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長所で継続力のアピールは企業に高く評価されます。
厚生労働省が令和元年10月に発表した、「新規学卒就職者の離職状況」によると、新規大卒就職者の離職率は35.9%にのぼります。
「3年で辞めてしまう新卒」が3割りにもなる昨今、辛いことを投げ出さずに継続できる学生は、企業に魅力的に映ります。
ただ、その分継続力をアピールする学生は多いため、何の戦略もなく継続力を自己PRしても、人事の印象には残りません。
では、どうすれば継続力を魅力的に自己PRできるのでしょうか。わかりやすい例文をもとに、継続力を自己PRする時のコツを解説します。自己PRで継続力を伝えたい人は、ぜひ読んでみてくださいね。
長所が継続力の例文
まずは、継続力をアピールする例文から紹介します。この例文をもとに、継続力を自分の強みとしてアピールするための自己PR文の作り方を解説するので、ぜひ参考にしてください。
私は「折れない」力に自信があります。たとえすぐに成果が出なくても、努力を継続できる人間です。
継続力という言葉でアピールする人が多いため継続力では埋もれてしまう。自分にあうキャッチフレーズに変換して継続力をアピールしよう
この力を発揮したのが、テニス部での3年になってレギュラー入りを果たし、関東大会のシングルスに入賞した経験です。
高校時代からテニスをやっていてテニスには自信があったのですが、大学では全く通用しないレベルでした。
何としても上を目指したい想いから、「自主的な体幹トレーニング」「打球練習」「練習をスマートフォンで録画し、弱点を把握」という努力をしました。
しかし、2年になってもレギュラーにはなれず、新人戦でも結果は出ませんでした。そこでも折れず、毎日の打球練習を継続しました。また、部員に「自分はどこが駄目で、どこを伸ばすべきか?」を聞き、客観的に自身を把握しました。
漠然と「頑張って継続しました」というよりも、上記のように「こんな工夫・努力をした」という絵が浮かぶように詳しく努力の過程を伝えよう
「何をしても無駄では?」という想いもありましたが、「やっても成功しないかもしれないが、やらなければゼロだ。なら、やるしかない」と自身を励まし、努力を継続しました。その努力が実り、3年時でついにレギュラーになり、関東大会でも結果を残せました。
なぜ継続できたのか?その動機にふれると、ひたむきに物事に取り組む姿勢がアピールできる
この経験から、たとえ報われないように見えても、努力の継続により壁を超えられることを実感しました。貴社においても、どんな時でも前を向き、折れずに努力をし続けたいと考えています。
継続した経験から学びをアピール。今後も成長しそうな人材だという印象を与えられる
これを使えばOK!自己PRの型
上の例文は、以下の「型」に従って制作されています。この型にしたがって、自己PRを構成するだけで、誰でもわかりやすい自己PRが書けるようになります。
自己PRが書けない時は、自己PR作成ツールを活用しよう
自己PRの内容が薄いと、志望企業に採用されません。選考を突破するには、自己PRを作り込む必要があります。
そこで活用したいのが、自己PR作成ツールの「自己PRジェネレーター」です。
このツールを使えば、簡単な質問に答えていくだけで理想的な流れの自己PRが完成します。
無料でダウンロードできるので、ぜひ活用して採用される自己PRを完成させましょう。
継続力は社会に出てからも必要! 自己PRに適している理由
継続力は一見例えば一つの物事に長く集中して取り組めるなど、社会のさまざまなシーンで発揮されることから、就活の自己PRでも評価されるスキルです。
なぜ継続力が自己PRに記載するうえで適切な強みであるか、2つのポイントから理由を解説します。理由がわかれば、自己PRに継続力を自分の強みとして、より自信を持って、説得力を伴う内容で記載できるようになります。
成果を出すにはあきらめず取り組むことが必要だから
社会人となって仕事をするなかで、困難や問題に直面することは多々あります。それでも、社員として組織の成長や売上に貢献していくために、仕事で具体的な成果を出していくことが求められます。
課題を解決して結果を出すためには、思い通りにならなくても途中で諦めずに取り組み続けることが大切です。継続力があれば、仕事のなかでも困難や問題を克服し、成果が出るまで集中して物事に取り組める人材と評価されます。
地道に経験を積むことで自社成長が見込めるから
就活の苦労の末にせっかく内定を獲得して就職しても、3年以内、早ければ1年以内で辞めていく人が少なくありません。そのため、地道に経験を積み重ねて成長していける人材、会社に長く勤めて尽くしてくれる人材の獲得は、企業にとって自社の存続と成長を賭けた死活問題です。
継続力があれば、苦労や失敗などがあっても途中で投げ出さず、地道に仕事に取り組んで成長していける貴重な人材とみなされます。根気強く、長く活躍してくれる社員が多いほど、より会社の利益へと成長にもつながるので、継続力は重視される資質です。
継続力のパターンは複数! 自分がどんな継続力があるのかを把握しよう
継続力と一言で言うものの、その意味合いはとても幅広く、また受け取る人によってイメージも解釈も異なります。
つまり、継続力にもさまざまなパターンがあるということです。
さらに、志望する企業や業界それぞれに、求める人物像が異なります。自分の継続力が企業の求める人物像にマッチしていれば、自分がいかにその企業に適した人材であるかをより強くアピールできるでしょう。
そのためにはまず、自分にはどのような継続力があるかを掘り下げて、具体的に把握することが大切です。同時に、企業が新入社員にどのようなタイプの継続力を求めているのかを正確に把握して、自分がいかにマッチ度の高い人材であるかを上手くアピールできるかを考えましょう。
①失敗にも挫けず途中で投げ出さない
何事にも失敗はつきものです。しかし、せっかく物事に取り組んでいても、失敗をきっかけに途中で投げ出してしまう人は少なくありません。継続力があれば、たとえ失敗しても挫けることなく、長く取り組むことが可能です。
仕事でも失敗しない人はいません。特に新入社員で業務に慣れないうちは失敗することが多々あります。挫折感が強いと早期退社にもつながりかねません。特に長く働いて活躍できる人材という点で、失敗しても諦めずに取り組み続ける継続力を、効果的にアピールできます。
②さらなる成長に向かい努力を続ける
自己のさらなる成長に向けて努力し続けることも、継続力の1つのパターンといえます。成長したいという意欲や憧れがあっても具体的・継続的な努力が伴わなければ、実現は困難です。
仕事では、任された業務を教えられた通りに粛々と継続することももちろん大切です。
ですが、そのなかで自分なりに工夫したり改善したりして、さらなる成長につなげていこうとする姿勢は高く評価されます。工夫や努力が報われれば、社員本人の成長だけでなく、サービス品質の向上や売上アップなど、具体的な成果にもつながっていきます。
自分のさらなる成長に向けて、ひたむきさに取り組み続けるタイプの継続力は、就活における魅力的なアピールポイントといえます。
③トラブルや不都合があっても現状をキープし続ける
トラブルや不都合に直面すると、そのこと自体に囚われてしまい、いつも続けていたことができなくなってしまう場合が多々あります。何があっても継続しようという強い意思と実行力があれば、問題に囚われずに現状を維持し続けることが可能です。
仕事をしていると、想定外のトラブルに巻き込まれたり、不都合に直面することは少なくありません。
問題を深刻に受け止めるのは悪いことではありませんが、そこで本来やるべき仕事が滞ってしまうと、成果物の品質が低下するなどで、所属組織や取引先、お客様などに迷惑をかける可能性もあります。
仕事上でもトラブルや不都合にも動じず現状をキープできる継続力があれば、業務が滞る恐れや不安を軽減できるので、良いアピールポイントです。
長所継続力の作成方法
ここからは、実際の自己PRで継続力を長所としてアピールする方法について解説します。自分の継続力をどのような形で文章に落とし込んだらよいかの具体的なポイントをつかめます。
逆にこれらのポイントを押さえないまま、継続力を自己の長所としてアピールしようとしても、まとまりと説得力がないものになりかねませんので、注意しましょう。
まずは「継続力が強み」であると伝えよう
まず自己PR文の冒頭で「継続力が強み」である点を伝えましょう。継続力に限った話ではありませんが、物事を伝える場合は結論から先に述べてから詳細の説明に入るのが肝心です。
そのほうが、最も大事なポイントを押さえつつ、残りはそれを補足という形で話を展開できるので、無駄がなく、内容がすっきりまとまります。読み手の採用担当者にとっても、肝心なポイントを押さえて話の展開を予測でき、フォローしやすいのがメリットです。
言い換え表現を使うとGood
自分の強みを一言「継続力」とだけで片付けようとすると、焦点が合わず、具体的なイメージが連想できない内容にまとまる恐れがあります。すでに解説したとおり、継続力にもいろいろなタイプがあり、企業が新入社員に求める継続力のかたちも多種多様です。
そのため、自己PRではただ「継続力」とひとくくりにせず、言い換え表現のパターンを使うのが適切です。自分が持つ継続力を的確に言い表すには、どのような表現が相応しいのかを考えてみましょう。
先ほど、継続力のパターンは複数あることを解説しました。3つの具体例を継続力の言い換えの参考にしてみてください。
1.具体的にどんな努力をしたのか
しかし、こうした努力にもかかわらず、2年になってもレギュラーにはなれず、新人戦でも結果を出せませんでした。それでも折れず、毎日の打球練習を継続しました。
また、他の部員に自分はどこがだめでどこを伸ばすべきかのアドバイスを求めるなど、客観的に自身を把握するよう務めました。
継続力のアピールで大事なのは、成果を出すまで努力してきた過程や、努力した内容を具体的に示すことです。実際、面接官の多くは結果以上に過程を重視します。
継続力を強みとしてアピールするからこそ、結果を出すためにどのような内容の努力を・どの程度の期間継続してきたかが、明確にわかるよう記述するのが大事なのです。
たとえば例文からは、「練習の様子をスマートフォンで録画する」「他の部員から自分の良い部分・悪い部分についてアドバイスを求める」など、結果を出すためにさまざまな工夫を模索してきた就活生の真摯な取り組み姿勢が伝わります。
このように、努力や工夫の中身を具体的に説明することで、あなたの人柄や仕事への姿勢が伝わる良い自己PRになります。
期間や量など数字での記載が分かりやすい
採用担当にとっては、継続力をアピールしてくるのならどれくらい継続できるのかは気になるところ。
だからこそ継続力を長所として伝えるエピソードでは、継続してきた活動や取り組みの期間や量などがわかるよう、数字や定量的なデータを用いて具体性を持たせることがポイントです。
例えば、「Aができるようになるまで長時間必死に頑張りました。」では、取り組みの継続性を伝えるには漠然とし過ぎています。
むしろ、「Aができるようになるまで、週20時間以上の特訓を3ヶ月間おこない、結果的に30%技術が向上しました。」というような伝え方のほうがより具体性と説得力が増して、アピールの効果が上がります。
このように、活動や取り組みに関連する具体的な数字を自己PRに盛り込むと、面接官もあなたの持つ継続力がどの程度のものかが把握しやすく、適切な評価につながります。
2.継続できた理由を説明する
企業は「部活や習い事の内容」「継続した事実」に興味があるわけではありません。継続した経験から見えてくる、あなたの「人柄」に関心があるのです。
「なぜ努力を継続できたのか」の動機を詳しく説明すると、あなたの人柄を魅力的にアピールできます。たとえば例文では、辛くても前を向き努力する人柄が伝わりますよね。
ビジネスでは、いつも上手くいくとは限らず、努力が実らないときもあれば、失敗もつきものなので、このような資質は高く評価されます。
「なぜ続けられたのか?頑張れたのか?」は、あなたの人柄・性格を伝える最高の材料になります。「継続できた動機・理由」を伝えるようにしましょう。
モチベーションから人柄を見られている
「何があなたのモチベーションになったのか?」という質問をされる時には、回答からあなたの人柄を見られています。
例えば、「1位になること」でしたら、競争心の強い人だという判断になりますし、「人からの感謝が欲しかった」と言うと、貢献意識の強い人と考えられます。
自分が何をモチベーションに動いているのかを見直して、誤解のないように面接官の方に伝えられると良いですね。
3.継続することで何を学び仕事にどう活かすか
既に述べたように、企業は「今後の可能性」を非常に重視しています。企業にとって大事なのは、入社後に企業に利益をもたらす人材になるかです。そのため「今後の可能性」を重視するのは当然のことといえます。
「今後の可能性」をアピールするには、「継続してきた経験から何を学んだか?」を伝えることです。経験から学び、成長する姿を示せば、あなたのポテンシャルを採用担当にPRできます。継続により何を学んだか?を必ず伝えてください。
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長所:継続力の注意点
継続力にかかわらずどの長所でもそうですが、自己PRでは、ただやみくもに具体的な活動内容や効果が伝わるエピソードを準備すればよいわけではありません。エピソードの内容によっては、むしろマイナス評価につながる恐れもあります。
そこで、自己PRで長所を継続力として伝えるうえで、ネガティブな印象を排除し、アピールの効果を高めるために押さえておきたい2つの注意点を解説します。
何も考えずに続けているだけのエピソードは評価に値しない
継続力をアピールする際に注意してほしいのは、何も考えずに続けているだけのエピソードは評価に値しないということです。何となく惰性で続けていたり、誰かに言われて続けていたりと、目的もなく続けることは長所にはなりません。
企業が知りたいのは、あなたの目的や考え、目的を達成するために行った努力や工夫です。つまり、何か継続して行う過程で、あなたがどのように成長したのかを知りたいと思っています。
そのため、単純に継続した期間だけをアピールした自己PRでは評価につながりません。継続した理由やあなたの考えが明確に伝わるような自己PRを作成するようにしましょう。
エピソードは大学時代のものが望ましい
自己PRに使うエピソードは、基本的に大学時代のものからピックアップしましょう。
採用選考プロセスは、今のあなたを売り込む場です。
いくら良い内容であったとしても、たとえば幼少期や中学・高校時代のエピソードでは、今のあなたの魅力や強みをアピールする内容としては説得力が落ちがちです。話すとしても記憶の新鮮さから考えると高校時代までが限度といえるでしょう。
大学時代よりも前のエピソードを持ち出すことで、かえって大学時代は特に何もチャレンジしていない、向上心がないという印象を持たれてしまいかねず、かえってマイナスイメージにつながる可能性もあります。
例外として、大学時代以前から現在まで継続している取り組みのエピソードや、大学時代の経験を補完するために古い時代のエピソードを取り入れるのであれば問題ありません。
できるだけ大学時代の経験に基づくエピソードで、今のあなたの人柄や強みをアピールし、入社後も生き生きと活躍している姿を描いてもらえるようにしましょう。
エピソードは2つ以上用意しておく
継続力をアピールするためのエピソードは、できれば2つ以上用意しておいてください。
1つのエピソードでは、長所というより、たまたまだった話しかもしれません。社会に出てからの再現性を確認するために、企業は、「その他継続力を感じられるエピソードはありますか?」と質問する場合もあります。
学生にとってアピールしやすい長所である以上、長所として継続力を評価するなら1つのエピソードだけだと物足りないと思われてしまう可能性があります。
面接官に「その他のエピソードはありますか?」と聞かれてしまった場合に備えて、継続力をアピールできるエピソードは複数用意しておくようにしましょう。
面接での長所・短所の伝え方|質問される理由や答え方の例文を紹介
継続力がない? 継続といえるレベルを考えてみよう
就活生の中には、「自分の継続力は長所としてアピールできるレベルのものなのか?」「今の取り組み状態では、継続力があるとはいえないのでは」など、そもそも自分の継続力を長所として捉えていいのかわからない悩みを抱えている人も少なくないでしょう。
そこで、自分の継続力を判断するうえで、継続期間の長さや量以上に留意しておきたい2つのポイントを解説します。自分には継続力がないと決めつけている人も、もう一度自分自身を見直すきっかけにしてください。
重要なのは継続期間の長さではない
継続力を長所として紹介するうえで、ついつい何ヶ月、あるいは何年間も続けている取り組みでなければ、アピールとして弱いのではないか?と考えがちです。しかし、継続力のアピールで重要なのは、実は取り組みの継続期間ではありません。むしろ、取り組みの中身にあります。
すでに注意点としても取り上げましたが、単に漫然と目的もなく継続している習慣であれば、継続力のアピールとはいえません。
たとえば「大会開始までの3週間、毎朝5kmのランニングと30分の筋トレを継続し、自分に欠けていた基礎体力の底上げに徹底的に取り組みました」など、短期間でも継続力のアピールに値する取り組みはいろいろあります。
取り組みの「期間」よりも、むしろ取り組みの「質」や、目的達成に向けて自分の「意思」がどう伝わるかをポイントに、継続力を見直してみましょう。
物事を達成するまで続けていれば継続力はある!
面接官の多くが、就活生のアピールで「成果」よりも「プロセス(過程)」を重視していることは確かです。
それでも、具体的な結果や成果が伴うエピソードには説得力があります。継続期間の長短にかかわらず、最後まで諦めたり投げ出したりすることなく継続して何かを成し遂げた取り組みなら、それは継続力がある証しともいえます。
そもそも、結果を出すためにどれくらいの期間、どの程度で取り組めばよいかは、人によって考え方が違います。普段の120%の力を出し切って短期間で目的を達成できた人もいれば、数年間にわたる軽度の地道な努力で目標に到達する人もいます。
大事なのは、継続するなかで、しっかり目的を見据えて取り組んでいるか、また目標としていた事柄をクリアできているかどうかなどです。継続の先に味わった達成感が伝わるエピソードを考えましょう。
長所が継続力の例文
ここで、長所を継続力としてアピールする例文を2つ紹介します。どのような順序で、どのようなポイントを押さえて内容を構成すべきか、また面接官がどのような点に着目するかがわかります。
合わせて、NG例文を通じて、避けるべき事柄も具体的に紹介します。ぜひ参考にしてくだささい。
私の長所は、物事に取り組む際にクリアすべき課題を明確にして、優先順位を付けながら対目標までの道筋と最短距離を具体的に描き出し、ゴール達成に向けて努力することです。
私は大学時代、飲食店のオープニングスタッフとして働いていました。オープン当初はトラブルの連続で、お客様からのクレームが相次いでいました。
そんな中、クレーム対応の責任者を任されることとなった私は、クレームの絶対数の減少を目指しました。まずは、クレームを内容ごとに分類し、クレーム数と対策の難易度から優先順位をつけることにしました。
そして、オーダーミスに起因するクレームが最も多いとが分かり、緊急度が高く対策も比較的簡単に行えると考えた私は、オーダーミスを減らせるようにオーダーの復唱、キッチンへのオーダー確認を徹底させました。
その結果、多いときで1日3件以上あったクレームを週2件程度まで抑えるとともに、さらに優先度順に対応し続けることで、月に1件以下の頻度までクレームを減らすことに成功しました。
社会人となっても、課題の明確化と優先順位付けを徹底して、課題解決までの最短ルートを見つけられるように取り組んでいきたいと考えています。
【評価ポイント】
例文では、継続力を「課題を明確にして優先順位を付けながら目標までの道筋を最短距離を具体的に描き出し、ゴール達成に向けて努力すること」と、具体的に掘り下げてアピールしています。
このように冒頭で継続力を具体的に表現することで、強みが簡単かつ明確に伝わりやすくなります。かつ、学生時代のアルバイト体験のエピソードも、提示した強みをそのまま裏付ける内容・構成となっています。
強みの説明およびエピソードをできるだけ明確かつ具体的に書くことで、採用担当者があなたの入社後の活躍をイメージしやすくすることが大切です。
例文②
私の長所は、目標に向けて無理のないマイルストーンを設定して、最後までやり抜く点です。
私は高校・大学と卓球部に所属しており、私の所属する〇〇大学の卓球部では、全日本大学選手権の3回戦進出が歴代の最高成績となっていました。
最高成績を塗り替えることを目標としていましたが、大学1年生の関東地区予選で初戦敗退という結果に終わり、がむしゃらに頑張るだけでは目標達成は難しいと考えました。
計画的な練習が必要と考えた私は、大学3年での目標達成をゴールとして、1ヶ月ごとにマイルストーンを設定しました。
そして、新しいサーブの習得、フォームの改善、レシーブの強化等、マイルストーンに合わせて練習メニューを調整し、1ヶ月ごとに達成状況の確認とマイルストーンの微調整をおこないました。
その結果、目標達成は叶いませんでしたが、自己最高成績となる関東地区予選ベスト8を達成しました。
貴社でもこの経験を活かして、最終目標に向けて達成可能なマイルストーンを積み重ねて最後までやり抜くことで貢献していきたいと考えています。
【評価ポイント】
この例文では、最終目標に対して無理のない中間地点を設けるという段階的なアプローチがアピールポイントです。
考えもなし努力を続けるだけでは目標達成はできないと気付いたこと、小さな目標を積み重ねることで最終目標を現実的なゴールに落とし込んだこと等、過程の中で成長が感じられる自己PRになっています。
NG例文
私の強みは、誰にも負けない継続力です。
私は大学で、太陽光発電に関する研究を行っており、発電効率を高めるための触媒の開発を目指していました。
太陽光発電に関しては、既に多くの研究がなされており、発電効率を今以上に高めることは非常に困難な課題でした。
しかし、私は諦めずに教授と協力して試行錯誤を繰り返し新触媒の開発に成功しました。
貴社の新商品開発においても、この継続力を活かして貢献していきたいと考えています。
【修正ポイント】
例文では継続力が明確化されていないため、アピール内容が曖昧です。具体性を持たせるためには、継続力という言葉を使わずに長所を表現してみるのも良いでしょう。
また、「研究の課題に対して諦めず試行錯誤を繰り返した」とありますが、これは研究を行う上で当然の姿勢であり、あなたの考えや工夫も全く伝わってきません。試行錯誤の内容をもっと掘り下げて、あなたの頑張りが具体的に伝わるようにしましょう。
選考突破のワンポイント! 継続力の有無から短所と長所を考えよう
長所と短所はコインの表と裏です。継続力が長所の場合、逆にどのような点が短所としてみられるでしょうか。また、逆に確実に自分は継続力がないという場合は、継続力に相反する点を長所としてアピールできるはずです。
自己PRには、論理的な思考に基づいて説明できる力を示すために、冒頭から結びまで、内容の一貫性が不可欠です。
そのためには、読み手や聞き手に継続力が長所として受け取られるよう、また逆に継続力に相反する特徴を強みとしてアピールできるよう、一貫性を考えながら自己PRを組み立てる必要があります。一貫性を高めて選考突破の確率を高めるためにも、継続力を軸とした場合の長所・短所の捉え方を解説します。
継続力が長所⇔「諦めが悪い」
継続力が長所の場合、「諦めが悪い」という一面が短所として受け取られる可能性があります。「引き際がわからない」「しつこい」など、主に人間関係面でのネガティブなイメージが付随することが原因です。
一方で、よい意味では、多少の困難や問題があってもギブアップせずに物事をやり抜く力としても受け止められます。
諦めの悪さが悪く取られる恐れがある場合は、「どこが引き際かを適切に読みつつ、ここぞという場面では持ち前の継続力を発揮して結果を出すことを心がけています」などといった説明で、ポジティブな印象を持たせるよう努めましょう。
継続力が長所⇔「保守的」
継続力を長所としてアピールする場合、裏を返せば「保守的」というイメージに映らないように注意すべき必要があります。現状維持に固執するあまり、「変化を受け入れられない」「守備範囲から外れる物事に対しては受動的」などの傾向が見受けられる場合もあるからです。
一方で、「一つの物事を根気よく、投げ出さずに取り組み続ける」という姿勢は社会人として重要です。
あくまでポジティブに受け止められるよう、「変化には柔軟に対応しつつも、変えるべきではない伝統や守るべき習慣は何かをしっかり見抜いて大切にするよう心がけています」などの説明を加えるとよいでしょう。
継続力がない→好奇心旺盛
継続力がある人は一つの物事に集中して長く取り組む力をアピールできますが、継続力がない場合は集中力に欠ける、飽きっぽく物事が長続きしないなどのマイナスイメージがつきまといます。その裏返しとしてアピールできる長所の1つに、好奇心旺盛さがあります。
好奇心旺盛な人は、幅広くアンテナを張っていろいろな物事を調べ、情報をキャッチしたりする力に優れています。
飽きっぽく長続きしないイメージがある反面、好きな事には集中力を発揮してとことん探求する側面もあります。視野が広く、変化への適応力にも優れています。自分が継続力がないという人は、逆に好奇心旺盛さがアピールできるかもしれません。
継続力がない→行動力がある
継続力のある人は、自分が決めたことや他者から依頼されたことを継続して忠実に遂行するのが得意です。一方で、人によっては決められた枠から外れた行動を取ることが苦手な場合もあります。
そのため、継続力がない場合は、逆に行動力に富んでいる自分の一面を長所として訴求すると良いでしょう。
行動力があれば、新しいことにも積極的にチャレンジでき、変化や変革も前向きに受け止めて動けます。職種や業界を問わず重要視される資質です。
継続力は具体的なイメージが伝わるアピールで高評価を狙おう
長所として続力をアピールする場合は、どのような継続力をアピールしているのかを明確にして、分かりやすく言い換えて伝えましょう。
企業が求めている継続力はどのようなものか、具体的なエピソードを添えて説得力を持たせることができるかを判断材料に、自分の魅力が最も伝わるような継続力の見せ方を探るようにしましょう。
継続力は他の就活生との差別化が難しく、平凡でよくある自己PRとなってしまいがちな長所ですが、上手くアピールすることができれば高評価を得られる長所でもあります。
本記事で紹介したポイントを上手くおさえて、面接官に活躍が期待できると思わせられるような自己PRを目指しましょう。
自分の強みは本当に「継続力」なのか、自己分析ツールで確認しよう
『継続力』を自己PRする人の中には、自分の強みを勘違いしている人もいます。強みを勘違いしていると自己PRは上手くいきません。
自分の本当の強みを見極めるには、自己分析ツール「My analytics」が便利です。36の質問に答えるだけで、あなたの強み・弱み→それに基づく適職をサクッと診断できます。
My analyticsで、あなたの強みが本当に『継続力』なのか確認してみましょう。もしかすると、思っていたものとは違う強みも発見できるかもしれません。