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入社後の目標や取り組みたいことは、志望動機や自己PRと同じようにESや面接で聞かれやすい質問の1つです。
しかし、回答を考えずに面接官から質問された場合、「入社後」という未来の目標について、どのように回答すればいいのかわからない人もいるでしょう。
ここでは、入社後の目標について、面接官が質問する理由や、回答の仕方について解説します。これを読めば企業に刺さる「入社後の目標」の回答が作れるはずですよ。
入社後の目標を質問する理由
企業が面接で「入社後の目標」を質問するのには理由があります。企業の面接担当者は、限られた時間の中で、応募者の適性やポテンシャルを評価しなければなりません。入社後の目標は、それらを図るのに非常に適しています。
企業の質問意図を具体的に理解しておけば、事前に採用担当者に刺さる回答を準備できます。事前準備が万端であれば、当日は自信を持って答えられるでしょう。そこでここからは、企業が入社後の目標を質問する理由を解説します。
業務理解ができているか
入社後の目標を質問する1つ目の理由は、業務内容をしっかりと理解しているか確認するためです。
業務を正しく理解したうえで目標を設定できているかどうか、企業が掲げる理念やビジョンに沿った内容になっているかどうかを見ることで、学生がどれだけ企業を調べているかを判断することができます。
仮に企業の業務内容からかけ離れた目標や企業の方向性と全く異なる目標を設定してしまうと、企業研究が不十分だと感じられ、良い評価は得られないでしょう。
そのため、同じ業界や職種の選考を受けた経験があったとしても、慢心することなくその企業の業務内容をしっかりと確認しておくことが大切です。
入社意欲は高いか
入社後の具体的な目標を持っているかどうかで、学生がその会社の入社を真剣に考えているかどうかという、入社意欲の高さが判断されます。本当に入りたい!と思っている会社であれば、自然と企業研究や業界研究にも力が入るでしょう。
意欲的に就活に取り組むことで「入社後はこんな風に働きたい!」というイメージも自然と想像できるようになるものです。
反対に、その会社で働く以前に、入社すること自体が目的になっていると、入社後、どのように働いていきたいかを考えるのは困難です。
そのような人材は「第一志望じゃないのかも」「入社しても成長意識が低いだろう」と考える企業も多く、内定辞退や離職のリスクがあると判断されて、不採用となってしまう懸念もあります。
目標に向かって努力ができるか
新卒採用担当者にとって、応募者が目標に向かって努力ができる人材かどうかも採用基準の1つ。これは、目標があるということは、たとえ困難な状況に陥ってもその目標に向かって、仕事を投げ出さずそして諦めずに取り組めるだろうと判断されるためです。
そしてその目標が無謀ではない大きな目標かどうかという「目標を設定する力」も同時に測られています。目標があれば頑張れるといえど、その目標が到底かなえることは難しい大それた目標であれば、頑張るモチベーションを保ち続けるのは難しいでしょう。
目標を立てるだけでなく、その達成に向けて建設的なプロセスを決められるものなのかどうかも重要な評価ポイントなのです。
どのように努力できるか伝えるためには、明確な目標だけでなく、リアルなアプローチ方法まで話すようにしましょう。
企業でできることと希望のミスマッチがないか
学生が入社後取り組んでいきたいことと企業でできることにミスマッチが起きる可能性は十分に考えられます。
入社後に、学生が「自分が考えていたことができない」「自分の目標には届かない」と考えた場合、自分の目標をかなえられる企業に行こうとして最悪の場合早期退職を選ぶ可能性があります。それは学生としても企業としても好ましくはありません。
採用担当者は、入社後の目標を事前に確認しておくことで、応募者の希望と企業の社風や価値観がマッチしているかどうかを判断しています。
応募者の目標が企業の方向性やビジョンと一致していれば、その人がその企業で働くことで、おのずとその企業の目指すビジョンもその人の目標もかなっていくはずです。早期退職のリスクも減るため、安心して採用を判断しやすくなるでしょう。
志望動機が書けない時は、志望動機作成ツールを活用してみよう
ここまで○○の志望動機を作成する方法を解説してきましたが、例文のような志望動機を一人で書き上げる自信がない方も多いはず。
そんな時は、「志望動機ジェネレーター」を活用してみましょう。
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志望動機作成ツールを活用して、人事を唸らせる志望動機を完成させましょう。
「入社後の目標」は何を答えたらいい?似た言葉と比較して考えよう
入社後の目標は採用担当者にとっても重要な採用基準であることがわかりました。それでは実際に入社後の目標を問われたとき、具体的に何を答えたらいいのでしょうか。
漠然とした希望はあったとしても、相手が思わずうなずいてしまうほどリアルな目標として言語化するのは難しいものです。
また、入社後の目標と混同してしまいやすいものに、キャリアプランがあります。入社後の目標を尋ねられているにもかかわらず、キャリアプランについて回答してしまうと、質問の意図からずれてしまい、採用担当者が求める内容を伝えられません。アピールし損ねることのないよう、
入社後の目標とキャリアプランの違いを理解したうえで、入社後の目標を考えるようにしましょう。
入社後の目標:入社後かなえたい目標と達成のためにやるべきこと
入社後の目標は、自分が企業に入ってから達成したい具体的な目標を指します。キャリアプランとの違いは、入社後の目標が「目標そのもの」にフォーカスしている点です。
たとえば応募先の会社で「商品開発者として成功したい」という目標も、入社後の目標の一つです。
そのために「市場調査をマスターしたい」、「顧客ニーズを理解したい」、「マーケティング力やプロジェクトマネジメント力を身に付けたい」といった内容も、入社後の目標として回答できます。
キャリアプラン:仕事における最終目標へのプロセス
キャリアプランとは、仕事における最終的な目標に到達するための具体的な計画のことです。「入社後の目標」とは異なり、目標そのものではなく目標達成に必要なステップやプロセスを語ることが求められます。
「入社後の目標」がいつ頃かなえたいものかによっては、入社後の目標をかなえるための道のりがキャリアプランとなることもあるでしょう。
たとえば、将来は会社のマネジメント層になりたいという目標を立てた場合、専門知識やスキルを習得し、数年後にはプロジェクトリーダーとなるという計画を立てられるかもしれません。
さらに、数年後には戦略立案の経験を積み、マネジメント層になるための昇格試験を受ける、といった計画も考えられます。
このような計画そのものがキャリアプランです。
どうやって考えたらいい? 入社後の目標
入社後の目標がどんなもので、なぜ問われるかはわかったものの、そもそも目標の立て方がわからないという人も多いでしょう。そんな人は、まずは具体的な情報を収集し、考え方の切り口を変えてみると、入社後の目標を決めやすくなります。
入社後の目標を書く手が止まってしまったら、まずは一旦リサーチに立ち返ってみましょう。
それではどのようなリサーチをして入社後の目標を考えてみるとよいのでしょうか。ここからはそのための3つのヒントを紹介します。
社会人の話を聞いてみる
アルバイトなどはしていたとはいえ、学生は実際に会社に勤めたことはありません。そのせいで働いてからの具体的な目標が考えられないということもあるでしょう。
その場合は、すでに社会に出ている社会人の話を聞いてみましょう。大学の先輩などの知り合いに話を聞くほか、OB・OG訪問を利用するのも方法の一つです。
社会人の先輩が立てていた入社当初の目標や、その後のキャリアパスについて学ぶと、自分自身の目標設定に役立てられます。先輩の目標が現実的にかなえられそうなら、その目標を自分の「入社後の目標」とするのもありです。
またこれまで先輩が培ってきた経験の中から「これをやってみたい」と興味のあるものや仕事をすることを入社後の目標としても良いでしょう・
実際の業務内容や企業文化を先輩社員から直接聞くことで、自分の目標が見えてくることがあります。現場の生の声を参考にして具体的な目標を組み立てていきましょう。
同業界のロールモデルを調べてみる
ロールモデルとは、簡単にいうと自分が目指す目標像のこと。ロールモデルを見つければ、自分が目指すべきキャリアやスキルが明確になり、それが具体的な入社後の目標となるかもしれません。
まずは、自分が興味を持っている業界で活躍している人物を調べてみましょう。インターネットでその業界について検索したり、業界紙や雑誌を見てみると、その業界で輝いている人が発見できるはずです。
その人の働き方や姿勢に共感できたら、その人をロールモデルとしましょう。そこからさらにプロフィールを読んだりすると、その人のキャリアや成功の秘訣を知ることができます。SNSやブログなどを確認するのもおすすめです。
この情報をもとに、では社会人になって5年後、その人はどのような社会人だったのかを考えてみます。その人のようになるためには、どのようなスキルや知識を身に付けるべきか見えてくるはずです。
そしてそれが自分が志望する企業で達成したいことややりたいことであり、入社後にかなえたい目標となるのです。
会社のやっていることや方向性に沿ったものから考える
自分のかなえたい目標を自分だけで考えても思い浮かばないのなら、企業に沿わせて自分の目標を考えるのも手です。まずは先に企業のビジョンや社風、事業戦略や方向性を調べてみて、自分がどのような役割を担うべきか、どのような成果を目指すべきかを考えてみましょう。
たとえばその会社が入社1~2年目の若手であっても実力次第で早々に昇進ができる場合。そのような環境であれば「来年には役職をもらう」という目標が設定できるのではないでしょうか。
環境や社会貢献に力を入れている企業であれば「新たなエコプロジェクトを立ち上げる」や「地域社会と連携した取り組みを実現する」などの目標も考えられるでしょう。
企業の情報を調べる際には、企業のホームページや採用ページを参考にするのはもちろん、インターンシップや説明会なども積極活用しましょう。直接企業の方と話すほうが、よりその企業が目指す方向性やビジョンをリアルに感じられるはずですよ。
どうやってかなえていく?目標に向けてやるべきこと
入社後の目標では、目標そのものが見られているのはもちろんですがそれだけではなく、目標達成までの具体的なプロセスも重視されます。
目標に対してどのようにアプローチし、どのように一つずつクリアしていくのか。このプロセスを発信すると、より目標が現実的なものになり、「目標をかなえたい」というあなたの熱意がより伝わるほか、あなたの目標達成力もアピールできます。
とはいえ、設定した入社後の目標をかなえる道筋はどのように考えるとよいのでしょうか。ここからは、入社後の目標に対しての道筋を考える3つのポイントを解説します。
目標に対してのギャップを考える
入社後の目標を叶えるプロセスがわからない場合、まずは目標に対する現状とのギャップを考えることで、達成に向けた手順を明確にできます。ギャップとは目標に対して足りない部分のこと。これを一つずつクリアしていくことが「やるべきこと」となるのです。
まずは現在の自分と入社後の目標とのギャップを明確にしましょう。たとえば「営業チームでトップになる」という目標を設定したとします。それに対して現状、自分には営業スキルや業界や商品の知識が足りないと思えるかもしれません。
次に、これらの不足するスキルを補うには、どのような取り組みができるのかを考えてみましょう。
たとえば先ほどの例だと、営業スキルを向上させるために研修やセミナーに参加する、業界や商品の知識を得るために率先して業務を覚えていくといった対策が考えられます。これが入社後の目標を叶えるためにできることとなります。
その企業のキャリアパスを知る
企業には従業員が昇格や成長を目指すための道筋(キャリアパス)が用意されています。自分で入社後の目標にむけてやるべきことがわからないときは、企業が提供するキャリアパスを参考にしてみましょう。
たとえば、入社後の目標として「エリアマネージャーに昇格する」ことを掲げたとします。そして企業では、まずは営業アシスタントからスタートし、次に営業担当、その後は営業チームリーダーを経てエリアマネージャーへと昇格することが示されているとしましょう。
この場合「まずは営業アシスタントとして基本的なスキルを習得し、営業担当に昇格。その後、チームリーダーを経験し、最終的にエリアマネージャーになる」と、目標達成の道筋を明確にできます。
自分の強みや目標に活かせることを考える
入社後の目標を達成するためには、自分の強みや特性を活かすことも重要です。目標までの道筋が見えたら、現在の自分が持っているスキルや能力をどのように活用できるかを考えてみましょう。
たとえば「マーケティング部門でリーダーとして活躍する」という目標を掲げたとしましょう。そして、大学時代にサークル活動でリーダーを務めていた経験があるとします。
このような人であれば「サークル活動で培われたコミュニケーション力を、対面の市場調査にも活かしてコンセプトの立案に役立てる。
また、部門内の連携だけでなく営業部門との連携の強化にも働きかけ、マーケティングの立案したコンセプトの浸透に貢献していく」というプロセスで、目標を叶える道筋を示せます。
このように、自分の強みを活かして目標達成にアプローチすることを伝えると、目標設定力とともに強みもアピールできます。
入社後の目標の例文
入社後の目標は、採用担当者に対して自分の意志やビジョンを示す重要な要素です。説得力のある回答を準備するために、最後に実際の例文を参考にしながら、志望する業界や企業に合わせて独自の目標を設定しましょう。
ただし、例文はあくまで参考に過ぎません。企業研究を十分におこなったうえで、自分の状況に合ったオリジナルの内容を考えることが大切です。
例文を参考にしながら、自分の状況や志望する業界・企業に合った目標を設定し、採用担当者に納得感のある回答ができるように準備しましょう。
例文1
仮に入行できた際には、国際業務系のシステムに携わりたいと考えております。グローバル化が進む中で海外との連携強化はますます重要になる点、大学時代の留学で培った英語力を活かせる点に魅力を感じております。
この目標を達成するためにも、今ビジネス英語や金融用語にも精通するよう学習し続けています。また、入社後の研修期間を利用して、金融システム部門の業務全般に関する基本的な知識とスキルを身に付け、国際業務系の金融システムについても、積極的な姿勢で学んでいきます。
この例文では、「どのような仕事をしたいか」という目標 が具体的に述べられており、企業研究や業界研究をきちんとしていることをアピールできている点が良いポイントです。
強みである自信の英語力をアピールしつつ、どのようなプロセスで目標に取り組んでいくのかまで、具体的に示せています。
例文2
私は将来的に営業のチームリーダーとして、御社が目指す海外展開を中心的な立場で担っていける人材になりたいと考えています。
アジア圏ではまだまだ成長の余地があり、中でもタイやベトナムなどでの事業展開は、御社の今後の成長のために欠かせないと考えます。
アジア圏においてどのようなビジネスが通用するのかを判断できる人材になるため、まずは国内外問わず営業職として経験を積み、将来に役立つ知見を持ちたいです。
また、タイなどのアジア圏でも都市部では英語が公用語となっているため、学生時代に培った英語力を活かすこともできると考えています。
「海外展開を中心的な立場で担いたい」という結論を先に述べており、どんな仕事をしたいかが最初に伝わる構成になっています。
さらに、「海外と言っても具体的にどのような地域なのか」「そのためにどのようなキャリアを積みたいか」が明確に述べられており、説得力がある点が良いポイントです。
そして最後には、自身の強みとする「英語力」に話が繋げられており、全体として好印象の入社後の目標となっています。
入社後の目標を語るポイント
入社後の目標を語る際に、その内容が面接官にしっかりと伝わるようにすることが大切です。この章では、入社後の目標をさらに魅力的にし、面接官に効果的に伝えるためのポイントを紹介します。
ここで解説するポイントを押さえれば、自分の考える目標をより明確に伝えられ、採用担当者にさらに好印象を持ってもらえるかもしれません。プラスアルファで評価を上げるのに効果的な伝え方をマスターし、アピール力を高めましょう。
わかりやすい構成の文章にする
アジア圏ではまだまだ成長の余地があり、中でもタイやベトナムなどでの事業展開は、御社の今後の成長のために欠かせないと考えます。
アジア圏においてどのようなビジネスが通用するのかを判断できる人材になるため、まずは国内外問わず営業職として経験を積み、将来に役立つ知見を持ちたいです。
また、タイなどのアジア圏でも都市部では英語が公用語となっているため、学生時代に培った英語力を活かすこともできると考えています。
入社後の目標を効果的に伝えるためには、結論から始めて理由やエピソードを述べ、最後に結論や意気込みで締めるという構成がおすすめです。結論から始めることで面接官の興味を惹き、その後の理由やエピソードにも関心を持って聞いてもらえるようになるためです。
例文では、「海外展開を中心的な立場で担いたい」という結論を先に述べており、どんな仕事をしたいかが最初に伝わる構成になっています。
さらに、「海外と言っても具体的にどのような地域なのか」「そのためにどのようなキャリアを積みたいか」が明確に述べられており、説得力がある点が良いポイントです。
そして最後には、自身の強みとする「英語力」に話が繋げられており、全体として好印象のキャリアプランとなっています。
その企業でなくてはならない理由を伝える
入社後の目標を語る中で、その企業でしかできないこと、その企業でなくてはならない理由を盛り込むようにしましょう。その企業ならではの業務や方向性に沿った入社後の目標を伝えられれば志望度の高さが伝わります。
一方、他社でも通じるような抽象的な内容であった場合は、熱意が伝わりにくくなってしまい、企業研究不足と捉えられても仕方ありません。
完成した文章を一度他の企業に当てはめてみて、違和感のない内容となってしまっていると、その企業でなくてはならない理由が弱い可能性があり注意が必要です。
OB訪問や採用サイトを活用することで、その企業で何がやりたいのかを掘り下げて具体性を持たせることを意識しましょう。
自分にとっての意味を伝える
入社後の目標を語る際、他の応募者と差別化して独自性を出すためには「なぜ自分がその目標を掲げたのか」という、自分にとっての意味を伝えることが重要です。
そもそも採用時は、応募者の多くが同じような入社後の目標を掲げているもの。どうしても他の人と目指す目標が重複してしまうこともあるものです。
そんな中で採用担当者に印象に残る回答をするためにカギとなるのが自分独自の視点や背景です。目標は同じでも、なぜそう考えたかはその人だけのオリジナルなもの。だからこそ、どうしてその目標を掲げるに至ったのかをアピールする必要があります。
単に目標を述べるだけではなく、その目標に至った背景や動機を明確に伝えましょう
これは、私が高校時代に所属していた野球部でキャプテンを務めた経験から来ています。その頃、部員たちと一緒に目標に向かって努力し、共に成長する喜びを味わいました。
その経験が私にとって非常に価値のあるものだったため、入社後もチームをまとめ、一緒に目標に向かって働くことに情熱を持って取り組みたいと考えています。
そのため、早い段階でチームリーダーになり、部下と共に目標達成を目指すことが私の入社後の目標です。
入社後の目標を伝えるうえでの注意点
せっかく熱意や意欲、向上心などプラス要素をアピールできる入社後の目標で、逆にマイナス印象に感じられてしまうことは避けたいものです。
しかし、気づかないうちに実はあまり意欲が感じられない伝え方をしていたというケースもあるもの。注意点を知らなかっただけで、採用担当者に悪印象を与え、採用チャンスを逸してしまうかもしれません。
そこでこの章では、入社後の目標を伝えるうえでの注意点を詳しく解説します。無意識のうちにやってしまいがちな間違いを回避するためにも、ぜひ参考にしてください。
具体性がなく曖昧
入社後の目標を伝える上で、具体性がなく曖昧な目標にならないように注意してください。
目標が曖昧であればあるほど、結局のところ何がしたいのかわからない答えになってしまい、ミスマッチのリスクも増すことから、企業が採用を見送る可能性も高まるでしょう。
例えば、「持ち前のコミュニケーション能力で営業を頑張りたい」という目標の場合、営業で何をどのように頑張りたいのかが分からず、業務内容を本当に理解しているのかという疑問も生まれてしまいます。
また、「御社で新商品開発に携わり、お客様に必要とされる商品を作りたい」という目標だと、商品を開発する上で当然の心構えを語っているだけで、説得力が全くありません。実際に自分が働いている姿をイメージしながら、具体性のある目標を設定するようにしましょう。
「特にない」は入社意欲が低いととらえられる
「特にない」という答えは、入社意欲が低いと捉えられてしまうので避けてください。
そもそも採用選考を受けるということは、その企業でやりたい仕事があることが大前提です。本当に入社したいと思っているのであれば、「入社後の目標がない」なんてことはありえません。
企業にとっても、将来的に活躍して企業に貢献してくれる人材を求めて採用選考を行っているので、人材不足であったとして仕事へのやる気や企業に貢献しようという熱意の感じられない学生を採用することはないでしょう。
緊張で上手くしゃべれなかったとしても、「特にない」と誤魔化すのではなく何かしらの目標を伝えるようにしましょう。
現実味のある目標を考える
現実とかけ離れた内容を述べると、話が大きくなりすぎてしまい、具体的な行動計画が不明確になります。このような入社後の目標の内容は説得力がありません。
その結果、採用担当者には「企業研究が足りていない」、「適当に立てたのかな」など、その入社意欲を疑われかねません。以下のような非現実的な目標設定は避けましょう。
- 入社後すぐに業界を牽引するリーダーになりたい
- 瞬く間に世界を変えるサービスを開発したい
- 代表取締役になりたい
壮大な目標は持っても構いませんが、その目標に向けた現実的な取り組みや計画を伝えるのは困難でしょう。
また「いずれは独立して起業したい」という目標も、独立志向を推奨していない企業では好ましくありません。その企業の文化や理念に則った目標を考えましょう。
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入社後の目標に対する質問がある可能性も
「入社後の目標」を明確に語ると、「その仕事以外の仕事につくこともあるけれど、大丈夫ですか?」と確認されることがあります。
日本の企業は、総合職採用なので、必ずしも希望の部門に採用されるわけではありません。だから、明確な目標を語ると、人事は「その目標にかかわらない仕事になるかもしれないけど平気だろうか」と少し心配になるのです。
もし「他の部署・事業に配属されるかもしれないけど、大丈夫?」と聞かれたときの回答方法についても、念のため把握しておきましょう。
用意できるカウンターの例
質問:国際業務系以外のシステムに携わることもあると思うのだけど、それは大丈夫かな?
回答:
はい。最も興味があるのが、英語力を活かせる国際業務系というだけです。
たとえば、銀行の心臓そのものである勘定系システムにも大変興味がありますし、御行が持つ莫大な顧客情報を活用した情報系システムの構築にも胸が踊ります。
どの業務も経済の心臓である御行のシステムを支えることにつながると考えております。したがって「この部門でなければだめだ」というこだわりがあるわけではありません。
「最も興味があるのがxxxというだけで、他の部門にも興味がある。御社の仕事に携わりたいという想いが強く「この部門でなければ駄目だ」というこだわりがあるわけではない」と伝えてください。
採用担当者はこの質問を通して、応募者の柔軟性や入社意欲の高さを見ています。そこで回答では「どの部署でも積極的に取り組む」という意思を示しましょう。
他にも、自分のスキルや強みを異なる部署でどのように活かせるかを具体的に説明すれば、柔軟性をアピールできます。さらに、どの部署に配属されても、「この企業には魅力がある」という熱意を伝えることも効果的です。
その他の答え方
回答のベースになるのは「今後このような目標を抱えているが、この企業の理念や取り組みに教官しているのでどんな部署でも頑張る」という意思を伝えることです。
ただし、ただ「頑張る」と伝えるだけでは信ぴょう性もなく、他の就活生との差別化も図れません。他の就活生との差別化を図り、かつ、面接官が納得するような答え方をするためのポイントは、「柔軟性」と「志望度の高さ」にあります。
まず、「柔軟性」をアピールする場合は、「自分の強みを他の部署ではどう活かすことができるか」を述べましょう。その際、「どのように活かすか」だけでなく、「その部署での経験を通して、どのような成長をしたいか」についても触れることが大切です。
当然ながら徹底した企業研究が必須となるため、柔軟性をアピールする場合は、希望する部署以外についても細かく調べておきましょう。
また、「志望度の高さ」をアピールする場合は、「どんな部署に配属されたとしても、”この会社だからこそ”入社したいのだ」という意思を伝えることがポイントです。
企業研究を徹底して行い、「自分がその会社のどこに惹かれたのか」「なぜ他社ではダメなのか」を説得力を持って語れるようにしておきましょう。
入社後の目標では目標と道筋を答えて頑張る姿をイメージさせよう
「入社後の目標」は就活で聞かれやすい質問の1つであり、志望動機や自己PRと並んで企業が採用で重要視する質問の1つとも言えます。
注意してほしいのは、素直にやりたいことを伝えたり、単純に前向きな目標を設定するだけでは不十分であり、自分の実力に見合わない理想の夢を語る場でもないということです。
質問の意図をしっかりと理解した上で、企業が求めていることを踏まえ、採用担当者があなたが自社で努力を重ねる姿をイメージできるような答えを準備することが大切になってきます。
企業研究をしっかりと行い、「その企業ならでは」の要素を盛り込んだ自分なりの目標を作るようにしましょう。
自己分析ツールで「入社後に取り組みたい仕事」の回答を完成させよう
「入社後に取り組みたい仕事」はあなたの価値観を問う質問。上手く答えるには、自己分析を通じて、「あなた自身」を深く理解する必要があります。
そんな時に便利なのが、無料の自己分析ツール「My analytics」です。
36の質問に答えるだけで、あなたの強み・弱み・性格のタイプを診断できます。
My analyticsを活用して、自分を深く理解し、面接官を唸らせる回答を完成させましょう。