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エントリーシートで「あなたの最も悔しかったことを教えて下さい」「挫折を味わった経験を教えて下さい」「失敗した経験を教えて下さい」と聞かれることがあります。
これらの「挫折経験」「失敗経験」「悔しかった経験」を問う質問にはどう答えればいいのでしょうか?
答え方のポイントを例文つきで解説致します!まずは、なぜ企業がこんなことを質問してくるのかを考えていきましょう。
なぜ挫折体験を問うのか?〜企業の意図〜
そもそも、なぜ企業はこんなことを聞くのか。それは、あなたが失敗から、いかに立ち直り前向きに行動できる人間かを知りたいからです。
ビジネスには失敗はつきもの。挑戦をする回数の多い人間ほど失敗します。失敗は避けることができるものばかりではありません。少しの失敗で挫折する人は上手くいきません。逆に、失敗を糧に成長できる人は、長期的見て、企業の役に立つ人材になるはずです。
この失敗から立ち直る力は、「レジリエンス(再起能力)」といって、近年、アメリカの採用において重視されるようになってきた能力です。あなたの「再起能力」を企業は知りたいのです。
では、質問意図を踏まえた上で、どう答えればいいのか、を解説していきます。回答のポイントは2つあります。
エントリーシートで失敗経験を聞かれた際の回答ポイント
エントリーシートで「今までで一番の失敗経験を教えてください」と失敗経験を聞かれることがあります。
企業は、その質問から「失敗を乗り越える力」と「失敗から学ぶ力」を評価基準にしたいと考えています。
そのため、回答の際は、以下の2点に気をつけて記述しましょう。
- 1.失敗経験だけの話はしない
企業が知りたいのは、失敗経験からどう立ち直ったかです。
そのため、ただ失敗経験を話すだけでは、マイナスの印象を残すだけです。
- 2.失敗をどう乗り越えたかを話す
採用担当者が知りたいのは失敗経験とどう向き合って、克服していったか、です。
失敗を、どのようにして克服したか?に重点を置いて、エントリーシートを記述しましょう。
合わせて、その経験から何を学んだのか?についても記述することで、より具体的に採用担当者へ伝えることができます。
人気企業内定者のESを参考にしよう
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失敗の主要原因を分析している
失敗をしたときに重要なのは「なぜ失敗をしたか」を理解することです。なぜ失敗したかを理解し、次に、その原因に注意していれば、失敗の確率を減らせます。
ただ、「失敗した」ではなく、「なぜ失敗したのか?」を理解し、その旨を記述するようにしましょう。
失敗が主要原因の回答例文
私は、塾講師のアルバイトを入学以来続けています。
昨年から、今まで社員の講師が担当していた小学生の国語科を担当することになりましたが、
若さと立場から、保護者に頼りなさを与えてしまい、担当してすぐに塾にクレームがはいってしまいました。
そこで、私は生徒と保護者との間に信頼を築くためコミュニケーションをとる事を重視し、相手の要望を知ることに努めました。
具体的には、普通の人は1ヶ月に1回しか設けない、生徒と個別に話す時間や保護者への定期連絡を週次で実施したり、教室内においても他の先生と生徒の情報共有を図りました。
その結果、生徒、保護者の双方から私に相談をしてくれるようになったため、一定の信頼関係が構築できたと感じています。
現在も、卒業生と保護者が私を訪ねてくれたり、兄弟や知人に入塾を薦めたりと、1度築いた信頼関係が継続しています。
蓄積された信頼関係は、私自身の強みとなっていく事を経験として学ぶことができました。
塾講師のアルバイトで、クレームを受けたことを真摯に受け止め、世代の違う子どもや大人と人間関係を構築できる力が備わった過程がわかります。
相互に理解し合えることや、卒業生が訪ねてくることからも、この学生の人柄の良さも感じることができます。
失敗を糧に成長している
人は失敗を活かして成長することができます。挫折や悔しさをバネにすることで、人はスムーズにいくより、より大きな発展をすることができます。企業もそれができる人材を求めています。
失敗を問うのは、「いかに立ち直りったか」を聞きたいので、失敗の事実だけを書くのは間違い。それでは単なる無能さの証明になってしまいます。重要なのは、「失敗の原因を理解し」「次に失敗をしないために、現在、失敗の原因を潰すために~な努力をしている」と示すことです。
では、以上のポイントを踏まえた回答例をみてみましょう。
失敗を糧に成長している回答例文
私は高校時代に野球部として最後の大会を迎える二カ月前、自分の不注意で左手を怪我し、大会にレギュラーとして出場できなくなりました。
私は部活動で納得のいく結果を得ることは困難だと感じ、1人で引退したような気持ちになっていました。
そのような状況下で、ベンチ入りができなかったチームメイトが、腐ることなく自分の個性を活かしてムードメイカーの役割をしている姿が目に入りました。
私は自分がレギュラーとして出場することに固執していたと気づかされ、自分にもできることをしなければと思いチームに貢献できる方法を必死で探しました。
そして、自分が持つ知識と走力を活かしてチームメイトの練習の手伝いや代走という役割ができると考えました。
結果として大会では私も代走で出場し、チームメイトが私との練習で成長した部分を発揮しているのを見てチームに貢献できたという実感を得ました。
この経験で誰もが集団の中で果たすべき役割を見つけ、責任を全うすることを学ぶことができました。
自分の失敗への反省から、今の自分にできることは何かを考え、チームのために貢献しようという行動が取れたことが好印象です。
自分ができる集団の中で果たすべき役割を見つけることができた点は高く評価できます。
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人生で最も挫折を味わった経験は何ですか?への回答例文
人生で最も挫折を味わった経験は何ですか?また、その失敗をどのように活かしましたか?(総合商社)
人生で最も挫折を感じたのは、2年生の時に参加したビジネスプランコンテストです。グループで議論をしてプランを練りあげる形式だったのですが、法学部の私は知識が足りず、グループの足を引っ張り、直接「君が足手まといだった」とまで言われてしまいました。
同世代の学生に対して大きく劣っている事実に直面し、挫折を味わいました。
法学部であろうと、ビジネスの知識に疎い言い訳にはならないと考え、経営戦略・マーケティングの知識を独学で猛勉強しました。
そして、最終的には個人で参加したビジネスプランコンテストで合計4回の入賞を果たすまでの実力をつけることができました。また、独学を通して得たプランニングの知識をもとにwebビジネスを立ち上げ、3ヶ月で60万円の利益を出すことに成功しました。
この回答例のポイント
挫折経験がいかに辛かったか?そして、そこからどう立ち直ったのかを丁寧に語っています。伝えにくい失敗経験を包み隠さず伝えることで、「誠実さ」もアピールできています。
また、失敗を認識した後にも、克服の努力をしているので、「失敗を踏まえて成長できる人材」だとアピールできています。
志望校に落ちたパターン
私はハンドボールをより高いレベルで続けるため、国立のT大学を第一志望校としましたが、一般試験で不合格となりました。
他の私立大学へ行くという選択肢もあったのですが、目標のため浪人を決意しました。
浪人中も、絶対にT大学で日本一を目指すという気持ちを常に持ち、遊びの誘いは全て断り、受験勉強に没頭しました。
その結果、次の年の一般入試で合格することができ、ハンドボール部で日本一を目指す目標に向けて邁進しています。
これからも自分の中で常に目標を持ち、それに向けてどんな困難も乗り越えてみせます。
目標を達成するために、単に浪人して憧れの志望校を目指すだけでなく、さらにその先にあるハンドボールで日本一を目指すという、高い目標を叶えるために、数々の困難を乗り越えた点が高く評価できます。
アルバイト先でクレームを受けてしまったパターン
アパレルショップのアルバイトでの経験です。
ある時、1件のクレームがインターネット上で拡散してしまったことから、私の店の売上が3カ月連続でエリア最下位が続くという問題に直面しました。
そこで原因を解決するために全てのクレーム内容や、他店に行き自店との対応の違いを調査しました。
そこから自店の問題点を発見し、以下の3点の対策を提案しました。
- ①全員が商品の説明ができるように商品知識を身につけること
- ②売上目標を適切に設定し、いくつ販売すれば目標を達成できるかを明確にすること
- ③社員とアルバイトすべてのスタッフで情報共有を強化すること
以上を実行した結果、売上はエリアで1位を達成し、お客様からのお褒めの言葉を倍に増やすことに成功しました。
この経験を通じて、物事を論理的に考え、解決すること を学ぶことができました。
アルバイトでの店舗の失敗体験を解決していく過程が詳細にわかります。
実際のビジネスでも起こりえる事であり、この状況で、的を射た対応を行い、高い問題解決能力が備わっていることがうかがえます。
失敗経験が思いつかない場合
失敗経験が思いつかない人は視点を変えて考えてみましょう。
採用担当者の印象に残るような特別なエピソードを用意する必要はありません。
企業がエントリーシートで失敗経験を質問するのは、「何か努力した経験があるか」と「困難をどのように克服してきたか」を知るためです。
この2点が伝えられる経験があれば失敗経験でなくても構いません。
例えば、受験勉強、今まで所属した部活動やサークル、アルバイトなど、学生生活で経験した、どんな経験でも構いません。
どんな成功した経験の中にも、それまでにあった苦労や困難があり、努力して問題解決をしてきた過程があります。
上記の2点に留意して記載すれば、エントリーシートで求められる内容を充分に満たすことが可能です。
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