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面接に通過するためには、企業がどんなことを面接で重視いるのかを気にしなければなりません。しかし、多くの就活生は企業が重視していることを全く無視して的外れのアピールをしているのが現状です。
リクルートの調査でわかった「企業が本当に重視していること」と「学生が大事だと勘違いしていること」を解説していきます。
企業と学生のギャップを理解し、適切なアピールができるようになりましょう。
え?サークルの経験を重視している企業は11%だけ!?
多くの就活生は「サークルの経験」が重視されていると考えて「私はサークルをこんなに頑張りました!こんなに凄いことをしました!」とアピールします。しかし、リクルートが1305社の企業に「採用で重視する項目は何か?」と聞いたアンケート結果によれば、
※出典:就職白書
このグラフのように「サークル経験」を重視しているのは11%に過ぎません。
企業が重視しているのは「人柄89.4%」「企業への熱意78.3」「今後の可能性69.9%」ですが、学生がアピールしているのは「アルバイト経験47.7%」「サークル・クラブ33.9%」「人柄36.9%」「所属ゼミ17.4%」となっています。
概して、学生は企業が「どうでもいい」とあまり重視していない項目(サークル・ゼミ・趣味特技)をアピールし、大事だと考えている「企業への熱意」や「今後の可能性」をほとんどアピールしていないのです。
企業が面接で見ているのは「人柄」「企業への熱意」「今後の可能性」。しかし、就活生はそのことを知らずに「サークル経験」や「ゼミ」「ボランティア」をアピールし、面接に失敗してしまうのです。
大事なのは「入った後に活躍してくれるかどうか」
さて、なぜ企業はサークルやゼミ、ボランティアは気にせず「人柄」「熱意」「可能性」を重視しているのでしょうか。
それは企業が採用で一番重視しているのは「入社した後活躍してくれるかどうか」と「一緒に働きたいかどうか」だからです。
学生の時点では、みな能力に差はありません。サークルのリーダーだったとしても、それがビジネスにすぐに活きるわけではないからです。だから、現時点での実績に関する「サークル」「ゼミ」「ボランティア」「海外経験」はどうでもいいのです。
大事なのは「入社した後活躍してくれるかどうか」です。
入社した後活躍するには「企業に本気で入りたい人か?」「今後の可能性」が必要になってきます。また、ずっと一緒に働く仲間ですから、「同じチームで働きたいか」に関する人柄もとても重要です。
つまり、企業が気にかけているのは「入社後のポテンシャル」であって「現時点での実績」ではないのです。しかし、学生はサークル活動やアルバイトの話をし「現時点での実績」をアピールしてしまう。すると、あなたの良さが面接官に伝わらず、面接に落ちてしまうのですね。
人柄をアピールするために面接で伝えるべきこと
人柄とは、簡単に言えば「あなたがどういう人間か?」です。自分がどういう人間かを伝えるには「学生時代に頑張ったこと」をしっかり伝えるのが一番です。真剣に打ち込んだ経験には、あなたの良さ・ひたむきさが滲みでます。
たとえば、レジ打ちのバイトだとしても、真剣に「効率的に業務をこなすために、こんな工夫をしていた」とあなたなりの工夫・取り組みを伝えれば、魅力的なアピールになるのです。
繰り返すように「経験自体」は大事ではありません。大事なのは、「学生時代に頑張ったこと」そのものではなく、そこから見えてくる「あなたらしさ」です。
行動のプロセスを詳しく伝えれば、「人柄」が伝わる
だから、「こんなに凄いことをしました!こんな結果を出しました!」とアピールするのではなく、「こんなことを考えて取り組み、こんなことを考えて行動しました」という「思考・行動のプロセス」をこそ伝えるべきなのです。
「学生時代に頑張ったこと」から「思考・行動のプロセス」を伝えるには、以下のポイントを意識するべきです。
- 取り組んだ活動をひとことでいうと何か?
- なぜ取り組もうと思ったのか?始めた動機は?
- 活動の中で、一番真剣に取り組んだ課題・問題は?
- なぜその課題に取り組もうと思ったのか?
- その課題を解決するために、あなたは何をしたのか?
- なぜその対処法を選んだのか?
- 行動した結果はどうだったか?
- この活動から、あなたは何を学んだか?どんな影響を受けたか?
ただ、結果だけをアピールしても意味がありません。上記のポイントを心がけて、物事に取り組んだ思考・行動のプロセスを語り、あなたの人柄を面接官に伝えましょう。
伝えるべき人柄の事例
では面接で伝えるべき人柄について、特に企業側に響く人柄の例をいくつかご紹介します。
素直さ
企業に入ってから活躍する人材の特徴として、素直にフィードバックや教えを吸収して成長していく人という要素があります。
したがって、面接において素直さという人柄を伝えることは選考突破に非常に有効でしょう。
具体的には、「先輩からの教えはまず実践してみる」、「人に間違っていると言われたことは、まず直す」といったエピソードが考えられますが、どんなエピソードでも自分の素直な部分を伝えることが出来ればOKです。
ぜひ素直さを押し出せるようなエピソードを面接でも話してみてください。
目標実現力
自分が立てた目標に対して、行動力と実行力を持ってやりきることができる目標実現力も会社側に響く人柄の1つです。
多くの目標があり、1つ1つを達成していくことにより売り上げを上げていく企業経営にとっては、目標実現力は無くてはならないパーソナリティの1つでしょう。
自分の目標達成にコミットして実現した経験や、その過程で行なった努力や工夫、困難と克服についてしっかりと面接官に伝えることが出来れば、あなたの人柄は魅力的に評価されるはずです。
ポジティブさ
会社で健全なメンタルを持って成果を出していくにあたり、ポジティブであるという人柄も非常にプラスに働くものの1つです。
同じ状況や結果を与えられた際に、ネガティブに捉える学生とポジティブに捉える学生では、その後どちらが成長しそうか明確に分かれてしまいますよね。
厳しい環境の中でも前向きに取り組んだ経験や、挫折や課題をプラスに捉えて成長したエピソードなどを上手く使い、自分の人柄としてポジティブさを伝えられるように頑張ってみてください。
自発性
学生から社会人になるにあたり、重要度が増す人柄の1つが自発性です。
会社では1から10まで指示があるということはなかなか無く、自らがいる環境でどれだけ自分から動けるかが大きなポイントとなってきますよね。
エピソードの中で自発性をアピールするためには、自ら働きかけたという行動の部分や、組織に対して自分で課題意識を持ったという動機の部分が有効でしょう。
上からの指示ではなく自ら動ける人材として、自発性のアピールも積極的に行なってみてください。
チームワーク
面接官の方が学生に持っておいてほしい人柄の1つに、チームワークが得意であるというものがあります。
1人ではなく多くの人と協働しながら仕事を進めていく会社においては特に、チームワークに向いている人柄は重要ですよね。
サークルや部活、アルバイト経験の中でも1+1が2以上になった経験や、自ら組織を取りまとめた経験を上手く話すことが出来れば、きっとあなたのチームワーク力が面接官の方にも伝わるはずですので、ぜひエピソードを伝わりやすくまとめて、面接の際に活用してみてください。
【39点以下は危険度MAX】
本番前に、面接偏差値を診断しておこう
今年はweb面接をおこなう企業も増えていますが、自分の弱点を把握し適切に対策しなければ、どんな形式であれ面接を突破することはできません。
そこで活用したいのが、面接偏差値診断ツールの、「面接力診断」です。
24の質問に答えるだけで、自分の強みと弱みをグラフで見える化できます。
診断であらわになった自分の弱点を効率的に対策し、志望企業の面接を突破しましょう。
熱意をアピールするために面接で伝えるべきこと
「企業への熱意」は8割近い企業が重視しているのに、2割ほどの学生しかアピールしていません。企業が採用したいのは「本気で自分の会社に入りたい人」です。本気度が伝わる志望動機を述べられなければ、内定は遠のくばかりです。
では、どんな志望動機をつくればよいのでしょうか?
「会社を褒めるだけ」の志望動機は避けよう
避けるべきは、「会社褒め」志望動機です。会社を詳しく調べて「ここが良い。ここが良い」と言っているだけの志望動機が「会社褒め志望動機」です。たとえば、以下が「会社褒め」志望動機の典型です。
会社で何がやりたいか?が伝わる志望動機をつくろう
「なぜあなたはこの会社を志望するのか?」が伝わらないからです。上の志望動機は、会社を調べさえすれば誰でもいえる志望動機で、差別化になりません。大事なのは、「なぜあなたはこの会社で仕事がしたいのか?」に答えること。たとえば、以下のようになります。
志望動機を教えて下さい 300文字(日立ソリューションズ…日立グループのシステム会社)
貴社を志望する理由は、貴社でなら、ITを用いてグローバルな製造業を効率化し、日本の産業競争力を向上させられると感じるからです。
私は大学での講義や実習でプログラミングを学び、プログラミングには自信があります。アルバイト先で、プログラミングを活かして簡単なマクロを組んだ所、従業員からとても感謝され、ITシステムの持つ課題解決の可能性を感じ、システム業界に興味を持ちました。
SI業界の中でも、貴社は、日立グループの情報通信における中核として、大規模ERPやCRMの開発に強いプレゼンスがあります。貴社でならITシステムを通して社会の課題を解決したい、という私の想いを実現できると感じ、貴社を強く志望しております
最初の志望動機との差が理解できたでしょうか?この志望動機は「会社で何がやりたいか」「なぜやりたいのか?」がしっかり書いてありますよね。「なぜやりたいのか」を人生の経験を元に伝えましょう。そうすれば、あなたにしか書けない志望動機ができます。
なぜ、他の会社ではだめなのかを伝えよう
同じ業界の他社や、同じ規模感の会社ではなく「御社でしかダメ」な理由を伝えることで、あなたの会社への熱意が伝わり、選考突破にも大きく近づくはずです。
同じような能力の学生がいた場合、より志望度が高い学生と正直どこでもいいと考える学生の2人でどちらが欲しいかと言われれば、前者の学生であることは間違いないですものね。
他の会社ではダメな理由を伝える具体的な方法としては、企業ならではの事業特色や企業文化について触れて、熱意を語りましょう。
例えば、「どうしても自分は中国の成長産業に携わりたい、だから御社じゃなければいけないのです。」といった具合ですね。
他社との差別化を図ったアピールをすることが出来れば、その分あなたの思いも伝わるはずですので、ぜひ会社ならではの志望動機を考えてアピールしてみてください。
説得力のある志望動機の作り方
具体的には、以下のポイントを意識して志望動機をつくると良いでしょう。
- 私が貴社を志望するのは、貴社で〜に取り組みたいからだ(目標・やりたいこと。出来るだけ具体的に)
- なぜその目標に取り組みたいのかというと、〜といいう経験をしてきたからだ(目標の根拠)
- その目標をかなえるには、〜業界が一番向いていると考えた(業界志望動機)
- 業界の中でも御社は〜だ。〜という目標に取り組むには、貴社が一番だ(自分の目標と一致する会社の特徴を取り上げる)
- だから、貴社を志望している(あらためて志望動機をまとめる)
このポイントを意識して、「熱意が伝わる」志望動機を作成しましょう。
今後の可能性をアピールするために面接で伝えるべきこと
企業が重視している項目の第三位は「今後の可能性」です。とはいえ、今後の可能性なんてどうやってアピールすればいいの?と戸惑いますよね。
簡単です。「入社後に自分の能力を業務でどう活かせるか」をアピールすればよいのです。一般的な学生の自己PRは、
で終わってしまっている。「長所」のアピールには成功しているけれど、その長所が会社でどう活かせるのか?を伝えられていません。「今後の可能性」を感じてもらうためには、その長所を会社でいかに活かすか?という視点で語ります。
このように語れば、面接官に「確かに、この学生の長所は我が社の業務で活かせるかもしれない」と、あなたの活躍する姿をイメージさせられますよね。
ポイントとしては、
- 志望企業の業務では、どんな状況に直面するか?
- そこで、自分の長所はどんな風に活かせるか?
を伝えられるようにしましょう。
【39点以下は危険度MAX】
本番前に、面接偏差値を診断しておこう
今年はweb面接をおこなう企業も増えていますが、自分の弱点を把握し適切に対策しなければ、どんな形式であれ面接を突破することはできません。
そこで活用したいのが、面接偏差値診断ツールの、「面接力診断」です。
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診断であらわになった自分の弱点を効率的に対策し、志望企業の面接を突破しましょう。