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就活をしていると、必ずと言っていいほど、面接・ESで「学生時代に打ち込んだことは何ですか?」と質問されますよね。
しかし、この質問に上手く答えられている学生は、意外と少ないです。ほぼ必ず聞かれる「学生時代に打ち込んだこと」への答え方を、わかりやすい例文つきで、徹底的に解説いたします!
以下を読めば、誰でも内定レベルの「学生時代に打ち込んだこと」がつくれるようになります。
なぜ「学生時代に打ち込んだこと」が質問されるのか?
そもそもなぜ面接官は、「学生時代に打ち込んだこと」を質問するのでしょうか。面接官が求めている答えを伝えるためには、まず質問の意図を知っておかなければいけません。
「面接官が知りたいこと」に対して的確に答えることが高評価を得るための基本です。意図を理解したうえで、企業に合わせた回答を作っていきましょう。
「学生時代に打ち込んだことを通して、人柄を知りたい」
面接官が「学生時代に打ち込んだこと」を聞く目的のひとつが、学生の人柄や今後の可能性を知ることです。
リクルートが発表した調査「就職活動・採用活動に関する振り返り調査データ集」によれば、企業が採用で重視する項目の1位は「人柄(93.1%の企業が重視)」、2位「企業への熱意(78.3%が重視)」3位は「今後の可能性(68.9%が重視)」となっています。
真剣に打ち込んできた活動について聞くことで、どんなことを考えて行動するのかという「人柄」が見えてきます。また、好きなことや普段どのような生活しているかという就活生の素の部分も表れるため、「どんな人か」を知ることができるのです。
課題や困難への向き合い方を知りたい
面接官は「学生時代に打ち込んだこと」という質問の回答から、これまでどのような課題や困難に遭遇し、どう乗り越えてきたかを知ろうとしています。
社会人になれば初めてのことだらけで、入社直後はとくにうまくいかないことの方が多いでしょう。そのときにすぐに諦めてやめてしまうのではなく、しっかりと課題に向き合うことができるかどうかは企業にとって重要です。
困難を乗り越えるためには、努力し続ける忍耐力や課題を成長の機会と捉えられる前向きさ、自分の問題点を見つけることができる分析力などが必要とされます。どれを最も重視するかは企業によって異なるものの、こういった力を持っているかどうかを成長の可能性を図る基準のひとつとしているのです。
「打ち込む」ってどんなこと? アピールできる基準
「学生時代に打ち込んだこと」といわれても、何がアピールできるのかわからずに迷っている人も多いのではないでしょうか。基本的には、自分が「打ち込んだ」と思えることであればなんでも大丈夫です。
とはいえ、「なんでも」といわれると余計に困ってしまうという人もいるでしょう。そんな人のために、打ち込んだことを見つける3つの視点を解説します。それぞれ当てはまる経験がないか、思い出してみてください。
①短期的に熱中したこと
「学生時代に最も打ち込んだこと」の回答で使えるエピソードのひとつが、学園祭などの学校行事や海外留学など、短期的なイベントです。
「やってみたけど続かなかったこと」は就活では評価されづらいですが、短期間でも集中的に熱量を注いだのであればアピールすることができます。挑戦しようと思った動機や準備期間を含めて大変だったこと、どのように乗り越えたかを伝えれば、たとえ一時的なものであっても本気で取り組んでいたことがわかってもらえるはずです。
また、留学のような挑戦するハードルが高いことは、「チャレンジ精神」や「行動力」のアピールにつなげることが可能です。業種・職種によっては繁忙期と閑散期の差が激しいので、「忙しい時期に全力でがんばれる」ということも評価される要素になり得ます。
②長期間続けていること
長く続けていることや意識的に習慣化していること、ほかの人はあまりやっていないことなどもアピールできるエピソードです。バイトや学業、部活やサークルの活動のほか、毎日のランニングや楽器の練習、読書、自炊など趣味や日常の習慣でもかまいません。
「コツコツ続ける」というのは誰もができることではないので、大それた内容ではなくても問題ありません。また、長く続けていれば知識や経験が積み重なっていくため、自然に人よりもうまくできるようになっている場合も多いです。
続けるために工夫していることやモチベーション、それによって自分に起きた変化と合わせて伝えましょう。
③人に説明できるレベルのこと
特定の分野に関して人よりも詳しく語れるのであれば、それは「打ち込んだこと」といえます。「人から聞いたこと」と「自分で経験したこと」「本当に好きで詳しくなったこと」は、知識の深さや話の説得力に差が出るからです。一般的な評価だけではなく、自分なりの意見や経験を踏まえて話せることを見つけましょう。
なにかに夢中になれる人は、仕事に対しても真剣に取り組める素質があるといえます。やりたいと思える仕事に就けた場合、興味を持って自ら知識やスキルを習得しにいくことが期待できるでしょう。
さらに、たとえば営業職の場合、仕事とは関係なかったとしても、あまり人が知らない分野について深く語れると「この人おもしろい」と興味を持ってもらえて顧客と良い関係性が築けることがあります。これは社内のコミュニケーションでもいえることであり、あなたの個性のひとつになりうるのです。
「学生時代に最も打ち込んだこと」のテーマ例
ここからは「学生時代に最も打ち込んだこと」を問われた場合の回答テーマ例を7つ紹介します。「なにを話していいかわからない」という人は、これを参考に努力したことや大変だったけど楽しかった経験、強く印象に残っていることなどを思い出してみましょう。
もちろん、あくまでも「例」なので、ここに該当していないことでも打ち込んだと思えることであれば大丈夫です。ここで解説する「なぜアピールになるのか」というポイントに当てはまっているかチェックしてみてください。
部活・サークル
部活やサークルに真剣に取り組んだエピソードは、しっかりアピールできれば企業から評価されやすいテーマのひとつです。自分自身のスキルを磨くために練習に励んだ経験や、チームワーク向上のための取り組み、後輩指導など、アピールできるポイントは多岐に渡ります。
苦手を克服するために練習に励んだり、「メンバーに選ばれなかった」「怪我をした」などの挫折経験は、仕事においても困難を乗り越える力につなげることができます。
また、「先輩・後輩」という関係性や「役職」が存在している点で、部活やサークルと会社の組織構造は似ています。そこから、経験を積んで先輩という立場になったときの後輩に対する接し方や、役職を与えられた場合の責任感や統率力も見えてくるでしょう。
このように部活やサークルは「会社」という組織の学生版とも考えることができ、入社後の仕事への向き合い方や周りとのかかわり方につなげやすいテーマです。
アルバイト
アルバイトの経験は、入社後の働くイメージにつながるためアピールしやすいエピソードです。
給料をもらって働くという経験をすることで、「責任感が生まれる」「新たな能力が身につく」「価値観が広がる」などさまざまなことが得られます。
「お客様から感謝されることの喜びを知った」「売り上げを伸ばすためにはチームで協力することが大切だと学んだ」など、自分にとっての最大の学びはなにかを考えてみましょう。その企業の仕事で活かせる「学び」を選ぶことがポイントです。
しかし、アルバイトを頑張ったからといって、本分である学業を疎かにしている印象を持たれないように注意してください。
学業
学生の本分である学業も、もちろんアピールできるエピソードです。学生にとっての学業は社会人にとっての仕事に当たるため、その取り組み方から入社後の働く姿をイメージしてもらいましょう。
しかし、「休まず授業に出席した」「期限通りに課題を提出した」というような、当たり前のことは避けてください。「サボらず出勤する」「期限までに仕事を終わらせる」という社会人の常識があなたにとっては「当たり前」ではないのだと判断され、マイナスになってしまいます。
「成績上位を目指すために努力した」「実習で困難を乗り越えた」「研究に熱心に取り組んだ」など、日々の授業に出席することに加えて努力したことがないか振り返ってみてください。
学外の活動
ボランティアや地域の活動、楽団やスポーツチームなど、学外の活動もアピールできるエピソードです。「誘われてなんとなく参加している」「頼まれたからやっている」ではなく、主体的に取り組んでいる姿勢を見せましょう。
学業や学校行事と異なり、学外の活動のほとんどは「やらなければいけないこと」ではありません。それでも取り組んでいるということは、積極性や行動力、好奇心旺盛さなどをアピールすることができます。
また、学外の活動では幅広い年齢層の人が参加していることも多く、仕事に対する価値観の形成などにもつなげることができます。ボランティアや地域の活動は、「地域貢献したい」という志望動機などにも説得力を持たせることができるエピソードです。
趣味
趣味でおこなっていることも、なにか学びや得られるものがあれば「打ち込んだこと」としてアピールすることができます。
たとえば毎日練習を続けているなら「継続力」につなげることができますし、なにかに没頭できるなら「集中力」があるといえます。最初はうまくできなかったことでも練習を繰り返して上達したなら「粘り強さ」をアピールできます。また、趣味を通じてほかの人とかかわることで、新たな発見があったかもしれません。
楽しくてやっていることだとしても、なにか課題や困難にぶつかって乗り越えた経験や、成長を感じられることはないか考えてみましょう。
資格取得
資格取得を達成した場合、明確な成果とともに努力をアピールすることができます。
多くの場合、資格取得は自主的に挑戦するもので、そのためには普段の生活の中で勉強時間を確保するために工夫や努力が必要です。そこから「成長意欲」や「好奇心」、「自分をコントロールする力」などが見えますし、仕事でも貪欲に知識やスキルの習得を目指す姿がイメージできます。
また、その企業での仕事に直結する資格であれば、求められている能力を備えていることのアピールにもつながります。資格をとろうと思ったきっかけや、そのためにどう頑張ったのかを詳しく思い出してみましょう。
学校行事
体育祭やスポーツ大会、学園祭、オープンキャンパスなど、学校行事に取り組んだ経験もアピールに使えます。
「体育祭に参加して負けてしまったけど楽しかった」ではただの思い出話ですが、体育祭なら優勝を目指して練習に励んだこと、学園祭なら準備で苦労したことなどを話に組み込んで、あなたの頑張りを伝えましょう。
チームとして勝利を目指した、出し物の準備をしたという場合は、「チームの中での自分の役割」を明確にすることで、会社でのほかの社員との連携がイメージできます。また、実行委員など運営を担った場合は「積極性」や「行動力」などもアピール可能です。
「チームとしてなにを成し遂げたか」だけでなく、「そのために自分はなにをしたか」を考えてみてください。
自己PRが書けない時は、自己PR作成ツールを活用しよう
自己PRの内容が薄いと、志望企業に採用されません。選考を突破するには、自己PRを作り込む必要があります。
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例文から考えよう! 「学生時代に打ち込んだこと」を伝える構成
ここからは「学生時代に打ち込んだこと」の質問に対する具体的な答え方を解説していきます。まずは例文を見てみましょう。
学生時代に力を入れたのは、ゴルフショップでのアルバイトでショップの新規会員を100人増やした経験です。勤務していた店舗の売上が低下してたため、店長から新規会員を増やすよう依頼され、例年月30人だった新規会員登録を月100人まで増やしました。
店長に「リピーターを増やすため、お客様をショップ会員に登録させて欲しい」と依頼されました。最初はプレッシャーに感じましたが、自分のいる組織に少しでも貢献しようと思い、月30の新規会員登録を60以上に伸ばせるよう、取り組むことにしました。
具体的には、セール情報・クーポンのついた会員限定メルマガを始め、お客様に会員になるメリットを設けて訴求しました。また、お客様に自分から積極的に話しかけ、コミュニケーションをとり、会話の中で会員登録を自然に提案していきました。
この結果、新規会員を100人増やすことに成功しました。
困難に見える目標でも「やる」と決めて解決策を考えることで、問題を改善できると信じています。貴社においても、高い目標にチャレンジしていきたいです。
まず概要を伝える
まず、「学生時代に打ち込んだことは何ですか?」と聞かれているので、初めに「学生時代に打ち込んだのは、〜です」と結論から回答しましょう。
学生時代に力を入れたのは、ゴルフショップでのアルバイトで新規会員を100人増やした経験です。
あなたの活動の概要を簡単に説明してください。具体的な成果が出ている場合は、例文のように、最初に書いておくと、インパクトが出ます。
質問されたら結果から伝えることを忘れない
面接官の質問に対して、理由や経緯から順番に話して最後に答えをいっている人も多いかもしれませんが、これは相手に伝わりにくい話し方です。
周りくどい話し方になってしまい、面接官としては「経緯はいいから早く質問に答えてほしい。」という気持ちになってしまうからです。また、「なにについて話しているか」がわからないと、内容が入ってこないため正しく理解することが難しくなります。
面接官から質問をされた際には、まず質問に対しての答えを簡潔に話し、そのあとに理由や動機・根拠などを伝えましょう。
「なぜ頑張ったのか」動機を伝える
意外と就活生が伝えられていないのが「始めたきっかけ」や「頑張れた動機」という理由です。この理由を話すことで、企業が知りたい「人柄」を伝えることができます。
店長に「リピーターを増やすため、お客様をショップ会員に登録させて欲しい」と依頼されました。最初はプレッシャーに感じましたが、自分のいる組織に少しでも貢献しようと思い、月30の新規会員登録を60以上に伸ばせるよう、取り組むことにしました。
例文では、「自分のいる組織に少しでも貢献しようと思った」という「取り組む動機」を説明しています。ここから、「自分の利益のためだけでなく周りのために頑張れる人柄」が伝わりますよね。
「なにをしたか」だけでなく「なぜ頑張れたか」を伝えることで、仕事に対する向き合い方をアピールすることができます。
取り組んだ課題・問題を伝える
その活動の中で、主にどんな目標・課題に取り組んだのかをわかりやすく説明してください。長く取り組んだ活動なら「その中でも特に熱心に取り組んだ課題・目標」を選びましょう。
働いていた店舗の売上が低下したため、店長から新規会員を増やすよう依頼されました。
このように「取り組んだ課題・目標」について伝えています。「こんな課題に取り組んだ」と書くことで、エピソードの焦点が絞れて、読みやすいメッセージになります。
どんな対処をしたのかを具体的に伝える
課題・目標を達成するために、具体的にどんな努力・行動をしたのかを詳しく説明しましょう。
企業は「学生時代に打ち込んだこと」から、「あなたが仕事にどのように取り組むのか?」も見ようとしています。これから学生が仕事に打ち込むと考えると「どんな風に頑張ったのか」には、あなたの仕事への姿勢が表れるからです。
自分の仕事への姿勢を伝えるために、「課題を解決するためになにをしたのか?」をできるだけ具体的に説明しましょう。
具体的には、セール情報・クーポンのついた会員限定メルマガを始め、お客様に会員になるメリットを設けて、訴求しました。また、お客様に自分から積極的に話しかけ、コミュニケーションをとり、会話の中で会員登録を自然に提案していきました。
このように、具体的に何をしたのか?を詳しく説明していますよね。文章からでも、あなたの頑張っている姿が伝わるほどに「具体的に何をしたのか?」伝えてください。
どうなったか結果を伝える
この結果、新規会員を100人増やすことに成功しました。
あなたが行動した結果、どうなったのかという結果を伝えることで、話に説得力を持たせましょう。あなたが行動する前と後で、何がどう変わったのか、例文のように数字を交えて説明できるとベストです。
「頑張った」というのは主観的なもので、どの程度真剣に取り組んだかというのはその姿を見ていない人にとっては判断しづらいものです。このように数字で結果を表すことで、「どれくらい頑張ったか」が伝わりやすくなります。
数字で表せる成果がなければ、「参加していたメンバーから『最高の合宿だった』と言ってもらえた」など、「他人からの評価」を使って成果を伝えましょう。
数字を挙げる場合は盛りすぎない
就活の面接では、より自分をアピールするためにインパクトが欲しくなり、結果となる数字を盛ってしまいたくなるかもしれません。しかし、話を盛ることは絶対にやめましょう。
面接官はこれまで多くの就活生を見てきたプロであり、嘘をついていると、その後のやりとりなどですぐにわかってしまうからです。
話を盛ることはかえって逆効果であるということを胸に刻み、もし「少し物足りないな」と感じるようなら、「もっとこうすればよかった」という振り返りを考えたうえで、面接官に最終的な結果を伝えられると良いですね。
関連する資格等があれば忘れずアピール
自身の学生時代に打ち込んだことを話す際に、その過程で取得した資格や何かの記録があれば、忘れずにアピールしておきましょう。
もちろん資格自体が話の中心ではありませんが、資格の存在をアピールすることで努力したという話に説得力が増して、より強いアピールとなるのです。
たとえば、頑張ったこととして海外留学やインターンをあげた場合にはTOEICやTOEFLの点数をアピールしたり、インターンなどでプログラミングを勉強した場合にはIT関連資格をアピールしたりすると良いでしょう。
その経験から何を学んだのかを伝える
企業は、採用において就活生の「今後の可能性」を重視しています。「今後の可能性」を感じてもらうには、「経験」だけではなく「経験から学んだこと」も伝えましょう。
困難に見える目標でも「やる」と決めて解決策を考えることで、問題を改善できると信じています。貴社においても、高い目標にチャレンジしていきたいです。
ここで挙げる「学び」は、その企業の仕事で活かせる内容を選びましょう。学生時代の経験をもとに仕事でどのように活躍するか、その姿を面接官にイメージしてもらうことがこの質問の回答で目指すところです。
企業研究をして役立てそうなポイントを関連付けて述べる
経験から学んだことの部分でより企業にアピールするためには、事前に企業研究をして「企業が欲しがっている人材」や「企業ごとの特徴」を理解することが欠かせません。
自分が経験の中で学んだことと企業側のニーズやポイントを関連付けて述べることで、「学生時代に経験した出来事が企業で役に立つ」ということをアピールするのです。
たとえば、ベンチャー企業の面接において、企業が「チャレンジを恐れない人材・挑戦的な人材」を求めているとします。学生時代打ち込んだ経験を通して、「挑戦することの意義」や「行動することの大切さ」などを学べたことを伝えれば、自分が企業のニーズとマッチした人材であることをアピールできるでしょう。
「学生時代に最も打ち込んだこと」と自己PRとの違い
面接での定番質問として、「学生時代に最も打ち込んだこと」のほかに「自己PR」があります。それぞれにどのエピソードを使えばいいのか、同じ話をしてもいいのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
面接という限られた時間で自分自身について最大限アピールするためには、異なるエピソードを使ってより多くのことをアピールすることをおすすめします。
「学生時代に最も打ち込んだこと」と「自己PR」をそれぞれどのように答えるべきか、同じエピソードを使って解説します。答え方にどんな違いがあるのか注目してみてください。
自己PRは「強み」にフォーカス
自己PRで企業が知りたいのは、あなたの「強み」です。あなたがもともと持っている資質や得意なこと、長所がなにかを考え、それを伝えられるエピソードを選びましょう。
企業でどう活かすことができるかという点にフォーカスして伝えてください。回答する際は、「私の強みは〇〇です」という結論から話し始めます。
私の強みは、成果が出る可能性があることに積極的に挑戦できる行動力です。
私はゼミの活動で、地元の商店街の方と協力して地域おこしの活動をおこなっています。その一環として地元の農産物を使った商品を商店街の各店舗で新たに販売することになったのですが、当初は売り上げが伸び悩んでいました。
そこで、地元のフリーペーパーやテレビ局に掛け合ったところ、フリーペーパー1誌とテレビ局1社に活動を取り上げていただき、売り上げが5倍に伸びました。
御社でも、この行動力を武器に「当たって砕けろ」の精神で営業活動をおこない、トップセールスを目指したいと考えています。
強みである「行動力」を、ゼミの活動でどう活かしたかをアピールしています。営業職の仕事にそのまま活かせる行動であり、入社後の活躍するイメージにつながる自己PRになっています。
学生時代に最も打ち込んだことは「経験」にフォーカス
「学生時代に最も打ち込んだこと」では、あなたの「経験」に注目してみてください。
自己PRと異なるのは、必ずしも「うまくできたこと」ではなくてもいい点です。最終的に素晴らしい成果が出なかったとしても、「どんなことを考えたか」「なにを学んだか」「どう成長したか」、そして「その成長が企業でどう活かせるか」を伝えましょう。
回答する際は、「私が学生時代に最も打ち込んだことは〇〇です」から話を始めてください。
私が学生時代に最も打ち込んだことは、ゼミでの地域おこしの活動です。
活動の一環として地元の農産物を使った商品を商店街の各店舗で新たに販売することになったのですが、当初は売り上げが伸び悩んでいました。
そこで、地元の出版社やテレビ局に掛け合ったところ、フリーペーパー1誌とテレビ局1社に活動を取り上げていただき、売り上げが5倍に伸びました。
取り合ってもらえないかもしれないという不安はありましたし、実際多くの企業には断られましたが、それでも勇気を出して行動すれば結果につながると実感することができました。
御社でも、このように「当たって砕けろ」の精神で営業活動をおこない、トップセールスを目指したいと考えています。
エピソード自体は自己PRと同じですが、「不安だったけど勇気を出した」「勇気を出すことで結果につながると実感した」という内容を盛り込んでいます。これが、活動を通してあなたが「学んだこと」「成長したこと」です。
「学生時代に最も打ち込んだこと」を伝える際に気をつける点
面接での質問は自分の魅力を面接官に知ってもらう機会なので、せっかくなら最大限アピールしたいですよね。そのためには、効果的な伝え方を理解しておくことが大切です。
エピソードの選び方や、話す内容について注意すべき点を6つ解説します。意外とやってしまいがちな失敗例もあるので、それを避けてほかの就活生に差をつけましょう。
ただの実績・肩書き自慢は避ける
「部長」「バイトリーダー」「ゼミ長」といった肩書きに関することや「大会で優勝した」のような実績は、就活で使いやすいエピソードのひとつです。もちろんそれを使うこと自体は問題ないのですが、実績・肩書き自慢で終わらないように注意が必要です。
すでに解説した通り、リクルートが発表した「就職活動・採用活動に関する振り返り調査データ集就職白書」では、企業の93.1%が「人柄」を重視していると回答しました。一方、アルバイト経験を採用で重視する企業は全体の26.3%、所属クラブ・サークルは7.7%、ボランティア6.6%、ゼミは5.4%でした。つまり、学生時代の活動そのものには、企業は興味がないことがわかります。
「長」というポジションに選ばれることも良い成績をあげることも、名誉なことには間違いありません。しかし就活の場では、「肩書きに見合う行動や努力ができること」「実績をあげるために努力をしたこと」を伝えられて初めて力を発揮するのです。答える際は、実際の行動を交えて話しましょう。
エピソードは一つに絞る
多くの活動に取り組んでいるとついそのことをアピールしたくなりますが、頑張ったことをあれこれ詰め込むのではなく、一つのエピソードに絞って話しましょう。「学業と部活とアルバイトを頑張りました」と話しても、一つひとつのエピソードが薄くなるため「どう頑張ったのか」が伝わらないのです。
もし「複数のことを同時に進めた」ということをアピールしたいのであれば、メインとなるエピソードをひとつ選び、「どうやってそこにかける時間を捻出したか」など、ほかのことと両立させるための工夫を「頑張ったこと」としてあげましょう。
伝えるべきは、あくまでも「なにに取り組んだか」ではなく「どう取り組んだか」です。
自主的に取り組んだ姿勢を見せる
エピソードは「いわれてやったこと」ではなく、「自分で考えて行動したこと」を選びましょう。
たとえば例であげたゴルフショップのアルバイトの場合、どうすれば登録数が増えるかを自分なりに考え、メルマガにクーポンをつけたり自然な会話の中で提案したりと工夫しています。
ただ「会計の際に会員登録をすすめた」だけでは、店長の指示に従っているだけです。それでは仕事においても「いわれたことしかやらない」と予想されるため、活躍は期待できません。
きっかけは誰かからの指示や依頼でもかまわないので、それに対してどう考えてどう行動したかという「自分」が主語となるエピソードを必ず入れましょう。
傲慢な印象を持たれないよう注意する
傲慢で自分勝手な印象を持たれるエピソードは避けましょう。
いくら活動を頑張った動機や工夫したことをアピールしても、人に迷惑をかけるようでは評価されません。会社として成果を出すためには、個々の能力だけではなくチームワークも重要です。
チームワークを乱す人がいると、業務がスムーズに進まなくなったりほかの社員の士気を下げたりする恐れがあるため、採用したいとは思われないのです。
また、人の邪魔をしたり実績を横取りするようでは、あなた自身が努力しているとはいえません。「人の頑張りに影響を受けてよりいっそうやる気が出た」など、切磋琢磨して高めあう姿勢を見せましょう。
遊びは伝え方の工夫が必要
就活生の中には「全力で遊んでいた」という人もいるかもしれません。こういったエピソードを選ぶ際は、伝え方を工夫しましょう。
たとえば旅行が趣味だとして、「いろいろなところに行って楽しかったです」だけではただの遊びの話になってしまいます。
しかし、「地元の人とコミュニケーションをとってさまざまな価値観に触れた」「計画性を持って行動できるようになった」「問題が起きたときの対応力が身についた」など、伝え方を工夫すればアピールにつなげることは可能です。
面接で定番の逆質問に「学生のうちにやっておくべきことはありますか?」というものがありますが、多くの社会人は「たくさん遊んでください」と答えます。若いうちはとくに、一見遊びのようなことでも経験値として積まれていくからです。
「楽しかった」だけではなく、そこから学んだことや今後に活かせることはないか考えてみてください。
ギャンブルを選ぶ場合は慎重に
ギャンブルに関する話題を使いたい場合は、慎重に判断しましょう。
たとえば「パチンコで勝てるように徹底的に研究した」というように、暇つぶしではなく真剣にギャンブルに取り組んで実際に結果を出した人もいるかもしれません。
ベンチャー企業などの場合は型にはまらないユニークな発想が評価されることも多いため、「あえてその話題を選ぶなんておもしろい」と思われるケースもあります。
しかし、いくら真剣に取り組んでいたとしても、残念ながら「ギャンブル」というだけで嫌悪感を抱く人もいるのが現実です。また、「学業とか部活とかほかに頑張ったことはないの?」と思われる可能性もあります。
どちらに転ぶかは実際に話してみないとわかりませんが、リスクがあることは理解しておきましょう。
「学生時代に最も打ち込んだこと」の回答例
ここまで解説してきたポイントを押さえて、具体的な回答例を解説つきで紹介します。
それぞれテーマもアピール内容も異なります。答え方の型にどのように当てはめているか、エピソードをどうアピールにつなげているか、回答のなかに散りばめられているコツをチェックしてみてください。
例を見てイメージが沸いたら、「学生時代に最も打ち込んだこと」に対する自分なりの回答を作ってみましょう。
サークル
私が打ち込んだことは、異文化交流サークルの立ち上げです。
大学には海外からの留学生が多数在籍しているのですが、海外の文化に興味があるため留学生との交流の場があまり多くないことを非常にもったいないと感じていました。そこで、友人に声をかけてサークルを立ち上げることにしたのですが、初めはなかなかメンバーが集まらずに苦労しました。
しかし、日本や留学生の母国など週替わりで各国の文化について学ぶ活動を地道に続けていたところ、留学生から「日本がもっと好きになった」と喜んでもらえるようになりました。留学生同士の口コミも広がり、1年間で部員が50名に増加しました。
新しいことを始めるのは苦労もありますが、コツコツ続ければ必ず結果につながるということを学べた経験です。
仕事をするうえでも、すぐには結果が出ないこともあると思います。それでもすぐに諦めるのではなく、粘り強く続けて成果につなげたいです。
なにか新しいことを始めた経験は就活でもアピールしやすいですが、ただ「始めた」だけではエピソードとしては弱いです。この例文のように、「なにに苦労してなぜうまくいったのか」を伝えましょう。
「1年間で50名」という具体的な数字を入れていることも、評価できるポイントです。
アルバイト
私が学生時代に打ち込んだことは、オープニングスタッフとして始めた飲食店でのアルバイトです。
開店間もないこともありうまくスタッフ間の連携が取れておらず、料理ができても誰も運ばない、注文をとるのにお客様を待たせるという問題が発生していました。
そこで、ホールスタッフの仕事をお客様のご案内や注文、料理の配膳、ドリンクなどいくつかに分け、それぞれの主担当を決めることを提案しました。それにより、自分の持ち場に意識がいくようになり、放置されることが減りました。
その後も少しずつ改善を繰り返し、現在では多くのお客様にリピーターになっていただいています。
仕事においても、現状を当たり前と思わずに、改善できるところはないかを常に考えながら成長していきたいと考えています。
新しい店舗で一からルールを作り上げていくことは簡単ではありませんが、「よりよくしたい」という気持ちで積極的にアイディアを出していることがわかります。
こういった場合、「提案した結果失敗した」という事例もあるかもしれません。その場合、「その失敗からなにを学んだか」「次にどう活かすか」を盛り込むことで、アピールにつなげることが可能です。
ゼミの研究
私は、ゼミ長としてチームビルディングに力を入れました。私の大学では、各ゼミが研究結果を発表する場があり、そこに向けてメンバーと協力して準備を進めていました。しかし、話し合いでの発言が少ないことに課題を感じていました。
そこで、オンライン授業が中心だったこともあり全員で顔を合わせる機会が少ないことが原因と考え、週に1回は大学に集まって打ち合わせをおこなうことを提案しました。
はじめはぎこちない空気でしたが、メンバーの一人に意見を求めるとそれに対してほかのメンバーも発言するようになり、以前よりも活発に話し合いが進むようになりました。また、話し合い前後の雑談や、食事に行くこともできるようになり、メンバー間からも「集まることを提案してくれたおかげでゼミが楽しくなった」と言ってもらうことができました。
この経験から、オンラインにも便利さはあるのですが、関係性を構築するためには実際に会って話をすることが一番だと感じました。
働くうえでも、状況に応じて適切な方法を選びながら周りの人と積極的にコミュニケーションをとり、円滑に仕事を進めていきたいです。
ゼミ長という立場だけをアピールするのではなく、実際にゼミ長として「集まることを提案する」「意見を求める(進行する)」という役割を果たしていたことがわかります。
また、数字などわかりやすい結果はないものの、ゼミメンバーからいわれた言葉によって成果が出たことをアピールできている回答です。
登山
私は現在、趣味の登山に打ち込んでいます。大学で新たにできた友人に誘われてたことがきっかけで挑戦したのですが、山頂に辿り着いた時の爽快感にすっかり魅了されて、それからも続けています。
もともと人見知りする方だったのですが、一人でも登山に行くうちに山で出会った人と交流することも楽しみになりました。初対面の人と話すことにも抵抗がなくなったのは、登山によって得られた変化です。
大学卒業前に富士山に登ることを目標としているので、現在はそこに向けて体力づくりに励んでいます。
「登山によって得られたこと」というと、体力や忍耐力などを想像する人が多いのではないでしょうか。しかし、「人見知りを克服した」のような一見登山とはつながらない意外な成長を話せると、より印象に残るエピソードになります。
もちろん体力や忍耐力もアピールポイントとして使えますし、この例文でもその2つを持ち合わせていることが感じとれる回答になっています。
学園祭
私は1年次から3年次まで、学園祭実行委員として各団体が出店する模擬店の統括を担当していました。
1〜2年次の学園祭では、各団体から期限までに必要な書類が提出されない、求めている回答がないなど問題があり、準備のスケジュールが押してしまっていました。
その問題を踏まえ、3年次ではあらかじめ出店団体に当日までの準備の流れを伝えることで、「なぜその期限までにやらなければいけないのか」を説明しました。それによってすべての団体が期限を守ってくれるようになり、スケジュール通りに準備を進めることができました。
この経験から、協力を仰ぐ際には「なぜそれをやらなければいけないのか」ということをしっかり説明し、共通の認識を持つことが大切だと学びました。
仕事においても、しっかり相手が理解できるように説明し、互いに納得したうえで進めていきたいと思います。
全体をまとめる立場として、「なにが問題か」を相手の視点に立って考えられていることがわかる回答です。
採用する以上、企業は将来的にリーダーとして会社を引っ張っていってくれることを期待しています。そのときに一方的に指示をするようでは周りからの信頼を得ることができないため、このように適切なリーダーシップが取れることをアピールできると好印象です。
要点を押さえて学生時代に打ち込んだことを魅力的にアピールしよう
「学生時代に最も打ち込んだこと」を聞かれたときに回答に使うエピソードは、珍しい経験や輝かしい実績である必要はありません。それよりも大切なのは、なぜ取り組んだのか、どんな課題に直面してどう乗り越えたのか、そこからなにを学んだのかという「あなた自身の考え」です。
企業が知りたいのは、入社後にどのように仕事に取り組むか、自社で活躍できる人材かということです。
自分の経験が企業の社風やビジョン、求める人物像にどのようにマッチしているかが伝わる回答をつくり、面接官に「採用したい」と思ってもらいましょう。
時間がかかりがちな自己分析が簡単にできちゃうツールがあるのをご存知でしたか?
パッと自己分析を終えたい時に使えるのが、使えるのが適職診断テスト「AnalyzeU+」です。
「AnalyzeU+」は、251問もの設問に答えていく本格的な適職診断テストです。設問に回答をすると、経産省の定めた「社会人基礎能力」のうち、あなたがどの面に秀でていて、どの面に弱点があるのかを教えてくれます。
これは、私がテストした時の診断結果です。この通り、かなり詳しく教えてくれます。
偏差値形式で表示してくれるので、「自分の強みは何なのか?」「向いている仕事は何なのか?」「どんな弱点があるのか?」「向いていない仕事は何か?」が一発でわかります。自分の向き・不向きがわかるので、自己分析で適職について考える時にとても役立ちます
「AnalyzeU+」を利用するには、スカウト型就活サイト「OfferBox」への無料会員登録が必要です。OfferBoxは、プロフィールを登録しておくだけで、あなたのプロフィールに関心を持った人事から選考のオファーがもらえるサイトなので、登録して損はありません。
AnalyzeU+で診断するついでに、プロフィールを詳しく入力しておくと、有名企業からの選考のオファーまで届くようになります。
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