SPIの推論対策|解くポイント4つとおすすめの練習方法

SPIにはテストセンター、ペーパーテスト、WEBテストなどさまざまな方式があり、出題範囲は方式ごとに異なりますが、共通して非言語の範囲で最も出やすいが推論です。

どの方式でも最頻出なため、まだどの方式でSPIを受けるのかわからない場合や、これから非言語の対策を始める場合は推論から対策を始めるのがおすすめです。

非言語の範囲は幅広い上に方式によって出題範囲は異なるため、先に頻出分野の対策を優先的におこない、その後で他の分野の対策に取りかかるのが効率的といえます。

そのためにもまずは推論の問題を解くポイントと、効果的な練習方法を知っておきましょう。

SPIの推論とは

SPIの推論とは、与えられた情報をもとに正しい順番や内訳などを導き出す問題を指します。なんとなく難しいイメージを持ちますが、問題を解くために特別な前提知識は必要なく、複雑な計算もありません。

整理して考えれば答えにたどり着けるような問題ではありますが、時間が限られていることが推論の厄介なところです。

テストセンターとWEBテストの場合は、言語問題・非言語問題を合わせて制限時間35分、ペーパーテストの場合でも30問を40分(言語含まず)で解かなければなりません。

1問に何十分もかけている余裕はないので、問題のパターンごとの解き方を覚え、ミスなくスピーディーに解くことが重要です。

最頻出の推論の対策をしっかりしておけば大きな得点源にできますから、苦手意識を持たず、出やすい問題のパターンを一つずつ対策していきましょう。

推論の種類

順番を考える問題

与えられた情報をもとに正しい順番を考えていく問題です。問題のタイプとしては、順番そのものを問うものと、順番を決めるために必要な条件を問うものがあります。

例)
P、Q、R、Sの4人が徒競走をおこなった。4人の順位について次のことがわかっている。

1.SがPの次にゴールした
2.最初にゴールしたのはRではない

次のア・イ・ウの推論のうち、必ずしも誤りとは言えないものを選択肢から選びなさい。

ア.Qが2番目にゴールした

イ.Rが3番目にゴールした

ウ.Sが4番目にゴールした

A.アのみ
B.イのみ
C.ウのみ
D.アとイ
E.アとウ
F.イとウ
G.ア・イ・ウのすべて
H.いずれも誤り

答え:B

解説)
まずは考えられる順位を書き出す。条件1から、
SP□□、□SP□、□□SPの3通り考えられ、

さらに条件2をここに当てはめると、SPQR、SPRQ、QSPR、QRSPの4通りあることが判明。

推論を順に考えていくと、Rが3番目にゴールするパターンのみ存在するので、イだけは必ずしも誤りではありません。

よって、Bの「イのみ」が正解になります。

結局この問題では正しい順位はわからないので、少し腑に落ちないところがあるかもしれませんが、推論では数学のように1つの答えを導き出すのではなく、可能性のある答えをすべて導き出すことが肝心です。

内訳を考える問題

何が何個あるのか、どこに何人いるのかを考える問題です。順番を考える問題と同様にいくつかの情報が与えられ、その情報をもとに内訳を考えていきます。

例)
黒玉、赤玉、白玉の3種類が計9個ある。このとき次のことがわかっている。1,3種類とも少なくとも1個はある
2.赤玉の数は黒玉より少ない

このとき、必ず正しいと言えることは次のうちどれか。

ア.白玉が2個であれば、赤玉は3個である
イ.白玉が4個であれば、赤玉は2個である
ウ.白玉が5個であれば、赤玉は1個である

A.アのみ
B.イのみ
C.ウのみ
D.アとイ
E.アとウ
F.イとウ
G.ア・イ・ウのすべて
H.いずれも誤り

答え:c

解説
まずはわかっていることから書き出していくのがポイント。条件1からどの色の玉も最低1つはあること、条件2から玉の数が「黒>赤」ということがわかります。

条件を考慮して推論を考えていくと、

白玉が2個のときは「黒4、赤3、白2」「黒5、赤2、白2」「黒6、赤1、白2」の3通り。

白玉が4個のときは「黒3、赤2、白4」「黒4、赤1、白4」

白玉が5個のときは「黒3、赤1、白5」の1通り

よって、アとイは必ずしも正しいとは言い切れず、白玉が5個のとき常に赤玉が1個になるウのみ正しいと言えます。

発言の正誤を判断する問題

1人もしくは数人の発言をもとに矛盾を見つけ出していく問題。それぞれの発言の正誤関係を明らかにしていくことがポイントです。

例)
コインを7回投げて表と裏の回数を数えた。この結果として以下のことがわかった。1.表が出た回数は5回である
2.裏が出た回数のほうが少ない
3.裏が出た回数は偶数である

以上の報告は必ずしもすべて信用できるとは限らない。そこで、色々な場合を想定して推論がなされた。

次のア、イ、ウの推論のうち、正しいのはどれか。

ア.1が正しければ、2も必ず正しい
イ.2が正しければ、3も必ず正しい
ウ.3が正しければ、1も必ず正しい

A.アのみ
B.イのみ
C.ウのみ
D.アとイ
E.アとウ
F.イとウ
G.ア・イ・ウのすべて
H.いずれも誤り

答え:A

解説)
「必ずしもすべて信用できるとは限らない」という文言のせいでややこしく感じますが、問われていること自体は難しくありません。ア〜ウの推論を一つずつ1〜3の情報と照らし合わせてみましょう。まず、1の「表が出た回数は5回である」が正しいとすると、裏が出た回数は2回となり、アの推論は正しいといえます。次に、2の「裏が出た回数のほうが少ない」が正しいとすると、「表4、裏3」「表5、裏2」「表6、裏1」の3通りが考えられますが、必ずしも裏が出た回数は偶数ではないので、イの推論は成立しません。

最後に、3の「裏が出た回数は偶数である」が正しいとすると、「表1、裏6」「表3、裏4」「表5、裏2」の3通りが考えられますが、必ずしも表が出た回数は5回ではないので、ウの推論は成立しません。

よって、Aの「アのみ」が正解です。

平均から個々の値を求める問題

平均額をもとに個々の金額を割り出す問題です。計算が必要になりますが、複雑な公式や計算は必要ありません。「平均×個数=合計」になることさえ理解しておけば解ける問題ばかりです。

例)
P、Q、Rの3人が100点満点のテストを受けた。得点について次のことがわかった。1.PとQの平均得点は70点である
2.P、Q、Rの平均得点は75点である

次のア、イ、ウの推論のうち、確実に正しいといえる推論はどれか。ただし、同点の者はいないものとする。

ア.3人の中で最も得点が高かったのはPである
イ.3人の中で最も得点が低かったのはQである
ウ.3人の中で最も得点が低かったのはRである

A.アのみ
B.イのみ
C.ウのみ
D.アとイ
E.アとウ
F.イとウ
G.ア・イ・ウのすべて
H.いずれも誤り

答え:H

解説)
平均から個々の値を求める問題は、まず与えられた平均の値から合計値を求めるのがポイントです。条件1から、
PとQの合計点は140点条件2から、3人の平均得点が75点とわかっているので、
3人の合計は、75×3=225点

3人の合計点からPとQの合計点を引くと、
225−140=85で、Rの得点が85点ということがわかります。

これらの情報をもとにア〜ウの推論を考えていくと、Rの得点が85点ということはわかっていますが、Pの得点は「最大100点、最小40点」、Qの得点も「最大100点、最小40点」ということしかわからないので、いずれの推論も確実に正しいとはいえません。

よって、Hの「いずれも誤り」が正解です。

人口密度の問題

単位面積当たりの人口を求める問題です。「人口密度=人口÷面積」で求められますが、推論で出題される人口密度の問題は、面積の数値がわからないという点が大きな特徴です。

例)
次の表は、P、Q、Rの3つの市の人口密度(1㎢当たりの人口)を示したものである。P市の面積はQ市と等しく、それぞれR市の面積の半分である。

次のアとイの推論について、正しいものを選びなさい。

ア.P市とR市の人口の和はQ市の人口の2倍である
イ.P市とR市を合わせた地域の人口密度は、Q市の人口密度に等しい

A.アもイも正しい
B.アは正しいが、イはどちらともいえない
C.アは正しいが、イは誤り
D.アはどちらともいえないが、イは正しい
E.アはどちらともいえないが、イは誤り
F.アは誤りだが、イはどちらともいえない
G.アは誤りだが、イは正しい
H.アもイもどちらともいえない
I.アもイも誤り

答え:G

解説)
まずは条件からわかることを書き出していきましょう。「P市の面積はQ市と等しく、それぞれR市の面積の半分」とあるので、わかりやすく考えるために、P市とQ市の面積を1、R市の面積を2と仮定します。

それぞれの市の面積の比を数字で考えたいだけですから、「1と2」でなくとも、「2と4」「3と6」など、「1:2」の数字になればなんでも構いません。

面積を仮定したところで、推論について考えていきます。

ア)
面積と人口密度がわかれば人口を求められます。
P市の人口:1×500=500
Q市の人口:1×300=300
R市の人口:2×200=400

P市とR市の人口の和は900と、Q市の人口を2倍にした600とは一致しないので、推論は成立しません。

イ)
2つの市の人口密度を考えるには、それぞれの市の人口と面積を足し合わせる必要があります。

P市とR市を合わせた地域の人口密度=(P市の人口500+R市の人口400)÷(P市の面積1+R市の面積2)=300

これはQ市の人口密度300と一致するので、イの推論は正しいということになります。

よって、Gの「アは誤りだが、イは正しい」が正解です。

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SPIの推論を解くポイント

①読み取った内容は図や記号を書いて整理する

問題文から読み取った内容は無理に頭だけで考えようとせず、図や記号を使いながら整理してください。

頭だけで考えるとケアレスミスが多くなる上、行き詰まったときに最初から考え直さなければなりません。正確かつスピーディーに問題を解くために、図や記号をうまく活用しながら考えましょう。

図や記号にはさまざまな種類がありますが、どれを使うのが正しいというわけではなく、自分が使いやすいもの、問題を考えやすいものを選ぶことが重要です。

また、実施方式によっては、同じ設定のまま一部の条件だけを変更した「組問題」と呼ばれる問題が登場します。最初の問題で考えたことや計算したことが次の問題にも役立つことがあるので、書き出したことは消さずに残しておきましょう。

②言葉が曖昧なものは整理する

推論では、時に日本語がややこしい問題が出てきます。解釈の仕方によっては間違った答えにたどり着く可能性があるため、言葉が曖昧なものはきちんと整理してから結論を出すようにしてください。

例えば、以下のような文章が挙げられます。

例)必ずしも誤りと言えないものはどれですか。〇:必ず正しい
△:どちらともいえない
✖:必ず間違い

この場合、絶対に間違いであると断言できない「必ず正しい」と「どちらともいえない」が正解になります。反対に、絶対に間違いであると断言できる「必ず間違い」は不正解です。

推論では例のような曖昧な言葉が時に出てきますが、注目すべきは「必ず」「必ずしも」といった言い回しです。その言葉に何が含まれて何が含まれないのか、問題文をよく読んでから問題を解き始めましょう。

③焦って回答せずにすべての事象を書き出して答える

webで受験では試験全体の制限時間はもちろん、1問ごとに制限時間が決まっています。そのため、残り時間が少なくなると冷静に考えられなくなりがちですが、焦って解答を選んでも間違いが増えるだけです。

残り時間のことばかりにとらわれず、冷静にすべての事象を書き出してから答えを出すようにしましょう。

わざわざ紙に書き出す時間がもったいないと考える人もいるかもしれませんが、結局は図や記号を紙に書きながら考えるのが最も効率的な方法です。

紙に考えをまとめておくと最後の確認にも使えるため、頭で考えたことを紙に書いて整理しながら、丁寧に解くことを心がけてみてください。

④複数パターンの可能性がある場合はすべて当てはめる

推論の問題は一つの答えが導き出せることは少なく、複数のパターンがある場合がほとんどです。その場合、複数のパターンがあるということを考慮し、それぞれのパターンに当てはめて考えていく必要があります。

例えば上記に挙げた順番を考える問題の場合、4通りのパターンがあり、推論の正誤を判断するにはそれぞれに当てはめて考える必要がありました。

1つのパターンだけに当てはめて考えても正解にはたどり着けなかったため、例題のように複数パターンがある場合は、すべてのパターンに条件を当てはめて答えを導き出すことが大切です。

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SPI推論の対策方法

問題集による練習

推論の問題に慣れるには、問題集を繰り返し解いてパターンを覚えていくのが効果的です。問題にはさまざまな設定のものがありますが、実は問題のパターン自体はそれほど多くありません。

順番を考える問題、内訳を考える問題といったパターンごとに解き方を覚えれば、設定や数値が変わったとしても問題を解くのは難しくないため、まずは解き方のコツを覚えることが大切です。

コツを覚えるためにおすすめなのは、同じ問題集を繰り返し解く勉強方法です。解けない問題を完璧に解けるようになるまで繰り返し演習することで、問題パターンごとの解き方を身につけられます。

問題集を何周もするうちに答えを覚えてしまうことがありますが、その場合は、他の選択肢が「なぜ間違いなのか」を考えながら解いていくと、より効果的な復習になります。

YouTubeによる解説付きで勉強

YouTubeなどの解説動画を参考にしながら勉強するのもおすすめです。最近はSPI対策のための動画も多く、無料で良質な解説動画が見れます。

映像による情報は文字だけの情報よりも記憶に残りやすいので、解説動画を参考にするのは非常に効果的な勉強法です。

ただし、解説動画で勉強する場合は、解説を聞いただけで勉強した気にならないよう注意しなければなりません。

解説を聞けば何となく理解したような気になりますが、勉強で大切なのは得た知識をアウトプットすることです。解説動画で得た知識をもとに自分の力で問題集に取り組み、問題の解き方を身につけましょう。

キャリアパークのwebテストでの模擬試験

就活サイトではwebテストの模擬試験を実施しており、選考で実施されるwebテストがどのようなものなのか確かめることが可能です。

中でも、キャリアパークではSPIテストセンター型と玉手箱テストセンター型の模擬試験から選んで受験できます。自分が選考で受けるときのwebテストと同じ方式を選べるので、現状の課題と今後の方針が明確になるでしょう。

また、SPIでは自身の点数よりも偏差値が重要になるため、模擬試験を受けてみて今の自分がどれくらいの位置にいるのか把握することが大切です。

模擬試験は無料で受けられますから、他の就活生のレベルが知りたい人や、webテストに慣れておきたい人は試しに受けてみてはいかがでしょうか?

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SPIの推論は情報を書いて整理することで解答が導きやすくなる

初めて取り組む際には難しく感じる推論ですが、解き方のコツを知っておけばそれほど難しい問題ではありません。

解き方のコツは、頭だけで考えようとせずに情報を紙に書き出しながら整理していくことです。視覚化して考えると、ケアレスミスが減ります。

解き方のコツを身につけるために、問題集に繰り返し取り組んだり、模擬試験を受けたりして推論の問題に慣れていきましょう。

まずはSPI対策から!SPI対策が無料で出来る問題集
SPI_LPheader

ここまで様々なWebテスト形式を紹介してきましたが、最も優先して対策すべき筆記テストは、「SPI(テストセンター)」です。就活をする以上、SPIは避けて通れません。ただ、「どう対策すればいいんだろう…」と悩む方もいるはず。

そんな時に役立つのが、就活サイト「キャリアパーク」で、今だけ無料ダウンロードできる『SPIパーフェクト模試&問題集』です。

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