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学生は「良い自己PR」「良い志望動機」を話せば内定できると思っている人が少なくありません。しかし、それだけでは内定できません。なぜなら、面接は人対人のコミュニケーションなので、「何を話すか(自己PR、志望動機)」だけではなく、それを「どう話すか」も同じように重要だからです。
たとえば、自信無さげにボソボソと小さな声で「リーダーシップの経験」を話されても説得力がないでしょう。また、コンビニのアルバイトの経験でも自信満々に話されると、「経験は大したことがないけど、なんだか有能そうな学生だな」という印象を受けるものです。
だから、「何を話すか」のために自己PRや志望動機の内容を練り上げるのも良いのですが、「どう話すか」という話し方、非言語メッセージの伝え方の訓練も必要なのですね。
では、どんな点に気を配ればよいのでしょうか?
まずは第一印象をコントロール
第一印象はわずか3~5秒で決まると言われています。一度定着した第一印象を覆すことは難しく、それだけに、最初からよい印象を与えることが大切となってきます。
第一印象を決める要素は、視覚情報が一番多く、次に聴覚情報で最後に言語情報となっています。そのため、面接の際も「見た目」に気を付けることが重要です。「身だしなみ」や「表情」「姿勢」といった、誰にでも簡単に直せることで第一印象がコントロールできるのですから、ポジティブな印象を与えられるよう、もう一度自分の見た目をチェックしましょう。
姿勢
姿勢は非常に重要な要素です。理由は2つあります。
第一に、姿勢を正すことで、自分自身が自信をもって話すことができるという点です。ある心理学の研究によれば、被験者に姿勢を正してからテストを受けさせた所、自分への自信の値も知能テストの結果も伸びていたのです。人間の心理は、身体からも影響を受けます。姿勢を正していると、「姿勢を正しているといるということは、自信があるのだ」と錯覚するのです。このように自信を増す意味でも効果があります。
第二に、相手にも良い印象を与えられます。下を向いて猫背で喋ると、発声も悪くなり、声がこもり、どうしても「自信がなさそう」は話し方になってしまいます。良い自己PRをしても、自信が無さそうな話し方によって差し引かれてしまうのです。だから、姿勢は正しましょう。
ポイントとしては、自分の頭が糸で天井から引っ張られている様をイメージしましょう。綺麗に背筋をのばせるはずです。
入退室の際の歩く姿勢も重要
最初の数秒で第一印象が決まるということは、ドアを開けて部屋に入るところで、すでに面接官の持つ印象は決まる、といっても過言ではありません。ドアを後ろ手に閉めたり、足を引きずって歩いたり、だらだらとやる気なさそうに歩くだけで、一気に印象は悪くなります。第一印象が決まってしまっては、その後どんなに素晴らしい話をしても、一度ついたマイナスイメージはなかなか変わりません。背筋を伸ばし、足取りは軽く、自信に溢れたイメージを与えられるようにしましょう。
一度、鏡で自分がどのように立っているかをチェックしてみてください。「猫背気味かな?」と思ったら、面接に向けて、ダンスの練習をするようなつもりで、真っすぐ姿勢よく立てるよう練習しましょう。また、緊張のあまり右手と右足が同時に出てしまうという、笑い話のようなことも実はよくあります。歩き方の練習もしておけば、安心感から緊張しすぎることはなくなります。
座るときは背もたれに寄りかからない
イスを進められたら、ドカッと腰をおろしたり、背中を丸めて座ったりすることは避けましょう。疲れているような印象を与えることはよくないですし、自信がなく見える姿勢も本当に自信がなくなってしまいます。また、背もたれに寄りかかってしまうと、リラックスし過ぎて見えるか、横柄な態度に見えてしまう可能性もあります。
椅子の背もたれは使わず、半分もしくは4分の3程度を目安に浅目に腰掛け、背筋をピンと伸ばし、手は膝に置き、ゆったりとした気持ちで座るよう心がけましょう。
抑揚
話に抑揚をつけましょう。抑揚がなく棒読みで話すと、どんな内容でも平板に聞こえてしまいます。また、聞き手の注意も惹きつけられないでしょう。
上手に抑揚をつけるポイントとしては、話の強調するべきポイントで声を大きくすることです。たとえば、「〜という試作の結果、前年比3.6倍の観客動員に成功しました。」というように、最も強調したいポイントで声を大きくしましょう。強調する際に、手のボディランゲージも加えると、より力強い印象を与えられます。
語尾を伸ばしすぎると子供な印象になる
話し方に気を付けているつもりでも、ついいつもの癖がでてしまうのが語尾です。「わたしは~」「それが~」といった話し方は幼稚な印象を与えるだけでなく、不真面目な印象まで与えかねません。どんなにすばらしい内容を語っても、ちょっとした話し方の癖でネガティブな印象を与えることは避けたいものです。
自分では話し方の癖に気づいていないこともあるので、友人や家族にチェックをしてもらう、または録音、録画をするなどして、客観的に判断してみるとよいかもしれません。
せっかく興味深い内容の話を台無しにしてしまわないよう、語尾にはくれぐれも気をつけましょう。
方言のイントネーションには極力気を付ける
もちろん、方言が原因で面接を落とされることはありません。ただ、地方出身の方に不利だと思われるかもしれませんが、面接で方言はできるだけ使わないことが望ましいです。それは、その地域の人でないとわからない独特な言い回しや、イントネーションを使うことにより、誤解を招く可能性もあるからです。
また、入社後に取引先などとコミュニケーションをスムーズに行うためにも、標準語が話せるほうがよいでしょう。地方勤務でも、取引先は他の地域ということがあり得るので、入社前に身に着けておいて損はありません。
方言のイントネーションは、急に変えようと思っても難しいので、日頃からなるべく意識し、自分の話し方の癖も含めて、スムーズなコミュニケーションができるように練習しておくとよいでしょう。
笑顔
笑顔で話しましょう。笑顔で話すと、相手の好感を得られます。人間は笑顔の表情を見ると、脳内の快楽をつかさどる神経伝達物質であるドーパミンが分泌され、心地良い気分になり、目の前の人間に好感を持ちやすくなります。
また、笑顔で話すと緊張がほぐれます。人間は自分の表情に影響を受けます。笑顔に似た表情をつくるだけで、ドーパミンが分泌され、楽しい気分になります。これは「身体効果の錯覚帰属」という心理効果で、「笑っているということは、今楽しい気分なのだ」と脳が錯覚するからです。したがって、笑顔で話すだけで、緊張していても「楽しい!」と感じるようになり、リラックスして面接で本来の力を発揮できるようになります。
具体的な方法としては、話すときに母音の「ィ」をやや大げさに意識するようにしてください。ィを強く発音しようとすると顔が自然とほぐれた笑顔になります。
笑顔から真顔になる瞬間がマイナス印象
がんばって笑顔を作っていても、ふと気が緩み真顔になっていることがあるかもしれません。
実は、その瞬間がマイナスになってしまう可能性があります。
表情がこわばり、怖い表情だと思われてしまうだけでなく、態度が豹変すると、裏表がある性格なのでは?と思われ、印象はよくありません。かといって、ニヤニヤしても真剣さに欠けると判断される可能性もあるので、少し口角を上げ、微笑む程度にとどめましょう。
聞き取り易い声でハキハキと
自信にあふれた声で話せば、話す内容も自信にあふれたものと相手に錯覚させられます。たとえば、ある心理学の研究によれば、小さな声よりも、ハキハキとした大きな声の方が、話者の話している内容に賛同する人間が増えたそうです。このように、ハキハキとした声はそれだけで自己PRの魅力をあげるものなのですね。
具体的には、腹式呼吸をマスターしましょう。詳しくは下記のリンクを御覧ください。http://www.voicetraining.jp/voice_training/01_02.html
腹式呼吸というと、特殊な技術なように思うかもしれませんが、訓練すれば誰でもできるものです。ぜひマスターしてみてください
自信をもって堂々と発言する
同じ話の内容でも、自信なさげにぼそぼそと話すより、聞き取りやすい大きな声でハキハキと答えたほうが説得力があります。
ラジオパーソナリティーやニュースキャスターのような話し方をする必要はありませんが、イントネーションや滑舌を真似るという上では、非常に有効な学習手段です。
方言のある方には標準語のトレーニングになりますし、わかりやすい話し方のモデルとして、誰でも手軽に使えるので、是非試してみてください。
相手の目を見て話す
相手の目を見て話をしましょう。当たり前のことと思うかもしれませんが、意外と多くの学生ができていません。相手の目を見て話すことが相手の好意を獲得することに大きな影響があることは心理学の研究では度々実証されています。
たとえば、相手に好感を持ちやすくなったり、相手の提案を聞き入れやすくなる、という効果がわかっています。相手の目を見て話すだけで好意獲得につながるのですね。
また、相手の目を見て話すと、「相手に伝えるぞ」ということに意識が集中し、『上手く話せているかな」などの雑念が消え、緊張しにくくなります。また、相手の目をしっかり見ていれば、「あ、このアピールは相手に響いていないな」「このアピールは響いているな」と好悪の反応がすぐにわかり、話す内容を柔軟に変化させていけるでしょう。
具体的な方法としては、「基本は相手の鼻の下を見る」「話の重要なポイントで相手の目を見つめて話す」ことを意識しましょう。相手の目を見ることを意識しすぎると、逆に不自然です。だから、基本は相手の鼻の下あたりを見ながら、ポイントポイントで見つめるようにしましょう。ただ、やるよりも強弱がつき、効果的です。
目を見るのが苦手な人は目と目の間を見る
欧米と違って、日本では相手の目を見ることは、時として敵対心のしるしと見なされることがあるのも事実です。そのため、面と向かっている相手の目を見ることに抵抗がある人もいるでしょう。その場合は、少し目線をずらして、相手の目と目の間のあたりを見るようにすると、違和感なく相手の顔を見ることができます。
その際は、じっと凝視したり、にらみつけるような強い視線ではなく、やさしい眼差しで見るように心がけましょう。5秒ぐらい相手の目を見たら、視線をそらし、また、見るというようにすると、抵抗なく目を合わせることができます。
人事担当者は、応募者が思う以上に視線を合わせることを気にしています。コミュニケーション能力が低いと思われないよう、しっかりと目を見て話ができるように工夫してみましょう。
間をおく
話の中に間をつくりましょう。間には3つの効用があります。
第一に、相手が話の内容を整理する時間ができます。一気に話されると内容が頭に残らないまま話が通りすぎてしまいます。間をおくことで、相手が内容を咀嚼しながら聞けるようになり、理解が促進されます。
第二に、間は、あなたが話の内容を整理し、落ち着く時間になります。一呼吸おくことで、リラックスして話せるでしょう。
第三に、相手の注意を惹きつける効果があります。重要な話のポイントの前で、間を置けば、相手は「これから重要なことが話されるのか?」と考え、より注意深くあなたの話を聞きます。
具体的なポイントとしては、
- 一文ごとに間をおく。「。」で区切る際に、一呼吸おくイメージで間を置く
- 強調したいポイントの前に間をおく。
この2点を意識してください。間を使って、上手に相手の注意を誘導しましょう。
これらのポイントを意識すれば、面接がぐっと良くなります。自己分析や企業で研究では話す内容を磨くだけでなく、話し方も磨きましょう。
本番前に面接力を診断しておこう
面接では、身だしなみ、自己PR、志望動機…様々なチェックポイントがあります。どこかに大きな抜けがあると、内定を取るのが一気に大変になります。
思わぬ失敗を防ぐため、志望企業の本番の前に一度、「面接力診断」やっておきましょう。
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面接力診断で自分の足りないスキルを把握し、対策をしておくことで、万全の状態で本番に臨みましょう。

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