就活前に知っておきたかった!ある確実に起こる未来について

本コンテンツは独自に制作していますが、一部にサービス提供企業等から広告料および送客手数料を受領しているPR情報が含まれています。

「どの就職先を選べば安定するのか」と聞かれることがあります。この質問に答えるのは難しいです。なぜなら、未来は予測できないから。

しかし、一つだけ予想できる未来があります。その未来はあなたの人生に、就職先に大きなインパクトを与えるでしょう。確実に起こる未来、それは日本の少子高齢化が確実に進んでいく、ということです。

物凄い勢いで進む少子高齢化

P10b

出典:財務省「日本の財政を考える」(平成 20 年)より

将来の予測は困難ですが、人口動態は唯一の例外です。日本のような先進国では、栄養失調で急死する幼児がいないため、平均余命や出生率から、ほぼ確実に未来の人口動態を予測することができます。では、どのくらい少子高齢化が進むのでしょうか?

まず、日本の人口は2005年から減少し続けています。2030年には1億1500万人に、2050年には9500万人まで減少します。加えて、高齢者の比率はどんどん増えていきます。

65歳以上の高齢者の人口比率は2030年には31.8%に、2050年には39.6%まで上昇します。「10人のうち、4人が高齢者」という歴史上まれにみる超高齢化社会が到来するのです。こんな未来がほぼ確実に実現します。

就活の軸を定めよう

就活は内定を得ることが目的ですが、内定を得て入社した後も自分の選択に自信を持つことで、本当に就活が成功したといえるでしょう。しかし、就活の軸を定めることは難しいです。
そこで活用したいのが「就活の軸作成マニュアル」です。

就活の軸には、年収という観点以外にも様々なものがあります。このマニュアルでは、就活の軸の作り方が詳しく紹介しています。無料でダウンロードできるため、就活に迷いがある学生はぜひ無料でダウンロードしてみましょう。

少子高齢化で日本はどう変わるか?

では、少子高齢化で日本はどう変わるのでしょうか

税金が高くなるでしょう

まず、現状の社会保障制度の維持は難しいでしょう。なぜなら、2020年には人口の4人に1人が間違いなく高齢者になり、最も人口の多い団塊の世代が75歳以上になります。

彼らが介護サービスや医療サービスを使うようになれば、現行の社会保障制度を維持するのは難しいでしょう。なぜか?上の図を見ればわかるように、日本は若い世代が高齢者を支えることで成り立つ社会です。

今の税制では、2020年に高齢者を支えることはできないでしょう。ということは、税制の改革によって、この負担を誰かに押し付けるしかありません。

では、誰に押し付けられるでしょうか?それは若者です。政治家の目的は「政治家でいつづけること」であり、日本を良くすることではありません。最も人口の多い高齢者を敵に回すことは、彼らにとって絶対に避けたいことです。

とすれば、選挙に意見を反映しない若者にしわ寄せが来ます。消費税・所得税がどんどん上がっていくでしょう。税制学者によれば、消費税25%でも現状の社会保障制度を維持してていくことがはできないそうです。どのくらい上がるかはわかりませんが、税金が上がることだけは覚悟しておくべきでしょう。

すでに10%に

2019年10月より消費税率は8%から10%に引き上げられます。これまで何度も引き延ばされてきたため、今回も先送りかと思われましたが、とうとう施行されるに至りました。食料品をはじめとした生活必需品などは軽減税率なため8%の据え置きとなっても、その他は今より負担が増えます。

実は、他の先進国と比べると日本の税率10%というのは決して高いわけではなく、北欧などでは25%前後となっているため、今後、段階的に日本も同じ水準まで消費税率が上昇する可能性もあるのです。

また、日本は消費税率だけでなく給与所得に関する税率も世界的に見て高い水準にあるため、国民一人一人の税負担はますます増えることになってしまいます。税負担が増えたからと言って、スウェーデンのように医療費や教育費が無料となるといった恩恵があるのかどうかも疑問ですし、フランスのように大学は登録料だけで授業料がほとんどかからない、といったシステムが導入される可能性も少ないでしょう。

そうなると、学費が家計を圧迫するために子供を諦める世帯が増え、ますます少子化が進み、ますます税負担が増えるという悪循環に陥ってしまうのです。

年金の維持は難しそうです

加えて、「世代間支えあい」型の年金制度の信頼も揺らぐでしょう。なぜって、年金の原資を払う生産人口の比率が減り、貰う人が増えるわけですから、維持できるわけがないからです。

現状でも、厚生年金の場合、平均余命まで生きると、2000万円損をすることがわかっています。そもそも、現時点ですら崩壊しているのに、さらに高齢者比率が増えるのですから、年金は若者にとってより馬鹿げた金融商品になっていくでしょう。

老後の貯蓄ができる給料を考慮

国の年金制度が頼りにならないとすると、自分でなんとかするしかありません。
そのためには、収入があることが大前提なのですが、給与を預貯金として貯蓄するだけでは、近年の低金利では将来的にはかえって目減りしてしまいます。かといって、ハイリスクハイリターンの株やその他の金融商品は知識がないと、資産をかえって減らしてしまう可能性もあります。

企業で働く場合は企業年金や、株や投資信託の一定額非課税制度であるNisa(ニーサ)や、ideco(イデコ)などの国の推奨する自己年金制度を利用するなどの方法で、自分の老後に備える必要があります。もちろん、完全に安全な商品というものはありませんが、国に指定されているということは、他の商品よりも安心できると考えてもよいでしょう。

いずれにせよ、給与所得がないと、どんな金融商品も手に入れることはできません。まずできることは、確実な収入源を確保することなのです。そのため、貯金を取り崩さないと生活が成り立たない給与では不十分であると言えるため、就職先を選ぶ際には給与水準が低すぎる場合は避けたほうが無難でしょう。

内需は減るでしょう

さて、税金が高くなり、年金が信頼できなくなり、人口そのものも減り、消費をする生産年齢の人口が減っていけば、どうなるでしょうか?内需が減る可能性が非常に高いと思います。

では、内需が減ると、日本の会社はどんな影響を受けるのでしょうか?

imasia_15025085_S-1

内需に頼りきりの業界には注意

日本の市場がシュリンクしていく未来を想定するならば、内需に頼り切りの業界は厳しい未来を迎えそうです。内需が縮小していったとき、就活生に人気の業界は、本当に未来においても魅力的な業界でしょうか?

たとえば、大手広告代理店は就活生に大人気です。高給ですし、カッコ良いイメージがありますから、ある意味当然ですね。

海外企業を買収した電通は別として、博報堂、ADK等の大手広告代理店は売上のほとんどを国内であげています。海外売上もあるにはありますが、日本企業の海外広報活動のお手伝いがほとんどで、海外市場でクライアントを発掘できていません。つまり、国内にビジネスの多くを依存しています。

では、内需が減ったとき、大手広告代理店はどれだけ今のビジネスを維持できるのでしょうか?(そもそも現時点でも広告市場は縮小しています)もちろん、日本の市場がシュリンクしてもトヨタのようにグローバル展開すればビジネスを拡大できるはずです。しかし、大手広告代理店のビジネスにトヨタのような国際競争力があるのでしょうか?

たとえば、大手生保を考えてみましょう。今年は大手生保が就活生の人気ランキングトップ10に3つも入りました。生命保険の最も大きな顧客層は、「子供がいる家庭」です。少子高齢化が進み、上のピラミッド図のように人口が動けば、彼らのビジネスはどうなるでしょうか?

このように「内需が減る可能性が高い」ということを前提に考えれば、魅力的に見える人気就職先も高いリスクを抱えていることがわかります。

(人口が減り、少子高齢化が進んでも、内需が減らない可能性はどれだけあるのでしょうか?油田でも発見されれば別でしょうが、そのことに賭けるのはあまり現実的ではありません)

志望業界の経済の動向に目を向ける

志望業界の研究をする際に、業界だけの動向を見ることは、木を見て森を見ずの状態です。なぜある業界が採用数を減らしたのは、ただ単に景気が悪いからだとは限らないからです。機械化による無人化やAIへの仕事のシフト、またはより安い労働力を求めるための海外移転など、別の要因もあるからです。

それ以外にも、社会全体としての仕組みの変遷も、採用人数に影響を与えます。
それは、30年前には、今のようにIT企業などがなかったところからもおわかりいただけるでしょう。
また、景気がよくなったからと採用が増えるとは限りません。むしろ、バブル崩壊後に採用者数を減らさざるを得なかった経験から、企業は景気がよくなっても採用数を一定に保つことが多いのです。

このように、世界全体の経済の動向を頭に入れて、志望業界がどういった変遷をたどるのかを知ったうえで、業界や企業研究をするようにしましょう。

経済新聞を読む

就活を始めるまでは、経済には全く興味がなかったという方もいるかもしれませんが、就職活動をして行くうえで、やはり少しは経済情報に触れる必要があります。
簡単な方法としては、経済新聞を読むことです。

業界に関するニュース以外は、そこまで深く読み込む必要はありませんが、おおよその世界や日本の経済の動向を知っておくことは、やはり社会人として必要な一般常識とされています。

そのため、最低限テレビでもニュースになる程度の知識は身に着けておきましょう。
回数を重ねるごとに知識が深まり、そのうちに興味のある分野ができればしめたものです。

自己研鑽の一環として、更なる情報を得たいという気持ちになれば、仕事に活かせる可能性もあります。自己PRの際に、志望業界について深い知識をアピールして、仕事に活かすことができるスキルとマッチングできれば、好印象を与えることができるでしょう。

国内需要が縮小していくことを前提としたキャリア構築を

国内の需要が縮小していくことは避けがたい。国内の需要が縮小するならば、今の学生に人気の企業の多くは現状のビジネスを保てないでしょう。では、どの企業に行けばいいのか?安定するのか?それはわかりません。

なぜなら、未来は予測できないからです。少し前なら、「東京電力なら大丈夫だよ!」と言えそうでしたが、原発がああなった後では、これからどうなるかわかりません。

ただ、確実なのは世界が資本主義であるということです。資本主義である以上、世界の経済は上げ下げを繰り返しながら、長期的には拡大していきます。なぜなら、資本主義は人間の欲望を原動力にして自己増殖するシステムで、人間の欲望には限りがないからです。

日本は長期停滞を迎えていますが、成長余力のある国はいくらでもあります。たとえば、インドネシアのGDP成長率は6.5%、ベトナムは5.9%、インドは6.9%です。(日本は-0.7%)

日本がどうなるかは知りませんが、世界全体は豊かになっていくでしょう。海外に目を向ければ、信じられないくらいたくさんのビジネスチャンスがあるはずです。

たとえば、海外売上比率の高い部品メーカーはどうでしょうか?内定後、あなたが英語力を4年生の間に高めて、採用面談で海外に関わりたいことを猛烈にアピールすれば、海外業務に関われる可能性は高いでしょう。

その会社がどうなるかはわかりません。が、そこで得たキャリア・技能を欲しがる会社は必ずあるはずです。一見優良に見える人気企業よりも、海外売上比率の高い優良中小メーカーの方が将来的には良いかもしれません。→海外売上比率の高い企業一覧 http://finance.nifty.com/cs/theme/dtl/00012420110411001/1.htm(上場企業限定)

おわりに

日本経済の未来にはあまり期待できませんが、世界経済の未来には期待できます。日本市場の成長にかけたキャリアよりも、世界経済の成長にかけたキャリアを歩みましょう。

資格や経験は裏切らない

以前は「大手企業、上場企業なら安心」という風潮がありましたが、現在ではいかに歴史の長い大手企業でも上場企業でも、決して安泰ではありません。

一生働くつもりで就職した会社が、業績の悪化のために合併・吸収という道をたどることも珍しくありません。リストラの憂き目にあって仕事がなくなったり、会社自体の廃業により、転職せざるを得ない状況に陥る可能性もあります。

そんなとき、一社の歯車でしかなく、特別な技能を持ち合わせていないと、なかなか転職先が見つからない可能性があります。しかし、仕事に直結する資格や特別なスキルがあれば、中途採用でも即戦力として採用してもらえるチャンスが大きくなります。

一旦就職すると、安心して向学心がなくなってしまうかもしれませんが、就職活動をしていくうえで大切な「向上心」は入社後も必要だと心得、グローバル人材として生き残れるような知識・技能を身に着けましょう。