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就活をすると「自分のセールスポイントを教えてください」などと要求されることがありますよね。
「自分のセールスポイント」に関する質問は、あなたを採用担当に売り込める貴重な機会です。
この機会を活かせるかどうかで、採用の合否がわかれます。
そこで本記事では、わかりやすい例文をもとに「自分のセールスポイントの答え方」を解説します。
セールスポイントとは? 似た表現の違いから意味を理解しよう
セールスポイントを問われても、パッと答えられない人も多いと思います。私生活では聞きなれない言葉なので、何を伝えればいいのか悩んでしまいますよね。
そこでここからは、まずセールスポイントを聞かれたときに「どんな内容を伝えれば良いのか」を理解するところから始めましょう。
まずは、セールスポイントと似た意味を持つ言葉と比較しながら解説していきます。そこから連想することで、あなただけのセールスポイントが見えてくるはずです。参考にしてみてください。
セールスポイント:会社に自分を売り込む
就活で聞かれるセールスポイントとは、言葉のニュアンス通り「自分を売り込むための特徴」を言います。
企業にあなたの強みやスキルを売り込み「この学生は採用する価値がある人材」と感じてもらうための武器となるものです。
企業のビジネスモデルや働き方など、その企業ならではの特徴に対して、あなたがどのように貢献できるのか、または企業と結びつく共通点がセールスポイントとなります。
セールスポイントにより、企業はあなたが自社に合っていることや自社にもたらす影響がわかるため、採用するメリットが感じられやすくなるのです。
長所:自分の良いところや魅力
「セールスポイント」と混同しやすいのが「自分の長所や強み」ですがこの2つの質問には、はっきりとした違いがあります。
長所とはその言葉通り「あなたの良いところ」。つまり長所は、企業に良い影響を与えるかどうかは問われません。
そして長所を質問する意図とは「企業との相性がマッチしているか」を知るためであることが多いです。あなたの長所を知ることで、自社の社員との雰囲気や相性を確認し、職場の活性化につなげる意図があります。
一方で、セールスポイントは、ビジネスで使えるあなたの特技や魅力を知ることで、企業があなたを採用するメリットを明確にするための質問です。企業に与えるメリットと明確に絡むものが「セールスポイント」となります。
長所の質問は、一見するとセールスポイントと接点が多いように感じますが、あなたの人柄をみる質問です。「長所」と「セールスポイント」の伝え方を混合しないように注意しましょう。
特技:自分の得意なこと
選考でよく聞かれる「特技」も、セールスポイントと混同しやすいものです。
特技とは自分の得意なことであり、特技もその企業へ与えるメリットとは直接かかわりません。人よりも優れている一面を知ることで、あなたの特技から仕事の適性をみている場合が多いです。
したがって、あなたが自社に与える良い影響をたずねているセールスポイントという質問に特技を答えてしまうのでは、あなたを採用するメリットが薄れてしまいます。特技もセールスポイントと混同しないようにしましょう。
セールスポイントは自己PRで求められやすい
そんなセールスポイントですが、選考においてはセールスポイントは自己PRで問われることが多くあります。自己PRは企業があなたとの接点を見極め、採用するメリットを見つけるためのものだからです。
自己PRはその名の通り「自分をPRするもの」。企業へ、自分という商品をPRし売り込むためのものです。自分を売り込み、自分に魅力を感じてもらうためには、企業に「この人を採用すれば自社にいいことがある!」と思ってもらわなければなりません。
その役割を果たすのがセールスポイントです。セールスポイントはあなたを採用するメリットなので、自分を売り込む自己PRでこそアピールすべきポイントです。そのためセールスポイントは自己PRで問われることが多くなります。
【タイプ別】セールスポイントの例一覧10選
ここからは、就活で使えるセールスポイントを10個の例を使って紹介します。
とはいえセールスポイントといっても実にさまざまなものがあります。そのため、自分のセールスポイントが見つかりやすいようテクニカルスキルとヒューマンスキルに分けてセールスポイントを紹介していきます。あなたに合うセールスポイントを見つけてみてください。
テクニカルスキル
ここでは、就活のセールスポイントで使えるテクニカルスキルを4つ解説します。
テクニカルスキルとは、業務に欠かせない専門的な知識や技術を指します。テクニカルスキルをセールスポイントとしてアピールすると、そのテクニックや技術が必要となる企業や業務において、即戦力として働くことができそうとイメージさせることができます。
また、セールスポイントとしてテクニカルスキルを伝えることは、専門的なスキルを持った人材ということをアピールできるほか、入社後のスキルアップにも応用できる可能性があるので、テクニカルスキルをもっている人は企業から一目置かれる人材になります。
PCスキル
テクニカルスキルの一つである「PCスキル」とは、Eメールの作成や送受信はもちろんのこと、Microsoftの「Word」「Excel」「PowerPoint」などの基本操作と知識があるスキルです。
PCスキルをよく使う職業にはこのようなものがあります。
- 事務
- 編集
- 営業
PCスキルは、事務仕事をメインに幅広い職業にアピールできるセールスポイントです。現代においてはほとんどの職業でパソコンが使われています。
企業の新入社員研修でも、PCの使い方などは必ず盛り込まれる項目です。タイピングが早いことも仕事の効率化につながりますし、WordやExcelなどの資料作成はほぼ毎日発生する業務です。
PCスキルはこのように働くうえで必ず必要になるためセールスポイントとしてアピールは可能です。しかしもちろんタイピングが速いという人より、Excelを使いこなせるという人のほうがより業務においてすぐに活躍してくれそうですよね。
だからこそPCスキルをセールスポイントとしてアピールする際は、自分のPCスキルがどの程度なのかを細かく伝えることを忘れないようにしましょう。
語学力
就活でセールスポイントとなる語学力とは、主に英語力です。「TOEIC」や「英検」などのスコアでアピールできる指標があると、面接官にもそれがセールスポイントであることが伝わりやすいですね。
語学力の必要な業種には下記のようなものがあります。
- 商社
- 外資系企業
- 航空運輸
- システムエンジニア
- ホテルスタッフ
このような職業では、海外勤務や取引先との商談に英語が使われることが多くあります。そもそも企業によっては、英語力を入社条件にしている企業も少なくはありません。
仮に語学力が応募条件に含まれている場合はただ「語学力があります」といってもプラスアルファのアピールにはなりにくいです。求められている語学力より一歩先のレベル感の語学力こそがセールスポイントといえるのです。
その企業の最低基準の語学力に対して、それを上回る力を持っているのであればぜひ語学力をセールスポイントとしてアピールしましょう。
ITスキル
就活生のなかで人気の高い業界のひとつ、IT業界への就職を目指すならITスキルがセールスポイントとなり得ます。ここでいうITスキルとは、プログラミングスキルやネットワークの構築スキル、システムを開発できるようなスキルを指します。
ITスキルの必要な業種には下記のようなものがあります。
- システムエンジニア
- プログラマー
- webエンジニア
- ネットワークエンジニア
- AIエンジニア
今後もITニーズが高まっていくと予想されます。高いITスキルはそれだけでセールスポイントとなり得ますし、技術やトレンドの移り変わりが速いIT業界においては学習意欲の高さも大きなセールスポイントとなっていくでしょう。
ただし、一言にIT業界といっても、仕事の幅は多岐に渡ります。プログラミングスキルが活きる仕事もあれば、実は活きない仕事もあるのです。
その職種や業界において、どんなスキルが求められているのかを理解しなければ、せっかくのセールスポイントもまったく意味のないものになってしまいます。事前調査は欠かさないようにしましょう。
専門スキルや資格
専門スキルとは、「技術職・デザイン系・医療福祉関係」などの専門分野に特化したスキルを指します。
具体的には下記のようなものを専門的スキルとして指します。イメージがつきづらい人は参考にしてみてください。
- 日商簿記3級以上
- 宅地建物取引士
- ファイナンシャルプランナー3級以上
- デザインのアプリケーションやソフトを使ったポートフォリオがある
- CADを使いこなせる
このような専門的な資格や知識は、すべての就活生がもっているわけではありません。だからこそ企業としても「未経験OK」という文言で広く学生を募集しているところもあります。
そういった企業において、その分野の知識やスキルを持っている学生は、入社後それぞれの分野で早い段階での活躍を期待されるはずです。ぜひ就活ではセールスポイントとして強くアピールしていきましょう。
ヒューマンスキル
ここからは、就活のセールスポイントで使えるヒューマンスキルを6つ解説します。
ヒューマンスキルとは対人関係能力とも言い換えられる場面も多く、コミュニケーションや人間性に関するスキルです。ヒューマンスキルは社会人に必要な人間関係を作るうえで、もっとも重要なスキルといえます。
セールスポイントでヒューマンスキルを伝えると、あなたの人間性をアピールすることができます。リクルートの就職白書によると、非常に多くの企業が学生の人柄を見ているようです。
そのため、自分のセールスポイントとして人柄や人間性であるヒューマンスキルのアピールは非常に有効だといえます。
コミュニケーション力
セールスポイントとしてアピールできるコミュニケーション力とは、相手の言葉の意味を理解し、正しく伝える能力をいいます。
対人関係を要求される職業でアピールできるスキルですが、仕事では相手との認識のズレが生じないように、情報を伝え理解できる能力はとても重要なスキルといえます。
コミュニケーション力をアピールすると評価されやすい職業は下記の通りです。
- 営業職
- 接客業
- ファイナンシャルプランナー
- ITエンジニア
このような職業では、相手のニーズを読み取りそれに合った提案をすることが重要になります。コミュニケーションスキルがセールスポイントとなり得る理由がよくわかるのではないでしょうか。
対人関係を要求される職業では、セールスポイントとしてコミュニケーション力をぜひ積極的にアピールしていきたいところです。
また、基本的に仕事とは自分以外の誰かと進めるものであり、仕事の進行にはコミュニケーションが必須となります。企業の中でも特に仲間内での綿密なコミュニケーションが推奨されている企業であれば、上記の職業に該当していなくてもアピールすると良いでしょう。
リーダーシップ
就活でアピールできる「リーダーシップ」とは、メンバーをまとめたり、チームのモチベーションを高めて成果をだす力を持っている人材です。
リーダーシップが必要な業務には、人を管理する業務や改善業務のようなものが挙げられます。またチームで仕事をすることが多い職業やそのような取り組み方を大切にしている企業においては、メンバーをまとめ動かしていく人材は欠かせません。
たとえば下記のような職業ではリーダーシップが必要です。
- 店長職
- ネットワークエンジニア
- 営業職
- 製造技術
こういったチームで戦う職業においてリーダーシップをアピールすると、周囲を巻き込み成果を上げてくれそうだと判断されるでしょう。
自社に良い影響をもたらしてくれそうだと、セールスポイントとしての役割が十分に発揮できます。人をまとめる職業ではリーダーシップはセールスポイントとしては有効なスキルです。
責任感
就活でアピールできる「責任感」とは、最後まで仕事をやり抜く姿勢や、仕事を自分ごととして捉える能力です。
社会人として働くにあたっては、基本的に責任感はどの企業でも求められるものではあります。その中でも、たとえば下記のような職業では責任感が特に必要です。
- 医療関係
- 児童指導員
- 保育士
- 介護士
- 銀行員
こういった職業では、身の回りの仕事に対して常に自分が責任を背負う意識をもっていなければなりません。自分の動きが他の人の生命や資産に大きく影響するからです。顧客の人生を背負っているのだという責任感をもって働ける人材が企業から望まれています。
ミスの許されない中で責任をもって職業に取り組めるということはこういった職業や企業においてはよく刺さるセールスポイントとなります。
普段から「物事を投げやらない」「失敗やミスから逃げずに与えられたことを全うする」という精神を持っている人は、是非ともアピールしていきたいスキルです。
協調性
就活でアピールできる「協調性」とはチームの力量を把握し、円滑なコミュニケーションをとるスキルをいいます。特に複数の人とかかわり、チームで何かを成し遂げる必要のある場合は、チームメンバーと良好な関係をつくりときには相手の意見を取り入れるなどの協調性が必要です。
下記のような職業では協調性をセールスポイントとして使えます。
- 事務職
- 接客業
- 企画職
- 製造業
- マーケティング職
チームで成果をだす職業では、さまざまな意見や考えを持つ人と働かなければいけません。たとえ合わない人であっても協力して仕事に取り組める能力は、このような職業において必要なスキルです。
チームで動いたり、複数の人とかかわる職業やそういったことが推奨されている企業においては、協調性をアピールすることで円滑なコミュニケーションを図れると期待されます。企業に刺さるセールスポイントになるでしょう。
巻き込む力
就活でアピールできる「周りを巻き込む力」とは、目標に向かって周囲の人を巻き込みながら達成していく力を指します。
会社という組織で働く限りは、どんなに優秀な人材であっても大きなプロジェクトを一人だけで成し遂げることは難しいでしょう。どうしても成功させたいプロジェクトに対し、あなた一人が頑張っても周りが協力的でなければ、良い成果は出しづらいです。
しかし、他者の力を借りて協力しながら仕事を進めることができれば、一人では達成できないようなとても大きな成果を獲得できます。
このように、周りを巻き込んで仕事を進める能力がある社員は、仲間とともにさまざまな困難を乗り越えられる可能性を秘めています。チームでビジネスをおこなう企業においては、大きなセールスポイントになるでしょう。
行動力
就活でアピールできる「行動力」とは、目的をもってやりたいことのために積極的に行動できる能力です。行動力がある人は、新しい仕事でも「やってみよう!」と前向きにチャレンジできます。
新しい事業やプロジェクトが発足する際は、リスクを考えたり最悪の結果を招かないように用心することはもちろん大切です。
しかし「とりあえずやってみよう」という勢いで物事を進めるほうが結果としてうまくいくこともあるもの。特によく新規事業やプロジェクトが起こる企業は「まずやってみる」という心意気を大切にしていることが多いです。
こういった企業に求められるのは、リスクを顧みず物事に取り組める行動力のある人。だからこそこのような企業では、行動力がセールスポイントとしてアピールできるのです。
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これが重要! セールスポイントで高評価を得る極意
ここからは、セールスポイントで面接官から高評価を受ける3つの極意を解説します。
この3つの極意にそってセールスポイントを作ると、あなたの「性格・魅力・採用するメリット」が伝わりやすくなり、他の学生と差別化できるようになります。
高評価を得る3つの極意とは、下記の3要素です。
【セールスポイントを見つける→仕上げる→伝える】
この順番を守るだけで、あなたのセールスポイントはとても魅力的に面接官に届くでしょう。
詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。
まずはセールスポイントを【見つける】
まずは、面接官があなたを魅力的に感じるようなセールスポイントを見つけることが大切です。セールスポイントとはあなたを採用するメリットともいえます。セールスポイントに企業があなたを採用したくなるような魅力を感じなければ、採用に結びつくことは難しいですよね。
少しだけ想像してみましょう。
たとえば、あなたが欲しいものがあるとき「買ったらどんないいことがあるのかな?」イメージを膨らませませんか。これと同じように、面接官はあなたが採用後にどのような働き方をして、自社にどのようないいことをもたらしてくれるのかを期待しています。
だからこそ「自分が企業にいいことをもたらせる」と示せるセールスポイントをまず見つけることが大切なのです。
響くセールスポイントに【仕上げる】
見つけたセールスポイントは、言葉を厳選してあなただけの言葉に仕上げる必要があります。
なぜなら、一般的な言葉を並べたとしても、他の学生も同じようなセールスポイントを伝えている可能性があります。そうなっては、いかに魅力的なセールスポイントであっても面接官にはうまく響かないでしょう。
企業は採用のメリットを把握しようとしています。セールスポイントは自分が自社に良い影響をもたらせるとアピールできる絶好の機会です。面接官の印象に残るようなセールスポイントに仕上げることで大きな評価を受けるようにしましょう。
わかりやすく相手に【伝える】
あなたならではのセールスポイントに仕上げたとしても、その内容がわかりやすく伝わらなければ、企業には刺さりません。
面接という場であなたに与えられた時間は、ほんの30分から1時間。その短い時間であなたのセールスポイントをしっかりと相手に届けるためには、セールスポイントそのものを魅力的に作りこむだけでなく、正しい方法で伝えることも同様に重要になるのです。
【見つける】セールスポイントの見つけ方
それでは、セールスポイントで高評価を得る極意の1つ「見つけ方」から解説します。
基本的に、あなただけのセールスポイントの見つけ方は「探す × 照らし合わせる」です。それでは、この手法を使って具体的にどのようにしてセールスポイントを見つけていくのかを解説していきます。
ステップ①自己分析をする
セールスポイントを見つけるためには、まずは自己分析から始めましょう。自分には企業で活かせそうなどんないいところがあるのかを見つけなければ、アピールできるものがわからない状態ですよね。
まずはあなたの良いところである長所を見つけましょう。見つからない場合は活躍した出来事や成功体験を振り返ります。活躍の要因となったものがすなわち長所であるともいえますし、その出来事から見える自分の考えや大事にしている考え方もセールスポイントとなり得ます。
また長所以外に得意なことを見つけるのも手です。得意なことであれば、入社後もその手腕をふるえる可能性が高くなります。
一人で見つけられない場合は家族や友人に自分のアピールポイントを聞いてみましょう。客観的な意見をもらえることもあり、あなたのセールスポイント候補が見えてきます。
ステップ②企業の求める人物像と照らし合わせる
自己分析を洗い出したら、企業の求める人材を把握する必要があります。なぜなら、企業が求める人物像に沿ってこそ、自己分析で見つけ出した長所や特技がセールスポイントとして効果を発揮するからです。
仮に自分の長所が行動力だったとしても、慎重で几帳面な性格が求められている職種においては、その長所はセールスポイントとして刺さることはないでしょう。行動力は求められていないからです。
だからこそ企業の求める人物像と自分の長所や特技を照らし合わせることで、あなたを採用するメリットが明確に伝わるセールスポイントを見つけ出すことができます。
【仕上げる】ただ伝えるのではだめ! 響くセールスポイントの作り方
自分のセールスポイントが見つかっても、それをうまく面接官に届け採用メリットを感じてもらえなければ、せっかくのセールスポイントがもったいないです。セールスポイントになる材料を見つけるには、面接官の心に響くように仕上げる工程が必要です。
ここからはセールスポイントの伝え方について解説していきます。魅力的なセールスポイントに仕上げる方法をみていきましょう。
自分のセールスポイントを具体的にする
抽象的な表現でセールスポイントを伝えてしまうと、ありきたりな言葉になってしまいます。ありきたりな表現は他の学生も使っている可能性があり、あなたが見つけたせっかくのセールスポイントが面接官に響かなくなってしまうかもしれません。
具体的な表現としては、下記のような例文を挙げます。
(抽象的な表現)
行動力があります
→(具体的な表現)
私は「できるかどうか」思い悩む前に、まず「やってみる」人間です
(抽象的な表現)
私は責任感があります。
→(具体的な表現)
私は、組織のために必要だと思えば、人が嫌がるような役割でも、責任を持って全うすることができます。
なんとなくイメージがわきましたか?
このように「具体的な言葉」で自分の長所を表現しましょう。
「行動力があります」「協調性があります」では凡庸に思われる
就活生にはよく「行動力があります」「責任感があります」「協調性があります」とアピールをする人がいます。それ自体は悪くないのですが、これらの表現を使う人があまりに多すぎて、ありきたりに見えてしまうのです。
同じ、「行動力」をアピールするにしても、「私は悩む前にまず行動する人間です」などの表現の方がインパクトがありますよね。当然、採用担当の印象にも残りやすくなります。
「協調性」「責任感」「行動力」のようなありきたりな表現に逃げずに、具体的な言葉で自分のセールスポイントを表現してください。
比喩表現を用いる
あなたを一言で表す比喩表現を使えば、相手に伝わりやすい言葉に変わります。就活でよく使われる比喩表現とは「キャッチコピー」や「なにかに例える表現方法」を指します。
比喩表現を使うと、相手に自分のアピールポイントを一言で伝えられるほか、イメージしやすい文章になり、あなたの印象を強める効果があります。
たとえば、下記のような文面を比喩表現といいます。
◎リーダーシップをアピールするときの例
例:私はみんなを成功に導くコンパスのような人間です。
◎明るい性格をアピールするときの例
例:私はLED電球のような明るい性格でメンバーを暖かく照らします。
このように、比喩表現を使うとあなたのセールスポイントがあなただけの表現になります。なおかつ聞き手があなたの性格をイメージしやすく、面接官に響きやすいセールスポイントに仕上げられるでしょう。
【伝える】これを使えばOK! 心を揺さぶるセールスポイントの構成
セールスポイントを見つけて、あなただけの言葉に仕上げることができたら、次はそれをしっかりと面接官に届けましょう。伝え方にまで気を配ってこそ、魅力的なセールスポイントが完成したといえます。
基本的に相手に伝わりやすい文章というのは「文章構成の法則」に当てはめて作られており、この文章構成の法則にしたがって文章を当てはめていけば、誰でも伝わりやすい文章を作ることができます。
ここからは実際の例文をもとにしながらセールスポイントの伝え方を解説していきます。面接官の心に響くようなセールスポイントを作る参考にしてください。
私は現状に満足せず、より良いものを目指して努力を積み上げていくことができます。[結論]
その力を最も発揮したのが、入学当初、500点しかなかったTOEICのスコアを860点まで伸ばした経験です。[エピソードの概要]
私は「英語のスペシャリストになりたい」という思いで現在の学部を選択しました。その目標を叶えるために、「ビジネスで十分な英会話ができる」800点をとれるように、努力を続けました。[課題]
具体的には、ネイティブの留学生が多数所属するサークルに入り、自然に英会話の経験を積めるようにしました。また、英会話のリスニング教材を常に持ち歩き、授業間の休みや、移動時間を有効に活用して、学習を継続していきました。[行動]
この努力の結果、大学三年の春には目標である800点を達成出来ました。しかし、これだけで満足せず学習を続け、去年の秋に860点を取得することができました。[結果]
貴社においても、現状に満足せず、努力を続けることで、自身を成長させていきたいと考えています。[会社の業務にどう活かすか]
では、例文のポイントを詳しく解説していきます。
①結論先行で「自分のセールスポイント」を伝えよう
文章構成として結論から伝えると「この学生のセールスポイントは何なのか」がわかりやすい文章になります。
結論を最初に伝えれば、一番伝えたい部分が一番に相手の耳に入りますよね。後から「結局あの学生のセールスポイントは何だったのだろうか」と思われることもなく、あなたのセールスポイントが簡潔かつ的確に伝わります。
このように結論先行で伝えると、あなたの伝えたいポイントが採用担当に伝わりやすくなります。最初に「自分のセールスポイントは何なのか」を伝えるようにしましょう。
成果があるなら、この部分にも書いておく
目覚ましい成果をあげている場合は、この結論部分で先に示しておきましょう。
◯その力を発揮したのが、英語学習の経験です。
◎その力を発揮したのが、TOEICの点数を500点から860点まで伸ばした経験です。
前者と後者なら、後者の方が「おっ!」と思いますよね。
このように、わかりやすい成果が最初に書いてある方が、その先の文章を読む気になると思います。
『大事なことは最初に書いておく』がビジネス文章の基本です。
数字ベースの成果や、入賞などのわかりやすい結果がある場合は、この部分に書いておきましょう。
②エピソードで「セールスポイント」を証明しよう
次に、「セールスポイントが証明できるエピソードの概要」を書いてください。エピソードを根拠にしてセールスポイントをアピールすることで、説得力が増すからです。
「私はこんな強みがあります」だけでは、採用担当は信用できません。「私はリーダーシップがあります!」とアピールして、人事が「なるほど、リーダーシップがあるのか!よし、採用!」となるのなら楽ですが、そうはいきません。
あなたのアピールに説得力を持たせるために「セールスポイントを発揮したエピソード」を証拠として示しましょう。具体的なエピソードがあれば、「なるほど、そんな経験をしているなら、そのセールスポイントを本当に持っていそうだ」と信ぴょう性が増すのです。
どんな課題に取り組んだのか書く
ステップ2のエピソードの中で、「主にどんな課題・目標に取り組んだのか?」を書きましょう。
取り組んだ課題・目標を明示しておくことで、セールスポイントのエピソードが「こんな課題に対し、こんな努力をして、こんな成果が出た」という構成になり、エピソードの焦点が絞れます。結果、非常に読みやすい文章になるのです。
まずはエピソードの中で、あなたが取り組んだ課題・困難・壁を詳しく書きましょう。
どんな行動・工夫を行ったのか?具体的に伝える
エピソードの中では、あなたの努力した「行動・工夫・成果」を具体的に伝える必要があります。社会人になっても課題に直面することは多くありますが、課題は克服しなければいい成果が生まれないですよね。
そして課題を克服するために使われたものが自身の「セールスポイント」です。エピソード内でどんな行動や工夫をしたかを伝えることで、自身のセールスポイントが課題解消のために有効であることを示せるのです。
どんな成果を出したのか?を書き、実力をアピールする
セールスポイントは、企業のメリットとなり得る点であるからこそ、成果を見せることが必要不可欠です。例文では、努力した結果が得点に現れていますね。
成果をわかりやすい指標でアピールできると、「そのスキルで成果を挙げられる」ことが企業に明確に伝わります。つまり、自分のアピールしたいスキルが企業のメリットであることを実証できるのです。
このように「どんな成果が出たのか?」を具体的に伝えれば、あなたのアピールしたいスキルがよりセールスポイントとして刺さりやすくなるでしょう。
③自分のセールスポイントが業務にどう役立つのか伝えよう
あなたのセールスポイントが「どのように企業の役に立つのか」を伝えられれば、あなたを採用するメリットが引き立ちます。
再三解説している通り、面接では、あなたを採用するための判断材料を探しています。そしてセールスポイントとは「自分を採用するメリット」をクリティカルに伝えるものです。
自分のセールスポイントが仕事でどのように役立つのかを伝えて結ぶことで、初めてセールスポイントが企業に刺さるものです。
自分のセールスポイントが企業の役に立ち、貢献できると伝えられれば、あなたの魅力はグッと高まるでしょう。
企業研究の成果を盛り込む
貴社OBの◯◯様によると「証券会社の営業は、常に数字での結果を求められる。そのプレッシャーに勝てる人間が必要だ」と伺いました。
営業として、私の「負けず嫌い」を活かし、粘り強く努力を続け、成果をあげたいと考えています。セールスポイントでは、企業研究の成果を盛り込むことで、あなたを採用するメリットが明確になります。
例えば企業研究の結果、「△△株式会社の仕事では〇〇の力が重要だ」とわかったとします。
そこで「私は〇〇という強みを持っているから御社で活かせる」と伝えれば、あなたのセールスポイントに説得力がわきますよね。自社で活躍してもらえそうと感じられ、セールスポイントが強く引き立ちます。
このように「職種研究」→「自分の強みはこう役立つ」と伝えれば、セールスポイントとして説得力が上がります。
セールスポイントをわかってもらうために! 気を付けたい注意点
できあがったセールスポイントは魅力的に相手に届けたいですよね。そのために気をつけたい注意点について解説します。
せっかくセールスポイントがまとまっても、伝わりにくい文章や表現になっていると、うまく相手に響かずセールスポイントの役割をうまく活かしきれず、少しもったいないです。
自分のセールスポイントをきちんと企業に理解してもらい、採用メリットを感じてもらうための一工夫をこれから伝授していきます。参考にしてください。
抽象的な書き方では自己ピーアールにならない
セールスポイントを裏付けるエピソードでは、抽象的な書き方をしてしまうと、あなたの努力や行動の中身が伝わりにくくなってしまいます。
例えば下記の例文では、抽象的な文に具体性を取り入れています。
×良くない例→「良い合宿にするために話し合い、最終的に合意できる案を作り上げました」
◎良い例→「良い合宿にするために出した25個の意見の良い部分をピックアップし、メンバー全員が合意できる形に作り上げました」
企業が知りたいのは「どんな行動をとったのか」です。具体的に取り組んだプロセスを書くと、努力がきちんと相手に伝わります。
再現性も伝えられるとGood
セールスポイントでは、あなたのアピールした強みの再現性が取れると、より効果的に伝わります。
再現性とは、入社後もセールスポイントで伝えた経験や強みを会社で活かせるかどうかです。セールスポイントは、自分がそのセールスポイントを持っているだけでなく、企業に入ったときに活かせてこそ意味があります。
セールスポイントを知ることで今後自社に良い影響をもたらしてくれるだろうという今後の活躍を見込んで採用を決めるわけですから、あなたが実際に自社で働いたときに、そのセールスポイントがきちんと再現されるかが重要なのも当然のことです。
特定の場面で発揮された力であってもそれ以外の場面でも発揮できるということをアピールできれば、再現性のある内容に仕上がります。
そしてそれにはエピソード選びが重要となります。「部長」などという特定の肩書があってできたことではなく、「話し合い」など、社会においても起こり得そうな汎用的な出来事にまつわるエピソードを用いるようにしましょう。またほかにその力が活かされたときについての回答を考えておくのも大切です。
数字を使うとインパクトアップ!
特に成果をアピールするときは、「数字」を使うと良いでしょう。たとえば、以下ではどちらがインパクトがあるでしょうか?
この取組の結果、勤めていたコンビニの売上を伸ばすことができました
この取組の結果、勤めていたコンビニの月間売上を300万円から372万円まで伸ばすことができました。後者の方がインパクトがありますよね。数字を使うと客観的に自分の能力を証明できるため、よりセールスポイントの印象が強まります。自社の役に立ってくれそうだと思ってもらえるでしょう。数字を使って成果を書けないかを一度考えてみましょう。
ビフォアー・アフターを書こう
あなたの取り組みの前と後でどう変わったのか?を書いておくと、よりインパクトがあがります。たとえば、以下では、どちらが成果がわかりやすいですか?
この取組みの結果、ゼミの新入生を前年の3倍に増やすことができました
この取組みの結果、ゼミの新入生を前年の3倍(12→36)に増やすことができました後者の方がわかりやすいですよね。あなたの取り組みの前と後でどうなったのか?推移がわかるように書きましょう。
セールスポイントにより説得力がつきますし、きちんと結果を出してくれそうだと期待も高まります。
正しい手法を用いて魅力的なセールスポイントを作って伝えよう
セールスポイントといわれても、自分の何がセールスポイントになるのかわからない人も多いのではないでしょうか。
セールスポイントとは、自分を企業に売り込むアピールポイントであり、自分の採用メリットを感じてもらうための大きなチャンスといえます。
ここで紹介したセールスポイントを作る「3つの極意」を使って、セールスポイントを見つけ、あなただけの言葉に仕上げたうえで、適切な伝え方であなたのセールスポイントを伝えるようにしましょう。
正しい手順を踏めば、必ず魅力的なセールスポイントを作ることはできます。ここで紹介した例も参考にしつつ、ぜひ自分だけのセールスポイントを探ってみてください。
時間がかかりがちな自己分析が簡単にできちゃうツールがあるのをご存知でしたか?
パッと自己分析を終えたい時に使えるのが、使えるのが適職診断テスト「AnalyzeU+」です。
「AnalyzeU+」は、251問もの設問に答えていく本格的な適職診断テストです。設問に回答をすると、経産省の定めた「社会人基礎能力」のうち、あなたがどの面に秀でていて、どの面に弱点があるのかを教えてくれます。
これは、私がテストした時の診断結果です。この通り、かなり詳しく教えてくれます。
偏差値形式で表示してくれるので、「自分の強みは何なのか?」「向いている仕事は何なのか?」「どんな弱点があるのか?」「向いていない仕事は何か?」が一発でわかります。自分の向き・不向きがわかるので、自己分析で適職について考える時にとても役立ちます
「AnalyzeU+」を利用するには、スカウト型就活サイト「OfferBox」への無料会員登録が必要です。OfferBoxは、プロフィールを登録しておくだけで、あなたのプロフィールに関心を持った人事から選考のオファーがもらえるサイトなので、登録して損はありません。
AnalyzeU+で診断するついでに、プロフィールを詳しく入力しておくと、有名企業からの選考のオファーまで届くようになります。
「AnalyzeU+」を活用して、最速で自己分析を終わらせましょう。