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就活の面接で「他社の選考状況を教えて下さい」「当社の他にどのような会社を受けていますか?」と聞かれることがよくありますよね。
実は、この質問に正直に答えると、思わぬ低評価を招く可能性があるのです。
そこで、「他社の選考状況」「他に受けている企業」を聞かれた時の、上手な答え方を例文つきで、解説いたします!
まず、そもそもなぜ企業はこんな質問をするのか?を見ていきます。企業の意図を理解し、回答のポイントをおさえましょう。
なぜ面接官は他社の選考状況を聞くのか(質問の意図)
まず、なぜ面接官はわざわざ「他社の選考状況」を聞くのでしょうか。それは、あなたが「本当にその業界を志望している学生なのか」を確認したいからです。企業は、この質問で、あなたが知名度にまかせて適当に会社を受けている学生ではないかと探っています。
学生の志望の軸を知りたい
学生がどんな会社を受けているかによって、志望度がわかります。同業種の会社を中心に受けているなら、業界への志望度が高いことを伝えられるでしょう。
逆に、業種がバラバラだと、業界を本気で志望しているのか、疑わしくなりますよね。
このように学生の受けている企業を聞けば、「その業界に本気で関心があるか」をすぐに確認できるのです。
一貫した志望軸があるかどうかを知りたい
志望する企業が「ソニー 朝日新聞 三菱商事 アクセンチュア」のような学生は信頼されません。なぜなら、「とりあえず有名なところを受けているだけなのかな」と思われてしまうからです。ミーハーな印象まで与えてしまうかもしれません。
学生が志望している企業に一貫した軸があるかを見て、就活生が「本気で自分の会社を受けに来ているのか」を見ようとします。
就活の軸を定めておこう
他社の選考状況への質問に上手く答えるには、あなたの中で一貫した就活の軸を作っておく必要があります。
ただ、軸をを見つけるのは簡単ではないですよね。そんな時は、「「就活の軸」発見ツール」を活用してみましょう。
就活の軸発見ツールを使えば、簡単なガイドに基づき、自分の「できること」「やりたいこと」を整理していくだけで、面接官も納得する「軸」が見つかります。
就活の軸発見ツールを活用して、あなただけの就活の軸を見つけましょう
他社の選考状況を聞かれた際に気をつけるポイント
面接において気を付けるべきポイントは、「異業種の企業名を出さない」「落ちた企業について話さない」という二点です。
他社の選考状況を聞かれた際には、業界や企業に対する志望度合いに疑いが生じないような回答を心がける必要があります。
面接官が他社の選考状況について質問するのは、業界や企業に対する本気度を測ったり、あなたの就活の軸を知りたいという思惑があるからです。
もちろん、嘘をつく必要はありません。
しかし、真正直にすべてを話すと予期せぬ結果に繋がってしまうこともあります。
他者の選考状況を聞かれたら、気を付けるべきポイントはこの二つです。
- ①異業種の企業名を出さない
- ②落ちた企業について話す必要はない
これらのポイントについて具体的に解説します。
ポイント例1
- ①異業種の企業名を出さない
すべり止めや記念受験等の理由で異業種の企業を受けている場合、そのことは明かさないようにしましょう。
なぜなら面接官が他社の選考状況について質問する理由の一つに、「業種に対する志望度を測りたい」という思惑があるからです。
その中で異業種の企業名をむやみに挙げてしまうと、
「本当はうちの業種なんて志望してないんじゃないかな?」
「他の業種の会社のほうがこの子には適しているんじゃないかな?」
と面接官に思われてしまい、あなたの志望度に疑いが生じかねません。
ただし、関連が強い業種の企業であれば正直に答えても大きな問題はありません。その場合は、
「業種は少し違いますが、〇〇という点において私が志望する業種と関連強い企業と思い選考を受けています。」
というふうに回答し、業種に対する志望度合いが疑われないような工夫をする必要があります。
ポイント例2
- ②落ちた企業について話す必要はない
面接という場で緊張すると、言わなくてもいいことをつい言ってしまうことがありますよね。
他社の選考状況を聞かれた際に、落ちた企業のことにまで真正直に触れる就活生も見受けられます。
しかし、聞かれない限り、不合格になった企業について語る必要はありません。
企業が欲しいのは優秀な学生ですから、わざわざ自分で自分に「他の企業では落ちた学生」とレッテルを貼る必要はありません。
他の企業の選考が順当に進んでいることをアピールしたいのであれば、「〇〇社はこれから三次面接です」や、「△△社は二次面接の結果待ちです」程度の回答に留めると良いです。
他者の選考状況について聞かれた場合は嘘をつく必要も、真正直に話す必要もありませんから、自分の志望度合いが疑われない範囲で回答することを心がけましょう。
他社の選考状況の答え方
一貫した志望軸をつくる
「ソニー 朝日新聞 アクセンチュア 三菱商事」のようなバラバラの志望企業をあげると、「この人は結局、本当にこの業界・会社に来たいのではなく、いい加減な動機で受けているのかな」という印象を与えてしまいます。
これを防ぐには、志望企業を受けている理由を説明する「就活の軸」を答えられるようにすることです。
たとえば、海運業界の会社を受けているなら、「グローバルなロジスティクスに興味があるので、海運・倉庫業界を中心に受けています」と、『ロジスティクス』という軸を伝えます。
「中心に受けている」というのがミソ。この軸に合致しない会社を受けていたとしても、全てを正直に言う必要はありません。(正直に言うと、「軸」を説明するのがとてもむずかしくなるから)
もっとも簡単なのは、「●●業界を中心に受けている」と、志望企業の所属する業界の企業だけをあげること。業界への志望度をアピールできます。もちろん、合致しない企業は、聞かれない限り、言う必要ありません
志望軸・業界に合致する企業だけを語る
質問に答えるときは、「一貫した志望の軸」「共通業界」で語れる企業だけをあげるようにしてください。というのも、やはり学生は数多くの企業を受けるものですので、全ての企業を「一貫した軸」で語るのは不可能だからです。
あげる会社数は、5〜6個あれば十分です。馬鹿正直に受けている数十社を上げる必要はありません。
志望軸の動機をつくる
面接官によっては「なぜその軸で企業を選ぶことにしたの?」と聞いてくることもあります。その質問に備えて、「この志望軸になった理由」を語れるようにしておきましょう。
たとえば、「新規事業創造をしたいから、リクルート、DeNa、GREE等のインターネットを使って新しいビジネスを立ち上げている企業を受けている」と述べたとします。
この軸にさらに説得力を持たせるために、「なぜその軸で就活をしているのか」という動機を語れるようにしましょう。新規事業創造をしたいのなら、なぜ、それがしたいのかを語るのです。人を説得するには、理由が必要です。理由を語れるようにしましょう。
「他社の選考状況を教えてくだい」への回答例文
回答例(IT企業で聞かれた場合の回答)
現在、受けている会社は、NTTデータ、IBM、アクセンチュア(IT)、野村総研(IT)、Oracle、CTC、NSOL等です。企業のビジネスをITで支援し、経営を改革していける企業を中心に志望しております。
先ほども申し上げたように、大学のゼミが経営をITによってどう変えるか、を研究するゼミで、様々なケースを通してITが経営に与えるインパクトを考えてきました。したがって、ITを使って企業のビジネスを支援・改善していける企業に強い興味があります。
回答例の解説
まず、結論から「受けている会社は、A、B、Cです。」と答えているのでわかりやすいですね。
また、「企業のビジネスをITで支援する」という、受けている会社に共通する軸も答えられています。さらに、「なぜ企業のビジネスをITで支援したいのか」も語っているので、しっかりした業界への志望度が伝えられています。
その他の回答例1
金融機関の面接にて
「現在は三井住友銀行、横浜銀行の選考を受けています。私の就活の軸として中小企業を資金面でサポートすることができる仕事を希望しているので、中小企業の支援に強みをもつ三井住友銀行や、地元の中小企業と長きにわたってコネクションを築いてきた横浜銀行は魅力的に感じています。」
他社の選考状況を聞かれた際には企業名を挙げるだけで十分であり、これはその良い例と言えます。
選考を受けている企業の名前だけを簡潔に挙げ、その説明として自分の就活の軸を詳細に話すことで、本気度を面接官に伝えることができます。
業種についても「三井住友銀行、横浜銀行」といったように、銀行で統一されているのは良いポイントです。
むやみに異業種の名前を出してしまうと、「本当にこの学生はこの業界に入りたいのだろうか?」と面接官に疑われてしまう可能性があります。
業種に対する志望度合いに疑義が生じてしまうと面接に落ちてしまう可能性も高まるので、もし他の業種の企業を受けていたとしても、なるべく同じ業種の企業の名前を出すようにしましょう。
その他の回答例2
「ネットフリックスが書類選考の結果待ち、メルカリはこれから一次面接、DNAは一次面接の結果待ちです。
私は大学に入学してからSQLやVBA等のプログラム言語を長く学んできたので、入社後にそれがすぐに活かせる企業に着目しています。
ネットフリックスでは社内で英語を使う機会が非常に多いので、英会話教室で培った英語力も活かせると考えています。」
この例文では企業名に加えて、選考状況についても簡潔に述べています。
落ちた企業については一切触れないでおけば、このように「〇〇社は〇次選考まで進んでいます」「△△社は△次面接の結果待ちです」と言ったように答えても問題ありません。
業種についても「SQLやVBAがすぐに活かせる会社」という基準で統一されていることがわかります。
さらにこの例文では自分が入社後に成し遂げたいことや、それまでに身に着けてきた自分のスキルもあわせて伝えています。
SQLやVBAは万人が持っているスキルではないため、即戦力となり得ることが伺えます。
英語力をもった人材であることも表現していて、多彩な能力を持った人材であるとアピールできていますね。
本番前に面接力を診断しておこう
面接では、身だしなみ、自己PR、志望動機…様々なチェックポイントがあります。どこかに大きな抜けがあると、内定を取るのが一気に大変になります。
思わぬ失敗を防ぐため、志望企業の本番の前に一度、「面接力診断」やっておきましょう。
面接力診断なら、24の簡単な質問に答えていくだけで、あなたの面接力のチェックができます。自己分析、企業理解…主要な分野におけるあなたの実力がレーダーチャートでわかります。
面接力診断で自分の足りないスキルを把握し、対策をしておくことで、万全の状態で本番に臨みましょう。