就活で滑り止めは「絶対」必要! 見つけ方から内定保留まで解説

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就職活動をしているなかで常に心配なことはおそらく「本当に志望企業に入社できるのか」という不安でしょう。就職活動の苦労が実を結び、本命の企業に入社できれば、願ったり叶ったりです。

ところが、現実はままならないもの。そこで検討するのが「滑り止め」という選択肢です。

しかし滑り止めを検討中も、「滑り止めは本当に必要なのか?」「本命企業が決まる前に滑り止めが受かったらどうすれば?」「何社くらい受ければよいのか?」など、悩みの種は尽きません。

そこでこの記事では、本命企業とは別に滑り止め企業が必要な理由や滑り止め企業の見つけ方、滑り止め企業選びの注意点などを徹底的に解説していきます。滑り止め企業に関する考え方や具体的な就活の進め方について知りたい人はぜひ読んでみてください。

就活では滑り止めが絶対に必要

就活では、本命一本にせずに滑り止めの企業も選考を受けておくことをおすすめします。なぜ滑り止め企業が必要かの理由はいろいろありますが、どちらにせよ確実に就活の一助になることは間違いありません。逆にこれらの理由に目を向けずにやみくもに本命のみに集中して就活した場合、後で窮地に陥りかねません。

これから解説する4つの理由を読めば、滑り止め企業に応募することで得られる絶対的なメリットがよくわかるはずです。

①無い内定になるリスクを減らせる

滑り止め企業に応募して内定を獲得していれば、万が一本命企業に落ちた場合でも、とりあえずは無い内定に陥るリスクを減らせます。

確かに「自分には本命しかない!本命こそが自分の働く場所だ」などと退路を立って全力で就活に取り組むのも、1つの考え方ではあります。が、どんなに心血を注いで就活に力を入れたからといって、本命企業に受かる確率が上がるわけでもありません

本命企業に受かるのも、落ちて就職浪人になるのも、すべては自分で考え、選択し、行動した末の結果です。

応募する企業が増える分だけ、就活に手間も時間も取られますが、本命に受からない場合のために、保険をかけておいたと思えば、就活で受けるプレッシャーも減り、より心に余裕を持って取り組めるはずです。

②合格すれば自信へとつながる

たとえ本命ではなくても、1社でも内定が取れていれば、それは確実な自信につながります。「1社でも自分を評価してくれる企業があった」。その事実は、以後の就職活動への大きな布石です。

ましてや複数の企業で内定が取れていれば、自己肯定感は高まり、本命企業への就活にもますますやる気が出るでしょう。

内定が一社も取れていない状態で就職活動を続けていると、何も頼みとするところがなく、次第に自信が喪失します。本命に落ち続けていると「自分はダメな人間だ」という責めの気持ちが強まり、精神的にも不安定な状態に陥りかねません

精神的に安定した状態で、自信を持って就活に取り組むためにも、滑り止め企業は何社か応募しておくのが無難です。

③本命企業の前の練習になる

滑り止め企業での選考を何社かで経験しておくことで、本命企業への選考に向けた良い練習になります。選考では、エントリーシートや履歴書での書類選考、適性検査、一次・二次面接、最終面接と複数のステージを通ります。そして、それぞれに対策と準備が必要です。

たとえば、ESの作成1つをとっても、学歴や志望動機、自己PRなど、それぞれで押さえておくべき書き方のコツがあります。

滑り止め企業を受け続けているうちに一連の選考プロセスに慣れていき、改善すべきポイントや強化すべきポイントも見えてきます。場数を重ねているうちに想定外のことが起こっても、慌てることも少なくなるはずです。

④より自分に合う企業と出会える可能性が増える

滑り止め企業を受けているなかで、より自分との相性が良い企業が見つかる可能性があります。いろいろな企業を見ていくうちに、次第に自分の視野が広まっていきます。「本命は別だと思っていたけれど、ここの方が自分に合っているのでは!?」などと思える企業に出会えるかもしれません。

恋愛関係と同じことです。最初はさほど乗り気ではなかったのに、付き合ってみると次第に相手の良い面が見えてきて、最終的には「この人がいい!」とまで気持ちがガラリと変わるのは、良くある話です。逆に、ずっと「この人じゃないとダメ!」と思っていた相手でも、付き合っているうちに欠点が見えてきて、気持ちが冷めることもあります。

いろいろな企業に応募し続けているうちに、当初の企業選びの価値基準が変えられ、より自分に合った企業を見抜く目が養われます。「自分にはこういう活躍ができるのでは?」と、新たな可能性に気づくかもしれません。

本命のみに固執していると、むしろ新たな可能性を自分の手で潰す結果になりかねません。

滑り止め企業を選ぶ前に! エントリーすべき企業の指標

滑り止め企業の選考を受けることで得られるメリットは理解できたとして、とはいえただ数を受ければよいというものではありません。たとえ滑り止めでも「下手な鉄砲数うちゃ当たる」というアプローチはむしろ非効率です。

ここで、滑り止め企業を選ぶ際に役立つ指針を解説していきます。無駄に手を広げず、的確にトライすべき滑り止め企業を絞り込んでいくための参考にしてください。

会社の数:総エントリー数が合計で25社程度になるように

まず気になるのが「滑り止めに何社を受けるべきか」というポイントです。株式会社ディスコの調査によると、2023年卒者のエントリー平均数は24.7社。この結果から、就活生はおよそ25社にエントリーをしていることがわかります。

「何社を受ければよいか」という質問に対し、正直なところ正解はありません。エントリー数が多ければ多いほどよい、というわけでもありません。ただ、ある程度の数の企業にエントリーをして滑り止めを確保しておくほうが、就職浪人になるリスクを確実に軽減できます。

今、エントリーを本命企業のみにしている場合は、このエントリー平均数に合わせて滑り止め企業に応募すると良いでしょう。本命が5社の場合、滑り止めは20社、つまり合計25社を目安にエントリーするのが適切といえます。

業界:本命企業の人気度で決める

本命記号の業界の人気度によっても、滑り止め企業を選ぶ基準は変わります。業界の人気度によって選考過程でライバルとなる学生の数も大きく変わってくるからです。当然、選考への準備でとるべき対策も変わってきます。

本命が人気のある業界の企業の場合と、そうでない場合の2つのパターンで解説します。

同業界を選ぶべき場合

本命企業が他の業界よりも人気が低い業界の企業である場合は、同じ業界で滑り止め企業を選んでもよいでしょう。それだけライバルとなる就活生の数も少なく、同業界の他社で内定を獲得できる可能性が高まります。

同じ業界で複数の企業を受けるメリットは、どの選考でも基本的に同じ対策・準備で臨める点です。たとえばESの志望動機の記入にしても、業界が違えば違う内容やエピソードを考える必要があります。同じ業界の企業であれば、まったく同じ内容ではないにしても、基本的に同じ方向性で志望動機をまとめられるので、それだけ手間も時間も省けます

他業界を選ぶべき場合

一方、本命企業が人気業界の企業である場合は、他業界にも視野を広げることをおすすめします。人気業界はそれだけ志望する学生も多く、本命企業以外の企業にも多くの学生が応募するものです。ライバルが多ければ多いほど競争も激化し、内定を獲得できる可能性も低いでしょう。

視点を変えて他業界、それも他の業界と比べて人気が低い業界に目を向けてみましょう。ライバルが少なくなれば、それだけ内定を獲得できる可能性も高まります

そのため、別の業界で滑り止め企業を選ぶ際は、第一志望と同様に人気の高い業界は避け、他の業界、特に他の学生の応募が少ない穴場の業界を模索してみましょう。

企業タイプ:BtoB企業にも目を向ける

就活生の間で人気が高い企業は、多くの場合BtoC企業です。BtoC企業は一般消費者向けに商品やサービスを提供する関係で広告宣伝活動にも力を入れているため、これまでサービスを享受する側だった就活生にとっては非常に知名度が高いです。

ブランド力の高いBtoC企業のみに目が向いていると、おのずと滑り止め企業もBtoC企業が中心となる傾向があります。BtoC企業は絶対数が少ないだけに、母数が小さい状態で競争も激化する傾向があり、合格率も低くなります

一方、世の中の大半を占めるのはBtoB企業です。元の母数が大きければ、それだけ新人採用の受け皿も広く、おのずと合格率も高まるでしょう。知名度は低くても、社会のインフラを支える重要な製品やサービスを生み出している魅力的な企業がたくさんあります。BtoB企業で広がる新たな可能性にも目を向けましょう。

企業規模:中小・ベンチャー企業を狙う

滑り止めとして中小企業やベンチャー企業を検討するのも重要なポイントです。というのも、中小企業は日本企業全体の99.7%を占めるほど絶対数が多いからです。分母が大きいほど競争もなく、選考を通過する確率が高まります。

反面、大企業は日本全体のわずか0.3%に過ぎません。学生の間では大企業のほうが知名度も高く雇用が安定しているなどの理由で高い人気を誇ります。もちろん、企業規模が大きいため採用人数も多いものの、やはり絶対的に企業数が少ない点で、最も多くの応募が殺到し、狭き門となっています

日本の雇用の約7割は中小企業が生み出しています。地域に根ざした企業や唯一無二の技術を持つ企業、先進的な技術・製品開発に取り組んでいるところも多く、探せば魅力的な企業が多く見つかるでしょう。
ベンチャー企業は設立してからの年数が短く、20代や30代の若手社員が多いのが特徴です。革新的な製品・サービスで高い注目を集めているベンチャーは、今後の成長に期待が持てます。優秀な社員獲得を成長の鍵として、給与を高く設定しているところもあります。

大企業とはまた異なる魅力がある中小・ベンチャー企業にも視野を広げてみましょう。

留年・浪人すれば第一志望に入社しやすくなるものではない

どうしても入りたい企業がある場合、新卒での内定が得られないと、留年・浪人して、来年もう一度チャレンジしてみようと思うかもしれません。

大学入試のときは、次年度の再チャレンジで合格を得られるかもしれませんが、就活は違います。
就活の場合、そもそも新卒ではないと選考が受けられない企業もあります。

厚労省は3年以内の既卒者には新卒枠での応募受付をするように事業主に要望していますが、すべての企業が新卒扱いをしているわけではなく、新卒はその年度の卒業者に限り、卒業から3年以内であっても既卒扱いとして中途での応募になる企業もあります。

本命しか自分は選考を受けないと考える人も、うまくいかなかった場合、そこから志望先を見つけるのは難しくなります。

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滑り止め企業の見つけ方

ここまでで、滑り止め企業に応募すべき理由や、応募することで得られるメリット、また滑り止め企業を選定する際に拠り所とすべき指針を解説しました。

では、肝心の企業選びをどうするかが次のポイントです。たとえ滑り止め企業といえども、実際に内定を受けることになった場合のことを考えて、できるだけ自分との相性が良く、希望の条件に叶った企業を選び取るのが肝心です。

ここからは滑り止め企業の見つけ方を解説します。自分に合った方法でぜひ滑り止め企業を見つけ出してみてください。

就活の軸から探す

第一志望でなくとも、自分の志向に合う企業を多く受け、その中から内定を貰いたいものですよね。そのためには、自分の就活の軸をまずははっきりさせましょう。具体的には、今志望している会社に魅力を感じている理由を掘り下げていけばよいのです

たとえば、メガバンク志望ならば、「稼ぎたい(これは立派な志望軸です)」とか「文系が主体の職場で自分の力を試したい」とか「モノを持たない業種でこそ、そのサービスを提供する人間の力が試されるから」というような動機があるでしょう。

その動機をさらに深堀りします。たとえば、「なんで『モノを持たない業種でこそ、そのサービスを提供する人間の力が試されるから』という点に自分は魅力を感じるのだろうか?そう考えるようなキッカケとなる成功体験、嬉しかった体験はないか?」を分析していきます。

すると、「サークルの勧誘を主導して、告知や勧誘方法を工夫して、新入会員を前年比3倍増やした」というような経験が見つかったとします。

これがわかることにより、「自分は自分の力で最終的な結果に影響をあたえるのが好きなのかもしれない」というような喜びの厳選、就活の軸が見つかります。

この例の軸ならば、金融に限らず、ネットベンチャーでも良いかもしれませんし、商社でも良いかもしれません。この軸に合致する企業をどんどん増やしていけば、持ち駒の企業は増えていくでしょう。

「Can」が活かせる企業を選ぶ

「Can」つまり、「自分にできること」を企業選びの軸とするのも1つのあり方です。「やりたいこと」を軸に企業を選ぶのも、もちろん良いですが、「やりたいこと」と「できること」は、人によって必ずしもイコールではない場合があります。

企業としては、学生のやりたいことも尊重しつつ、やはり社風や事業との相性などを重視して選考しています。その点、自社にマッチしたCanを備えた学生であれば、長く活躍してくれる可能性がある人材と判断して、前向きに検討する確率が高まります

学生にとっても、その企業で自分が本当にものになるかどうかは、実際に入社してみないとわからないものです。確実に自分のCanが活かせる企業であればあるほど、より活躍できる可能性が高まります。能力を発揮できればそれだけ仕事も楽しく、周囲の評価も高まるので、労働意欲や向上心にもつながっていきます。

逆に、自分のCanよりも「やりたいこと」を優先して企業を選んで入社を果たしたとしても、自分の活躍を見せる場に恵まれなければ、勤労意欲やモチベーションの低下につながり、最悪、早期離職に至るケースも少なくありません。

自分が持つCanが通用する企業であればあるほど、入社後の幸福度も高まるといえます。Canを軸にすることの大切さも考慮して、滑り止め企業を選びましょう。

強みや過去の経験が発揮されやすい環境を選ぶ

自分の強みや資質、これまで培った経験などを活かせる環境が整っているかどうかも、滑り止め企業を選ぶ際に意識すべき重要なポイントです。入社後の環境によっては、自分の強みやCanが発揮されない場合があるからです。

たとえば、周りに流されることなく単独で決断して行動する力があり、情報発信を得意とする就活生がいたとします。おそらく、社員一人ひとりの個人プレーで成長してきた少数精鋭軍団のような企業であれば、この就活生は自分の強みや経験を活かして力を発揮できるでしょう

一方、チームプレイを重んじるような企業では、このタイプの新人は周囲に溶け込めず、社風に違和感を感じてやる気を失う可能性があります。

企業の自分の強みや資質、経験そのものだけでなく、それらをきちんと活かせる環境かどうかの点も考慮しながら滑り止め企業を選びましょう。

自分で滑り止めを見つけられない…そんなときの究極奥義!

ここまでで、滑り止め企業を選ぶ際に軸とすべき指標や、滑り止め企業の見つけ方を見てきました。

就活生の中には、自分の力で滑り止め企業の選考にチャレンジしようと思いつつ、どの企業が良いかなかなか考えがまとまらない、いろいろ情報を見たけれどどれもピンとこない、といった人もいるかもしれません。

自分で滑り止め企業を絞り込めずに困っている場合は、次のようなサービスやサイトを使って探すことも可能です。

①就活エージェントを利用する

就活エージェントは、就職活動のプロとして第三者としての視点から就活生に向き合い、カウンセリングをおこないます。たとえばこれまで自分が強みと思っていた部分は専門家から見ると別にあるなど、的確なアドバイスを通じて、自分では気がつかなかったことが明らかになります。

就活生の希望や経験、人柄などを踏まえつつ、相性の良い企業を紹介してもらえるのも大きなメリットです。就活エージェントは多数の企業とのコネクションがあり、就活生では探し出せない優良求人を紹介してもらえる可能性もあります。各社の社風や求める人材も把握しているので、就活生と企業の間に立ち、マッチング度の高さに基づいて双方をつなげる役割があります。

企業側との交渉もエージェントが代理でおこなってくれるので、就学生が聞きにくい質問なども、就活エージェント経由で答えが得られます。応募書類作成や面接対策の指導が受けられるのもメリットです。もろもろのサポートは無料です。プロの指導を受けて受けて選考がスムーズに進めば、内定獲得も期待できるでしょう。

スカウト型就活サイトに登録する

滑り止め企業を見つけるために、就活サービスの利用もおすすめです。
キミスカは、登録するとあなたのプロフィールを見た企業からスカウトメールが届く、逆求人型の就活サイトです。

offreboxも、企業が興味を持った学生にオファーを送るタイプの就活サイトです。

オファーを送ってくれた企業に興味を持ったら、「承認」することで、直接メッセージのやり取りができます。また、気になる企業には「会いたい」通知を送り、自分からアピールすることも可能です。

どちらも、企業からスカウトが来るタイプの就活サイトなので、自分が検討していなかった業界業種からオファーを受け取ります。今まで知らなかった業界や業種、企業との接点ができることで、滑り止め企業選びの視野が広がります。思いがけず相性の良い企業との出会いがあるかもしれません。

また、ある程度滑り止めを探す業界・業種が絞り込めている場合は、それらの業界・業種を登録しておくことで企業からオファーが来ます。業界・業種が決まっていても企業の絞り込みに膨大な時間がかかるものですが、スカウト型ならそうした時間も手間も省けるので、より重要な準備に自分の労力を集中できるのもメリットです。

滑り止め企業の選考に臨む前の注意点

滑り止めと本命企業では、やっておくべき準備やとるべき対策に大きな違いはありません。ただし、実際の選考に進む際に、事前に押さえておくべき注意点がいくつかあります。特に選考を受けるタイミングをどうすかは、本命企業の選考に影響が及ぶこともあるので、重要なポイントです。

これから解説する注意点を押さえないまま、滑り止め企業に応募して選考に進んだ場合、あとあと滑り止めと本命両方での選考に影響する可能性もありますので、しっかり読んでください。

滑り止めだからといって情報収集の手を抜かない

滑り止め企業と言っても、企業の選考に残ろうとするのであれば、手抜きは禁物です。準備がなしに面接に臨めば、志望度の低さが表れ、結果が不採用となってしまいます。滑り止め企業の選考を受けたのに無い内定となってしまっては、時間と労力の無駄です。

たとえ滑り止めだとしても、志望企業に変わりません。本命企業がダメだとしても、ここなら入社したいと思って選考を受けるのが滑り止めです。第一志望でないとしても、入念に選考対策をおこない、選考当日に臨みましょう。

本命企業とほぼ並行か早めに受ける

滑り止め企業に応募するのは、無い内定という状況を回避する目的があります。また、本命企業での選考に備えて、一連の採用プロセスに慣れておくという狙いもあります。そのため、本命企業よりも早め、遅くても同時期に受けるのがおすすめです。

選考先に滑り止め企業で内定を獲得しておけばさらなる自信につながり、より意欲的に本命企業の選考に臨めます。

たとえば、本命企業の書類選考の締め切りが4月15日の場合、滑り止め企業は書類選考結果がその前の4月10日までに出るような企業を選ぶとよいですね。合格の場合はその書類で合格する可能性が高いという裏付けになりますし、不合格の場合は修正が必要なことがわかります。締め切りまで5日もあれば、余裕をもって修正に取り組めるのではないでしょうか。

面接で「滑り止め」と言わない

滑り止め企業の面接では、たとえ第一志望でなくても面接官に伝えてはいけません。選考では、軽んじるような態度は面接官を始めとした企業の方々に対して失礼に当たります。

万が一面接官から「うちは滑り止めですか?」「第一志望ですか?」などと聞かれた場合も、「第一志望群です」などと「第一志望です」と言い切りはせずに、ぼやかした返事に留めましょう。「滑り止めです」と言った時点で採用は見送りになる可能性が高いことを覚えておきましょう。

本命・滑り止めどちらも内定が出た場合は辞退も可能

就活中内定が1つでも出れば素晴らしいことですが、本命と滑り止めの双方から内定が出た場合は、どちらかを辞退しなければなりません。

就活中にそれぞれの企業に対するイメージが変わり、当初第一志望であった企業とは別の企業を選ぶようになるかもしれません。

いずれにせよ、複数の企業の内定をもらった場合は、なるべく早い段階で、熟考の後に企業に連絡する必要があります。辞退の連絡は、しにくいかもしれませんが、時間が経てば経つほど連絡しづらくなるため、早めに伝えましょう。

引き留められることが心配で、なかなか連絡ができないという人もいるかもしれませんが、内定辞退は企業も想定内なので問題ありません。採用担当者も、あなたが辞退するのであれば、別の人を探す必要があります。辞退を決めたら早めに連絡しましょう。

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滑り止め辞退のタイミングは本命企業の内定後

滑り止め企業から内定が出たら、本命企業の選考結果が出るまで辞退せず、そのままにしておきましょう。本命企業の内定が決まった後で辞退しても問題ありません。

せっかく滑り止めの内定を獲得したのに早々に辞退した場合、万が一本命の選考に落ちても先がありません。たとえ本命企業の最終選考に残っていたとしても、100%受かる保証はないので、滑り止めの内定は辞退せず、ぎりぎりまで待つことです。

自分を認めて先に内定を出してくれた企業に対し、後で断るつもりですぐに承諾の意思を示さないことを心苦しく思う人も少なくないでしょう。しかし、企業側も、学生が自社だけに応募しているわけではないのは承知の上で、ある程度辞退者が出ることも想定内で内定を出しています。それほど気にする必要はありません。

その代わり、本命企業からの内定の連絡が来たら、すぐに滑り止め企業に辞退の申し出をしましょう。

本命の選考中であれば内定承諾の期限の延長を申し出る

本命企業の選考中に滑り止め企業からの内定を受けた場合、内定承諾の期限延長が可能かどうか、またどれくらいまで延長してくれるのかを、滑り止め企業に確認するのも1つの手です。内定承諾の延長に応じてくれるかどうかは企業により異なります。また、期限延長もどれくらいの長さまで応じてくれるかも、企業によって対応が変わります。

いずれにせよ、期限延長が叶えば、それまで安心して本命企業での選考に専念できます。

内定承諾の期限延長を申し出る場合は2つの点に注意しましょう。

まず、採用担当者に電話して依頼するとともに、あとあと認識のずれが生じないよう、メールでも依頼をかけてきちんと記録を残しておくのが肝心です。

もう一つ、延長の理由については「別企業の選考結果を待っている」とは言わず、あくまで「大事な決断なので十分に時間をかけて検討したうえで、内定承諾をしたい」などと、承諾する意思がある旨を伝えることが肝心です

滑り止めからの内定しかない! そんな時の対処法

就活に力を入れて取り組んだものの、本命企業の選考は通過せず、滑り止め企業のみからの内定がくることもあります。頭を抱えてしまう状況ですが、次に向けて行動を起こさずにいると新たな道は開けてきません。

どのように対処すべきかで悩んでいる人は、次の2つの選択肢のいずれかを検討しましょう。

①就活を継続する

本命企業からの内定がもらえなかったといって諦めず、就活を継続しましょう。大手企業の採用期間は主に春から初夏にかけてですが、秋期には中小企業を中心とした採用活動が活発化します。また、通年採用を導入している企業も少なくありません。

たとえば春に本命企業に落ちたとしても、通年採用や秋期採用を実施している企業にシフトし、就職活動を継続することも可能です。

本命の業界や業種、職種にこだわりがある人、滑り止め企業で働いている自分のイメージが描けない人、次のチャンスに活路を見出したい人などの場合は、就活を継続することがおすすめです。

実際、本命に受からず、中途半端な思いのまま別の企業に入社したとしても、モチベーションが維持できずに早期離職するケースも少なくありません。後悔のないようチャレンジしてください。

新卒からしか入れない企業もある

大学入試のときは、次年度の再チャレンジで合格を得られるかもしれませんが、就活は違います。就活の場合、そもそも新卒ではないと選考が受けられない企業もあります。

厚労省は3年以内の既卒者には新卒枠での応募受付をするように事業主に要望していますが、すべての企業が新卒扱いをしているわけではなく、新卒はその年度の卒業者に限り、卒業から3年以内であっても既卒扱いとして中途での応募になる企業もあります。

本命企業以外は考えられない人やどうしても本命を諦めたくない人でも、うまくいかなかった場合、そこから次の志望先を見つけるのは難しくなります。新卒だからこそ、いや、新卒でしか与えられないチャンスや可能性を念頭に、今できる就活に専念しましょう。

②滑り止め企業の内定を承諾する

気持ちを切り替えて、滑り止め企業の内定を承諾するという手もあります。滑り止めといえども、その企業の選考に臨んだのには、そこに何かしらの魅力やメリットを感じたからでしょう。

迷いがある場合は、その企業で自分のやりたいことが実現できるか、自分の強みや経験などが活かされるかどうか、改めて自己分析をして再検討するのも有効です

滑り止め企業に具体的な魅力やメリットをみいだせる人、自分が活躍できる可能性を感じられる人、具体的なキャリアイメージが描ける人などは、滑り止め企業での内定を承諾して次のステップに進みましょう。

セカンドキャリアから夢を叶えることも可能!

今は終身雇用が崩れ、転職が当たり前の時代です。いったんは新卒入社した企業で働き続け、社会人としての自分磨き、経験の積み重ねに力を入れつつ、数年後に新たな機会を模索することも可能です。数年経っても忘れられない、叶えたい夢があるなら、それだけ本気で実現したい目標であることの証しといえます

数年後なら、自分の志望や能力、資質などをより冷静に分析して受け止められるとともに、仕事で培った経験を生かして、より自分に合った企業を見抜く目も養われていることでしょう。

社会人経験がない今は仕方ありませんが、数年後であれば夢の実現に向けて、セカンドキャリアというより具体的なかたちで動くことも可能です。

就活では本命一本に絞らずに滑り止め企業も複数選考を受けておくべき

入社は1社しかできませんが、第一志望の企業に入社できる人は、限られています。それほど就活選考は厳しいものです。

新卒での入社が出来なかったからと言って、必ずしも次年度内定を貰えるとは限りません。

第一志望を諦めない心も大切ですが、就活の軸が同じである第一志望群としての滑り止め企業も視野に入れることもおすすめです。

就活の軸を改めて考えて見る、業界地図を見てみる、逆スカウトサイトに登録してみるといった方法で、応募企業の選択肢を増やしていきましょう。