意外と知られていない!面接官のタイプ別攻略法

面接官のタイプ別攻略法

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面接には正解はありません。マニュアルで「必ずこうすべき」と断言するのは難しい。しかし、面接官のタイプごとに傾向と対策は立てられます。面接官のタイプごとに聞いてくることも違えば、対応法も大きく変わっていきます。対応法を間違えると、本来の実力を発揮できずに面接が終わってしまうこともあるのです。

そこで、就活でよく出会う面接官のタイプと、それぞれの対策法を解説いたします。

面接官のタイプによって面接対策は変わる

書類審査を終え、いざ面接となると「面接官はどんな人だろう?」と気になったり、どのように話せばいいか不安に思ったりする就活生は多いものです。

面接対策本を読んで用意した回答を面接で実践しても思うように合格が勝ち取れないこともありますよね。
それはなぜかというと、面接に正解はないからです。

世の中には様々な人がいるように、面接官にもさまざまなタイプの人がいます。
同様に、面接官が好む人のタイプも様々です。

では、面接官にはどんな人がいるのか?
主に下記のようなタイプに分けることができます。

  • 掘り下げ面接官
  • 淡白な面接官
  • 圧迫面接官
  • フレンドリー面接官
  • 自由な面接官

どんな模範回答を用意しても、面接官に気に入られなければ合格になりません。
新卒採用面接を勝ち抜くには、面接官のタイプによって対策を考えて攻略していきましょう。

掘り下げ面接官

二次面接、三次面接以降に現れることが多いです。人事部の面接官は、ほとんどがこのタイプです。プロの人事は、第一印象ではなく、学生の本当の姿を見極めたいと思っています。だから、「なぜ、そう思ったの?」「どうしてそうしようと思ったの?」と、なぜ?なぜ?であなたを掘り下げてきます。

このタイプの面接官に対応するには、まず自分で「なぜなぜ分析」をしておくことです。たとえば、商社で「海外で働きたいから」という志望動機を持っているなら、「なぜ海外シェアの高いメーカーでは駄目なのか?」ということを自分なりに考えておくのです。

このように、あらかじめ突っ込まれそうなところを自分で掘り下げておけば、掘り下げ面接官には対応できます。事前に「セルフ自己PR・志望動機ツッコミ」をしておけば、掘り下げ質問のたびに、自分の強み・熱意を相手に伝えられるようになり、非常に有利になります。

掘り下げ質問に対応するために、自分で「相手がツッコミそうなところ」を見つけ、答えを用意してください。

掘り下げられても困らない回答例

例文

(質問:「大学で頑張ったことは?」に対して)

「私はアイスホッケー部の練習や大会に注力しました。

小学生のころから続けている趣味でもあります。

競技自体が楽しいのはもちろんですが、体力がつくと疲れにくくなったり、集中力も高まるので今後も継続したいと思います。」

この例文はどこを掘り下げられても困りにくい回答にできています。
なぜならこの回答のなかで「いつから始めたか」「どうして注力したのか」が述べられていて、それ以上掘り下げられる部分が特段無いからです。

「なぜ始めたのか」と聞かれるかもしれませんが、小学生の頃に始めているので「両親に言われるがままに」と言ってもまったく問題はないでしょう。

それと同時に、体力や集中力が高いこともアピールできているのがこの例文の良い点でもあります。

面接評価シートで面接官のチェックポイントを確認しよう

面接をする際、面接官は面接評価シートを元に就活生を評価しています。面接評価シートには、質問に対する受け答えなどの内容をチェックする項目があるのです。企業や職種によって設定されている項目は異なりますが、参考にすることで面接官視点を把握することができます。

面接官は、どのような就活生を評価するのでしょうか。
面接評価シート」を無料でダウンロードして、面接前に最終調整をしたり、就活生同士の練習で活用したりしましょう。

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淡白な面接官

人事部ではなく、現場の社員に多いタイプの面接官です。面接慣れをしていないため、上手く掘り下げながら質問をすることができません。このタイプの面接官に、普段の調子で「30秒くらいで回答⇒相手の質問にあわせて適宜語る」というようなやり方をすると、失敗します。

「〜です。」「あぁ、はい。じゃあ、志望動機は?」このようになってしまうのです。面接のために30分用意されているのに、10分で終わってしまうなんてこともしょっちゅうです。

淡白な面接官はあまり質問をしてきません。だから、まず30秒程度で概要、結論を語り、一呼吸おく、相手が掘り下げ質問をしてこなさそうなら、続けて語っていきましょう(90秒〜120秒程度)

このようにやっていけば、淡白な面接官相手に失敗するリスクが減ります。また、面接がすぐ終わってしまうリスクを減らすために、会話に「思わず質問したくなるポイント」を入れるのもよいでしょう。

面接官が質問したくなる回答例

例文1

(「志望動機は?」に対して:地方銀行の場合)

「地域のお金の流れに関わりたいと思ったからです。

貴社のインターンに参加させていただいて、〇〇さんより地方銀行の役割についてお話を伺いました。

私が大好きなこの地域の企業にお金を回すことで、その地域に住む消費者の生活水準を向上する手助けができるという点を聞いて、私も同様にバンカーとなり、愛する地元に貢献したいと考えました。」

Point

淡白な面接官から質問を引き出すには、面接官が質問しやすい話題の中で話をするとうまく質問を引き出すことができます。
この例文では面接官も働く会社でのインターンの話題を持ち出しているので、淡白な面接官でも質問がしやすい回答と言えるでしょう。

例文2

(「志望動機は?」に対して:MR職の場合)
「より多くの患者様に優れた医薬品を提供したいと考えたからです。

その点において医者や薬剤師と違って、様々な病院を担当することができるというMR職は魅力的に思いました。

また私自身、処方された薬について調べるのが好きでもあります。
ちなみに私が好きな医薬品は、貴社で製造されている〇〇です。」

Point

この例文でも同様に、面接官にとって話しやすい自社の医薬品の話題が持ち出されています。

「私が好きな医薬品は貴社の〇〇です」と言われたら、「なんで?」と聞きたくなってしまいますよね。

例文3

(「志望動機は?」に対して:商社の場合)
「商いの歴史の中で働きたいと思ったらです。
商いと一口に言っても、昔と現在の商いの形態は大きく変わっているところに面白みを感じました。

また、海外出張や駐在が多い点も魅力的です。
いつ駐在になってもいいように英語以外の語学にも取り組んでいます。」

Point

「英語以外の語学にも取り組んでいます」と、あえて具体的に話さない部分をつくっておくことによって「なんの言語勉強してるの?」と質問しやすい例文になっています。

圧迫面接官

就活生が最も恐れているのが、圧迫タイプの面接官です。金融や証券など、仕事にストレス耐性が必須の業界でよく出てきます。たとえば、話を聞いてくれなかったり、「え?その考え方は甘くない」と敵対的に対応してきます。N証券では、面接で学生が話しているのに、途中で携帯をとり会話をはじめる、というレベルの圧迫まであったそうです。

ただ、対応法は簡単です。明らかに敵対的に対応されたら、「はい圧迫ね」と割り切り、怯えなければ良いのです。圧迫と言っても、聞かれる内容は普通の面接と同じです。だから、普通の面接と同じように対応すればいいだけです。

相手も仕事で圧迫しているので、「圧迫されるのは、僕は駄目学生だからだ」と恐怖することはありません。そういう『プレイ』だと思って、落ち着いて対応してください。圧迫面接では、普段通りに答えられるだけで、「ストレス耐性がある」と評価されます。むしろ、「ちょろい」面接なのです。

面接官に圧をかけられた時の対処法

面接官に圧をかけられたときは、とにかく冷静でいることを心がけましょう。
圧迫面接をしてくる面接官の狙いはあなたのストレス耐性を見定めることであって、本気で怒っているわけではありません。

いわば面接官の演技といっても過言では無いのです。

圧をかけられてパニックになってしまうと面接官の思いのままですから、圧をかけられたときは「自分は試されているんだな」と考え、冷静でいるように心がけましょう。

例文1

(「この仕事向いてないんじゃない?」に対して:MR職)
「ご指摘をありがとうございます。
もし差し支えなければ、私のどのような部分が向いていないかをお教えいただけませんでしょうか。

私自身は今までの経験からMR職に就きたいと考えておりますし、手探りではありますが医薬品の勉強も始めています。
足りないところを教えていただけることは今後の糧になりますし、改善のために努めます。」

Point

「向いていないんじゃない?」に対して冷静に回答ができています。
まずは「向いていないんじゃない?」という指摘を受け止め、自分の考えを話し、足りないところがあれば改善するという前向きな姿勢も良いポイントです。

例文2

(「大学時代は勉強よりバイトしかしてこなかったんだね」に対して)
「かけた時間でいえばたしかにアルバイトのほうが勉強より多いかもしれません。
生活費はすべて自分で賄っているため、アルバイトは私の大切なライフラインです。

ただ、すべての授業を真面目に聞いていたので試験の時に困ったことはありません。
一夜漬けでの勉強もせず、毎日の少ない勉強時間を全力で集中することで最大限の成果を出すよう日々心掛けていました。」

Point

この例文では「勉強よりバイトに時間を割いていた」という経験を逆手にとり、「時間がなくてもその中で最大限の成果が出せる」とアピールできています。
圧迫面接に対して有効な回答でしょう。

例文3

(「入社してもすぐに辞めちゃうんじゃない?」に対して)
「辞めません。たとえ自分に合わない環境だと思ったとしても、学べることがたくさんあることに間違いはありません。
御社が第一志望ですから、内定を頂戴できたらどんなに大変でも歯を食いしばる覚悟はできています。」

Point

「辞めません。」と冒頭ではっきりと言い切ってるのが良いポイントです。
圧迫面接官はだらだらと話す学生を嫌う傾向があるので、シンプルに要点を伝えているこの回答は良い例と言えます。

フレンドリー面接官

最終製品メーカー(BtoC)に多い面接官です。メーカーは、就活生が将来的なお客さんになることを知っているので、あまり無礼なふるまいはしません。「うんうん、なるほどね!」「それは凄いね!」とこちらが舞い上がるような相槌を打って、話を聞いてくれます。

しかし、そこは選考。「ふるい落とす」視点で見ているのも事実です。フレンドリータイプの面接官は、上手く相槌を打ってくれるので、調子にのってだらだら長く話しがちです。一つの話題でダラダラ話していると、結果的にアピールできる内容が少なくなりますし、賢くない印象も与えてしまいます。

面接官がたとえフレンドリーでも、「答えは簡潔に、結論先行で述べる」「90秒以上長く話さない」ことを念頭に、浮かれず、他の面接官と同じ緊張感を持って臨みましょう。

面接で気を抜かないポイント

にこにこと、まるで友達のように話してくるのが特徴のフレンドリー面接官ですが気を抜いていいわけではありません。
面接官の笑顔につられて気を抜いてしまうと、敬語やマナーがうっかり崩れてしまうものです。

しかし、ここできちんと敬語やマナーができていないと「この子はお客様の前でも気を抜いてしまう可能性が高いな」と思われてしまいます。

敬語を絶対に崩さず、目上の人に話す際の礼儀やマナーは必ず守るように気をつけて攻略しましょう。

例文1

(「趣味は?」に対して)
「バスケットボールは観戦するのも、自分でプレイするのも好きです。

部活でもバスケットボールをしていますが、休日も暇さえあればボールを持って公園へ飛び出します。」

Point

結論から話し、かつ端的に答えられています。
にこにこしながら話を聞いてくれるフレンドリーな面接官を相手にすると、話すのがつい楽しくなって長々と話したくなってしまいます。
しかしこの例文ではシンプルに回答できているのが良いですね。

例文2

(「なんでうちの会社なの?」に対して)

「貴社ではIT分野の業務が内製化されているからです。

ベンダーに注文するよりも社内で完結させている貴社のほうが、様々なことにチャレンジできると思ったため、貴社で働きたいと思うようになりました。」

Point

この例文でも結論から話し、シンプルにまとめられています。
これを笑顔で答えることで、フレンドリーに話すことができるけれども論理性は失わずにいられるという一面を見せることができます。

例文3

(「最近気になったニュースは?」に対して)
「自動車事故のニュースが増えているように感じていて、それらがつい目に留まってしまいます。

自動車事故は決して起きてはならないことですが、人が自動車を運転している以上は事故が起こりうると考えると、全自動の車に夢を持ちます。」

Point

結論から回答できています。
自動車業界においてこんな風に回答をすると、自動車業界や車のあるべき姿について話を膨らませられますね。

自由な面接官

ITベンチャーや、外資系企業の若手社員の面接官に多いタイプです。マニュアル的な面接を「カッコ悪い」と感じていて、雑談のように面接を進めます。

マニュアル的に「いかにも用意した回答」をすると、会話のペースがすれちがい、上手くいかなくなります。自然な会話として上手く運びましょう。

具体的には、相手の仕事についても質問しながら展開していくこと。たとえば、自分の強みを軽く話した後、「こういう強みって貴社の仕事で活かせますかね?」と聞く。すると、相手は自分の仕事について話すので、上手く相槌を打ち、相手の気分をよくさせます。

すかさず、相手の話と自分の共通点を見つけ「僕も、今、◯◯さんがおっしゃった〜な点ってとても大事だと思うんです。僕も学生時代に、こんなことがあって〜」と相手の重視していることとの共通点を見つけながら、会話を展開していきます。

このタイプの面接官は「聞き上手」に弱いです。人間は自分が一番大好きです。自分の話を聞いてくれる人に、人は好感を持ってしまうのです。上手く相手の話を引き出しながら、相手の話に重ね合わせるように自分のPRをしていきます。

雑談ベースの面接でアピールする回答例

例文1

(「志望動機は?」に対して:化粧品メーカーの場合)
「化粧品が大好きで、自分で化粧品を企画してみたいと思ったからです。

プチプラからデパコスまで様々な化粧品を自分で研究している中で、こんなものをつくってみたいと想像することがよくありました。

たとえばお米の成分を使った化粧品なんて面白いのではないかと思ったのですが、どう思われますか?」

Point

雑談風に話を展開する面接官に対しては、雑談に交えて質問をすることも可能です。
この例文では「お米の成分を使った化粧品なんて~」と提案することで熱意も伝わりますし、面接官と話を膨らませることができるでしょう。

例文2

(「趣味は?」に対して)
「旅行です。国内旅行が好きでフットワークが軽いので、さまざまなところへ行きます。貴社の業務では出張が多いと伺っていますが、思い出深い出張はありますか?」

Point

この例文でも回答の中に自然と質問を混ぜて、雑談風にできています。
出張が多い企業であればこのように思い出深い出張話を面接官に聞いてみると、話をふくらませることができるでしょう。

例文3

(「アルバイトで大変だったことは?」に対して)
「年上の後輩に仕事を教えるときは少し大変でした。

本来は目上の方ですが、職場では後輩なので一つ注意するにもすごく気をつかった記憶があります。

会社で働いている中でもそのようなことは起こり得ると思うのですが、どうでしょうか?」

Point

この例文でも回答の最後に自然と質問を入れて、雑談風に話すことができています。
人間関係の困難さはどの企業にもありますから、この例文は話を膨らませやすいものといえるでしょう。

おわりに

面接官のタイプごとに対応法は変わります。面接がはじまったとき、その面接官はどんな人なのかを判断し、適切に対応してください。

ここまでで紹介してきたように、面接官のタイプは様々です。
面接対策本に書いてある通りに話したからといって、あらゆる面接官に気に入られることが可能というわけでは決してありません。

面接官をよく観察しながら、ざっくりとでもいいのでどのようなタイプかを判別できるようにしておくと面接が攻略しやすくなります。

もし面接当日までに面接官の名前がわかるようであれば、インターネットで検索してみるなどしてタイプの予想をすることも有効でしょう。

いざ面接のそのときにならないとどのタイプか判別できないことも多いと思います。
臨機応変に対応するには場数が必要ですから、友達同士でタイプ別の面接の練習をしたり、面接の練習と思って様々な企業の面接を受けることも対策につながります。

練習などを通して対策を立てながら、面接を攻略できるように努めていきましょう。