわかりやすく発言することを心がけましょう。「コンビニの売上を伸ばす」というテーマであれば、自分のアイデアがどのように売上アップにつながるのか、その考えに至ったプロセスも併せて説明できるのがベストです。
目立とうとするあまり、議論の前提を無視したちぐはぐな発言や、根拠のない主張はマイナスになりかねません。
チーム内での発言も、先に紹介した「PREP」を意識して、結論・理由・根拠・事例を明瞭簡潔に述べることで説得力を持たせましょう。
他のメンバーの発言が論理性に欠けると感じたら根拠や理由を聞いて議論を深めるのも効果的です。くれぐれも否定的な言い方で場を停滞させないように注意してください。
積極性
重要なのは積極的な議論への「参加」です。自分の意見を強く主張するということではなく、スムーズに議論が進むように貢献しましょう。
その姿勢をわかりやすくアピールするには発言回数を多くするのが第一ですが、役割によっては発言が少なくなりがちなので工夫が必要。
タイムキーパーであればメンバーの意見に適宜リアクションしながら議論を促す、書記ならここぞというタイミングでメモを駆使して結論をまとめるサポートをするといいでしょう。
リーダーとは別に発表役を選ぶパターンでは、その役を買って出るのもおすすめです。
コツ3 ”グループ全員で受かる”を意識する
グループディスカッションで企業側が見ているのは、チームプレイにおける振る舞い方です。チームとして結果を出すために、どのように貢献しているかが重要なのです。つまり、自身のアピールに固執したり、他のメンバーを貶めたりするような言動は評価に繋がりません。
チーム内のメンバーはライバルではなく、グループディスカッションを共に通過するための仲間であるという認識を持って臨みましょう。他のメンバーからいかに発言を引き出し、積極的に議論に参加させるか意識してください。
本番前に面接力を診断しておこう
グループディスカッションをクリアしたら、次は本格的な面接がはじまります。
面接では、身だしなみ、自己PR、志望動機…様々な評価項目があります。どれか一つに大きな抜けがあると、内定を取るのが一気に大変になります。
思わぬ失敗を防ぐため、志望企業の本番の前に一度、「面接力診断」やっておきましょう。
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