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テレビドラマでは目にするコネ入社は実際にあるのでしょうか?
OBと知り合いである程度のコネは役に立ちません。特に大企業では。リクルートの行った就職活動意識調査、就職白書によれば、OB・OGとのつながりを重視する企業は1.8%に過ぎません。ほとんど無いといっていい数字でしょう。
では、それ以外のコネや縁故、たとえば、主要取引先の子息である、というような場合、その学生は優遇されるのでしょうか?
コネ採用とは親族や親しい友人の手づるで就職すること
コネ採用とは、親族や親しい友人とのつながりを利用して志望企業の採用をもらうことです。「つながり」を意味する英語「コネクション」の略語を用いて、「コネ採用」と呼ばれます。
OBと知り合い程度のつながりによる採用を指す場合は少なく、役員の親族や主要取引先の子息のような、会社にとって影響力の大きな縁故による採用を指す場合が多いです。
コネ採用の実態
「コネ採用は本当にあるのか?」という疑問を持っている就活生も多いのではないでしょうか。
コネ採用に対して批判的な見方をする人もいることから、大っぴらにコネ採用が行われることはありません。
そのため、コネ採用の存在を疑う人がいるのも当然でしょう。
しかし、コネ採用は企業側にも利益をもたらす場合が多く、実際に存在はしているでしょう。
人柄が特別良いというわけでもなく、秀でたスキルもないのに、なぜこんな同期がいるのだろう?と疑問を持った際、役員に親族がいたということも珍しくないでしょう。
コネ採用の場合、通常の採用形態とは異なる形態を取ることが多く、採用率も高くなります。通常の採用フローが省略され、よりスピーディーに採用が決まる場合がほとんどです。
SNSや携帯電話に気軽な連絡がある
コネ採用の場合、基本的には求人への応募手続きのような採用に関する煩雑な手続きが省略されます。
採用サイトやメールのような正規の連絡手段を用いず、気軽なやり取りで形式的に履歴書を送る場合もあります。紹介をもとにするという特徴を持つコネ採用だからこそ、このような手法が可能なのです。
書類選考がなく面接も1度だけ
コネ採用の対象となる候補者は、紹介者がいることで身元や人柄が明確に分かっているため、採用フローが省略されることがほとんどです。
書類選考はもちろん、複数回ある面接を1回へ省略して採用が決まることもあります。
また、面接を行ったとしてもこちらも形式的なもので、紹介者との関係を最優先として内容に関係なく採用が決まる場合もあるでしょう。
面接評価シートで面接官のチェックポイントを確認しよう
面接をする際、面接官は面接評価シートを元に就活生を評価しています。面接評価シートには、質問に対する受け答えなどの内容をチェックする項目があるのです。企業や職種によって設定されている項目は異なりますが、参考にすることで面接官視点を把握することができます。
面接官は、どのような就活生を評価するのでしょうか。
「面接評価シート」を無料でダウンロードして、面接前に最終調整をしたり、就活生同士の練習で活用したりしましょう。
企業側がコネ採用をする理由
企業側がコネ採用をする理由は、採用する企業側にとって非常に大きなメリットがあるからに他なりません。
コネ採用は選考における公平性を欠くこともあり、他の社員から不満が生まれる可能性があります。
しかし、採用コストや時間を大幅に削減できる、事業のパイプができる等、デメリット以上に企業側にとっての利益が大きいのです。
また、最近では人材不足に悩む中小企業にとって、新入社員を効率的に確保するための採用手段として、再び広がりつつあります。
ここでは、コネ採用による企業側のメリットを紹介していきます。
信頼がある
企業は書類選考や複数回の面接によって選考を行うものの、就活生を見分けるために与えられる時間は非常に限られます。就活生がどこまで本音で話しているのかを見極めることも難しいでしょう。
そのため、一緒に働いてみるまではその学生がどの様な人物かを完全に見極めることは中々出来ません。
しかし、コネ採用であれば、社内の重役の親族であれ、取引先企業のご子息であれ、紹介者から候補者の人柄等の情報を得ることができます。
能力や意向を教えてもらえれば、ミスマッチを防ぐこともできます。
つまり、少ない時間で判断を強いられる一般の就活生よりも、コネ採用の方が人物の信頼性が高く、安心して採用することができるのです。
連絡が取りやすい
コネ採用の場合、紹介者がいることで身元が明確なので、連絡が取りやすいというメリットもあります。
就活生本人と連絡が難しい場合でも、紹介者を通じて連絡を取ることもできるので、連絡が取れなくなる恐れもありません。
一方、一般の就活生の場合はそうは行きません。
急に連絡が取れなくなってしまい、企業側にはどうすることも出来ないという場合もあるでしょう。
その就活生にかけた時間と労力が無駄になってしまうリスクを考えると、コネ採用の方が安心感があります。
内定辞退になりにくい
採用担当にとって、内定者の内定辞退は大きな悩みの種の1つです。
採用計画通りに新入社員を確保できたと思っていても、内定辞退者の数によって急遽追加募集を強いられる企業も少なくはありません。
内定辞退者をできる限り出さないように、内定者のフォローも必要になります。
一方、コネ採用で確保した就活生は、紹介者がいることもあり、紹介者に対して迷惑をかけないようにと、内定辞退の可能性が極めて低くなります。
学生側にとっても、紹介者と企業との関係性を考えると、安易に内定辞退の連絡をすることはできません。企業側にとって、新入社員を確実に確保できるというのは非常に大きなメリットです。
相手に“貸し”ができる
相手に貸しができることも、企業がコネ採用をする理由の1つです。
大事な取引先から親族を紹介された場合だと、その取引先に貸しを作ることができます。
主要取引先と良好な関係を築いていけることを考えると、採用をした時点で企業側に大きな利益がもたらされることになります。
相手に貸しを作れるという形での貢献が約束されたコネ採用は、企業側にとって割の良い選択肢と言えるのです。