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面接で「最近読んだ本は何ですか?」と聞かれることがあります。いきなり「最近読んだ本」と聞かれても、正直に答えるべきか、面接用にビジネス書・実用書を答えるべきか迷ってしまいますよね。
そこで、わかりやすい例文をもとに、「最近読んだ本は何ですか?」と聞かれた時の回答法をご紹介します。
面接で「最近、読んだ本」を質問された時の回答例
まず、先に、面接で「最近読んだ本」を聞かれた時の的確な回答例を見てみましょう。回答例を読めば、回答のポイントが直感的に理解できるはずです。
最近読んだ本は「脳を鍛えるには運動しか無い」です。
脳のパフォーマンスを上げることは仕事のパフォーマンス向上にも繋がると感じ、最近は脳科学に関する本を読みあさっています。これはその中でも特に好きな一冊です。
この本は運動が脳に与えるプラスの影響を、様々な研究成果を元に解説している本です。これによれば、運動は認知能力や自制心を劇的に伸ばし、仕事のパフォーマンスを大きく向上させます。
たとえば、事前に運動をするだけで、その後行う株式トレードのシミュレーションの結果が、何もしない比較群よりも20%も良くなるのです。
この本を読み、運動が脳に与えるプラスの影響を知ってから、週3回のジョギングを欠かさず行うようにしています。
【質問の意図】面接官が「最近読んだ本」を質問する理由とは?
学生の興味・関心・価値観を知りたい
リクルートの調査によれば、企業が採用において重視するのは、「人柄」です。「どんな本を読んでいるか?」には、その学生の興味関心・性格が反映されます。どんな本を読んでいるかを聞き、学生の人柄・興味関心を把握しようとしています。
学生の知的好奇心を知りたい
「どんな本を読んでいるか?」には学生の知的好奇心や情報感度が現れます。たとえば、恋愛小説ばかり読んでいる人と、実用書ばかりを読んでいる人では、知的好奇心や情報感度が違いますよね(恋愛小説が悪いわけではありません。)
企業は、「最近読んだ本」を聞き、学生の知的好奇心・情報感度を把握しようとしています。
個人の思想で採否決定することはタブーとされる
注意すべきこととして、現在では、応募者の適性や能力に基づいた公正な採用選考が推進されています。厚生労働省の公正な採用選考の基本では、本人の責任のないもの、個人の思想信条への質問は、配慮すべき質問事項とされています。
尊敬する人や、座右の銘、政治、思想に関する質問は、個人の思想信条の自由とされているので、面接でこれらについて質問をして採否決定をすることは、就職差別につながります。
個人の思想を問う質問をする企業はほとんど無いと考えられますが、もし志望企業で質問されたときは、選考をそのまま受け続けるのか、就活生が企業を選択する判断基準にしたほうがいいでしょう。
面接評価シートで、面接官の意図を理解しよう
ここまで解説したように、面接では、面接官の質問意図を理解し、回答を考える必要があります。
面接官の意図を理解するには、「面接官の視点がわかる!面接評価シート」を活用してみましょう。
面接評価シートとは、企業の人事が学生を評価するために使用しているシートのことです。このシート内の評価項目をチェックするために、学生に様々な質問をしているのです。
面接評価シートを確認しておけば、面接官がどんな意図でその質問をしているのかがわかり、面接で圧倒的に有利になります。面接評価シートを活用して、面接官の視点を手に入れましょう。
面接で「最近、読んだ本」を質問された時の的確な答え方
1.背伸びをする必要はない
学生は、人事から良い評価を得ようとして「最近読んだ本は、トマス・ピケティの21世紀の資本です」「ドラッカーのプロフェッショナルの条件です」と、背伸びをした回答をしがちです。
本当に興味があって日頃からその類の本を読んでいるなら良いのですが、無理をすると、どうしても「凄い本だと思いました」等、薄っぺらい回答になってしまいます。
無理をする必要はなく、最近、自発的に読んだ本を答えましょう。ただ、仕事の面接ですから、小説よりは教養書・実用書・経済書が好ましいです。
- Amazonのレビューのみを抜粋している
佐藤航陽さんの「お金2.0」を読みました。たまたま見ていたテレビにコメンテーターとして佐藤さんが出演しており興味を持ったため読みました。
お金を通じて世の中の価値観がどう変化しているかがわかり、これからの仕事と生き方を考えさせられました。
2.漫画・雑誌は控えよう
学生の中には、漫画や雑誌を「最近読んだ本」として答える人がいます。しかし、人事の中には『漫画・雑誌は読書ではない』と考えている人も多いので、控えましょう。
- マンガしか読んでいないが、ビジネス書としても人気であるというニュースに基づきコメント
原泰久さんの「キングダム」です。1巻から全て読んでいます。古代中国を描く歴史漫画ですが、現在のビジネス環境とキングダムに描かれている世界は、予測不可能な時代で、個人の可能性が重視されているという部分が共通しているため、今後も参考にしていきたと思っています。
3.どう面白かったか?興味深かったかを伝えよう
この質問は、「どんな本を読み、どんな点に関心を持ったか?」を伺い、あなたの関心・価値観を把握しようとしています。
だから、単に本を答えるだけではなく「どんな点が面白かったか?興味深かったか?」をあわせて答えるようにしてください。
面接官が「その本を買ってみたい!」と思わせられる回答を目指しましょう。例文のように、「その本の中で紹介されている興味深いエピソード」を回答の中に入れると、相手の関心を引く回答ができます。
河合雅司さんの「未来の年表」です。2065年までに起こると予測された事態や社会変化から、改めて少子高齢化を考えさせられました。紹介されていた「2042年問題」の担い手は自分たちであるということを再認識し、読んだゼミの仲間と本書のデータなどを基に議論を重ねています。
4.どんな影響を受けて、自分の行動はどう変わったか?
「本で学んだ知識を、実生活にこんな風に活かしている」と語れば、知的好奇心や向上心をアピールできます。本で学んだ知識を糧に成長できる人は、仕事においてもスポンジのように知識を吸収し、成長できる人だという印象を与えられるでしょう。
あなたが読んだ本に影響を受けたことがあれば、その点について触れてください。
稲盛和夫さんの「生き方」です。仕事をするうえで正しい考え方が、とてもわかりやすくまとまっていました。ゼミやアルバイトの中で、苦手なことは敬遠していましたが、真面目にしっかりと取り組むば糧となると考え、最初に苦手なことから手をつけるようになりました。
面接で「最近、読んだ本」について質問された時の回答例
私が最近読んだのは、伊藤羊一さんの「1分で話せ」というビジネス書です。
この本は、相手を動かすという目的のために、1分間で大事なことだけを簡潔に伝える方法を紹介している本です。
私は友人や教授から「言いたいことのポイントがわかりにくい」と指摘されることが多く、話し方で悩んでいた際に、書店で見つけました。
伝える相手のことが自分はわかってなかったことに気づき、現在は聞く側のことを考えて、要点を簡潔に話すことを意識しています。
ちょうど1分ですが、この限られた時間の中でも、この本の良さが伝えられたと感じています。
話題のビジネス書を紹介し、自身で実践していることまでアピールが出来ています。
その場で応用ができている点も好印象につながります。
書店で本を探している中で出会っていることからも、情報に対する感度の高さやアンテナの広さを感じることができます。
最近読んだ本は、「嫌われる勇気」です。
現状を変えるきっかけを探していた時に、新聞で紹介されているのを見つけました。
私はアルバイトにおいて、他者の失敗を自分のことのように考えてしまったり、意見が合わないと嫌になって辞める、ということを繰り返していました。
当書を読んでからは、「課題の分離」という、他人の課題と自分の課題を分離し、相互に介入しない考え方を学びました。
目に見える貢献でなくても貢献感を持てればいい、と考えられるようになり、現在は失敗を恐れずに自分らしくチャレンジすることができています。
その結果、現在の飲食店でのアルバイトでは、リーダーを任されるようになりました。
書籍を読んで学んだことと自分の学生生活に役立てていることがわかるため好印象です。
ビジネス書や自己啓発書は、読むだけで終わらずに、実践することで、自分にとって意味があるものかがわかります。
このように読書体験から具体的に実践したエピソードを紹介すると、回答がより深いものとなります。
面接で「最近、読んだ本」について質問された時の回答例
スティーブン・R・コヴィーの「7つの習慣」です。
父に勧められたので、読みました。
自分を変えることで相手を変えるというアプローチや「緊急ではない重要なこと」を優先するべきという考え方に驚きました。
この本に書いてあった原理原則を実践して、豊かな人生を送りたいと感じました。
自身でどんなことを課題に思っているのかが見えにくい内容になってしまっています。
父親の勧めとあるが、受け身なのか、抱えている課題から選んでもらった本なのかも見えにくいです。
なぜ、その本を読んだのか、学んだことを活かして、今後はどういったことに力を入れたいかがわかると面接官の印象が変わります。
サッカー日本代表のキャプテンを長く務めた長谷部誠さんが書いた「心を整える」という本です。
長谷部選手を、幼少期から応援しているので、選びました。
どんなことに気をつけて普段の生活をしているのか、試合以外の日常面を知ることができて、もっと好きになりました。
1人のファンとしての感想に留まってしまっているため、何を学んだかがわかりにくいです。
心の乱れを防ぐための方法や、普段から地道に努力をしている姿勢など、
試合でのパフォーマンスにつながる面からも、ビジネスマンでも学ぶことの多い書籍であると思います。
学んだことと自身に取り入れたいことを意識すると、面接官の印象が変わります。
西野亮廣さんの「新世界」を最近読みました。
就活をする中で、お金について興味を持ったためです。
この本では、これからの時代の生き方についてが紹介されています。
相手から信用を得ることで受け取れる情報こそが現代の武器になると感じました。
私も様々なことに前向きに挑戦して、周りからと信用を得られるようにしたいと思います。
今後ポジティブに活動できると感じさせる点は評価ができますが、
お金のことを学びたいと考えて選んだ本にも関わらず、お金に関する紹介がありません。
選んだ理由と今後のつながりを、しっかり整理して準備する必要があります。
本番前に面接力を診断してみよう
面接では、身だしなみ、自己PR、志望動機…様々な評価項目があります。どれか一つに大きな抜けがあると、内定を取るのが一気に大変になります。
思わぬ失敗を防ぐため、志望企業の本番の前に一度、「面接力診断」やっておきましょう。
面接力診断なら、24の簡単な質問に答えていくだけで、あなたの面接力のチェックができます。自己分析、企業理解…主要な分野におけるあなたの実力がレーダーチャートでわかります。
面接力診断で自分の足りないスキルを把握し、対策をしておくことで、万全の状態で本番に臨みましょう。