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就職活動で必ずつくることになる志望動機。でも、どんな志望動機をつくればよいか分からず、戸惑っていませんか?
そこで、就活生のために「避けるべき志望動機のパターン」を解説します。いくら一生懸命つくった志望動機でも、以下のパターンに当て嵌まるものは、あまり評価されません。
評価されない志望動機のパターンを理解し、失敗を防ぎましょう。
社会貢献がしたい
貴社は、インドネシアでの植林事業や、アフリカの貧困児童の支援など、社会事業にも非常に力を入れておられます。貴社でなら、仕事を通じて社会貢献ができると感じ、貴社に魅力を感じております。
このような「社会貢献がしたい」という理由を志望動機のコアにする学生が多いです。しかし、企業の目的は「営利をあげること」であり、社会貢献ではありません。企業がほしいのは、「そのビジネスに熱をあげているひと」です。
たとえば、トヨタなら、「トヨタ自動車を世界にもっと広げたい」という想いを持つ人が欲しいわけです。「社会貢献がしたい」という曖昧な動機では、「具体的に貴社でこんなことにチャレンジしたい」という熱意が伝わりません。したがって、あまり評価されないのです。
「具体的に貴社でこんなことにチャレンジしたい」が伝わる志望動機例
それでは、「具体的に貴社でこんなことにチャレンジしたい」という熱意が伝わる例文を見てみましょう。
私は、貴社の発電プラント事業に携わりたいと考えています。
そして、安定で効率的な電力供給を可能にするシステムを構築し、人々に豊かで安心な暮らしを提供したいと思い、貴社を志望しました。
志望動機では、具体性が非常に重要になります。
例文では、「安定で効率的な電力供給システムの構築」のように、やりたいことを具体的に示しています。具体性をもたせつつ、何がしたいのかを簡潔に伝えることが大切です。
このビジョンは企業にとってもメリットとなりえる要素です。企業はこのようなプラスをもたらしてくれる人を採用したいと思っています。
ただ単に自分がやりたいことを述べるのではなく、企業にとってもプラスとなるようなビジョンを示しましょう。
さらに、自分がやりたいことを述べるだけで終わってはいけません。
例文のように、「人々に豊かで安心な暮らしを提供したい」といった、その仕事を通じて社会にどのように貢献したいかも説明する必要があります。
この部分も、ただ漠然と「社会に貢献したい」ではなく、具体的にどのように貢献したいかを述べるようにしましょう。
志望動機が書けない時は、志望動機作成ツールを活用してみよう
ここまで○○の志望動機を作成する方法を解説してきましたが、例文のような志望動機を一人で書き上げる自信がない方も多いはず。
そんな時は、「志望動機ジェネレーター」を活用してみましょう。
志望動機ジェネレーターなら、簡単な質問に答えるだけで説得力のある志望動機が完成します。
志望動機作成ツールを活用して、人事を唸らせる志望動機を完成させましょう。
自己成長したい
信託銀行のリテール業務では、お客様にあわせたサービスを提案しなければならず、プロとしての実力がとわれる仕事だと思います。その環境に自身を置けば、プロフェッショナルとして成長していけるのではないかと考え、魅力を感じております。
これも同じようによくある志望動機です。一見、向上心にあふれているように見えますが、働くことで人間的に成長するのは、どの会社の、どんなビジネスだってできます。つまり、どこにでも通用する志望理由であり、「その会社を志望する動機」としては弱いのですね。
また、「成長したい」人を企業は欲していません。企業が求めているのは「企業を成長させてくれる人」です。「企業を成長させてくれる人材」と人事に思わせるには「貴社でこんなことにチャレンジしたい」という具体的なビジョンを掲げ、企業の事業への熱意をアピールしなければなりません。
「企業を成長させてくれる人」が伝わる志望動機例
それでは、「企業を成長させてくれる人」と思わせる志望動機例を紹介します。
貴社は、総合化学メーカーでありながら、ヘルスケア分野にも注力しています。
私は、貴社のヘルスケア分野、特にアフェレシス事業に携わり、薬物治療が困難と言われる難病の治療法を確立し、難病を抱える人々に安心と笑顔を届けたいと考えております。
例文では、「難病の治療法を確立し、人々に安心と笑顔を届ける」という具体的なビジョンを掲げています。
チャレンジしたいことを明確にし、それが結果的に企業の成長につながるような内容であれば、「企業を成長させてくれる人」と思わせる志望動機となります。
そのようなチャレンジは、必然的に自分自身の成長にもつながります。志望動機の中で、成長についてわざわざ直接的に述べる必要はありません。
ただし、「事業が掲げる目標」と「自身が示したビジョン」の方向性が一致しているかどうかには注意してください。
具体的に目標をを示したとしても、企業が目指す方向と違う方向を目指しているのでは意味がありません。
グローバルに活躍したい
日本最大の総合商社である貴社で働き、日本と海外の架け橋になり、グローバルなビジネスに携わりたいと考えております。少子高齢化の日本は、これからますます経済規模が縮小し、海外にビジネスチャンスを求める動きが加速すると考えています。貴社は、グローバルが叫ばれるはるか前から、海外にビジネスチャンスを求め、成果をあげてきた実績があります。貴社で働くことで、日本と海外の架け橋になり、グローバルなビジネスパーソンとして成長できるのではないか、と考え、貴社を志望しております。
総合商社や海外売上比率の高い企業では「グローバルな〜に携わりたい」等の志望動機をよく見かけます。しかし、これは「海外売上比率の高い企業」ならどこでも通用する志望理由なので、志望動機としては弱いのですね。
繰り返しますが、企業が欲しいのは「そのビジネスに熱をあげている人」です。だから、「なぜ自分はその事業・ビジネスに取り組みたいのか?」具体的なビジョンを語れるようにしましょう。
「具体的なビジョン」が伝わる志望動機例
それでは、「具体的なビジョン」が伝わる例文を見てみましょう。
私は、貴社で先進運転支援システム開発に携わり、どんな不測の事態にも対応可能なシステムの開発を目指します。
そして、交通事故のない安心な自動車ライフに貢献したいと考えております。
現在、交通事故数は年々減少傾向にありますが、それでも年間で約3000人が交通事故で命を落としているのが現状です。
そのため、先進運転支援システムや自動運転の早期実現が望まれています。
貴社は、走行支援のECUの小型化等の先端技術開発に取り組んでおり、世界の開発をリードしていく姿勢を示しています。
また、製品のテストコースを完備しており、安心・安全なモノづくりへのこだわりを感じました。
貴社でなら、あらゆる状況にも対応できる先進運転支援システムの開発を行うことができ、交通事故のない世の中を実現できると考えました。
「具体的なビジョン」が伝わる志望動機とするためには、企業研究を入念に行い、その企業が行っている事業に具体的にフォーカスすることが重要になります。
例えば、例文では、「先進運転支援システムの開発」に焦点を当てて、「どんな不測の事態にも対応可能なシステムの開発」というビジョンを示しています。
このように具体例を示すことで、「どの企業でも通用する志望理由」から脱却できます。
もし、NG例のような「グローバルな~に携わりたい」という志望理由を使いたい場合は、その企業がグローバル展開している事業を具体的に示して、その中で自身が実現したいことを述べるようにしましょう。
環境への取り組みに惹かれる
貴社の環境に配慮したクルマづくりに魅力を感じております。貴社はハイブリッドカーの販売を通して、「環境」を付加価値にして、ビジネスを行っております。貴社でキャリアをつむことで、環境にも貢献しながら、ビジネスをし、社会貢献ができると感じ、貴社を志望しております。
このように「環境への取り組みに魅力を感じる」という志望動機もよくあります。しかし、企業の目的は、事業で営利をあげること。たとえば、トヨタなら「車を販売して利益をあげること」ですよね。車を売ること、つくること、に興味が有る人が欲しいのであって、単に「環境に貢献したい人」を求めているわけではないのです。
人事は「環境に興味があるなら、NPO団体にでも入ったほうがよいのでは?」と感じてしまいます。
「人で決めました」
よく就活生の志望動機に「人で決めました」というものがあります。しかし、「入社したからといって、その人と仕事ができるわけではない」ので、志望動機としては説得力にかけます。
志望動機で大事なのは「会社の事業」への熱意を示すこと。「人に惹かれました」では「憧れ」は伝わっても、「仕事への熱意」は伝わりづらいです。補足的に「御社のOBにお話を伺ったのも理由の一つです」というくらならOK。ただし、志望動機のコアは、あくまで「仕事・事業への熱意」が伝わるものにしましょう。
「仕事・事業への熱意」の伝え方
ここまで、評価されない志望動機のNGパターンを5つ紹介してきました。
どのパターンにおいても、一貫して言えることは、「具体性が足りない」ということです。
採用担当に仕事・事業への熱意を伝えるためには、具体的なビジョンが必要になります。
そのためにも、企業研究をしっかりと行ってください。また、企業の情報だけでなく、志望する事業分野の近況や課題も調査しましょう。
そして、見えてきた企業の強みや特徴を志望理由に落とし込むことで、説得力のある志望理由を作成できます。
もう一つ重要なことは、採用担当が一緒に働きたいと思える志望理由かどうかです。
企業は利益を生み出さなくてはなりません。あなたを採用することで、企業側にメリットがなければ採用する意味がありません。
「自己成長のため」や「環境への取り組みに惹かれる」のような志望理由だと、企業側にプラスとなる要素はあるでしょうか?あなたが採用側の立場だとして、採用したいと思えるような志望理由になっているかどうか、今一度確認してみましょう。
待遇に惹かれた
「貴社を志望する理由は、同じ業界でもトップクラスの待遇の良さがあるためです。
OB訪問でインタビューをさせていただいた際、貴社では初年度から500万円の年収を頂戴できると伺いました。
私にとって給与は仕事のモチベーションを保つために重要視している点です。
様々な専門性をもった先輩に囲まれながらモチベーションを高く持って業務に励んでまいりたいと考えているため、貴社を志望いたします。」
志望動機において「待遇に惹かれたから貴社を志望する」とするのはNGです。
理由は「待遇の良い企業なら他にもあるから」、「職種や業務内容に対する熱意が感じられないから」です。
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- 待遇の良い企業なら他にもある
例文では年収500万円という待遇に惹かれたと述べていますが、こういった志望動機にしてしまうと採用担当者から「〇〇社は初年度700万円だから、そちらに行けばいい」と思われてしまいます。
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- 職種や業務内容に対する熱意が感じられない
待遇ありきの志望動機にしてしまうと、なぜあなたがその職種や業務内容に関心を持っているのかが伝わりません。
待遇からは、中長期的なビジョンや日々の業務の携わり方への考えが見えないため、他の学生と比較した際に熱意や関心といった点で劣ります。
志望動機は企業特有の事業への魅力や共感を記載する
(大和証券の場合)
「貴社は資産運用を通して社会貢献ができるソーシャルインパクトボンドを積極的に組成しています。
金融教育が諸外国に比べて乏しい日本において資産運用を活性化させるためには、私は資産運用と社会貢献を繋げることが必要と考えます。
貴社であれば組成の面においても販売の面においてもソーシャルインパクトボンドに関わることができ、それを魅力に感じるため、貴社を志望いたします。」
この例文では大和証券がソーシャルインパクトボンドに注力しているという企業特有の魅力を挙げ、それを志望動機としています。
企業特有の事業への魅力を志望動機に組み込むことで、企業研究をどれほど深くしているかが感じられます。
企業研究の充実により熱意のある志望動機が作成できるため、志望動機には事業への魅力や共感できる取り組み等、企業特有の要素を組み込みましょう。
今後のビジョンを活かせるスキルと合わせて志望動機に記載する
「貴社で私は大学に入学してからRubyとSQLを学び続けてきました。
昨年は学内のハッカーズコンテストに入賞し、技術に日々磨きをかけています。
そのプログラミングスキルを活かして、就職後はデータ分析のスペシャリストになりたいと考えています。
貴社では戦略を立てる際にデータの利活用を重視しておられると伺いました。
私も貴社のビッグデータを通じて顧客動向を分析し、事業に貢献したいため、貴社を志望いたします。」
この志望動機では、仕事で実際に使える能力をアピールしています。
この学生はプログラミング言語であるSQLを習得していることを述べ、それをどのように企業で活かしたいかまで述べられています。
プログラミングのスキルや語学力、営業力などは企業にとって即戦力とみなされやすい能力ですので、持っている能力は志望動機でアピールすることが大切です。
どうやったら、オリジナルな志望動機をつくれるのか?
では、どうすれば企業に評価されるオリジナルな志望動機。その企業のためだけの志望動機がつくれるようになるのでしょうか?ポイントは3つあります。
- 「その企業でどんなことに取り組みたいのか?」というビジョンを考え、志望動機の核にする
- そのビジョンにこだわる自分なりの理由を考える
- なぜそのビジョンを実現するには、その会社でなければならいのかを考える
この3点を意識して志望動機を書きましょう。たとえば、たとえば、NTTデータという大規模システム開発に強いシステム会社を志望するなら
【その会社で何をやりたいのか?】 ITの「しくみ」を通して、人の暮らしを効率化したいと考え、貴社を志望しております。
【なぜそれをやりたいのか?】 大学時代に、情報通信学部で学んだ知識を活かして、中小企業で簡単な社内システムをつくった経験があります。見積書等の社内資料を自動作成する簡単なものでしたが、社内の人から感謝され、ITの「しくみ」が持つ力に惹かれるようになりました。その時から、ITシステムの力を活かして社会を支え、効率化していきたいと考えるようになりました。
【なぜその会社でなければならないのか?】 様々なシステムインテグレーターの中でも、貴社は新日銀ネットや、地銀のシステム共同化など、他社では手がけられない大規模システムの開発に強みがあります。貴社でなら、システムを通して、より多くの人々の生活を支え、効率化していけるのではないかと考え、貴社を強く志望しております。
このように「ビジョン」「それにこだわる理由」「なぜその会社でなければならいのか」を押さえると、ビジネスへの熱意が伝わる志望動機を書けるようになります。
「なぜ自分はこの会社に入りたいのだろう?」「自分はこの会社でどんな働き方をし、どんな事業に取り組みたいのだろう?何をしたいのだろう?」と考えぬき
、説得力のある志望動機をつくりましょう。
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