目次
- 不動産業界とは
- 不動産業界の市況や特徴,/h2> 世の中の景気や国の金融政策など、比較的大きな経済の流れに左右されやすいことで有名な不動産業界ですが、現在の市況や雰囲気はどのようなものになっているのでしょうか。 実際のデータを参照してみると、新設住宅の着工戸数は、2018年度に95万戸という数字になっており、今後その数を減らして2030年度には63万戸となる見込みです。(株式会社野村総合研究所より) 新規の住居用住宅建設に関しては、少子高齢化などの要因などにより厳しいものとなるかもしれません。 一方で、中古マンション・住宅市場や賃貸などに関してはこれからも一定の需要があることが見込まれており、リノベーションや民泊事業なども含めてチェックが必要かもしれません。 東京オリンピックの影響 不動産業界の今後を考える上で忘れてはならないのが、2020年に開催される東京オリンピックの存在です。 東京オリンピックで使われる会場や商業施設、ホテルなどの周辺では、新しい不動産建設や地価の上昇が予想されており、ある種バブル期に近いような熱の高まりが見られるかもしれません。 一方で、オリンピック後の施設利用や土地活用についてしっかりと考えておかなければ、本当にバブルのように地価・物件価格が下落してしまい、損害を被ることに繋がってしまいます。 マンション・住宅・施設などについては、建築・運用に携わる企業が「本当にオリンピック後も見据えた開発を行なっているのか」に着目して、しっかりと精査できると良いですね。 IT・テクノロジーの導入 IT化やテクノロジー導入の波は、他の業界と変わらず不動産業界にも押し寄せており、これまで不便だった作業を効率化させている他、業界に新しい風を吹かせています。 例えば、景気や周辺情報などをAIが総合的に分析して地価や住宅価格を算出するシステムは、これまで不透明性があった住宅価格査定に、「情報開示」という新しい流れを生み出しており、今後も精度向上が期待される素晴らしいシステムと言えるでしょう。 「人と人の繋がり」や「書類・契約書・ハンコ」といった比較的レガシーとも言える文化が大事にされてきた不動産業界でしたが、これからは「しっかりとIT・テクノロジーを有効活用できているか」を精査して企業選びが出来ると良いですね。 超低金利時代 現在、世界および日本は「超低金利時代」とも呼ばれるほど金利が低い時代となっており、異常とも言える政府・日本銀行の低金利政策は、不動産業界にとっては良い影響を与えるのではないかと言われています。 金利が低ければ低いほど、住宅購入やマンション投資に対するハードルが低くなり、お金・需要が集まりやすくなって、業界に追い風が吹くのです。 例えば、「フラット35」と呼ばれる35年間固定金利の住宅ローンであっても、現在では1%に満たない金利で融資を受けることができます。 低金利であるという経済情勢がいつまで続くかは分かりませんが、現在のところは不動産業界にとってプラスな環境であることが分かりますね。 実録!不動産業界の中の人が語るホンネ
- まとめ
アンケート概要
- 調査期間:2019/5/20-2019/7/17
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:不動産業界で働いた経験のある社会人歴15年目未満の男女
不動産業界とは
土地や建物などに関わる仕事をこなし、開発や販売を行う業界である不動産業界。
単価が高いことから高待遇などのイメージもある他、都市開発などの分野にも関わってくるため、志望している就活生の方も多いのではないでしょうか。
不動産業界としてあげられる企業群としては、建設などに関わるゼネコンやハウスメーカー、またいわゆるデベロッパーと呼ばれるような開発企業、更には賃貸不動産の仲介・販売を行う企業や、物件の管理を行う不動産管理企業などがあげられます。
自身の目的として、建設や企画が行いたいのか、それとも都市開発や企業に向けた営業がしたいのか、またお客様に向けた販売がしたいのかを考えることで、必然的に業界内で志望する企業も変わってくるでしょう。
以下の4つの分類に沿って整理をすると、より分かりやすく業界の把握が出来ると思いますので、参考にしてみてください。
主な分野
不動産設計・建築
1つ目は不動産の設計や建築に関わる企業です。
企業としてはゼネコンやハウスメーカーなどがこれにあたり、建築・設計への理解が求められる現場に近い分野と言えるでしょう。
不動産開発・販売
2つ目の分野としては、不動産に関する開発や企画を行い、販売まで行うような企業群が挙げられます。
三井不動産や東急不動産など、いわゆるデベロッパーと呼ばれる企業がこれにあたるでしょう。
不動産流通
3つ目の分野は、不動産の流通に関わる仕事です。
不動産仲介や不動産販売など、皆様もよく目にする企業がこの分野にあたり、賃貸・売買ともに行なっている企業も多くあります。
不動産管理
最後にあげるのは、不動産を管理する仕事です。
住宅やマンションはもちろん、商業施設などの管理・運営も行うのが、この分野の仕事内容となっています。
主な職種
次は不動産業界における主な職種について、実際に働いた方の声とともにご紹介させていただきます。
- 営業職
- 賃貸物件を探しに電話をくれた方や来店された方に、その方の希望される賃貸物件を紹介・案内を行います。お客様がスムーズに転居できるようサポートいたします。(社会人歴12年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- 企画・開発
- 思っていたより残響が少なかった点(社会人歴4年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- 自分が住むための賃貸物件を探す際には、営業の方はとてもお洒落でスマートなイメージがありましたが、働いてみて身体的にも精神的にもかなりハードな仕事だと思いました。(社会人歴12年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- 入社前は漠然と接客業というイメージで考えていたのですが、実際事務作業もかなり多く、パソコンが使えないと厳しい部分はかなりありました。また、残業もかなり多く営業とはこういうものなんだなと感じました。(社会人歴5年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- 営業の難しさを目の当たりにしました。他にも同じような会社がたくさんあるなかでお客さんを確保していくことが難しいなと思います。また、短期間で信頼関係を持つことも難しさを感じます。(社会人歴5年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- お客様の理想の家を探して、無事にご契約をいただけた(社会人歴4年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- 営業ですので、やはり自分が紹介した物件にお客様が契約してくれた時はとても嬉しいです。「ありがとう」とお客様から感謝されると疲れていても元気が出ます。(社会人歴12年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- 表彰が多い会社だったので、表彰をされるたびとてもやりがいを感じてました。また、部下が数人いたので、部下の数字が目標達成した時も非常にモチベーションに繋がっていました。(社会人歴5年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- 売り上げの営業成績(社会人歴4年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- 年功序列でも賃金が上がりますが、営業での成績も評価に繋がります。ただ、皆で担当を順番で回していますし、事務や賃貸管理の役職もありますので、成績だけでもありません。(社会人歴12年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- 副店長以下の役職は明確に昇格ラインがあったので、今期はあといくらくらい作れば上がれるといった形でした。評価も昇進も全て数字のみでの判断でした。(社会人歴5年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- 家やマンションなどの建物が好きな人。建物の中の構造やレイアウトを考えるのが好きな人。ライフスタイルや暮らしについて興味がある人。地域の特徴に詳しい人。(社会人歴12年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- 不動産業界に強い憧れを持っている人や、営業の仕事が心から好きな人には向いています。賃貸の仲介業は特別稼げるわけではないので、この仕事が好きでであればどんどん成長できると思います。(社会人歴5年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- 人との関わりが好きな人だったり、しゃべるのが好きな人、そして、こつこつと努力していく人には向いているのかなと思います。どうしても不動産は短期間に物件の変化もあるので、物件のことを知ることが大切なので、こつこつと努力する人は向いています(社会人歴5年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- どちらともいえない。とてもやりがいがあり、それなりの評価もしてくれるが、残業があると遅くまで帰宅できないことがあるため。(社会人歴12年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- ややブラック。定時で帰る認識がなかったので、帰りが遅く代休のない休日出勤も多々ありました。(社会人歴5年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- どちらともいえない。繁忙期が仕事が忙しすぎることでなかなか帰れない。(社会人歴5年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- ない。特になく、クリーンな環境。(社会人歴4年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- 女子社員は年配の社員よりセクハラのような発言を受けていることがたまにあります。営業成績が悪いときは上からの圧力を感じることがあり、事務所にいれない気持ちになります。(社会人歴12年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- 会社はとてもアットホームな感じで、なんでも話しやすいような環境だったためにそのようなことはありませんでした。また、不快に思うようなことはありません。(社会人歴5年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- 社内での飲み会やゴルフが多い(社会人歴4年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- いわゆる事故物件の紹介には幾つかの条件があり、またお客様によって紹介する場合や紹介しない場合があります。男尊女卑が少なからず残っているように感じます。(社会人歴12年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- 社内イベントは休みの日でも強制参加というルールがありました。イベントが週に1度の定休日と重なっていても文句を言えず参加しないという選択肢はありませんでした。(社会人歴5年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
- 年末が近くなるにつれて飲み会が多くなります。でも、どこの会社の人も来るのでなかなか行かないというのは言いにくいので休めないところです。飲み会があれば必ずしも出ないといけない(社会人歴5年目/一般社員/営業職/不動産賃貸仲介)
不動産業界の中ではやはり、営業職が一番オーソドックスな職種となっており、入社企業によってお客様への営業や、法人営業、更には賃貸・売買の仲介など多くの選択肢が考えられます。
仕事内容としては、
というような一般に思い浮かぶ賃貸仲介に加えて、物件の法人営業や、不動産売買に関する仲介を行うことが特徴です。
マンションやビル、市街地開発等の企画開発を行い、土地を押さえてから建物が建造されるまで一連のプロジェクト進行の責任を負います。
またその他にも、ビル管理やマンション管理、経営企画・人事・総務などが、不動産業界で考えられる職種となっています。
不動産業界の市況や特徴,/h2>
世の中の景気や国の金融政策など、比較的大きな経済の流れに左右されやすいことで有名な不動産業界ですが、現在の市況や雰囲気はどのようなものになっているのでしょうか。
実際のデータを参照してみると、新設住宅の着工戸数は、2018年度に95万戸という数字になっており、今後その数を減らして2030年度には63万戸となる見込みです。(株式会社野村総合研究所より)
新規の住居用住宅建設に関しては、少子高齢化などの要因などにより厳しいものとなるかもしれません。
一方で、中古マンション・住宅市場や賃貸などに関してはこれからも一定の需要があることが見込まれており、リノベーションや民泊事業なども含めてチェックが必要かもしれません。
東京オリンピックの影響
不動産業界の今後を考える上で忘れてはならないのが、2020年に開催される東京オリンピックの存在です。
東京オリンピックで使われる会場や商業施設、ホテルなどの周辺では、新しい不動産建設や地価の上昇が予想されており、ある種バブル期に近いような熱の高まりが見られるかもしれません。
一方で、オリンピック後の施設利用や土地活用についてしっかりと考えておかなければ、本当にバブルのように地価・物件価格が下落してしまい、損害を被ることに繋がってしまいます。
マンション・住宅・施設などについては、建築・運用に携わる企業が「本当にオリンピック後も見据えた開発を行なっているのか」に着目して、しっかりと精査できると良いですね。
IT・テクノロジーの導入
IT化やテクノロジー導入の波は、他の業界と変わらず不動産業界にも押し寄せており、これまで不便だった作業を効率化させている他、業界に新しい風を吹かせています。
例えば、景気や周辺情報などをAIが総合的に分析して地価や住宅価格を算出するシステムは、これまで不透明性があった住宅価格査定に、「情報開示」という新しい流れを生み出しており、今後も精度向上が期待される素晴らしいシステムと言えるでしょう。
「人と人の繋がり」や「書類・契約書・ハンコ」といった比較的レガシーとも言える文化が大事にされてきた不動産業界でしたが、これからは「しっかりとIT・テクノロジーを有効活用できているか」を精査して企業選びが出来ると良いですね。
超低金利時代
現在、世界および日本は「超低金利時代」とも呼ばれるほど金利が低い時代となっており、異常とも言える政府・日本銀行の低金利政策は、不動産業界にとっては良い影響を与えるのではないかと言われています。
金利が低ければ低いほど、住宅購入やマンション投資に対するハードルが低くなり、お金・需要が集まりやすくなって、業界に追い風が吹くのです。
例えば、「フラット35」と呼ばれる35年間固定金利の住宅ローンであっても、現在では1%に満たない金利で融資を受けることができます。
低金利であるという経済情勢がいつまで続くかは分かりませんが、現在のところは不動産業界にとってプラスな環境であることが分かりますね。
実録!不動産業界の中の人が語るホンネ
ここからは、不動産業界の中の人にアンケートをした結果をもとに、業界の本当の姿をお伝えしていきます。
Q1.その業界で働いてみて、入社前(その業界に入る前)とのギャップはありますか?
学生から見る不動産営業の方は、確かに華やかでスマートなイメージがあるかもしれませんが、実際は大変なことも多く、パソコンのスキルなども求められるものだということが分かりますね。
Q2.その仕事をしていて楽しい/うれしい/やりがいを感じるときはどのようなときですか?
やはりお客様の感謝や笑顔が、営業職にとっては一番のやりがいとなるようです。
また、数字にこだわりが強いという不動産業界の特徴は、表彰という制度に色濃く表れているのかもしれません。
Q3.評価や昇進はどのように行われますか?
不動産業界はやはり数字に厳しく、営業成績が如実に給与や昇進に反映されることが分かるかと思います。
数字や目標にシビアな方にはオススメですが、硬い覚悟を持っていない少し厳しく感じることもあるかもしれません。
Q4.その業種にはどのような人が向いていると思いますか?
やはり不動産・暮らしといったキーワードにピンと来る方には、オススメの業界であると言えるでしょう。
また、人が好き・努力できるという人柄の部分も、不動産業界を志望する際には無視できない適性として覚えておきたいですね。
Q5.あなたの働く会社はブラックだと思いますか?ホワイトだと思いますか?
残業や業務量に関しては、業務の性質上どうしても多くなってしまうようですね。
抱える仕事の多さと、やりがいや給与などの報酬の部分でどちらを取るのかを就職前にしっかりと考えることが大切かもしれません。
Q6.あなたの働く会社や業界はパワハラはセクハラなどはありますか?
基本的にはパワハラ・セクハラは無いものの、一部職場ではそう感じることもあるようです。
企業・職場によるとも言えますが、数字に厳しいということもパワハラのような圧を感じる1つの要因なのかもしれません。
Q7.業界ならではの風習やタブーなどはありますか?
飲み会やイベントごとなどについて、「全員で参加する」という意識が強い部分が見られました。
また、事故物件に関しては不動産業界ならではの文化と言えますね。
まとめ
以上が、不動産業界にまつわる様々な情報と、実際に働く人による本音の口コミ紹介になります。
前半部分の職種・分野・市況紹介に加えて、後半部分の様々な口コミ紹介を通じて、不動産業界をより身近に感じていただけたら幸いです。
評価・昇進や働き方については、やはり数字に対する厳しさが強く向き不向きがあることや、お客様からの感謝・笑顔をやりがいに頑張れるということがお分かりいただけたでしょう。
また同じ不動産業界と言えども、開発や企画系の職種なのか、それとも賃貸仲介・営業系の職種なのかという職種の違いは、実際の仕事内容に大きな差をもたらすということも忘れてはいけません。
「どんな企業に就職して、そこで何をやりたいのか。」という自分自身の気持ちを明確にした上で就職活動を行い、充実した仕事生活を送ってくださいね。
東京オリンピックで使われる会場や商業施設、ホテルなどの周辺では、新しい不動産建設や地価の上昇が予想されており、ある種バブル期に近いような熱の高まりが見られるかもしれません。
また、数字にこだわりが強いという不動産業界の特徴は、表彰という制度に色濃く表れているのかもしれません。
数字や目標にシビアな方にはオススメですが、硬い覚悟を持っていない少し厳しく感じることもあるかもしれません。
また、人が好き・努力できるという人柄の部分も、不動産業界を志望する際には無視できない適性として覚えておきたいですね。
抱える仕事の多さと、やりがいや給与などの報酬の部分でどちらを取るのかを就職前にしっかりと考えることが大切かもしれません。
企業・職場によるとも言えますが、数字に厳しいということもパワハラのような圧を感じる1つの要因なのかもしれません。
また、事故物件に関しては不動産業界ならではの文化と言えますね。
前半部分の職種・分野・市況紹介に加えて、後半部分の様々な口コミ紹介を通じて、不動産業界をより身近に感じていただけたら幸いです。