就活生の中でも憧れを抱く志望者が多く、業務内容をイメージしやすいように感じる航空業界ですが、本当に欲しい実際の業務内容や評価制度、業界の裏話などは、調べることは難しいです。
そこで今回は、実際に旅行業界で働く方にアンケートをしてみて分かった、リアルな内容をお届けします。
アンケート概要
- 調査期間:2019/5/20-2019/7/17
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:航空業界で働いた経験のある社会人歴15年目未満の男女
航空業界とは
航空業界とは、航空機を使って人やモノを国内・海外へ運ぶサービスを提供している企業のことを指します。日本国内の航空会社は大きく「メガ・キャリア」と「LCC」の2種類に分けることができます。メガ・キャリアはANAとJAL、LCCはジェットスター、バニラエア、Peachなどの航空会社です。
それぞれの特徴としては、メガ・キャリアでは幅広い路線網による利便性と質の高いサービスを売りとしており、LCCでは質の高いサービスよりも低価格であることを売りとしています。
主な分野
航空業界は「旅客分野」と「貨物分野」の2つの分野に分けられます。- 旅客分野
- 貨物分野
人を運ぶことを目的とする分野です。私たちが普段旅行などで利用するのもこの旅客分野の航空機となっています。
国土交通省が発表している「平成30年度 航空輸送統計調査年報」によると、平成30年度の国内旅客数は10,390 万人で、対前年比 1.7%増。国際旅客数は2,340 万人、対前年度比 4.5%増となっており、好調であると言えます。
この背景として、中国をはじめとするアジア圏からの旅行者増加や、原油安の影響でコストが下がったことにより航空料金が手軽になったことなどが要因と考えられます。
国土交通省が発表している「平成30年度 航空輸送統計調査年報」によると、平成30年度の国内旅客数は10,390 万人で、対前年比 1.7%増。国際旅客数は2,340 万人、対前年度比 4.5%増となっており、好調であると言えます。
この背景として、中国をはじめとするアジア圏からの旅行者増加や、原油安の影響でコストが下がったことにより航空料金が手軽になったことなどが要因と考えられます。
荷物を運ぶことを目的とする分野です。
代表的な貨物としてはファストファッションで、目まぐるしく移り変わるファッションの流行を逃さず、早いスピードで生産から販売、代金回収へと移行する必要があるため、戦略的に航空輸送が利用されています。
なお、「平成30年度 航空輸送統計調査年報」による輸送貨物重量は、国内航空輸送が82 万 3,357 トンで対前年比 9.0%減。国際航空輸送は144 万 6,565 トン、対前年度比 18.0%減となっており、減少傾向となっていました。
代表的な貨物としてはファストファッションで、目まぐるしく移り変わるファッションの流行を逃さず、早いスピードで生産から販売、代金回収へと移行する必要があるため、戦略的に航空輸送が利用されています。
なお、「平成30年度 航空輸送統計調査年報」による輸送貨物重量は、国内航空輸送が82 万 3,357 トンで対前年比 9.0%減。国際航空輸送は144 万 6,565 トン、対前年度比 18.0%減となっており、減少傾向となっていました。
主な職種
航空会社というとフライトアテンダント(客室乗務員)のイメージが強いですが、他にはどのような職種があるのでしょうか。航空業界における主な職種について、以下で説明します。
- 客室乗務員
- ディスパッチャー
- グランドホステス
大きく分けて「保安管理」と「機内サービス」の2種類の業務があります。保安管理では機内用備品の装備状況及び機能の点検、緊急時の安全確保と誘導、乗客の持ち込み手荷物の搭載場所確認などを行います。
対して、機内サービスでは食事やドリンクの提供、機内販売、機内アナウンスの他、音光温度へ配慮した機内環境作りなどが主な業務内容となっています。
対して、機内サービスでは食事やドリンクの提供、機内販売、機内アナウンスの他、音光温度へ配慮した機内環境作りなどが主な業務内容となっています。
航空機の運航管理者として、飛行している航空機に対して、ルート上の気象状況の伝達や飛行ルートの作成、航空機の重量とバランス管理などを行います。
国家資格である「運航管理者技能検定」への合格が必須となる職種です。
国家資格である「運航管理者技能検定」への合格が必須となる職種です。
航空機を利用するお客様のチェックインやご案内など、フライトに関わる地上業務全般を担当します。
また、飛行機の清掃業者、メンテナンス業者、機内食業者、クルーとの業務調整も仕事の一貫です。フライトの後は、運航便に関するデータ処理業務を行い、システム計上するまでを行います。
また、飛行機の清掃業者、メンテナンス業者、機内食業者、クルーとの業務調整も仕事の一貫です。フライトの後は、運航便に関するデータ処理業務を行い、システム計上するまでを行います。
航空業界の市況や特徴
国土交通省の発表では国内旅客数、国際旅客数ともに昨年対比で上昇しており、好調であると言える航空業界。2012年にはPeach、ジェットスター、エアアジアなどのLCC航空会社が就航し、話題となりました。
今後は2020年に開催予定の東京オリンピックも控えており、ますますの旅客数増加が見込まれる業界ですが、具体的にどのような傾向があるのでしょうか。
航空業界を目指す人は特に注目しておきたいトピックスについて、以下で紹介します。
2020年に向けてますます需要が高まる
日本政府観光局によると年間訪日外国人数は年々増加傾向にあり、東京オリンピックが開催される2020年には、4.000万人を上回る外国人が日本を訪れるとの予測が出ています。この対策として、JALやANA、LCCの各社が様々な取り組みをしています。東京2020オリンピックオフィシャルパートナーであるJALとANAでは、日本各地への旅行需要喚起を目的とした国内線新運賃「Japan Explore Pass」の設定や、各都道府県と協力して日本の魅力を発信していく「Tastes of Japan by ANA」プロジェクトに取り組んでいます。
なお、JALではLCCへの参入も発表されており、さらなる航空需要の活性化が期待されます。
また、LCCでは、ジェットスター、Peach、エアアジアなどが「手頃な価格」と「日本らしさを強調したサービス」によって訪日外国人の集客強化を図っています。
LCCは競争が激化
サービス面を最小限に抑えることで航空運賃の低料金化を実現したLCCですが、今後はますます競争が激しくなっていくと予測されます。Peach、ジェットスター、バニラエアなどの現在就航しているLCC5社に加え、2020年夏ダイヤからはJALが出資・設立した国際線専用のLCCブランド「ZIPAIR」が就航する予定です。
大手航空会社のJALが参入することで市場のシェアが奪われる可能性があり、国内のLCCによる競争はますます激しくなっていくと予測されます。
また、世界的なパイロット不足問題や、低価格であるがゆえに燃料費の高騰などの影響を受けやすいという問題もあり、既存のLCCがどのように対応していくかが注目されます。
航空業界の「2030年問題」
業界としては好調の航空業界ですが、パイロットの人材不足が懸念される「2030年問題」というものを抱えています。現代の日本もすでに高齢化社会となっていますが、その傾向が今後さらに進み、人口の1/3以上が高齢者となる「超高齢化社会」が訪れるとされています。
超高齢化社会で一番問題なのは、主な働き手となる若い世代の人口が減少してしまい、様々な業界において人材不足が発生することです。
航空業界では、特に育成に多大な費用と時間がかかるパイロット職が、超高齢化社会による人材不足の影響を受けやすいとされています。
このまま高齢化が加速すると、「2030年には機長クラスのパイロットがいなくなる」とも言われており、2030年問題は航空業界にとって深刻な問題となっています。
実録!航空業界の中の人が語るホンネ
ドラマなどで取り上げられることも多く、華やかなイメージのある航空業界ですが、いざ自分が働くとなると職場の雰囲気や給与体系などの待遇面も忘れずにチェックしたいポイントです。実際に航空業界で働いている方々は、自分が勤める会社や業界そのものについてどう感じているのでしょうか。
そこで今回は、航空業界で働く先輩社員に、自社の昇給制度や社内の雰囲気、業界特有のタブーなど、会社説明会では教えてくれない現場のホンネを伺いました。
Q1.その業界で働いてみて、入社前(その業界に入る前)とのギャップはありますか?
- 航空機業界は世界大手の数社(GEやロールスロイスなど)が独占的に牛耳っており、部品メーカは例え大企業でも下請け企業なので裁量が少ない。「お客さんの指示通りにやる」というのが求められるので、思ったより夢がない仕事だと感じる。(社会人歴6年目/開発職/部品製造)
- 入社前は、制服を着て接客をする華やかな印象を抱いていました。しかし、実際に入社してみると肉体労働がとても多くて驚きました。23キロ程度のスーツケースを毎日扱うので腰に負担がかかります。また、お客様を探すために空港中を走り回ることもあり、毎日疲れていました。(社会人歴12年目/サービスエージェント/グランドホステス/航空会社)
- 入社するまでは人間関係がもの凄く厳しいイメージが一番強かったです。しかし、実際入社してみると、私の職場では気さくな上司の方ばかりで、そこまでギスギスした感じはなく、働きやすい職場かなと思いました。(社会人歴6年目/空港消防士/航空保安)
- ギャップを感じたのは想像以上に体力勝負であることです。朝夜関係なく、体調を一番に考えて万全の状態でフライトに行かなくてはならないため、早朝便の前日は夕方には眠る準備をするなどプライベートを犠牲にすることも多いです。(社会人歴5年目/客室乗務員/航空会社)
特に空港で働く方々は早朝から深夜まで、フライトの時間に合わせての勤務となります。飛行機の到着時間が遅れることも多いため、生活が不規則になってしまいがちなのかもしれません。
Q2.その仕事をしていて楽しい/うれしい/やりがいを感じるときはどのようなときですか?
- やはりお客さまからの「ありがとう」はとても嬉しいですし、お話をして仲良くなると後日会社に自分宛のお手紙をいただくこともあります。また、イレギュラーを乗り越えて終わったフライトはとても達成感があります。(社会人歴2年目/客室乗務員/航空会社)
- 仕事として好きな業界に携われていることがかなり嬉しいです。特に自分が作った製品が実際に飛行機となり、お客様を乗せていると思うとやりがいを感じます。(社会人歴9年目/技術系機械オペレーター/部品製造)
- 小さなお子様連れのお客様をエスコートした際、有難うと握手を求められたことがあり、とても嬉しかったです。自分の担当している便を定刻出発させた時の達成感は計り知れません。(社会人歴12年目/サービスエージェント/グランドホステス/航空会社)
また、部品の製造などの直接お客様と関わらない職種の方々も、自分が作ったものが実際に空を飛ぶ姿を見ることができた時に、やりがいを感じることが多いようです。
Q3.評価や昇進はどのように行われますか?
- 古い企業体質なので人事評価は不透明な部分が大きい。基本的には年功序列で、課長になるまでは差がつかない。課長昇進には試験があり、試験の成績がその後のキャリアに大きく影響する。(社会人歴6年目/開発職/部品製造)
- 既卒での入社であっても年齢、学歴により基本給が若干違います。私は専門卒かつ若かったので、自分より後に入社した人でも、4大卒の年上の方のほうが基本給が良かったです。昇進などはパーサーやチーフパーサーの試験を受けて資格を取ることで可能です。(社会人歴8年目/客室乗務員/航空会社)
- 長年勤務している人が一般的に昇給していくので、年功序列だと思うが、勤務態度やスキルなども多少は考慮されていると思う。また、一生働きたいという意欲がある人が抜擢されているように思う。(社会人歴10年目/チームリーダー/グランドホステス/航空会社)
- 評価は各フライト毎に専任客室乗務員が行います。それとは別に半年毎に教官クラスの客室乗務員が評価します。専任資格は公募試験のため、資格要件を満たしたら誰でも受験可能です。(社会人歴5年目/客室乗務員/航空会社)
Q4.その業種にはどのような人が向いていると思いますか?
- 一日の拘束時間が長いので、マンネリ化せず、向上心を持ち、忍耐力のある方が向いているかなと思います。明らかに身体動かすのが苦手な方は訓練だけで耐えられない可能性もあるので、基礎体力はないと辛いと思う。(社会人歴6年目/空港消防士/航空保安)
- 業種という意味では、何事も気にしないという大雑把な人よりは臆病な人の方が向いてると思います。理由としては精密機械を扱いますので、臆病な人の方が色々なことに気がつくからです。(社会人歴9年目/技術系機械オペレーター/部品製造)
- 体力面、精神面がともにタフな方が一番向いています。激務の上に、フライトで一緒になるスタッフはほとんどが毎回初対面なので気を使うことが多いですし、人間関係の構築に疲れるからです。しかし、ステイ先で美味しいものを沢山食べられるので、旅行好きな方は楽しいです。(社会人歴2年目/客室乗務員/航空会社)
Q5.あなたの働く会社はブラックだと思いますか?ホワイトだと思いますか?
- 【ややホワイト】 忙しいが残業代はしっかり支払われる。また、残業があまりに多い場合は上司が業務調整をするため、最低限の生活は保証される。(社会人歴6年目/開発職/部品製造)
- 【どちらともいえない】 急なスケジュール変更などで体力的にかなりきついスケジュールでフライトをしたり、人を人と思ってるのか疑わしくなることが何度かありました…。(社会人歴8年目/客室乗務員/航空会社)
- 【ややブラック】 元請け企業に納品日を指定されると、土日であろうが、どれだけ残業しようが、その日までに納品しないといけないからです。残業代はしっかりと貰えるので完全なブラック企業ではないと思います。(社会人歴9年目/技術系機械オペレーター/部品製造)
- 【ややブラック】
全体として、「ややブラックである」と回答した人が過半数でした。理由としては、拘束時間が長いことや、体力的な辛さがあるようです。しかし、「残業代はきちんと支払われる」「労働時間が規定で決められている」という声もあり、「完全にブラック企業だ」と答えた人はいませんでした。
Q6.あなたの働く会社や業界はパワハラはセクハラなどはありますか?
- 女性が多い職場なのでセクハラはないですが、パワハラに近いことを言われた同期は多くいます。そのような上司は、新人の間でブラックリストとして共有されます。(社会人歴2年目/客室乗務員/航空会社)
- パワハラやセクハラはありません。報告制度がしっかりとあるため、そのようなことがあった場合は本人のみならず、周囲で見ている人から会社に報告することが出来る制度があります。(社会人歴5年目/客室乗務員/航空会社)
- 自分がいた時はパワハラやセクハラはなかったが、先輩方の時はかなりあったらしく、それでやめていった人もたくさんいると聞いたことがある。(社会人歴5年目/保安警備/航空保安)
- 滞在先で先輩やパイロットからご飯に誘われたら行かなければならない雰囲気があり、「行くよね?」と言われると断れないので若干パワハラだと感じたことはありました。(社会人歴8年目/客室乗務員/航空会社)
企業によってはパワハラ・セクハラを発見した場合に報告することができる制度もあるようなので、自分の志望する企業がどのような対策を取っているのか、しっかり確認をしておくと良いですね。
Q7.業界ならではの風習やタブーなどはありますか?
- 業務終了後に必ずと言っていいほどパイロットがCAに飲み会を誘うこと。女性のノーメイクはタブー。(社会人歴10年目/ディスパッチャー/サービス)
- 先輩後輩との上下関係がかなりしっかりとしているため、後輩から挨拶をすることや、先輩を立てることなど目うへの人への気遣いが大切です。また、入社後の辛い研修を乗り越えた同期のつながりは深いです。(社会人歴5年目/客室乗務員/航空会社)
- ものすごい数の社員が在籍しているので癖のある先輩方が沢山いらっしゃいます。マイルールをお持ちの方やその人とフライトする際の注意点などが載ったリストが、若い子たちの間で回ってました。(社会人歴8年目/客室乗務員/航空会社)
- 地位としてはパイロット≠CA>>>グランドスタッフ>保安検査スタッフという感じでかなり下に見られる。(社会人歴5年目/保安警備/航空保安)
航空業界は体力勝負
華やかなイメージの裏で体を動かすことも多く、労働時間も不規則で体力をつかう仕事でもあるようです。また、上下関係や職種ごとの地位など、特徴的な文化もありますね。会社によっても異なると思いますので、内情をよく調べておきましょう。
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