目次
就活において、面接や履歴書の内容を作成する際に自己PRは避けて通れない項目です。履歴書やエントリーシートには必ず自己PRの記入欄がありますし、面接でもかなりの確率で質問されます。
それだけ企業側が重視する自己PRですが、就活生側にとっては「アピールするエピソードがない」「エピソードをいろいろ考えてみたが、どれが自己PRにふさわしいか判断がつかない」などが悩みの種になっています。
多くの就活生がこういった悩みを抱えており、就活本やインターネットなどに載っている例文を転用しようとする人もいます。
しかし、実態とはかけ離れた内容で自己アピールをしたとしても自分の気持ちが入らず、何より説得力がありません。自己PRをする意味や目的をよく考え、自己分析をしっかりとすれば、必ずアピールに使えるエピソードが見つかります。
この記事では、自己PRのエピソードをまとめるうえで押さえておきたいポイントを解説します。何より自分が納得できるエピソード探しのために、ぜひ参考にしてください。
自己PRを聞く理由は人柄の把握と入社後の活躍イメージのため
そもそも、なぜ面接官は自己PRを聞こうとするのでしょうか。
自己PRへの質問に対する回答を元に、面接官はその就活生と一緒に働きたいかどうか、つまりは採用するかどうかを判断するのです。そのため、自己PRでは自分の能力だけでなく、人柄や考え方なども伝わるようなエピソードを準備する必要があります。
この面接官が自己PRをたずねる理由を押さえておけば、自己PRのエピソードを考えたり選んだりするうえで、自分の能力だけでなく、人柄や価値観などが伝わるような内容を準備すべきことがわかります。
逆にこの2つの理由を押さえず、我流で自己PRのエピソードをまとめたとしても、的外れな内容になり、面接官の心に刺さらずスルーされる恐れもあります。
人柄の把握
新卒の場合、企業は能力よりも人柄を重視して採用を決めます。社会で働いたことがない就活生に対して、かなり特別なスキルでない限りは企業が自己PRにあるスキルからを即戦力として判断し内定を出すことはあまり考えられません。
その点、人柄は重要なポイントです。約22年間で培われた人柄は、今後も変わっていく可能性はほぼありません。企業は人柄を通じて、就活生が業界や社風に合っているか、現場環境や周囲にも馴染んで働けそうか、業務にその人柄を活かせるかなどを判断します。
そして、人柄を伝えるには具体的なエピソードが重要です。エピソードには、就活生がアピールしたい人柄を裏付ける役割があります。たとえば、明るく前向きな人柄は周囲か好かれ、場を和ませたり励ましたりなどといった事柄が連想されます。そうした事柄が具体的なエピソードから見えてくるのです。
企業との相性が高く、溶け込んでいる人柄であるか判断してもらうために、自己PRでは自分の人柄が明確に伝わるエピソードの準備をする必要があります。
入社後の活躍のイメージ
もう1つ、自己PRが質問されるのは、就活生が社内でどのような働き方をするのか、将来どのような活躍をするのかをイメージするためです。自己PRのエピソードは、その活躍のイメージを裏付ける情報として重要視されます。
具体的には、就活生の強みが自社の事業分野で活かされるのか、業務内容に高い適性を発揮するのか、考え方や価値観が企業理念とマッチするのかなどを見極めようとします。
エピソードを通して面接官が活躍のイメージを容易に描けるということは、それだけ就活生が自社の仕事内容や社風とマッチして定着する可能性があることを意味するのです。
今は入社後1年足らず辞めていく新入社員が少なくありません。しかし、企業としてはせっかく採用した社員には活躍の期間を長くしてほしいと願っています。自社で長く働いてくれる人材かどうかを把握するためにも、入社後の活躍イメージを正確に読み取ることは、採用担当者にとっては大きな課題なのです。
長く活躍してくれる頼もしい人材であると判断してもらえるようなエピソードが不可欠です。
自己PRが書けない時は、自己PR作成ツールを活用してみよう
ここまで自己PRを作成する方法を解説してきましたが、文章を考えるのが苦手で、上手くまとめる自信がない人も多いはず
そんな時は、「自己PR作成ツール」を活用してみましょう。
自己PR作成ツールを使えば、簡単な質問に答えていくだけで、説得力のある自己PRが完成します。
自己PR作成ツールを活用して、人事を唸らせる志望動機を完成させましょう。
自分らしさが伝わる! エピソードで使える経験の例
ここからは、実際に自己PRで使われることが多いエピソードのテーマを6つ解説していきます。これらのテーマはいずれも、最低でもどれか1つはあなたが学生時代に経験した事柄です。「エピソードがない」と悩んでいる人にも、自分なりのエピソードを見つけるための足掛かりになるでしょう。
アルバイト
アルバイトでのエピソードは、実際に仕事をしている中での体験を伝えられます。そのため、他のテーマよりも、面接官にとっては応募者が入社後に働く姿をイメージしやすいのがメリットです。特に、応募企業と同じ業界や似たような商品・サービスを扱うアルバイト経験であれば、より自社で活躍できる姿をイメージしやすいでしょう。
たとえアルバイトであっても仕事に向かう基本的な姿勢は新入社員と同じなので、アルバイト先での経験には、そのまま会社でも活かせるものが多々あります。
アルバイトに関するエピソードでは、働きぶりがどのような評価を得ていたかを、というポイントを盛り込めば、人柄のアピールにつながります。また、アルバイト先で何を学んだか、入社後にどのように活かせるかなどのポイントを押さえておけば、入社後のイメージがはっきり伝わる内容が組み立てられます。
サークル・部活
サークルや部活も自己PRのエピソードとしてよく取り上げられる題材です。サークル・部活の種類によって学べること、経験できることは異なりますが、アルバイトと同様、仕事に活かせることは多々あります。
どのような姿勢で活動に臨んだか、どのような人間関係を築けたのかなどのポイントを押さえておけば、うまく人柄を伝えられるはずです。活動の中で直面した課題などをどう乗り越えたか、活動を通じてどう成長できたかなども盛り込めば、自社で活躍するイメージをアピールできるでしょう。
ゼミや学業
学生の本分は学業であり、ゼミや学業も自己PRのエピソードとして使うことができます。そのため、実は「エピソードがない」ということはないのです。
ゼミや学業を題材にしたエピソードは、自分が本来集中すべき物事に真剣に取り組んだという点をアピールできます。社会人になれば、今度は仕事が本分ですから、ゼミや学業に力を入れたエピソードは、入社後は仕事に真剣に向き合える人材というイメージにつながります。
ただ、ゼミや学業を自己PRの題材に使用する学生は多いので、いかに自分の人柄を全面に打ち出して、入社後の活躍イメージを伝えられるかが肝心です。そのゼミや学業において、自分が何に重きを置いて取り組んだのか、どのような工夫があったのか、結果何がもたらされたのかなど、明確なプロセスをわかりやすく述べましょう。
資格の取得
資格の取得も、自己PRに活かせるエピソードです。資格の内容そのものもですが、なによりも資格取得に向けた取り組みの経緯をアピールできるからです。
皆さんも体験した通り、大学生活は決して暇ではありません。ましてや学業、サークル、アルバイトと精を出している場合、資格取得のために勉強する時間の捻出は困難です。
資格取得に向けた学習計画を立て、ともすれば途中で投げ出したくなる自分を叱咤激励しながら自己管理を図り、ようやく学習の成果が実って資格を獲得できるのです。ましてや難易度の高い資格なら、より強い意思と自己管理が求められます。
社会人になると学生時代よりも自由時間はぐっと少なくなるため、より計画性と自己管理を持って行動する力が求められます。実際の仕事でも、計画性をもって進めなければならない業務がたくさんあります。
そういう意味で、資格取得のエピソードは自分の計画性や忍耐強さといった人柄をアピールできる格好の内容です。入社後も計画性をもってきちんと自己管理を図りながら仕事ができる人材というイメージが伝わるでしょう。
趣味
趣味も自己PRで活かせる題材の一つです。なぜその趣味が好きなのか、何が楽しいかを語ることで、自分の人間性が面接官に伝わり、興味や親近感を抱いてもらえる可能性があります。
趣味の内容そのものは、よほどその業界とのかかわりが深い事柄でもないかぎり、企業側が採用を検討する材料にはなりません。趣味そのものを深堀されることもありません。
ポイントは、その趣味に対する姿勢、つまりどれだけ長くその趣味に没頭して取り組んでいるかの姿勢を示すことです。趣味を継続してきた年月が長いほど、一つの物事に集中して取り組める人物だという点がアピールできます。入社後も、物事にこだわりをもって取り組めるという活躍のイメージにつながるでしょう。
ただ、時間の経過を忘れてしまうなど、仕事がおろそかになるというイメージに繋がらないよう注意しましょう。
日常生活の習慣
日常生活の習慣も自己PRで活用できる題材です。日常生活の習慣は長く続けてきたからこそ定着したものであり、それだけ継続力を働かせながら取り組んできたことを意味します。
他の題材と同じく、日常生活の習慣も、内容そのものより、自分がどのような姿勢でその習慣に取り組んできたかの部分に面接官は着目します。
会社員になると、好きな仕事ばかりやっていられるわけではありません。中には単調な業務や、複雑で時間がかかる業務、他者とのかかわりでかなり忍耐を要する業務など、いろいろあります。どのような仕事でも投げ出さず、継続力を発揮して最後までやり遂げる姿勢が求められます。
その意味で、日常生活の習慣のエピソードは、継続力があるという人柄の理解、さらには入社後もどんな仕事も厭わず責任をもって全うするという活躍のイメージにつながります。
自己PRのエピソードは「すごい経験」の必要はない
自己PRのエピソードを検討している学生がよく陥りやすいのが、「すごい経験でなければ、アピールとして弱いのでは?」という誤解です。
自己の優れた側面をアピールしたいと思うのは、誰しもが抱く欲求です。しかし面接官は就活生が思うのとはまた異なる視点から、自己PRを通じて就活生の人物像を把握しようとしています。
前述の通り、人柄と将来の活躍イメージ、この2点が伝わるエピソードの準備に集中しましょう。
肩書や優勝経験は仕事に直接かかわらない
就活生の多くは、自己PRのエピソードにドラマチックな内容を求めがちです。特に部活やサークル活動の経験では、「肩書きや優勝経験といったアピールポイントがなければ、面接官の評価が得られれないのでは?」と考えがちです。
しかし、たとえば「サークルの部長を務めた」「優勝チームに属していた」からといって、その就活生が企業においても幹部候補の資質を備えている、あるいは入社後に仕事で活躍できる、などと評価されることはありません。
ですから、肩書きや優勝経験などの経験をエピソードとする必要はありません。自分の人柄や入社後に活躍するイメージが伝わる内容であれば十分です。
自分なりにアピール要素が伝わるエピソードを探す
自分のアピール要素が伝わるのであれば、エピソードが壮大かどうかは問題ではありません。むしろ、自分には平凡でスケールが小さいと感じるエピソードの中にこそ、自分の人柄や強み、将来像などのポイントが散りばめられているものです。
気がついていないのは自分だけかもしれません。アルバイトのちょっとした気づきや工夫、部活でのひたむきな頑張りなど、日常の振る舞いにこそ「自分らしさ」が表れるはずです。
そういった日常的ながらも自分らしさ、自分の良さが伝わるエピソードを掘り起こし、アピール材料へと昇華させましょう。
自己PRのエピソードとして使える基準
ここまで、自己PRのエピソードに使える経験がどのようなものかを解説してきました。では、どのような内容のエピソードが自己PRとして使えるのか、判断するための基準をポイント別に解説していきます。
この基準がわかれば、自分にとって自己PRとしてふさわしいエピソードとは何かが、より明確になるでしょう。逆にこの基準を押さえずに自己PRを作成した場合、焦点がブレて間外れな内容になりかねません。
大学時代に成功したエピソード
なぜ成功体験が自己PRに適しているかというと、就活生の人柄や活躍のイメージが見えやすいからです。たとえば「優れた成績・業績を収めた」「大きな利益を収めた」「他者の苦境を救った」「苦手なことを克服できた」など、何をもって成功とするかは人により基準が異なります。その考え方を通じて、就活生の人柄や価値観が伝わります。
また、成功の背景には何らかの状況や課題があったはずであり、その改善や解決を目標に、自分でなすべきことを考えて取り組んだ結果、成功したというエピソードになります。それらの取り組みから、入社後も自分の頭で物事を考えながら成功に向けて努力する姿がイメージできます。
まずは、大学生活での成功体験と思われる事柄を書き出しましょう。その時に自分は何をしたか、何を考えたかなども書いていきます。記憶だけを辿るのは限界があるため、当時の写真やスケジュール帳、SNSなどを見返してみるのもおすすめです。
成功体験のエピソードではただ成功に終始するだけでなく、そこから何を学んだか、どう成長したかになるよう心がけましょう。
主体的に動いたエピソード
今は「社会人基礎力」で挙げられてもいる通り、企業は学生の主体性に着目しています。主体性とは、たとえば問題や困難があっても自分で考えて行動し、解決や改善を図ろうとすることです。
そして、問題や困難に対し主体性を発揮してその克服・改善に向けた筋道を自ら考えて行動を起こせる人はその分成長も速いです。自社の成長のために、企業は主体性に着目しそのような人材を獲得したいと望んでいます。
そのため、自己PRのエピソードにも、自分が能動的に動いた経験を取り上げて、主体性をアピールしましょう。
なお、主体的に動くといっても、そのスケールがどの程度のものかは人によって異なります。自分の行動によって大勢の人を動かしたという話もあれば、他の人は気づきにくい、小さな変化を起こした話かもしれません。しかし、事の大小は関係ありません。自ら考えて取り組んだ内容なら、面接官にも主体的に動くあなたの人柄と取り組んだ内容が伝わります。
目標を達成したエピソード
目標を達成するには、計画性や持続力が不可欠です。計画性を持って物事を継続できるからこそ、何かを成し遂げられます。計画性は、社会人として求められる重要な資質でもあります。企業では短期間に終わらせなければならない仕事がたびたび発生するため、計画性をもって物事を進められる人材は貴重な戦力です。
また、目標を達成したいという意欲の強さは、それだけ自己成長意欲が強いとも捉えることが可能です。
目標を達成したエピソードを通じて、あなたが計画性を持って物事を進められる人物ということがアピールできます。加えて、忍耐強さや自己成長意欲の強さ、継続力の持ち主などの人柄も見えてくるため、面接官も自社で活躍するイメージをより具体的に描けるでしょう。
周囲と協力したりかかわったエピソード
周囲と協力できる、あるいは関わりを持って付き合えるというエピソードは、協調性やコミュニケーション能力の高さ、忍耐強さなどの人柄を連想させます。いずれも、ビジネスの世界ではなくてはならない資質です。
実際企業の社員になれば、所属部署やプロジェクトなどでチームで動くシーンが増えてきます。そうなると目標達成に向けてチームで連携して動く必要が生じるため、チームメンバー同士の協調性が不可欠です。中には馬が合わないメンバーとも一緒になる可能性があり、忍耐強くコミュニケーションを図りながらうまく付き合っていく必要があります。
そういう意味で、周囲と協力したり、人とかかわりながら物事を進めた経験のエピソードは、自社に入社しても周囲とのかかわりを大切にしながら働ける人材、というイメージにつながります。
社会に出ても活かせる再現性のあるエピソードを
自己PRのエピソードは、その場限りやたまたま偶然の内容ではなく、社会に出ても生かされる、再現性のある内容にしましょう。
そのときだけの偶然得た成功は、自分の力とは言えません。学生時代に失敗もして試行錯誤しながら得た成功体験こそ、同様の状況下に陥った場合に学びを活かし乗り越えることができます。
履歴書作成の際は合わせてこちらもチェック!
履歴書のサイズはA3を選んだ方がいい理由【就活向け】
どうしてもエピソードがない! そんな時の解決策
ここまでの内容に目を通してきて、自己PRで書くべき事柄が見えてきた、という人も多いでしょう。それでもまだエピソードが見えてこないという人のために、4つの解決策を伝授します。これらのうちの一つでも活用してみることで、手がかりが見えてくるはずです。
すでに題材やエピソードが決まっている人も、自分が書くべき自己PRにより近づけるために、参考にしてください。
周囲にたずねてみる
まずは自分自身について、周囲の人にたずねてみるのがおすすめです。これは他己分析とも言われるアプローチで、友人や家族、大学の先輩、就活アドバイザーなどの第三者に自分の特徴や強みなどについて意見を聞きながら、自己像を把握してみましょう。
自己分析のみだと、どうしても主観的な視点での自己理解に陥りがち、下手をすると過小評価あるいは過大評価につながる恐れがあります。
他己分析なら、第三者の客観的な視点から意見を集められます。さらに、一人よりも複数の人にたずねることで、よりバランスの取れた自己像を捉えやすいのがメリットです。自身もこれまで気がつかなかった、新たな自分のエピソードに出会えるかもしれません。
大学時代に失敗したエピソードを考える
大学時代の失敗談から自己PRのネタを発見するのも一つの手です。失敗を通じて何かを学んだことで成長し、身に着けたものを強みとしてアピールできるからです。
ここで重要なのは、失敗談そのものがアピールになるのではない点です。むしろ、失敗から何を学び、どう次の行動につなげていったかどうかがポイントになります。失敗をもとに自分なりに考えて行動し、問題を克服して成長したエピソードを通じて、自分が発揮した強み、あるいは新たに獲得した強み、かつ自分がひたむきに取り組んだ姿勢をアピールできます。
たとえば、「英語のテストの成績は良かったのに、いざ外国人と対面したときにほとんど言葉が出なかった」という失敗談があったとします。
もし、次はもっと話せるようになりたいという悔しい気持ちをバネに、テレビやラジオの語学番組を視聴したり、英会話スクールで学んだりなどの取り組みにつなげていったとしましょう。「チャレンジ精神」や「成長意欲の強さ」などを強みとしてアピールする自己PRのエピソードができあがります。
まずは大学時代の失敗談をリストアップして、そこからポジティブな自己PRエピソードになるネタがないかどうか探してみましょう。
自己PR作成ツールを使う
ここ数年はまさに新型コロナウイルスの影響で大学生活の大半を過ごしてきたでしょう。外出を控えてきた関係でめぼしいエピソードが思いつかない、という学生も少なくありません。あるいは、自分なりにエピソードを考えてみたものの、周囲にアドバイスをくれる人がおらず自信がない、といったケースもあります。
そうした場合に、自己PR作成ツールを使ってみましょう。いくつかの質問に回答するだけで、短時間で自己PRの文章を作成できます。
高校時代のエピソードを使う
最後に、どうしても大学時代にめぼしい経験がなく、むしろ高校時代のほうが自己PRにふさわしいエピソードがある場合は、それを使うのもOKです。
ただ、大学時代のエピソードのほうが、今の自分や入社後の自分にも近く、面接官にも「高校生活のほうが充実していたのか?」と誤解される恐れもあります。できれば高校時代のものは基本的に避けた方が無難です。
あえて高校時代のエピソードを用いる場合は、確実に自分の人柄や将来像をアピールできるポイントを盛り込みましょう。また、高校時代の時間枠で終始せず、その体験が現在の自分につながっている点を強調して結ぶのが肝心です。より説得力が増します。
自己PRの例文
最後に、自己PRを作成する際に役立つ例文を紹介します。エピソードとして「アルバイト」「サークル」「学業」「趣味」を題材として挙げた例文を用意しています。目を通すことで、自分が目指すべき自己PRの具体的な形がより明確に見えてくるでしょう。
良い例文例①
私の強みは観察力と行動力です。私は大学1年生の頃からカフェでアルバイトをしてきました。
そこでは平日のランチタイムには客入りが少なかったため、解決策を考えました。
調べると近くに公園があったので、親子連れの入りやすいお店にしてはどうかと店長に提案しました。
方向性が定まってからは、子連れで入りやすいお店の条件についてインターネットなどで情報収集をおこないました。
ベビーカーでも通りやすいように通路を広く取り、お子様メニューを考案し、子連れ歓迎のポップを作って周囲にアピールしました。すると、少しずつお客様が増えてきて、今ではランチタイムは予約席が一杯になっています。
この観察力と行動力を活かして、御社ではお客様の気づかない強みを引き出せるようなコンサルタントになりたいと考えています。
この例文では、はじめに結論であるPRポイントを伝え、その後にそれを裏付けるエピソードを紹介しています。
実際にお店を盛り返した経験があるのなら、コンサルタントとして働く姿も想像しやすく、説得力のあるアピールになっています。
良い例文例②
私の強みは協調性です。大学時代は学生オーケストラに所属し、フルートのパートリーダーを担当し、パート内をまとめるとともに、他のパートリーダーと連携して部の運営に携わっていました。
ある時期、練習時間をめぐって部内で深刻な対立が起こりました。演奏会に向けてもっと練習日を増やしたいという一派と、あくまで楽しく演奏することが目的で練習日を増やしたくない一派とに分かれました。練習をボイコットする状況も起こり始め、演奏会どころではなくなりました。
私は他の楽器の何人かのパートリーダーと連携し、双方が話し合う場をもてるよう、関係各所を回り、忍耐強く説得しました。時間が経つにつれそれぞれが冷静になってきたこともあり、最終的には話し合いの場がもたれ、演奏会までの期間限定で、曜日を増やすのではなく、練習時間を長くすることで折り合いをつけ、何とか演奏会には間に合いました。
この経験を通じて、私は人間関係で対立が起こっても、冷静に物事を見つめて解決に向けて協力し合うことの大切さを学びました。こうした協調性は、チームで1つの物事に向かって一致協力する場面が多い企業の現場でも大いに活かされるものと考えます。
部活での役職に言及していますが、役職そのものよりも、問題の解決に向けて、役職に課せられた責任を果たしながら周囲と連携していく姿勢がきちんと打ち出されていていました。
企業で重視される協調性という強みにもうまくつながっているので、全体的にはやや長文であるものの、読みやすい印象を覚えました。
良い例文例③
私の強みは目標達成意欲の高さです。私には、国際性を身につけてグローバルに活躍する仕事がしたいという目標があります。そのためにはまず英語が必要と考えて、英語力を上げるためにさまざまな努力を積み重ねてきました。その一つが、半年間のアメリカ留学でした。
留学までにパスポートやビザの取得、語学能力を証明する資格の取得、大学の留学プログラムへの申請など、さまざまな手続きがありましたが、目標の達成に向けて時間をやりくりしながら準備しました。
実際に現地へ渡航してからは、現地の大学が提供する語学プログラムで学びながら、学生や地域のアメリカ人とできるだけ多く交流するよう努めました。会話力とヒアリング力が上達したと共に、アメリカ社会の多様性にも触れるなど多くの発見がありました。現在は、自分の視野と見識を広げるために、英語でニュースを観たり英語で情報検索したりしています。
これからも目標達成意欲の高さを活かして、貴社でも自分が達成すべき目標を見極め、そのためにはどのような準備や努力が必要かを自ら考えて行動しながら貢献していきたいと思います。
目標達成意欲という強みを伝えるために、具体的な目標の達成に向けて計画的かつ主体的に動いて物事を進めていく様子がわかりやすく説明されています。
応募先企業で求められる英語力、かつ計画性や主体性といった他の強みのアピールにもつながっており、よく整理して構築されています。
良い例文例④
私の強みは計画性です。趣味の旅行では、1日にできるだけ多くの場所を回ったり、いろいろな体験ができるよう事前に緻密な行動を立てます。旅行には資金も必要なので、親には頼らず数ヶ月前からアルバイトをして得た収入を用いています。
旅行を通じて味わえる非日常感が何より魅力です。大学に入ってからは長期の休みになると国内を友人同士、あるいは一人で旅行して回ります。旅先では珍しい物を見たり美味しいものを食べるのも魅力ですが、何より地元の人との交流が楽しみです。
現在までに日本国内はほとんど回ったので、社会人になってより多くの収入が得られるようになったら海外も少しずつ回ってみたいと思います。
このような私の計画性を活かして、貴社でも計画的に仕事に取り組むことで、期限内の目標達成に貢献したいと考えています。
自己PRで趣味を取り上げる場合、ただ自分の好きなことを並べ立てたり、熱中しすぎて節度に欠ける印象に繋がらないよう注意が必要です。
しかしこの例文では、あくまで計画性という強みを伝えるために、綿密な準備をおこなったうえで旅行を楽しんでいる姿が説明されているので、ポジティブな印象を与えます。持ち前の計画性を活かして会社で活躍するイメージに繋げて締めくくられている点も、読みやすいまとめ方といえます。
自己PRは誰かと比較せずに自分なりのエピソードを工夫して書く
学祭やボランティア、学業など特別自慢できることがないと、自己PRのエピソードに悩む就活生は多いです。
周りと比べると、たいしたエピソードではないと自信をなくしてしまうかもしれません。しかし、企業が注目しているのは、どんなすごい功績を残したのかや、大それた取り組みをしたのかではありません。
何を考えどのように取り組んだのか、そこから見える人柄と考え方に注目しているのです。身近なことや、これまでの経験からあなたらしさが伝わる、少し自信を持って伝えられるエピソードがあれば、そこから深堀して自己PRを練っていきましょう。
自己分析ツールを活用して、あなたの本当の強みを発見しよう
説得力のある自己PRを作るには、自己分析を通じて、「あなた自身の強み」を深く理解する必要があります。ただ、自己分析をやるのも結構大変です。
そんな時は、自己分析ツール「My analytics」を活用してみましょう。
My analyticsなら、36の質問に答えるだけで、あなたの強み・弱み→それに基づく適職をサクッと診断できます。
My analyticsを活用して、あなたの本当の強みを発見し、面接官を唸らせる自己PRを完成させましょう。
時間がかかりがちな自己分析が簡単にできちゃうツールがあるのをご存知でしたか?
パッと自己分析を終えたい時に使えるのが、使えるのが適職診断テスト「AnalyzeU+」です。
「AnalyzeU+」は、251問もの設問に答えていく本格的な適職診断テストです。設問に回答をすると、経産省の定めた「社会人基礎能力」のうち、あなたがどの面に秀でていて、どの面に弱点があるのかを教えてくれます。
これは、私がテストした時の診断結果です。この通り、かなり詳しく教えてくれます。
偏差値形式で表示してくれるので、「自分の強みは何なのか?」「向いている仕事は何なのか?」「どんな弱点があるのか?」「向いていない仕事は何か?」が一発でわかります。自分の向き・不向きがわかるので、自己分析で適職について考える時にとても役立ちます
「AnalyzeU+」を利用するには、スカウト型就活サイト「OfferBox」への無料会員登録が必要です。OfferBoxは、プロフィールを登録しておくだけで、あなたのプロフィールに関心を持った人事から選考のオファーがもらえるサイトなので、登録して損はありません。
AnalyzeU+で診断するついでに、プロフィールを詳しく入力しておくと、有名企業からの選考のオファーまで届くようになります。
「AnalyzeU+」を活用して、最速で自己分析を終わらせましょう。