「周りを巻き込む力」の自己PRは評価される?アピールする時の注意点

人を巻き込んだ経験は評価されるのか
最近、就活生に「私の強みは、人を巻き込む力です」とアピールする方が増えています。模擬面接をしていても、昔に比べてかなりよく聞くようになりました。彼ら曰く、「人を巻き込む力はビジネスに重要なので、アピールしておくと人事に受ける」といいます。

果たして、本当に「人を巻き込む力」は企業受けするアピールなのでしょうか

自己PRとはなんのため?

就活では必ず必要な自己PRですが、どれだけの人が効果的な自己PRをしているのでしょうか?そもそも、自己PRをする意味がきちんとわかっていないと、せっかくのチャンスを無駄にしてしまいます。

企業が「自己PRをしてください」という理由は、履歴書からはわからない志望者の人となりを見て、企業の求めている人材かどうかを知ることにあります。いかに学業で優秀な成績を修めた人物でも、企業の必要な人材ではないと判断されれば、内定を勝ち取れないこともあるのです。

同じ業界でも、企業や部署によって求められるスキルは違います。そのため、企業研究は欠かせませんし、自己PR文の使いまわしをすることはやめましょう。

自分を売り込む

自己PRでは、「志望先の企業が求めている資質とは何か?」をきちんと知ったうえで、それに応える「会社にとってプラスになる人物」であるということをアピールする必要があります。その際に、「言わなくてもわかるだろう」「察してほしい」という受け身な姿勢はマイナスです。

嘘や、話の盛り過ぎはよくありませんが、せっかく自分を売り込むチャンスなのですから、最大限に自分をよく見せましょう。
「自分」という商品をいかに売り込めるかが、自己PRのカギです。きちんとした自己分析と企業研究以外にも、自分を売り込むことのできる力が問われるのです。

そのためには、面接ならば、身だしなみや立ち居振る舞いも大切なポイントです。
椅子には浅く腰掛け、背もたれは使わずに背筋を伸ばします。手は膝の上に置き、頭を上げ、相手に目線を向けましょう。にこやかにハキハキとした大きな声で話せば、自信があるように見えます。
結論から始め、説得力のある論理的な話で、自分の長所を最大限にアピールしましょう。

巻き込んだ経験は高評価

結論から先に言えば、「人を巻き込んでコトを起こす能力」は企業に非常に高く評価される能力です。企業が求めている能力は、経済産業省が企業にリサーチをした結果まとめた「社会人基礎力」を見ればわかります。
人を巻き込んだ経験は、この中の「働きかけ力(他人に働きかけ、巻き込む力)」をアピールできる経験です。

働きかけ力はなぜ重要なのでしょうか?ビジネスとは本質的に人を巻き込むものだからです。自社の組織を巻き込み、クライアントを巻き込み、ビジネスをやっていく…それは優秀なビジネスマンには欠かせないことです。だから、企業はこの「働きかけ力」を求めているのですね。

また、経済産業省の調査によれば、企業が若手社会人に欠けていると感じるのは「働きかけ力」「実行力」「ストレスコントロール力」だといいます。

必要な能力の上に、多くの若手社会人が持っていない能力ですから、それを上手くアピールできればかなり強力な武器になるでしょう。

「おし、じゃあ、俺も『巻き込んだ経験』をアピールしよう」と思いましたか?でも、少し待ってください。それはあなたの本当の強みでしょうか?

どのように周りに働きかけるのか

周りを巻き込むには、主体的に動いて、周囲の人々と共に目標達成を目指していく、次のような能力が必要となってきます。
  • 新たなことに取り組む「創造性」「行動力」「向上心」
  • 自ら動いて、仕事に取り組むことのできる「主体性」
  • 周囲の人々と共にチームとして動く「協調性」
  • チームを引っ張っていける「統率力」
  • 問題や困難にぶつかった際の「問題解決能力」
いずれも、社会人として評価できる大切な資質ばかりです。「周りを巻き込む力」を持った人物とは、実は上のような能力を持った人物と認識され、「仕事ができそうだ」と評価されるのです。

リーダーシップだけでは周りを巻き込むことはできません。独り相撲にならないよう、周囲の異なる意見とのすり合わせ、納得できるプランの提示、問題が起きた際のフォローなど、様々な能力が必要です。

自己PRの際は、上述の能力を活かせるようなエピソードを選べば、周りを巻き込む力を存分に長所としてアピールできます。

自己PRで評価される経験の選び方・伝え方|参考例付きで解説

2021.04.30

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本当の強みですか?

多くの学生が「巻き込んだ経験」をアピールし、組織をしきれる自分をPRしようとします。ただ、「アピールのために無理に探してきている」人がかなりいます。つまり、自分の本当の強みではないけれども、企業が評価するらしいから、それっぽい経験を探してきて、無理にアピールしているのです。例を見てみましょう。
私の強みはヒトを巻き込こんで、コトを起こす力です。その力を発揮したのは、サッカーサークルの運営です。サークルですが、真剣にサッカーをやるサークルで、関東サッカーサークル選手権での上位入賞を目指して活動していました。ただ、メンバーのスケジュールがなかなか合わずに、練習時間があまりとれないことが多くありました。そこで、私はメールでメンバーのスケジュールを3ヶ月先まで把握して、全員ができるだけ参加できるスケジュールを立てるようにしました。また、モチベーションが下がっているメンバーには、積極的に声掛けをして相談に乗りました。その結果、メンバーの参加率も良くなり、練習時間もとれ、関東サッカーサークル選手権で200チーム中5位に入賞できました。(実際にあった例を改変)

どうだったでしょうか?巻き込む力としては、かなり弱いといえます。そもそも、ビジネスで重要な「巻き込む力」とは、利害関係が対立している、相反する他者をいかに説得し、動かしていくか?という能力です。上記のアピールは単に間をとりもっているだけで、巻き込む力のアピールとしては成り立たないでしょう。たとえば、「計画性」などならアピールできるかもしれません。

その学生の話を詳しく聞いてくと、メンバーをまとめていたのは、別の学生だったようです。その学生は、スケジュール管理や練習場所の確保等の裏方としてチームをまとめていたそうです。つまり、「巻き込む力」というのは、その学生の本来の力ではなかったのですね。

このように、「評価されたい!」が先にたって、無理にリーダーシップ的経験、巻き込んだ経験を語ろうとすると失敗してしまいます。

自己分析の浅さは、人事に見透かされる

就活で内定を勝ち取るためには、自己分析をして自己理解を深める必要があります。自己分析を疎かにしていると浅い答えしか浮かばず、説得力のある回答ができません。

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話の盛りすぎに注意

ウソをつくことは論外ですが、よく見せようと、つい話を盛ってしまう学生が多いことも事実です。面接では、ちょっと突っ込まれるとボロがでるような話は絶対に避けましょう。
せっかく評価できることをしていても、「信頼できない」とのレッテルを張られてしまっては元も子もありません。

自己PRで周りを巻き込む力をアピールする際は、ちょっと話を盛って「リーダーでした」というよりも、「ムードメーカーでした」と本当のことを言うほうが、好意をもって受け止めてもらえます。

特別な統率力がなくても、ムードメーカーとしてグループやチームによい影響を与えることができるのも、ある意味では周りを巻き込む力です。背伸びはせず、自信を持って等身大の自分をアピールできるようにしたほうがよいでしょう。

「周りを巻き込む力」が「自分の本当の強みか」を検証する方法

自分の本当の強みをアピールできる経験を語りましょう。あなたの本当の強みを見つける方法は簡単です。

それは「同じような強みを発揮した経験が5つ以上見つかるか?」ということです。無理にアピールしている強みの場合は、まず見つかりません。「そういえば、あの時もこの強みで乗り切れたな」そんな経験がいくつも思い浮かぶ強みがあなたの本当の強みです。

→自分の本当の強みをアピールする方法についてはこちらを御覧ください。

仕事にどう生かせるのか

周りを巻き込む力がある人は、「創造性」「行動力」「向上心」「主体性」「協調性」「統率力」「問題解決能力」などがあるということはおわかりいただけたでしょう。その能力は、実務ではどう活かせるのでしょう?

志望企業の志望職種が具体的な場合、実務でどう活かせるかと結び付けられると、企業にとって必要な人物であるというアピールになります。採用担当者にとっても、より具体的なイメージがわくため、「なるほど、活躍してもらえそうだ」と思ってもらいやすくなるのです。
自己PRの際は、新たな取り組みや目標としていたこと、賛同を得るために苦労したこと、問題と解決するための困難を乗り越えたなどのエピソードを選び、そこから得られた成長などを交えて、仕事でその経験をどういう風に活かしたいのかを語りましょう。

企業研究を重ね業務内容に沿った回答をする

社風や業界によっても企業の求める人材は変わります。また、業務内容によっても必要とされるスキルは変わってきます。企業や業務内容について詳しく調べ、自己PRの際には、求める人材であることをアピールする必要があります。

求められているスキルを明確にし、自分の長所と照らし合わせて、業務でいかに活かせるかを細かく説明しましょう。

「周りを巻き込む力」の具体的な回答例

例文1
私は人を巻き込む力があり、周囲のやる気を引き出すことができます。

大学時代に専門分野の英語の知識を活かし、外国語学習に活かせないかと考え、オンライン・レッスンシステム開発のためのグループを立ち上げました。様々な言語の専攻の学生とプログラミング専攻の学生が集まり、外国語のレッスンのシステムを作り始めました。

それぞれに求めることの違うメンバーの意見の調整の難航や、内部での方向性の食い違いによる衝突もありました。専門的な知識のなさから、試行錯誤を重ね、不可能に見えた計画も、皆で力を合わせて準備したかいがあって、なんとかサイト立ち上げに成功しました。

まだまだ、調整が必要な段階ですが、更なる改善を続けて行きたいと思っています。

御社でも、開発チームに所属することができましたら、新しいアイデアを提供し、不可能を可能に変えることができるということを自ら体現して、周囲の人に納得してもらい、チームが一丸となって目標達成できるよう頑張りたいと思っております。

Good!
  • 結論から述べている
  • なぜそのプロジェクトを選んだかを述べている
  • 問題を乗り超えたエピソードを選んでいる
  • 今後の課題を述べている
  • 具体的な業務と照らし合わせている
これで迷わない!自己PRで使うエピソードを選ぶ基準

まとめ

企業に評価されることばかりを考えて、アピールする経験・強みを選ぶのはやめましょう。「同じような強みを発揮した経験が5つ以上見つかるか?」を基準に、自分が持っている本当の強みをアピールしてください。
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