SPIの推論対策|解くポイント4つとおすすめの練習方法

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SPIにはテストセンター、ペーパーテスト、WEBテストなどさまざまな方式があり、出題範囲は方式ごとに異なります。しかし、その中でも、共通して、非言語の範囲で最も出題されやすいのが推論です。

すでにSPIの推論対策をスタートしたものの「難しすぎてどうしたらいいかわからない」と感じている人もいるかもしれません。しかし推論はどの方式でも最頻出なため、今のうちにしっかりと対策をしておきましょう。

この記事では、推論の問題を解くポイントと、効果的な練習方法を解説。SPIがとにかく苦手という人はぜひ役立ててください。

SPIの推論とは

SPIの推論とは、与えられた情報をもとに正しい順番や内訳などを導き出す問題を指します。なんとなく難しいイメージを持ちますが、問題を解くために特別な前提知識は必要なく、複雑な計算もありません。

整理して考えれば答えにたどり着けるような問題ではありますが、時間が限られていることが推論の厄介なところです。

テストセンターとWEBテストの場合は、言語問題・非言語問題を合わせて制限時間35分、ペーパーテストの場合でも30問を40分(言語含まず)で解かなければなりません。

1問に何十分もかけている余裕はないので、問題のパターンごとの解き方を覚え、ミスなくスピーディーに解くことが重要です。

最頻出の推論の対策をしっかりしておけば大きな得点源にできますから、苦手意識を持たず、出やすい問題のパターンを一つずつ対策していきましょう。

正解率が上がると出題されやすい

SPIの推論は、それまでに取り組んだ回答の正解率が高いときに出題される問題でもあります。

そもそもSPIは、正解率が高くなるにつれ、それ以降の問題の難易度が上がるという試験です。難易度の高い問題を解答できた分だけ、あなたのこれまでの回答が正解ばかりだということがわかるという仕組みになっています。

そして推論は、SPIの中でも特に難易度が高いと言われています。つまり、推論が多く出題される場合は、その時点で正解している問題が多いと考えることができます。

このように、SPIにおいて推論の出現率は、正解率の指標ともなるため、一概に推論に苦手意識をもつのはもったいないでしょう。推論が出てきたからこそ、より自信をもってさらに正解を重ねていきたいところです。

推論の種類

SPIの非言語に分類される推論ですが、ただ一言で「推論」といっても、実は出題のパターンには種類があります。どれか1つのパターンを「推論の解き方だ」と勘違いしてしまうと、他の出題パターンが出たときに対応することができません。

SPIは制限時間内で素早く解答しなければならない試験でもあるため、単純に解けるかどうかだけでなく、解答の速度も求められます。そこで、それぞれの解き方をマスターする事前準備として、ここで推論の種類を把握しましょう。

順番を考える問題

与えられた情報をもとに正しい順番を考えていく問題です。問題のタイプとしては、順番そのものを問うものと、順番を決めるために必要な条件を問うものがあります。

例題

P、Q、R、Sの4人が徒競走をおこなった。4人の順位について次のことがわかっている。

 

1.SがPの次にゴールした
2.最初にゴールしたのはRではない

次のア・イ・ウの推論のうち、必ずしも誤りとは言えないものを選択肢から選びなさい。

ア.Qが2番目にゴールした

イ.Rが3番目にゴールした

ウ.Sが4番目にゴールした

A.アのみ
B.イのみ
C.ウのみ
D.アとイ
E.アとウ
F.イとウ
G.ア・イ・ウのすべて
H.いずれも誤り

答え:B

解説

まずは考えられる順位を書き出す。条件1から、
SP□□、□SP□、□□SPの3通り考えられ、

 

さらに条件2をここに当てはめると、SPQR、SPRQ、QSPR、QRSPの4通りあることが判明。

推論を順に考えていくと、Rが3番目にゴールするパターンのみ存在するので、イだけは必ずしも誤りではありません。

よって、Bの「イのみ」が正解になります。

結局この問題では正しい順位はわからないので、少し腑に落ちないところがあるかもしれませんが、推論では数学のように1つの答えを導き出すのではなく、可能性のある答えをすべて導き出すことが肝心です。

内訳を考える問題

何が何個あるのか、どこに何人いるのかを考える問題です。順番を考える問題と同様にいくつかの情報が与えられ、その情報をもとに内訳を考えていきます。

例題

黒玉、赤玉、白玉の3種類が計9個ある。このとき次のことがわかっている。1,3種類とも少なくとも1個はある
2.赤玉の数は黒玉より少ない

 

このとき、必ず正しいと言えることは次のうちどれか。

ア.白玉が2個であれば、赤玉は3個である
イ.白玉が4個であれば、赤玉は2個である
ウ.白玉が5個であれば、赤玉は1個である

A.アのみ
B.イのみ
C.ウのみ
D.アとイ
E.アとウ
F.イとウ
G.ア・イ・ウのすべて
H.いずれも誤り

答え:c

<
解説

まずはわかっていることから書き出していくのがポイント。条件1からどの色の玉も最低1つはあること、条件2から玉の数が「黒>赤」ということがわかります。

 

条件を考慮して推論を考えていくと、

白玉が2個のときは「黒4、赤3、白2」「黒5、赤2、白2」「黒6、赤1、白2」の3通り。

白玉が4個のときは「黒3、赤2、白4」「黒4、赤1、白4」

白玉が5個のときは「黒3、赤1、白5」の1通り

よって、アとイは必ずしも正しいとは言い切れず、白玉が5個のとき常に赤玉が1個になるウのみ正しいと言えます。

発言の正誤を判断する問題

1人もしくは数人の発言をもとに矛盾を見つけ出していく問題。それぞれの発言の正誤関係を明らかにしていくことがポイントです。

例題

コインを7回投げて表と裏の回数を数えた。この結果として以下のことがわかった。1.表が出た回数は5回である
2.裏が出た回数のほうが少ない
3.裏が出た回数は偶数である

 

以上の報告は必ずしもすべて信用できるとは限らない。そこで、色々な場合を想定して推論がなされた。

次のア、イ、ウの推論のうち、正しいのはどれか。

ア.1が正しければ、2も必ず正しい
イ.2が正しければ、3も必ず正しい
ウ.3が正しければ、1も必ず正しい

A.アのみ
B.イのみ
C.ウのみ
D.アとイ
E.アとウ
F.イとウ
G.ア・イ・ウのすべて
H.いずれも誤り

答え:A

解説

「必ずしもすべて信用できるとは限らない」という文言のせいでややこしく感じますが、問われていること自体は難しくありません。ア〜ウの推論を一つずつ1〜3の情報と照らし合わせてみましょう。まず、1の「表が出た回数は5回である」が正しいとすると、裏が出た回数は2回となり、アの推論は正しいといえます。次に、2の「裏が出た回数のほうが少ない」が正しいとすると、「表4、裏3」「表5、裏2」「表6、裏1」の3通りが考えられますが、必ずしも裏が出た回数は偶数ではないので、イの推論は成立しません。

 

最後に、3の「裏が出た回数は偶数である」が正しいとすると、「表1、裏6」「表3、裏4」「表5、裏2」の3通りが考えられますが、必ずしも表が出た回数は5回ではないので、ウの推論は成立しません。

よって、Aの「アのみ」が正解です。

平均から個々の値を求める問題

平均額をもとに個々の金額を割り出す問題です。計算が必要になりますが、複雑な公式や計算は必要ありません。「平均×個数=合計」になることさえ理解しておけば解ける問題ばかりです。

例題

P、Q、Rの3人が100点満点のテストを受けた。得点について次のことがわかった。1.PとQの平均得点は70点である
2.P、Q、Rの平均得点は75点である

 

次のア、イ、ウの推論のうち、確実に正しいといえる推論はどれか。ただし、同点の者はいないものとする。

ア.3人の中で最も得点が高かったのはPである
イ.3人の中で最も得点が低かったのはQである
ウ.3人の中で最も得点が低かったのはRである

A.アのみ
B.イのみ
C.ウのみ
D.アとイ
E.アとウ
F.イとウ
G.ア・イ・ウのすべて
H.いずれも誤り

答え:H

解説

平均から個々の値を求める問題は、まず与えられた平均の値から合計値を求めるのがポイントです。条件1から、
PとQの合計点は140点条件2から、3人の平均得点が75点とわかっているので、
3人の合計は、75×3=225点

 

3人の合計点からPとQの合計点を引くと、
225−140=85で、Rの得点が85点ということがわかります。

これらの情報をもとにア〜ウの推論を考えていくと、Rの得点が85点ということはわかっていますが、Pの得点は「最大100点、最小40点」、Qの得点も「最大100点、最小40点」ということしかわからないので、いずれの推論も確実に正しいとはいえません。

よって、Hの「いずれも誤り」が正解です。

人口密度の問題

単位面積当たりの人口を求める問題です。「人口密度=人口÷面積」で求められますが、推論で出題される人口密度の問題は、面積の数値がわからないという点が大きな特徴です。

例題
br>次の表は、P、Q、Rの3つの市の人口密度(1㎢当たりの人口)を示したものである。P市の面積はQ市と等しく、それぞれR市の面積の半分である。

 

次のアとイの推論について、正しいものを選びなさい。

ア.P市とR市の人口の和はQ市の人口の2倍である
イ.P市とR市を合わせた地域の人口密度は、Q市の人口密度に等しい

A.アもイも正しい
B.アは正しいが、イはどちらともいえない
C.アは正しいが、イは誤り
D.アはどちらともいえないが、イは正しい
E.アはどちらともいえないが、イは誤り
F.アは誤りだが、イはどちらともいえない
G.アは誤りだが、イは正しい
H.アもイもどちらともいえない
I.アもイも誤り

答え:G

解説

まずは条件からわかることを書き出していきましょう。「P市の面積はQ市と等しく、それぞれR市の面積の半分」とあるので、わかりやすく考えるために、P市とQ市の面積を1、R市の面積を2と仮定します。

 

それぞれの市の面積の比を数字で考えたいだけですから、「1と2」でなくとも、「2と4」「3と6」など、「1:2」の数字になればなんでも構いません。

面積を仮定したところで、推論について考えていきます。

ア)
面積と人口密度がわかれば人口を求められます。
P市の人口:1×500=500
Q市の人口:1×300=300
R市の人口:2×200=400

P市とR市の人口の和は900と、Q市の人口を2倍にした600とは一致しないので、推論は成立しません。

イ)
2つの市の人口密度を考えるには、それぞれの市の人口と面積を足し合わせる必要があります。

P市とR市を合わせた地域の人口密度=(P市の人口500+R市の人口400)÷(P市の面積1+R市の面積2)=300

これはQ市の人口密度300と一致するので、イの推論は正しいということになります。

よって、Gの「アは誤りだが、イは正しい」が正解です。

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SPIの推論を解くポイント

推論問題の種類について理解できたでしょうか。「なんとなく理解できたから、これから実際に試してみよう」と思っている人もいるでしょう。しかしその前に、どの種類にも共通する重要なポイントを理解しておきましょう。

推論は一定のパターンに基づいていますので、ここで紹介するテクニックを理解しておけば、どの形式にも適応しやすくなります。

コツを押さえず、ただ単に問題をたくさん解くだけでは、行き詰ってしまうかもしれません。問題の練習に進む前に、ここでの推論を解くポイントをしっかり掴み、効率的な学習に活用してください。

①読み取った内容は図や記号を書いて整理する

問題文から読み取った内容は無理に頭だけで考えようとせず、図や記号を使いながら整理してください。

頭だけで考えるとケアレスミスが多くなる上、行き詰まったときに最初から考え直さなければなりません。正確かつスピーディーに問題を解くために、図や記号をうまく活用しながら考えましょう。

図や記号にはさまざまな種類がありますが、どれを使うのが正しいというわけではなく、自分が使いやすいもの、問題を考えやすいものを選ぶことが重要です。

また、実施方式によっては、同じ設定のまま一部の条件だけを変更した「組問題」と呼ばれる問題が登場します。最初の問題で考えたことや計算したことが次の問題にも役立つことがあるので、書き出したことは消さずに残しておきましょう。

②言葉が曖昧なものは整理する

推論では、時に日本語がややこしい問題が出てきます。解釈の仕方によっては間違った答えにたどり着く可能性があるため、言葉が曖昧なものはきちんと整理してから結論を出すようにしてください。

例えば、以下のような文章が挙げられます。

例)必ずしも誤りと言えないものはどれですか。〇:必ず正しい
△:どちらともいえない
✖:必ず間違い

この場合、絶対に間違いであると断言できない「必ず正しい」と「どちらともいえない」が正解になります。反対に、絶対に間違いであると断言できる「必ず間違い」は不正解です。

推論では例のような曖昧な言葉が時に出てきますが、注目すべきは「必ず」「必ずしも」といった言い回しです。その言葉に何が含まれて何が含まれないのか、問題文をよく読んでから問題を解き始めましょう。

③焦って回答せずにすべての事象を書き出して答える

webで受験では試験全体の制限時間はもちろん、1問ごとに制限時間が決まっています。そのため、残り時間が少なくなると冷静に考えられなくなりがちですが、焦って解答を選んでも間違いが増えるだけです。

残り時間のことばかりにとらわれず、冷静にすべての事象を書き出してから答えを出すようにしましょう。

わざわざ紙に書き出す時間がもったいないと考える人もいるかもしれませんが、結局は図や記号を紙に書きながら考えるのが最も効率的な方法です。

紙に考えをまとめておくと最後の確認にも使えるため、頭で考えたことを紙に書いて整理しながら、丁寧に解くことを心がけてみてください。

④複数パターンの可能性がある場合はすべて当てはめる

推論の問題は一つの答えが導き出せることは少なく、複数のパターンがある場合がほとんどです。その場合、複数のパターンがあるということを考慮し、それぞれのパターンに当てはめて考えていく必要があります。

例えば上記に挙げた順番を考える問題の場合、4通りのパターンがあり、推論の正誤を判断するにはそれぞれに当てはめて考える必要がありました。

1つのパターンだけに当てはめて考えても正解にはたどり着けなかったため、例題のように複数パターンがある場合は、すべてのパターンに条件を当てはめて答えを導き出すことが大切です。

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試験当日SPIの推論はどう回答すればいい?

ここまでの解説で「これなら自分でもできるかも」と感じた人もいるのではないでしょうか。しかし、実際に試験を受けるときには、対策時とは違った悩みにあたることもよくあるものです。

SPIの推論対策は、問題の解き方を覚えるだけではなく試験当日の解答方法まで把握してこそ万全だといえます。ここからはSPI当日、推論の問題を回答するときの、心構えや取り組み方を解説します。

できるだけ捨てないほうが吉

どんなに推論の対策をしても、試験当日に問題を見て難しく感じることもあるでしょう。「この問題は飛ばしたほうがいいかも」と考えてしまうこともあるはずです。

もしかすると今の時点で「SPIの推論を捨てて別のジャンルの対策を重点的にすれば、そこで挽回できるのでは?」と考えている人もいるかもしれませんね。

しかし推論は捨てるべきではありません。なぜなら先ほども解説した通り、推論はSPIの中でも高得点を取るのに必要不可欠な分野であり、SPIの成績が良い場合にのみ出題される分野だからです。

そして成績がよければ、推論がSPI全体の半分以上を占めることもあります。せっかく高得点が取れている良い流れをここで止めるのはもったいなくありませんか。また、解ければさらなる高得点も期待できます。最終的に高得点を取るために、できるだけ推論は捨てずに解答するようにしましょう。

考える時間を決めて回答に臨む

「推論は捨てないほうがいい」とお伝えしましたが、実際に難易度の高い問題に当たったときは注意が必要です。試験の時間は決まっており、他の問題もあるため、いつまでもその問題に時間を割くわけにはいきません。

そのためSPIの試験当日は、推論の解答にかける時間を必ず決めて臨むようにしましょう。時間配分の中でどうしても解けなかったときは、適当に回答をして次の問題に進むようにします。

そして当日スムーズに解答に取り組むには、練習問題を解くときも時間を計ることが大切です。解答時間は1問当たり1分から1分半を目安にしましょう。

SPIは全問正解である必要はありません。自分で決めた制限時間を超えたら見切りをつけ、冷静に次の問題に臨みましょう。

SPI推論の対策方法

現時点で、すでにSPIの推論の勉強を初めている人もいるかもしれません。しかし中には「自分なりのやり方をしているが、なかなか得点アップできない」と悩んでいる人が多いと思います。

そこでここからは、そのような人でもすいすい解答ができるようになる推論の勉強方法について解説します。ここで紹介するのは、既にSPIを突破した先輩たちも取り入れてきた方法ばかりです。ぜひ活用してください。

問題集1冊を繰り返し解く

推論のコツを覚えるためにおすすめなのは、同じ問題集を繰り返し解く勉強方法です。まずは1冊の問題集を通して解いてみましょう。傾向を把握し、解き方を覚えることが目的なので、1つの問題集を解くので構いません。そうすると解けない問題や苦手に感じているパターンの問題が出てくるはずです。

1冊解き終わったら、そのような問題のみ抜粋して完璧に解けるようになるまで繰り返し演習してください。そして苦手が克服できたと感じたら、もう一度、問題集を初めから解いてみましょう。スムーズにすべての問題に正解できたら、推論の解き方はある程度身についたといえます。

問題集を何周もするうちに答えを覚えてしまうことがあります。このとき、「回答は1だった」と暗記した答えを作業的に書くのはやめましょう。このような場合は、他の選択肢が「なぜ間違いなのか」を考えながら解いていくと、より効果的な復習ができます。

YouTubeによる解説付きで勉強

YouTubeなどの解説動画を参考にしながら勉強するのもおすすめです。最近はSPI対策のための動画も多く、無料で良質な解説動画が見れます。

映像による情報は文字だけの情報よりも記憶に残りやすいので、解説動画を参考にするのは非常に効果的な勉強法です。

ただし、解説動画で勉強する場合は、解説を聞いただけで勉強した気にならないよう注意しなければなりません。

解説を聞けば何となく理解したような気になりますが、勉強で大切なのは得た知識をアウトプットすることです。解説動画で得た知識をもとに自分の力で問題集に取り組み、問題の解き方を身につけましょう。

キャリアパークのwebテストでの模擬試験

就活サイトではwebテストの模擬試験を実施しており、選考で実施されるwebテストがどのようなものなのか確かめることが可能です。

中でも、キャリアパークではSPIテストセンター型と玉手箱テストセンター型の模擬試験から選んで受験できます。自分が選考で受けるときのwebテストと同じ方式を選べるので、現状の課題と今後の方針が明確になるでしょう。

SPIでは自身の点数よりも偏差値が重要になるため、模擬試験を受けてみると、今の自分がどれくらいの位置にいるのか把握できるメリットがあります。

ただし、模擬テストは、本番のSPI試験と同じく制限時間があり、本番と同じ形式で出題される点も特徴です。そのため推論の学習を始めたばかりだと、意味がわからず、うまく取り組めないと感じる問題がたくさんあるかもしれません。

そのため学習が網羅的にできたタイミングで模擬テストを受けることをおすすめします。普段の学習とは異なり、本番に近い形式でテストを受けられるため、緊張感に慣れる練習にもなります。

自分では「対策は万全にできている」と思っていても、いざ実践に移してみると全然解答できなかったということもあり得るでしょう。試験本番の流れや空気感を一切知らないまま本番に臨むよりも、模擬的に本番を体験しておくべきです。

模擬試験は無料で受けられますから、他の就活生のレベルが知りたい人や、webテストに慣れておきたい人は試しに受けてみましょう。

キャリアパークのwebテストを挑戦してみたい人はここから!
キャリアパークWEBテスト模試

解答&解説付き! SPIの推論の問題例

「実際のSPIでは、どんな問題が出るのだろう」と気になっている人もいるでしょう。そこでここからは、SPIの推論の問題例と解き方の要点をジャンル別に解説します。

推論の練習で大切なのは、答えそのものを出すことではなく、解き方のコツを掴むことです。また、実際の問題に挑戦することは、理解した解答法を試すことにも繋がります。ここで紹介する例題を参考に、効率的な解き方を考えてみたり、自身の理解度を確認したりしてみてください。

順番を考える問題

例題
A、B、C、D、Eの5人が徒競走をした。5人の順位について、次のことがわかっている。

ⅰ.Bの次にDがゴールした
ⅱ.最初にゴールしたのはAではない
ⅲ.CはEより後にゴールした

次の推論ア、イ、ウのうち、必ずしも誤りとは言えないものはどれか。

ア:Eが2番目にゴールした
イ:Aが3番目にゴールした
ウ:Cが最後にゴールした

選択肢

A:アだけ
B:イだけ
C:ウだけ
D:アとイの両方
E:アとウの両方
F:イとウの両方
G:アとイとウの全て
H:全て間違い

解答
F:イとウの両方
解説
与えられた情報をもとに、考えうる順序をすべて出しましょう。

ⅰ.Bの次にDがゴールしたという情報から、BとDは連続していることがわかります。
ⅱ.最初にゴールしたのはAではないという情報から、Aは必ず2位以降になります。
ⅲ.CはEより後にゴールしたという情報から、Cは必ずEより後の順位となります。

これらの条件を組み合わせて、推論ア、イ、ウを一つずつ検証してみましょう。

ア:Eが2番目にゴールしたとすると、ⅲの条件によりCは3位から5位のどこかに入ります。またⅰの条件より、BとDは連続するため、3位から5位のどこかに入ることになります。しかし、ⅱの条件により、Aは1位にはなりえません。そのため、この推論は誤りです。

イ:Aが3番目にゴールしたすると、ⅰとⅲの条件により、BDAECやECABDという順序が考えられます。そのため、この推論は誤りではない可能性があります。

ウ:Cが最後にゴールしたとすると、BDAEC・BDEAC・EABDCという順序が考えられます。そのため、この推論は誤りではない可能性があります。

したがって、必ずしも誤りとは言えないのはイとウです。

内訳を考える問題

例題
倉庫にA、B、Cの3つの袋がある。それぞれの袋には砂糖が入っており、その合計重量は27.5kgである。このとき、次の情報がわかっている。

ⅰ.Aの袋はBの袋より軽い
ⅱ.Bの袋はCの袋と同じ重さ

それぞれの袋の重さは何kgか?選択肢から選んでください。

選択肢ア:A 10kg、B 10kg、C 7.5kg
イ:A 12.5kg、B 7.5kg、C 7.5kg
ウ:A 7.5kg、B 7.5kg、C 12.5kg
エ:A 7.5kg、B 10kg、C 10kg
オ:A 10kg、B 10kg、C 7.5kg

解答
エ:A 7.5kg、B 10kg、C 10kg
解説
提示された情報を整理して考えましょう。

ⅰによるとAの袋はBの袋より軽く、ⅱからはBの袋とCの袋が同じ重さだとわかります。

全体の重さが27.5kgであることを考えると、重さの組み合わせは次のようになります。

A:7.5kg(B・Cよりも軽い)
B:10kg(Cと同じである)
C:10kg(Bと同じである)

したがって、エ:A 7.5kg、B 10kg、C 10kgが正解となります。

発言の正誤を判断する問題

例題
A、B、Cが同じ写真を見て、次のように発言した。

A:この写真には猫が写っている。
B:この写真には少なくとも猫か犬が写っている。
C:この写真には犬が写っている。

全員が本当のことを言っているとは限らない。そこで、以下の推論がなされた。次のうち正しいものを一つ選びなさい。

選択肢
ア:Bが正しければAは必ず正しい
イ:Cが正しければBは必ず正しい
ウ:Aが正しければCは必ず正しい

解答
イ:Cが正しければBは必ず正しい
解説
提示された条件から読み取れる情報を一つずつ検証しましょう。

アについて:Bが正しいとしても、写真に猫が写っているとは断定できないため、Aは必ず正しいとは言えません。

イについて:Cの発言が正しいとすると、写真には犬が写っていることになります。そのため、Bの発言も正しいことになります。

ウについて:Aの発言が正しいとすると、写真には猫が写っていることになります。しかし、これがCの発言、つまり写真に犬が写っていることを保証する訳ではありません。

したがって、イ:Cが正しければBは必ず正しいが正解となります。

平均から個々の値を求める問題

例題
A、B、C、Dの4人が100点満点の試験を受けたところ、以下の結果になった。

ⅰ.4人の平均点は60点だった。
ⅱ.BとCの平均点は45点だった。
ⅲ.DはAよりも20点高かった。

最も少ない情報で4人の点数すべてを確定させるには、次のア、イ、ウのうち、どの情報がわかるとよいか。正しい組み合わせを選べ。

選択肢
ア:Bが最高点である。
イ:BとDの点数を足すと140点である。
ウ:メンバーの中で2人が同じ得点であることがわかる。

解答
イ:BとDの点数を足すと140点である。
解説
平均から合計を求めて考えましょう。

4人の合計点は60×4=240点です。そして、BとCの合計点は45×2=90点です。
このことから、AとDの合計点は240-90=150点となります。
ⅲより、DはAよりも20点高いため、Dの点数は150÷2+20=95点、Aは55点とわかります。

ここで選択肢を見てみましょう。この中でも、イの「BとDの点数を足すと140点である」という情報が加わった場合、Dの点数は95点ですから、B=140-95=45点とわかります。そして、C=90-45=45点とすべて確定できます。

したがって、「イ:BとDの点数を足すと130点である」が正解となります。

人口密度の問題

例題
以下は、A市、B市、C市の3つの市の人口密度を示したものである。

A市:210人/㎢
B市:520人/㎢
C市:270人/㎢

A市の面積はC市の4倍であり、B市の面積はA市の1/5である。

次のアとイの推論について、正しいものを選べ。

ア:B市の人口はC市よりも少ない
イ:A市とB市がそのままの面積で合併した場合、この地域の人口密度は240よりも大きくなる

選択肢
A:アもイも正しい
B:アは正がイはどちらともいえない
C:アは正しいがイは誤り
D:アはどちらともいえないが、イは正しい
E:アはどちらともいえないが、イは誤り
F:アもイもどちらともいえない
G:アは誤りだが、イはどちらともいえない
H:アは誤りだが、イは正しい
I:アもイも誤り

解答
A:アもイも正しい
解説
各市の人口を計算しましょう。このとき、各市の面積は適当な数字に置き換えて考えます。

今回は、C市の面積を1とし、A市の面積がC市の4倍であることから、A市の面積を4としましょう。B市の面積はA市の1/5なので、0.8とします。

A市の人口:4(面積)×210(人口密度)=840
B市の人口:0.8(面積)×520(人口密度)=416
C市の人口:1(面積)×270(人口密度)=270

ここから、提示された推論を検証していきます。

B市の人口416は、C市の人口270よりも少ないことがわかるため、「ア:B市の人口はC市よりも少ない」は正しいです。

次に、「イ:A市とB市がそのままの面積で合併して一つの市になった場合、その地域の人口密度は240よりも大きくなる」について検証しましょう。

A市とB市が合併した場合の人口密度を計算します。この場合、この地域の人口はA市とB市の人口の和、840+416=1256となります。

面積はA市とB市の面積の和、4+0.8=4.8です。

人口密度は1256÷4.8=261.666…となり、240よりも大きいとわかります。

したがって、この問題の正解は「A:アもイも正しい」です。

SPIの推論は情報を書いて整理することで解答が導きやすくなる

初めて取り組む際には難しく感じる推論ですが、解き方のコツを知っておけばそれほど難しい問題ではありません。

解き方のコツは、頭だけで考えようとせずに情報を紙に書き出しながら整理していくことです。視覚化して考えると、ケアレスミスが減ります。

解き方のコツを身につけるために、問題集に繰り返し取り組んだり、模擬試験を受けたりして推論の問題に慣れていきましょう。

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