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就活の面接・ESでは、「学生時代に頑張ったこと」を必ずといっていいほど聞かれます。就活をしていて、この質問が聞かれない、ということは、ほぼありません。必ず対策をしておくべき質問の一つです。
しかし、この質問にどう答えるべきか?は意外と知られていません。そこで、「学生時代に頑張ったこと」を質問された時に上手に答える秘訣を、わかりやすい例文をもとに解説いたします!
以下の例文を参考にするだけで、誰でも内定レベルの「学生時代に頑張ったこと」がつくれるようになります。
「学生時代に頑張ったこと」を答える前の準備
採用試験では、学生時代に頑張ったことは何ですか?という質問がよく聞かれます。企業は、質問を通して、応募者の考えやどんなことを大切にしているのかを知ろうとしています。
学生時代には色々なことを経験しますが、特に自分が力を入れたことをひとつ挙げて、それを元に答えを用意しておきましょう。
同じ出来事を経験したとしても、一人ひとり考えや感じたことは違うはずです。また、質問の答えを考える前に、事前にしておきたいことがいくつかあります。
企業の質問の意図を理解して、求められている人材だと思われるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
企業の求める人物像を知る
企業がどのような人物像を求めているのかもう一度確認してみましょう。企業が欲しいと思う人材になることが、採用への近道になります。
企業の新卒採用のホームページや就職情報のページには、「求める人材」が記載されていることがほとんどです。企業から学生に向けて、採用に関してのヒントを示してくれています。
そこに書いてあることをしっかりと読み込み、企業で仕事をしていくうえでの必要な能力やスキル、どのような考えをしている人が活躍しているか、どんな雰囲気の企業なのか、を理解しておくことが重要です。
どんなに有能な人物でも、企業から求められている人でなければ採用されることはありません。改めて、どのような人物像が理想的なのか考えてみましょう。
OB訪問で情報収集する
企業のホームページや採用情報から、求められている人物像を明確にしたら、OB・OG訪問をすることをおすすめします。
ホームページにも情報は載っていますが、それだけでは実際の仕事の雰囲気や社内のことを知るのは難しいはずです。
現在、社内で業務をおこなっている先輩に直接話を聞ける機会があれば、ぜひ色々と聞いておきましょう。参考になるアドバイスももらえます。
詳しい話を聞くことで、自分が想像していたイメージと違った新しい発見も見つかります。また、企業の中でどのような人が活躍しているのか、どのようなスキルや能力があれば仕事に役立つかなども聞いておくとよいでしょう。
先輩から聞いた話を参考にしながら、学生時代に頑張ったことのエピソードを組み立ててみてください。
自己PRが書けない時は、自己PR作成ツールを活用しよう
自己PRの内容が薄いと、志望企業に採用されません。選考を突破するには、自己PRを作り込む必要があります。
そこで活用したいのが、自己PR作成ツールの「自己PRジェネレーター」です。
このツールを使えば、簡単な質問に答えていくだけで理想的な流れの自己PRが完成します。
無料でダウンロードできるので、ぜひ活用して採用される自己PRを完成させましょう。
これを押さえればOK!「学生時代に頑張ったこと」の型とは?
「学生時代に頑張ったこと」をどう伝えればいいか、悩んでいませんか?実は、以下の型を押さえるだけで、誰でも魅力的な「学生時代に頑張ったこと」を書けるようになります。
「学生時代に頑張ったこと」の型
「学生時代に頑張ったこと」をどう書けばいいかわかりませんよね。でも、大丈夫。「学生時代に頑張ったこと」で大事なポイントを図解しました。この図解のポイントを押さえていくだけで、誰でも上手に「学生時代に頑張ったこと」が書けるようになります。
この型に従うだけで、誰でもわかりやすい「学生時代に頑張ったこと」が作れるようになります。
【お手本】「学生時代に頑張ったこと」の例文
では、上記のポイントを押さえた「学生時代に頑張ったこと」の例文を見てみましょう。以下の例文を読めば、イメージが湧きやすくなるはずです。なお、例文は少しレベルの高い内容ですが、気にせず、「文章の構成」に着目してください。
学生時代に最も頑張ったことは、ベンチャー企業の長期インターンで担当事業の売上を月間30万円→135万円まで伸ばした経験です。
ITビジネスに興味があり、現場で学びたいという想いから、インターンに参加しました。
インターンでは、お客様の窓口となるWebサイトの運営を担当しました。担当事業は、「価格が競合に比べて圧倒的に安い」強みがあったのですが、売上が伸びていませんでした。
原因把握のため、データを分析すると、サイトを訪問したお客様は「料金」のページを見る前に、サイトから離脱していることがわかりました。そこで、サイトの全体のデザインを「安さ」を前面に押し出したデザインに変更しました。
結果、お客様に事業のウリがすぐに伝わるようになり、月売上を30万⇒135万と4倍近くまで伸ばすことが出来ました。
この経験から、未知の分野であっても、未知を恐れず、きちんと戦略を練りチャレンジすることで成果を出せると学ぶことができました。
では、各ポイントについて詳細に解説していきます。
1.なぜ面接官は「学生時代に頑張ったこと」を質問するのか?
まず、細かいポイントの解説に入る前に、「なぜ面接官(採用担当)は学生時代に頑張ったことを質問するのか?」を考えてみましょう。質問の意図を理解すれば、より的確に回答できるようになります。
なぜ面接官は「学生時代に頑張ったこと」を質問するのか?それは、学生時代の活動への取り組みを通じて、学生の「人柄」「今後の可能性」を知りたいからです。
リクルートの調査「就職白書」によれば、企業が採用で重視する項目1位は「人柄(90%の企業が重視)」2位「企業への熱意(78%が重視)」3位は「今後の可能性(70%が重視)」となっています。
企業は「アルバイト・ゼミ・サークル・ボランティア」に興味が無い
ちなみに、就職白書によれば、アルバイト経験を重視する企業は23%、所属クラブ・サークルは11%、ボランティア6%、ゼミ4%となっています。つまり、「学生時代の活動」自体には、採用担当は興味がないのですね。だから、「学生時代にこんな凄い事をしました!」と活動自体をアピールしても、評価されません。
では、なぜ面接官(採用担当)は「学生時代に頑張ったこと」を聞くのか?それは、物事へ必死に取り組む姿からは、その就活生の「人柄」「可能性」が浮かび上がってくるからです。
企業は「学生時代に頑張った活動自体」を知りたいのではなく、「頑張ったことから浮かび上がる、就活生の人柄・可能性」に興味があるわけです。
プロセスに重点を置いて説明する
だから、「学生時代に頑張ったこと」に答えるには、「こんな凄いことをしました!」「こんな組織のリーダーでした!」と結果・肩書をアピールするのは意味がありません。
「人柄・可能性」を伝えるために、「どんな思いで取り組み、どんな課題に対して、どのように行動し、どのように成長したのか?」を語る必要があります。
「どんな思いで取り組み、どんな課題に対して、どのように行動し、どのように成長したのか?」プロセスに重点をおいて説明する必要があります。プロセスに重点を置いて説明すれば、活動への取り組みから、あなたの人柄や可能性が面接官に伝わります。
専門用語を使わないように注意する
学生時代のエピソードは、なるべく具体的に伝えることが大切ですが、専門用語を使うのは避けましょう。自信がある分野では、知識も豊富になり専門的な説明も可能です。
しかし、面接官が聞いても、その分野に詳しくないと何を言っているのか分からなくなってしまい、アピールしたいポイントも伝わりません。せっかくのチャンスを無駄にしてしまう可能性もあります。
学生時代に頑張ったことの文章を作る時には、誰にでも分かりやすい表現を心がけましょう。難しい言葉を並べても、分かりにくくなってしまうだけです。
聞く相手の立場になり、一度聞いただけでもすぐに理解して、何を言いたいか分かるように考えることが大切です。文章が完成したら、友人や家族などに聞いてもらい、分かりにくところはないのか確認してもらいましょう。
では、具体的にどんな風に伝えれば良いのでしょうか?詳しくポイントを解説していきます。
2.結論先行!概要を伝えよう
学生時代に最も頑張ったことは、ベンチャー企業の長期インターンで担当事業の売上を月間30万円→135万円まで伸ばした経験です。
まず、最初に「要するに、どんなことに取り組んだのか?」概要を結論先行で伝えましょう。社会人のコミュニケーションは「まず結論から」が常識です。この質問も例外ではありません。まず、要するに「何をしたのか?」を説明しましょう。
目覚ましい成果が出ているなら、最初にアピールする
「全国大会出場」「全社員の中で売上1位」など、目覚ましい成果が出ているなら、最初にアピールしておくと、インパクトが出ます。たとえば、
- A…私が学生時代に頑張ったのは、光回線の電話営業です。
- B…私が学生時代に頑張ったのは、光回線の電話営業で社員30人中1位をとったことです。
Bの方がインパクトがありますよね。目覚ましい成果が出ている場合は、この「概要」部分に書き添えておくと、採用担当の興味を惹きつけられます。
3.「なぜ取り組んだのか?」動機を伝える
企業が知りたいのは、「学生の人柄」です。その就活生がどんな人なのかを知りたいと考えています。自分がどんな人間か、を伝えるには、「なぜ行動したのか?」動機を説明すると良いでしょう。たとえば、例外では、
ITビジネスに興味があり、現場で学びたいという想いから、インターンに参加しました。
と伝え、「気になったらすぐに行動する行動力・向上心」をアピールしています。このように「なぜ取り組んだのか?」動機を伝えると、あなたの人柄が相手につたわり、良い回答になります。
4.どんな課題・目標に取り組んだのか?
その活動の中で、あなたが取り組んだ主な課題・目標を書きましょう。課題・目標について書くことで、エピソードの焦点が絞れて、読みやすい文章になります。課題・目標とは、たとえば、例文では、
担当事業は、「価格が競合に比べて圧倒的に安い」強みがあったのですが、売上が伸びていませんでした。
と、書いています。なんとなくイメージがわきましたか?このように、「自分が主に取り組んだ課題」について触れてください。取り組んだ課題は「凄い」ものである必要はありません。
真剣に取り組んだ課題・目標なら何でもOK
既に述べたように「活動内容」自体は重要ではなく、大事なのは「あなたが何を考えて、どう行動したか?」というプロセスにあります。だから、あなたが真剣に取り組んだ課題・目標であれば、内容は何でもOKです。
その活動の中で、主にどんな課題・目標に取り組んだのかを書きましょう。具体的な役割があれば、その旨も書いておくと、わかりやすくなります。
5.課題解決のために、どんな行動をとったのか?を伝えよう
4であげた「課題・目標」を達成するために、あなたが具体的にどんなことをしたのか?詳しく書きましょう。「詳しく」というのは、「文章からでも、あなたの行動している様が伝わるように、具体的に書く」ということです。たとえば、
原因把握のため、データを分析すると、サイトを訪問したお客様は「料金」のページを見る前に、サイトから離脱していることがわかりました。そこで、サイトの全体のデザインを「安さ」を前面に押し出したデザインに変更しました。
このように「どう行動したのか?」がわかるように詳しく書いてください。
企業は「学生時代に頑張ったこと」から見える、物事への取り組み方から、あなたの仕事への取り組み方を知ろうとしています。つまり、この「行動」の部分は、あなたの仕事への取り組み方として評価されるわけです。とても重要なパートになります。
具体的にあなたがどんな行動をとって、課題を達成しようとしたのか?を書きましょう。
「頑張った」「努力した」「話し合った」だけでは何も伝わらない
よくある駄目な例は、
- みなが楽しめる合宿になるよう、様々な工夫をし〜
- やるからにはイベントを成功させたいと必死に努力し〜
- みなの方針を一致させるため、腹をわって一晩中話し合い、
このように「話し合い」「工夫し」「努力し」という表現を使って、肝心の「努力の中身」「工夫の中身」「話し合いの中身」を書かないこと。採用担当が一番興味があるのは「頑張ったことへの取り組み方」です。抽象的な表現に逃げずに、具体的に何をやったのか?書いてください。
自分の強みを発揮したことを書く
企業が学生時代に頑張ったことを聞くのは、入社後にどのように活躍できる人材なのかをイメージするためでもあります。学生時代のエピソードを通じて、自分の強みをはっきりと表現することで、面接官から入社後に活躍できそうだと判断されます。
自分自身の強みを理解していることは重要ですが、それを発揮できるのかもポイントとなります。
長所・短所を分かっていても、仕事や生活の中で活かすことができなければ、能力とは言えません。自分の強みを発揮して、問題を解決したり、社会に貢献できたというエピソードがあると好印象になります。
企業の求める人物像から、アピールできる強みを考え、その能力を活かしたエピソードを伝えるという方法も効果的です。
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6.行動の結果、どんな成果が出たのか?
あなたが行動した結果、どんな成果が出たのか?わかりやすく書いてください。わかりやすく伝えるには、大きく3つの方法があります。
数字を使う
長期インターンで担当事業の売上を月間30万円→135万円まで伸ばした
このように数字を使うと、アピールの説得力が増します。自分の出した「成果」を定量的に数字でアピールできないか?考えてみましょう。
Before&After
最初はxxxだったが、施策の結果、xxxxになった
あなたが行動する前の様子と、行動した後で改善された様子を比較すると、あなたの行動の成果が相手にわかりやすく伝わります。
他人からの台詞を使う
「他人からこんな感謝の言葉をもらいました」というのも効果的な方法です。他人の言葉ですから、ある程度客観性もありますし、ドラマチックにエピソードを伝えられます。たとえば、
働き方が認められ、アルバイト先の店長から「是非、我が社で働いてくれないか」と内定をいただくまでに至りました。
教えていた生徒から「先生のお陰で、勉強が好きになれた」と言ってもらえました
このように「他人の言葉」を使うと、成果をドラマチックに演出できます。数字ベースの成果が出ていない場合は、使っていると良いでしょう(数字+台詞をあわせて使う方法もあります)
7.経験から何を学んだのか?は必ず説明する
「その経験から学んだこと・得たもの」で「今後の可能性」をアピール
何度も繰り返すように、企業は「頑張ったこと」それ自体に興味があるわけではありません。「学生時代に頑張ったこと」を通して見えてくる「人柄」「可能性」に興味があるのですね
「今後の可能性」をアピールするには、ただ「これこれを頑張りました!」とアピールするだけでは足りません。「この経験から、こんなことを学びました」とその経験から得たもの・学んだことをアピールしましょう。
経験から学び、成長したことを伝えれば、「今後の可能性」において高く評価されます。
「学んだこと」は仕事に通じる「気付き」であるべき
よく就活生の書く「学んだこと」には、以下のようなものがあります。
この経験を通じて、仲間の大事さを学ぶことが出来ました
このような内容です。企業が求めているレベルの回答には、残念ながら、なっていません。理由は簡単で、仕事とあまり関係のない「学び」だからです。
自分をPRするために書く文章ですから、ここで書く「学んだこと」は、仕事に関係のなる「学び・気づき」であるべきです。たとえば、以下のようなものです。
- 未知の分野であっても、未知を恐れず、きちんと戦略を練りチャレンジすることで成果を出せると学ぶことができました。
- この経験から、苦手なことでも、諦めず懸命に努力していけば、人を上回る成果をあげられると学ぶことができました。
これらは、仕事に関係のある「気付き・学び」ですよね。仕事へのアピールですから、仕事に直結した「気付き・学び」をアピールし、経験から学び、成長する自分をアピールしましょう。
学生時代に頑張ったことが無い場合
学生時代に頑張ったことは何ですかという質問に対して、何も思い浮かばないという場合もあります。
だからと言って、「何もありません」という答えはタブーです。学生時代をさかのぼってみて、何か印象に残ることがあれば、それを元にしてエピソードを考えてみましょう。
良いエピソードがないからと、嘘をつくのは厳禁です。面接官に突っ込まれた質問をされたら、言葉に詰まってしまったり、矛盾が出てきてバレてしまうことも考えられます。
すぐに何か思いつかなくても、これまでの学生生活の中で、何か頑張ったと思えることがあるはずです。
ありきたりなエピソードでも大丈夫
頑張ったことが特に思いつかない、これと言って印象的なエピソードがないという場合には、無理に特別なことを見つけようとしなくても、ありきたりなもので大丈夫です。
アルバイトをしたことや、インターンで実務経験をしたこと、部活動やサークル活動などで努力したこと、ゼミで研究したことなど、小さいできごとでもいいので、思いつくものを書き出してみましょう。
同じことを経験しても、考え方や感じ方は人それぞれです。ありきたりのエピソードだとしても、それに対する自分の意見を加えれば立派なオリジナルになります。
入学から現在まで、記憶に残っているものを思い出し、その時に何を感じたか、どんな風に頑張ったのかも合わせて考えてみましょう。
今から頑張ることを見つけて取り組む
もし、考えてみても何も思いつかない場合は、今からでも行動を起こしてみましょう。面接までの期間は限られていますが、出来ることはいくつもあるはずです。
以前からやってみたかったことや、興味のあること、勉強したいと思っていたことなどを始めるチャンスにもなります。
エピソードが何もないからといって、そのままでは面接で答えることができなくなってしまうでしょう。小さなことでもいいので、行動に移すことが大切です。
今からでも参加できるインターンや、短期間で取得できる資格などを検討してみましょう。資格は業務に活かせるものが理想的です。また、短期間のアルバイトやイベントに参加することでも、頑張ったこととしてエピソードになるはずです。