目次
「ブラック企業に就職しないように気をつけよう」「ブラック企業に引っかかってはいけない」とは言いますが、実際にはどんな企業をブラック企業というのでしょう。
そこで、ブラック企業を見極める時に使える、ブラック企業の画定義を紹介します。
1労働に対して正当な対価を支払わない企業
ブラック企業の最もわかりやすい定義・特徴は、「本来支払うべき労働の対価を支払わず、労働者を搾取する」です。
この姿勢は、残業代の雇用条件に如実に現れます。残業代を支払わなければ、低コストで労働者を使えるからです。
具体的には、以下のような残業代規定によって、残業代をごまかそうとしてきます。
みなし残業代制度(残業代固定制度)
みなし残業代制度とは、一定時間の残業をしていると「みなして」固定の残業代を支給する制度です。
本来支払うべき残業代を「うちは固定残業だから」「みなし残業代で払っているでしょ」としてカットする目的で利用されることが多いです。
裁量労働制(名ばかり管理職)
裁量労働制は「労働と成果が必ずしも連動しない」管理職や専門職で利用される制度です。
高給取りの裁量労働なら良いのですが、一般的な給与にも関わらず「裁量労働制」を敷いているときは注意が必要です。
「残業?あなたの裁量で残っているだけで命令しているわけじゃないよ」と残業代をカットする目的で使われている場合も起こりうるので。新卒なのに裁量労働制の場合、高い確率でブラック企業の可能性があります。
年俸制
年俸制とは、一年単位で「あなたに支払う額はこれです」と決めた給与を支払う制度です。
高給取りの外資系サラリーマンなら良いのですが、新卒なのに「年俸制」の場合、「うちは年俸制で年に払う賃金は決まってるから。残業代なんて支払わないよ」と悪用されているケースが多いです。
残業代が支払われない
残業代が支払われないのは、ブラック企業の特徴の一つです。
企業には労働基準法第37条にもとづいて、従業員に時間外労働(残業)または休日労働をさせたときには割増賃金を支払う義務があります。
そして日本に存在するすべての企業はこの法律に従わないといけませんが、残念ながら残業代を支払わないブラック企業は存在します。
なぜかというと、残業代を支払わないでおけば手っ取り早く人件費を抑えることができるからです。
しかし残業代を支払うことは企業に課せられた大きな義務であり、この義務を守らないことは立派な労働基準法違反に該当します。
ブラック企業ではコンプライアンスや法令遵守の意識が低いため、こうした残業代の不払い問題がしばしば発生します。
あなたの就活力はどのくらい?
就職に成功するためには、まず自分の就活力を知っておく必要があります。就活力とは、就活で必要な準備や企業側が重視しているポイントに対して、どれだけ備えているかをはかる指標です。
ぜひ、「就活力診断」で今の自分の就活力を診断してみましょう。
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2離職率が高い
現在の社員数に対して、新卒採用人数が多すぎる(在籍社員に対して20%以上だと要注意
在籍社員数に対して、新入採用人数が多すぎる場合、「人がすぐに辞めてしまうので大量採用をしている」可能性がとても高いです。これは一番信頼できるアラートになります。
同業他社に比べて平均勤続年数が短い
仕事をやめる理由の一位は「待遇が悪い」です。
残業、給与、職場環境に不満があるから人は辞めるのですね。同業他社に比べて、平均勤続寝数が短すぎる場合、それなりの理由があると考えておきましょう。
社員の平均年齢が同業他社に比べて、若すぎる
平均年齢が若い時も注意。同業他社に比べて平均年齢が若すぎる場合、仕事を長く続けられる環境にないので、ベテラン社員がすぐに辞めてしまっている可能性が高いです。
平均年齢が27〜28以下の場合は、注意しておきましょう。
常に求人が出ている
常に求人が出ているような企業も、ブラック企業の可能性があるので注意が必要です。
なぜなら企業が人を雇い続けている裏では、多くの従業員が次々に退職しているという背景が考えられるからです。
一般的に企業が人を雇うには採用活動費や賃金等の多額のコストを要するため、企業が雇用できる人数には限りがあります。
しかしその中で企業が常に求人を出しているということは、その裏で多くの従業員が退職している可能性があるのです。
ただし、企業が常に求人を出している理由としてもう一つ、「事業拡大により、人手不足が解消されていないから」という理由を挙げることもできます。
どちらの理由なのか判断に迷った場合は、四季報に記載されているような企業であれば四季報等で離職率を確認するようにしましょう。離職率が高い場合にはブラック企業の可能性があるので、注意が必要です。
3精神面で解決しようとする
業務において、あらゆることに「気合」などの精神面で片付けようとして具体的な改善方法や指示を出さない企業もブラック企業の可能性があります。
企業で働いていると、時間やコスト等のさまざまな問題に遭遇するものです。
その中でどんなに辛い状況にあっても具体的な指示や改善方法もなく、「気合だ!」などと言って精神面で解決しようとする上司や役員はブラック企業に多く存在します。
たとえば時間が限られている局面で、「気合だ!」といって過度な残業を強制される例が挙げられます。しかし労働基準法では、一週間の労働時間は最大40時間までと定められているため、この場合は気合で解決しようとするのは適切ではありません。
したがって、どんな局面でも「気合」といった精神面での解決が求められるような社風の企業はブラック企業である可能性があるため、注意が必要です。
4パワハラ・モラハラなどハラスメントが常習化している
パワハラ・モラハラなどのハラスメントが常習化しているという点も、ブラック企業の特徴です。
ハラスメントとは、労働者に対するさまざまな権利侵害の総称です。性的な言動を伴うセクシュアル・ハラスメントや、労働者に対し業務の必要性を超えて恫喝や暴行、いじめ等を行うパワー・ハラスメントなど、ハラスメントの形態には様々なものがあります。
昨今ではこうしたハラスメントは厳正に処罰されるため、人事部やコンプライアンス部などの部署に企業全体のハラスメント対策を行わせる企業が増えてきました。
しかし、コンプライアンスや法令遵守の意識が低いブラック企業の中には、ハラスメントが常習化しているところもまだ多いのが実態です。
ハラスメントの相談ができない空気感を作られる
ハラスメントの相談ができない空気感を作られるような企業も、ブラック企業である可能性が高い企業と言えます。
ハラスメントの相談ができない空気感とはどういうものかというと、たとえば下記のようなものが挙げられます。
- ハラスメントが常習化していて、「こんなことで騒がないで」などと言われる
- 社内にハラスメントを相談・告発する場所がない
ハラスメントが常習化していると、本来はハラスメントを厳しく罰しなければならない上司などの立場の人ですら、まともに対処してくれないということがあります。
ハラスメントの対策として、社内に相談窓口を設置している会社は昨今で多く見受けられます。
しかし、ブラック企業の中にはそのような窓口を設置していない企業が多いです。そういった企業は従業員にとって、ハラスメントの相談をすることが非常に難しくなってしまいます。
5自腹での負担が大きい
自腹での大きな負担を要求されるという特徴も、ブラック企業に多い特徴の一つと言えます。
たとえばこのような例が挙げられます。
- ノルマ未達成の場合において自腹での達成を要求される
- 会社の備品を自分で購入するよう要求される
- 立て替えの金額が大きすぎる
営業という職種においてノルマを達成できなかった場合、未達成の部分を自腹で補うよう要求されることがあります。
業務で必要な備品は、会社の経費で購入する必要があります。しかしブラック企業では、そうした備品を従業員に自分で購入させることがあります。
業務の中で支払いの義務が生じたときに、多額の金額を従業員に立て替えさせるブラック企業も存在します。
このような特徴がある企業は、ブラック企業の可能性が高いと言うことができます。
6就業規則などのルールが定められていない・周知されていない
就業規則などのルールが定められていない・周知されていない企業は、ブラック企業である可能性が高いです。
なぜなら労働基準法第89条にもとづいて、常時10名以上の従業員を有する企業には就業規則の作成および届け出の義務があるからです。
さらに就業規則を企業が従業員に対して周知することは、労働基準法第106条で定められています。
したがって就業規則などのルールが定められていなかったり、従業員に対して周知されていなかったりする企業はブラック企業である可能性が非常に高いため、注意が必要です。
一般的に企業へ入社する際、雇用契約書にサインする際に、就業規則について書かれている文書を渡されることがほとんどです。入社する際は就業規則をしっかりと読み、疑問があれば担当者に問い合わせるようにしましょう。