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就活の面接といえば、「志望動機を教えてください」や「自己PRをしてください」といった質問を想定している人が多いでしょう。
これらの一般的な質問をして型通りの方法で面接をおこなう企業がある一方で、ざっくばらんに雑談形式で面接をする企業もあります。
次面接のところ口コミ見てたらまた雑談面接らしいわ。雑談で志望度が伝わらないって落とすならガチガチ面接してよ。
— なつき 22卒 就活垢 (@0YAIdhZXbFETxEa) April 8, 2021
1時間かかるって言われた面接30分で終わったしほぼ雑談だったんだけど大丈夫そ????落ちたかな
とりあえず終わったからいいや!
カラオケでも行こ— 22卒の就活女 (@shuukatsu__22) April 12, 2021
SNSでも雑談面接を経験したと22卒の就活生がツイートしています。
雑談形式とはいえ、型通りの面接と同様に選考であることは変わりありません。では、雑談形式で志望度を伝えるにどういった点に気を付けるべきでしょうか。
この記事では、雑談形式の面接ならではの特徴や攻略のポイントを解説します。
実はいろいろ! 面接が雑談形式になるパターンとは
一般的な面接に備えた対策を教え込まれている就活生にとって、雑談形式の面談は目的がわからず何を見られているのか戸惑うものです。
雑談形式で面接をおこなう狙いは企業によってさまざまです。狙いがわからなければ自分の対応の良し悪しを判断することも、次に備えて対策することもできません。
まずは面接が雑談形式になる理由を知っておきましょう。
①学生の本質や素の姿を見たかった
しっかりと対策をして面接に臨んでいる就活生であれば、「志望動機を教えてください」「あなたの長所はなんですか?」のような定番質問は当然想定しており、回答も準備しているはずです。
しかし、自分をよく見せるためにあらかじめ準備してきた言葉では、就活生の本質はわかりかねます。決まりきった質問ではなく雑談をされると、就活生は回答を準備していないため、とっさに素の自分が出たりありのまま今思ったことを話すしかなくなります。いわば仮面が外れた状態です。
そこで初めて就活生の人柄や仕事に対する考え方、取り組む姿勢など本質の部分や、日常におけるコミュニケーションスキルが見えてくるのです。
②これまでの面接の確認程度のつもりだった
特に最終面接など選考の後半でよくあるパターンが、それ以前の面接ですでに内定を出すことが決まっていて、確認のための面談という位置付けの場合です。
最終面接は役員や社長が担当することが多いですが、それ以前の面接官に決定権がほぼ委ねられている場合、最後は合否の判断というよりも「この学生に内定を出しますよ」という最終的な承諾を得る目的でおこなわれるのです。内定を出した場合に入社してくれそうか、という意思確認が雑談の中でおこなわれるケースもあります。
また、経営陣の登場は就活生にとってインパクトがありますし話の重みも違うため、入社を決めてもらうために自社に対する魅力づけの一環としておこなわれていることも考えられます。
③面接冒頭ですでに合否を決めていた
面接の冒頭ですでに不採用が決まってしまったために、雑談のみで終わるケースがあります。不採用が確定したなら詳しい話を聞く必要はありませんが、とはいえ面接を中止にして「帰ってください」というわけにもいかないので形だけはおこなうケースです。
冒頭で不採用が確定するにはいくつかの要因が考えられます。
- 面接日程が決まるまでのやりとりで失礼があった
- 履歴書の空白が多くて熱意が感じられない
- 誤字脱字が多い、書き方が雑で適当な印象を持たれた
- 会場到着時や入室時のマナーが悪い、身だしなみが整っていない
選考は面接そのものだけで決まるわけではなく、その前の対応から始まっているのです。
雑談形式はスキルの高い採用担当者の選考方法
雑談形式では、自分の考えが正確に採用担当者に伝わっているのかわからないと考える人もいるかと思いますが、雑談形式での面接は実はスキルの高い採用担当者がおこなう形式です。
「志望動機を教えてください」「あなたの長所はなんですか?」の質問の振り方を就活生は当然想定しており、回答も準備しています。
入念に練って暗記してきた回答をそのまま伝えるでしょう。
準備してきた言葉では、就活生の本質は分かりかねます。就活生の人柄や仕事の選び方など、本質を探るためには雑談形式で深ぼる面接のやり方は効果的なのです。
採用担当者は雑談面接で何を見ている?
雑談形式の面接で忘れてはいけないのは、雑談といえども面接は面接であり、しっかりと見ているポイントがあるということです。
しかし面接官が見ている点は通常の面接とは異なります。ということは、やるべき対策も違うのです。評価ポイントがわからなければ対策のしようがないので、まずは面接官が見ているポイントを押さえておきましょう。
就活生の本音や素の姿
雑談形式の面接では、就活生もリラックスして話しやすくなります。「志望動機を教えてください」とガチガチの質問をされると、用意していた丸暗記のテキストを伝えたり、緊張からうまく言葉が出てこなくて何も伝えられなかったりする場合があります。
しかし趣味や大学生活の話など自分が比較的話しやすい話題を振られると、面接に対する警戒心が溶けて自然に話せるのです。
予想していた展開ではないため始めは慌てるかもしれませんが、面接なので何か回答しなくてはいけないという気持ちとリラックスした雰囲気から、次第に自分の言葉で話せるようになります。
用意された言葉ではない、その場で出てくる言葉こそが本心であり、面接官が知りたい部分なのです。
コミュニケーション能力のチェックにもなる
雑談形式の面接では、就活生の本音を知ることが大きな目的ですが、コミュニケーション能力をチェックする目的もあります。
事前に準備ができる通常の面接とは違い、雑談形式では質問に対してその場で対処しなければなりません。コミュニケーション能力がないとそこから会話を続けることが難しいのです。
準備をしていることならスムーズに回答できても、予測していないコミュニケーションとなると苦手な人も多いです。実際に入社してほかの社員や取引先、顧客とコミュニケーションをとる際は、面接のような決まったパターンがあるわけではありません。そのときに会話のキャッチボールがスムーズにできるかどうかを見られているのです。
コミュニケーション能力が求められているとわかると、「すぐに答えなくてはいけない」「面白い会話をしなくてはいけない」と思いがちですが、そうではありません。質問されたことへ、的確に回答できるかが求められています。
学生の人柄
型通りの面接でも見ているポイントではあるのですが、その場合は「強み」や「学業・部活・アルバイトなどへの取り組み方」「仕事に対する考え方」などが中心になります。
一方、雑談型式の面接では友人や家族とのかかわり方やプライベートな時間の過ごし方など、もっと日常に近い部分を知ることができます。大人数で騒ぐことが好きか静かに一人の時間を大切にしたいか、休日はゆっくりしたいのかアクティブに動きたいのか、などです。
仕事をするうえでは強み・弱みも重要ですが、会社という組織に入って働く以上はほかの社員と円滑にコミュニケーションを取り仕事を進めていくことが欠かせません。そのために就活生がどんな人なのか、自社の社員に馴染めそうか、仕事そのものとは違った角度でマッチングを確かめているのです。
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こんな対応ができていればOK! 雑談面接の振り返りポイント
雑談面接を想定していなかった場合、終わってから「これでよかったのかな」と不安に思うのではないでしょうか。もちろん企業によって評価されるポイントは異なりますが、多くの企業で好印象につながる基本的な対応を4つ紹介します。
この対応ができていれば、少なくとも雑談面接をおこなう面接官の意図は理解できていたと考えられますし、選考通過の可能性が高くなります。面接を振り返って、自分の対応はどうだったかチェックしてみましょう。
①これまでの面接と一貫性を持った回答ができていたか
雑談のなかでも仕事に対する考え方や過去の経験を探る質問が散りばめられているはずなので、過去の面接で話したことと矛盾がなかったか振り返ってみましょう。
特にエントリーシートや以前の面接での回答において話を盛ったり建前で話していた場合は、雑談形式になったことによって油断して本音が出てしまっている可能性があります。回答に一貫性がないと、「嘘をついている」「考えが定まっていない」と判断されて選考通過は難しくなります。
面接で嘘をついていないことは大前提として、以前に話したことを踏まえた回答ができていれば選考全体を通して伝えてきた内容に信憑性が増し、好印象を持ってもらえているはずです。
②雑談のなかでも自分の強みをアピールできていたか
雑談形式の面接だとしても面接官の目的は楽しくおしゃべりすることではないので、意図を理解して自分の強みや目指す将来像などをアピールできている必要があります。
面接が終わったときに「雑談で終わったけどなんだったんだろう?」と思うのは、意図が理解できていない証拠です。それでは雑談を通して面接官が知りたかったことを伝えられていない可能性が高く、評価にはつながりません。
具体的な質問と回答例は後ほど解説しますが、あくまでも面接だということを忘れずに、チャンスを逃さず強みをアピールできていれば、選考突破の可能性が高いと考えられます。
③一問一答ではなくスムーズなコミュニケーションが取れていたか
コミュニケーション能力が見られている雑談形式の面接では、「会話のキャッチボール」ができていたかが重要です。通常の面接のように質問に対して回答して終わりという一問一答スタイルでは、淡白な印象を持たれてしまい雑談面接の機会を活かせなかったということになります。
「コミュニケーション能力」というと話がうまいことを想像する人が多いですが、むしろ「話を聞く」「相手に気持ちよく話してもらう」という能力が重視されるケースも多いです。
こちらからも面接官に質問を投げかけたり積極的に同意を示したりして、「話すこと」にとどまらないコミュニケーション能力を見せることができていれば、好印象を持ってもらえている可能性が高いです。
④気を抜かずに丁寧な対応ができたか
雑談形式の面接は素を見ることが目的だと前述しましたが、それは友人や家族など気の知れた人といるときの様子を見たいということではありません。一次面接など早い段階のでは特に、良いところを評価するだけではなく、悪いところがないかというマイナスポイントもよく見られています。
一次面接は面接の中でももっとも志望者が多いため、「受かる人」よりも「落とす人」を決めることが多いからです。楽しく雑談をする中で緊張がほぐれるのはいいのですが、それが行き過ぎて言葉遣いや態度が悪くなるとマイナスがどんどん加算されてしまいます。
たとえば「〜っす」のような言葉づかいや語尾を伸ばした話し方、一人称が「俺」などの口語体になっていなかったか振り返ってみましょう。加えて、椅子にもたれかかる、脚を組む、机がある場合は肘をつくなど、普段の姿勢が出ていたかも評価ポイントです。
あくまでも面接だということを忘れずに、最後まで姿勢を崩さず丁寧な言葉遣いで対応できていたのなら、好印象を持ってもらえているはずです。
こんな反応はどう? 面接官の反応から見る合否の可能性
面接が終わったあと結果が出るまでは、結果が気になって落ち着かないものです。特に雑談面接では、手応えがあるかどうか判断がつきづらいのではないでしょうか。
ここからは面接中の面接官の反応から見る合否の可能性について解説します。もちろん「可能性がある」だけであって正式に結果が出るまで確定ではないので、もしも今後の雑談面接で不採用のサインがあったとしても、最後まで諦めずに精一杯アピールしましょう。
①ほかの企業をすすめられた
面接の中でほかの企業や職種をすすめられた場合、残念ながら不採用の可能性が高いです。当然ながら企業側としては「内定を出す=入社してほしい」ということなので、選考通過となる場合はわざわざ他の選択肢を与えて入社の可能性が下がるようなことはしません。
就活生自身に何か問題があるわけではなく単にその企業にはマッチしないだけという場合、「もっと強みを活かせる仕事があるのに」という想いから適職を教えてくれることがあるのです。
しかし、雑談面接でありながらも圧迫面接の手法を使って「〇〇の仕事の方が合うんじゃない?」と質問されるケースもまれにあります。その場合は切り返しの仕方や自社への志望度の高さを確認するために質問をしており、ほかの企業をすすめられたから100%不採用とは限りません。
②自社について詳しく説明してくれた
主に最終面接で、会社の魅力やどんな社員がいるか、入社後にどのようなことができるかなど自社について詳しく説明してくれた場合、内定が出る可能性が高いといえます。
本来面接とは企業が就活生のことを知ることが主な目的です。その時間を割いて自社について説明してくれるのは、すでに就活生のことは十分に理解して内定が確定していると考えられます。入社を決めてもらうために自社のアピールのフェーズに入っており、就活生と企業の立場が逆転しているのです。
また、内定者研修や内定式、入社式、新入社員研修など内定後の流れについても内定を出すつもりがない人にとっては関係ないことなので、説明された場合は内定の可能性が高いです。
③企業への想いに同意してくれた
「なぜその企業に入社したいのか」「入社後何に挑戦したいのか」など、その企業に対する想いを語ったときに同意や賞賛が得られた場合は選考通過の可能性が高いです。
企業が内定を出す条件として「自社の事業に共感してくれる」「入社後の活躍が期待できる」などが挙げられますが、同意してくれるということはこれらの条件を満たしていると考えられます。
「よく理解してくれているね」「ぜひ挑戦してほしい」などの前向きな言葉をかけられた場合は、特に内定に近いと判断できます。
ただし、これはあくまでも「企業に対する話」の場合であって、趣味の話など純粋に雑談に対する同意は合否の基準にならないので混同しないよう注意しましょう。
④終始和やかな雰囲気で雑談だけして盛り上がった
終始和やかな雰囲気で面接が盛り上がった場合、手応えありと感じて選考通過を期待してしまう人も多いはずです。しかし、働くことに対する考え方や入社後にやりたいことなど仕事に関する話で盛り上がったのであれば通過の可能性は十分に高いですが、本当に「雑談のみ」だった場合は不採用の可能性があるので注意しましょう。
面接序盤で態度やマナーに問題があった場合など、すでに不採用だと決めているからあまり深い話をする必要はなく、時間稼ぎとして雑談をしているケースがあります。最初だけ型通りの面接をおこなって、早々に雑談に切り替わった場合も同様です。
不採用だからとひどい対応をするとSNSなどで悪評が広まってしまう時代です。またその学生は今後自社の顧客やクライアントとなる可能性もあります。悪い印象を持たれないように和やかな雰囲気で面接を進めていると考えられます。
次こそ絶対突破! 雑談面接前にやっておきたい対策
通常の面接の対策がばっちりだからといって雑談面接でもうまく答えられるとは限りません。雑談面接のための対策が必要になります。
突然の雑談面接でどうしていいかわからなかったという人も、これから紹介する対策をしておくことで、もしもまた雑談面接に当たったときにうまく対応できるようにしておきましょう。
アピールしたいことをキーワードにしておく
雑談面接では型通りの面接以上に、質問を予想して準備しておくことが困難です。また、実際にその場に行ってみないとどちらの形式の面接かはわかりません。だからこそ、いつ雑談面接がきても対応できるように、自分がアピールしたいポイントをキーワードとして把握しておく必要があります。
たとえば強みとして「社交性」というキーワードを持っていた場合、大学やアルバイトに関する話題が出てきたときに「誰とでもすぐに仲良くなれる」というエピソードを交えてアピールすることができます。
通常の面接では強みを聞かれたときに答えるケースが多いですが、「この質問が来たらこの回答」と決まりきったパターンでしか準備ができていないと、雑談面接に対応できません。キーワードとして押さえておいて、アピールできるタイミングが来たときに効果的に使えるようにしておきましょう。
時事問題をチェックする
雑談の中で時事問題に関する話題が出てくることがあるので、ニュースのチェックも欠かせません。こういったたわいもない雑談からはコミュニケーション力が見られます。社会に出てからも時事問題が仕事に影響を与えるケースは多々あるので、今から情報収集の練習をしておきましょう。
ネットニュースでも見ないよりはいいのですが、どうしても得られる情報に偏りが出がちなので、新聞をチェックすることが理想的です。最近は電子版が出ている新聞も多いので、スマホでSNSを見たりゲームをしたりしている時間を1日10分でも情報収集に回すことで、時事問題に関する知識が一気に増えます。
すべてを網羅することは難しいため、まずは新聞の一面に掲載されているものを中心に政治や経済、環境問題などに関する大きなニュースの概要を押さえておきましょう。併せてその中でも特に気になるニュースを1〜2個ほど詳しく理解しておくと、関心のある話題について突っ込まれたときに慌てず対応できます。
雑談面接の注意点
ここまでで雑談面接で見られているポイントや合否の基準がわかってきたのではないでしょうか。それを踏まえ、雑談面接で回答する際に気をつけるべきポイントを3つ解説します。
いくら対策をしていい印象を持ってもらうことができたとしても、マイナスになる対応をしてしまっては台無しです。雑談面接の場を最大限に活用するための注意点を押さえておきましょう。
選考だと忘れてルーズになり過ぎない
雑談形式の面接が始まったら、自分が選考を受けていることを忘れずに、ルーズになりすぎないように注意しましょう。
面接はどうしても緊張するものですが、採用担当者が気さくに話しかけてくると、急に緊張がほどけがちです。しかし採用担当者がフランクだからと言って、気を抜きすぎて失礼な態度をとらないように注意しましょう。
リラックスしすぎてしまうと、回答や口調がルーズになってしまったり、うっかり足や腕を組んでしまうなど、普段の様子が面接の場で現れて減点要素になってしまいます。
「はい」「いいえ」と単語で終わらせずに自分の考えを伝える
雑談形式の面接では、普段の会話と同じように進むため、質問内容次第では「はい」と「いいえ」の意思表示だけで回答できるものもあります。
しかし、意思表示の言葉だけで完結に回答してしまうと、会話のキャッチボールになりません。
面接官はただ雑談をしているわけではなく、雑談の中で就活生の人柄を知り、コミュニケーション能力を見ています。
そのため、「はい」や「いいえ」だけで回答してしまうと、人柄が伝えられないだけでなく、コミュニケーション能力がないと思われてしまいます。場合によってはアピールする意思がないとみなされ、志望度が低いとも判断されかねません。
会話を広げ、自分を知ってもらうことが重要であるため、一言で完結してしまう回答は避けましょう。
趣味などの話だけで終わらせない
前述したように、雑談とはいえあくまで面接なので、楽しく話すだけでは足りません。自分の強みをアピールすることを常に意識する必要があるのです。
たとえば趣味について問われた場合の回答例を見てみましょう。
体を動かすことがリフレッシュにもなるので、社会人になっても続けていきたいです。
NG例はただの雑談でしかありませんが、OK例では小学校からずっと続けている継続力や、自分のリフレッシュ方法を知っていることが垣間見えます。自分の強みやそれを裏付けるエピソードを用意して面接に臨んでいるはずなので、伝えるチャンスを逃さず雑談の中で自然に取り入れましょう。
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雑談面接の質問と答え方の例
「雑談の中で自分をアピールする場」「会話のキャッチボールが重要」と述べてきましたが、とはいえいざ雑談面接でどう答えるべきかイメージできていな人もいるはずです。ここからは実際に雑談面接で聞かれることがある質問と、それに対する回答例を紹介します。
雑談の中で自然に強みをアピールするコツを掴み、同様の質問がきた場合に自分ならどう答えるかを考えておくことで、雑談面接に対応できるようにしておきましょう。
サークルの幹部って人数多くて大変じゃなかった?(回答例)
はい、正直に申しますと大変でした。そもそも大人数をまとめた経験はそれまでに無かったので悩みは多かったです。
十人十色の人たちを相手に自分はどのように振舞えばいいのか、どうしたら誰一人も辞めずに、サークルを一緒に盛り上げてくれるのか、一つのイベントをするにも全員の意見をどのようにまとめればいいのかなど、悩んだことを数えればきりがありません。
しかし共通して学んだことは、一人で背負い込んではいけないということです。
私一人でできることも、思いつくことも限られています。こういうことで悩んでるんだ、と人に相談するのは勇気がいりましたが、勇気さえ出せればみんながしっかり話を聞いてくれます。
この回答では過去の悩みを複数挙げることで、人柄がより伝わりやすくなっています。人は自分をアピールするときは長所だけを話しがちですが、短所や悩みについても話すことで、聞き手に親近感を持たせることができるのです。
登山キツいのによく続けられるね!(回答例)
登山はキツいからこそ、続けられていると思っています。初心者の頃は山の歩き方もまったく知らず、無駄な手足の動きで体力を必要以上に使うことばかりでした。
登っている間に”私はなんでこんなことをやっているんだろう”と思う瞬間もありました。でも、登り切った後の爽快感は格別です。友達と登りきると共通の良い思い出が作れて、信頼関係が深まる気がしています。きっとこれは、仕事にも通じるものがあるのかなとも思っています。就職後は仲間と大きな仕事を成し遂げてみたいです。
もしよろしければ、〇〇さまのご趣味も聞かせて頂けませんか?新しい趣味を発見したいと最近思っていたので、ぜひ参考にさせてください。
この回答では仕事にも通じる話を、自分の趣味に絡めて伝えられています。さらに雑談形式の面接なので、採用担当者に質問を返すことで、自然なコミュニケーションを生み出せています。
就職活動大変でしょう
はい、慣れないことやうまくいかないことが多く大変ではあります。ですが、就職活動をする中でやりがいを持って働いている社会人の方々の話を伺い、働くことが楽しみになってきました。
最初は卒業したら働かなければいけないからとなんとなく就職活動をしていたのですが、せっかくなら仕事を楽しめた方が絶対に人生が充実すると思い真剣に向き合うようになり、今は多くの方からお話を伺えることが楽しみになっています。
よろしければ、〇〇さまにとっての仕事の楽しさをお聞かせいただけませんか?
大変なら大変と素直に答えて問題ありませんが、愚痴やネガティブな発言をしないように注意が必要です。
大変な中でも頑張れている理由や、就職活動をやっている中でよかったことを中心に話せると、仕事に対しても前向きに取り組む姿を想像してもらえます。大変だと感じない場合も、それはなぜなのか、楽しめる理由などを伝えましょう。
学校は楽しい?
はい、今は特にダンスサークルの活動がとても楽しいです。3ヶ月後に学内で発表会があるので、そこに向けて準備に力を入れています。
曲目やチーム分け、振り付け、衣装など一から考えなければいけないことがたくさんあるので大変ではありますが、協力して進めているところです。
私は振り付けを1曲担当しているので、チームメンバーの得意なことややってみたいことを聞きながら、一人ひとりの見せ場を作れるように考えています。
この質問では、単純に「友達と楽しく過ごしているか」ということを聞かれているのではありません。
サークルやゼミ、授業などに主体的に取り組んでいる様子を伝えることで、学生の本分である学校生活をしっかり果たしていることをアピールしましょう。
この回答では、一人で決めるのではなくしっかり周りとコミュニケーションをとりながら進める姿勢も伝わります。
お酒は好き?
最近少し飲むようになったのですが、正直なところまだあまりおいしさは分かっていません。ですが、サークルやゼミでの飲み会の場は楽しくて好きなので、飲み過ぎない程度に参加するようにしています。
夏の仕事終わりにビールのおいしさに気づくと聞いたので、ビールをおいしく飲める社会人になりたいです。〇〇さんはどんなお酒がお好きですか?もし飲みやすいものがあれば教えていただきたいです。
本当にお酒が好きかどうかを知りたいわけではなく、社交性を見ている質問です。
社内でのコミュニケーションのためでもありますが、特に営業職などで接待がある場合、飲み会の場が苦手なことが仕事に不利になることがあります。無理にお酒好きを装うよりも、その場を楽しめることをアピールしましょう。
雑談形式の面接も評価の対象!気を抜かずにアピールをしよう
仕事や選考とは関係のない話題で進むことも多い雑談形式の面接ですが、ただ会話をしているだけではアピールになりません。そのため、雑談の中で何を伝えたいのかを意識する必要があり、アピールしたい内容は何らかの形で盛り込むようにしましょう。
表面的な会話のみで終わらないように注意して、必ず伝えたい内容はどこかに組み込んで伝えることが大切です。
ただ好きなスポーツやバンド、映画など共通の趣味が見つかり、距離が縮まることもありますが、話が盛り上がった=評価されるというわけではありません。
ただ楽しいだけの雑談の時間になってしまうと、自分の強みや採用メリットをアピールできず、評価されないこともあります。
テンポよく会話をし、距離感を縮めることも大切ですが、それ以上に自分らしさをアピールし、採用メリットを示す重要性のほうが高いことを理解して面接に臨んでくださいね。