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就活をしていると、「学歴フィルターがあるから、うちの大学から大手企業は受からないよ」などと先輩から言われることがあると思います。「学歴フィルターってなんだよ…」と思い、気になりますよね。
そこで、そもそも「学歴フィルター」とは何なのか?実際に存在するのか、解説していきたいと思います。
就活生は学歴フィルターを実感している
学歴フィルターという言葉を耳にしたことのある就活生は多いでしょう。
就活が解禁した3月、Twitter上でも学歴フィルターについての発言を目にします。
学歴フィルターを企業から公開しているケースはありません。
自分が長年希望してい他企業に学歴フィルターがあると知ったら、就活へのモチベーションは下がりますよね。
ここでは、学歴フィルターの実態について紹介します。
学歴フィルターとは大学名でフィルタリングして選考参加の可否を決めること
そもそも学歴フィルターとは何なのか?簡単にいえば、「採用の対象としている学生以外をフィルタリングして、説明会・書類選考などでふるい落としてしまう」ことを指した就活用語です。
学歴フィルターという言葉が生まれた経緯
その昔、大和総研という企業が、「学歴不問」といっておきながら、会社説明会に「有名国立大学+MARCH以上」の学生しか予約できない設定をしたことが2chの就職版で発覚しました。(それ以下の大学の学生が予約しようとしても、常に「満席」と表示される。)
そこから「これじゃ学歴フィルターじゃないか」ということで、この用語が生まれたのです。
学歴フィルターのかけられ方
就活において学歴フィルターは以下のような形で作用します。
- 一定の学歴がないと、説明会を予約しようとしても常に「満席」と表示される(東大生は自由に予約できるのに…
- 選考に必須のリクルーター面談に、そもそも呼ばれない。リクルーターがつかない
- 書類選考でろくに見もせずに、大学名だけで落とされてしまう
と、このように「選考活動の序盤から、そもそも排除されてしまう」のが学歴フィルターの作用です。
でも「本当にあるの?噂じゃないの?」と思いますよね。実際にはどうなのか。
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企業が学歴フィルターをかける理由は選考の工数削減
人気のある有名大手企業の募集には、確たる理由もないまま「有名だから」「とりあえず」といった気持ちで応募する学生も多く、大手企業の選考には応募者が殺到します。
全員の応募書類に目を通して実際に人を見ての人物本位の選考が理想ですが、実際にはそんな時間も手間もかけられない企業が多いことも事実です。
大手企業は、採用人数も多いですが応募数が圧倒的に上回るため、採用工数の削減とふるいをかける方法として取られるのが、大学名による選択、いわゆる学歴フィルターです。
学歴フィルターは存在するのか?
企業のページでは「学歴は不問です」と言っていますよね。でも、簡単には信用できません。実際にはどうなのか。
結論から言えば、学歴フィルターは存在します。人材採用コンサルティング会社のHRプロが400社の企業を調査し、「採用のターゲット校(この大学から採用すると決めている大学)はあるか?」と調査した所、2015年度では45%の企業が「設定している」と答えています。
採用ターゲット校とは「この大学からとる」と決めている大学のこと。その大学の学生を優先的に採用していく、ということですから、それにあぶれる大学の学生は採用上とても不利になります。
これは事実上の学歴フィルターと言えますよね。だから、残念ながら「学歴フィルターは存在する」と言わざるを得ません。
企業の評判のためにあからさまな学歴フィルターは減っている
※SNSで評判が広がりやすいため
近年では、SNSですぐに情報が拡散されるため、あからさまに学歴フィルターをかけていると、すぐに就活生の間だけではおさまらないほどに拡散され、企業評判を落とすことになりかねません。
そのため、企業は自社のイメージを損なわないよう、セミナーや企業説明会でも偏差値の高い大学のときは参加ができ、低い大学のときは予約満席の表示といった分かりやすい学歴フィルターはかけていません。
以前と比べて表立って学歴フィルターを使う企業は減りつつありますが、実際には人気のある企業は選考業務の効率化のために使い続けています。
しかし、中小企業や、大企業でも業種によっては学歴不問の採用をおこなっているところもあります。
企業としては、自社のイメージアップを図りたいため、今後は資格試験やインターンシップの参加などの、明確な採用基準を設けることも考えられます。
実際に存在すると噂の企業
学歴フィルターは全ての企業に存在するわけではありませんが、過去のデータから学歴によって足切りをしていると噂される例はあります。一般的に学歴フィルターが存在すると言われているのは、東証一部上場の一流企業です。
特に就職人気ランキングで毎年上位になっているようなメガバンク、地銀、ソフトバンク、ANAなどの国内大手企業が挙げられます。知名度が非常に高い大企業の場合はとりあえず説明会に応募するような人も多いため、採用活動を効率化する必要があるということでしょう。
大手総合商社やコンサルティングファーム、外資系の投資金融機関なども学歴フィルターが存在するという声をよく聞きます。こういった業種は高度な業務を行うための地頭の良さや知識量、グローバルに活躍するための語学力などを求められるからでしょう。三菱商事や伊藤忠商事、マッキンゼー、ゴールドマンサックスなど、世間的に「狭き門」と言われるような企業が挙げられます。
また、大手一流企業の系列会社や関連会社も親会社に合わせて学歴フィルターが存在することがあるようです。一方で、ここで挙げたような大手上場企業であっても、学歴による足切りをしていないと考えられる企業は多くあります。何れにせよ明確な根拠が公開されているわけではありませんので、あくまで噂として捉えておきましょう。
どのレベルの大学から足切りされるのか?
では、どのくらいの大学から足切りされるのでしょうか?日経新聞の記事「就活生に朗報? 「学歴フィルター」に異変あり」から引用すると、
となっています。これをまとめると、
- 多くの企業は日東駒専をラインに学歴フィルターを敷いている
- 説明会の予約などで、早慶以上の学生が優遇されることがある
といえるでしょう。相談に乗っている就活生の話を聞くと、MARCHの学生は「フィルタリング」されているというよりは、「早慶以上の学生が優遇される割を喰って説明会が予約できなくなっている」という様子です。しっかりエントリーシートを書けば書類選考は通過するようです。
学歴フィルターにかからない大学
一般的に偏差値が高い難関校と言われる大学ほど、学歴フィルターにかからない可能性が高くなるでしょう。最も学歴フィルターを通過しやすいとされているのは、「東京一工」と呼ばれる東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学の4つです。
次いで、同じ国公立大学である北海道大学、東北大学、筑波大学、お茶の水女子大学、東京外国語大学、横浜国立大学、名古屋大学、大阪大学、神戸大学、九州大学などが挙げられます。私立で言えば早稲田大学、慶應大学、上智大学、東京理科大学、ICU(国際基督教大学)なども同水準と言えるでしょう。
学歴フィルターのボーダーラインとされるのは、国立大学だと埼玉大学、新潟大学、信州大学、静岡大学、滋賀大学の5つです。私立で言えば、MARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)や関関同立(関西学院大学、関西大学、同志社大学、立命館大学)が挙げられます。
これらに続くランクとされる日東駒専以下は学歴フィルターで足切りされる可能性が高いと言われています。ただ明確なソースはなく、難関企業であっても基準はまちまちなので一概には言えません。また地方大学の場合は、地元企業と県外の企業とで足切りラインが変わることもあるようです。
学歴フィルターに有利な学部学科
学歴フィルターは同じ大学でも学部や学科によって扱いが変わることもあります。学部によって知名度やネームバリュー、偏差値、難易度が変わるためです。例えば医学部医学科なら学歴フィルターをより通過しやすくなるでしょう。他にも有名な例では、同じ早稲田大学であっても、政治経済学部と法学部以外は足切りされるケースもあるようです。
単純や知名度や偏差値だけでなく、企業が求めている知識や能力によって左右されることもあります。例えば、投資系金融機関やコンサルティングファームなどでは理系学部が優遇されるということもあるようです。
学歴フィルターを乗り越える方法
ただ、リーマンショック以降、新卒採用を控えたせいで、多くの企業は深刻な若手社員不足に陥っています。
若手社員不足を解消するため、企業は例年にないほど採用人数を増やしています。
採用人数が増えた結果、現在は「かなり学生が有利な売り手市場」となっているのです。
どうしても人数を採用しなければならない企業は、学歴フィルターを緩める動きに入っているようです。先ほどの記事から再度引用すると、
と、このように景気の回復や、企業の若手社員不足のような問題とあいまって、学歴フィルターの問題はかなり緩くなっているようです。
私が就活をした時は、ちょうどリーマンショックでして、「早慶・旧帝大」レベルでやっと説明会に参加できる…というレベルの企業がありました。それを考えれば「かなりチャンス」といえるのではないでしょうか…
学歴フィルターを乗り越える方法
緩くなっているとはいっても、学歴フィルターは存在する。では、どうやってこの学歴フィルターを突破すればいいのでしょうか。ポイントは3つあります。
選考書類を丁寧に仕上げる
学歴フィルターの存在が噂される難関企業であっても、明確に情報が公開されていない以上、全く受かる可能性がないとは言い切れません。
学歴によって説明会への応募すらできないシステムになっているのでなければ、エントリーシートを丁寧に仕上げてフィルターの突破を目指しましょう。
エントリーシートは半分以上読んでもらえない、という話もありますが、全て見てくれる企業もあります。
例えば、いわゆる難関企業の一つと言われる某大手自動車メーカーでは、数千ものエントリーシート全てに目を通すと言われています。
もちろん数人の人事担当者だけで全てを捌くのではなく、管理職全員で分担するのです。
読む人が多いと判断結果がバラバラになると思われますが、見るべき部分をたった一つに絞ることで効率化と基準の統一を図っていると言われています。
知名度が高く人気の大手一流企業ほど学歴フィルターの影響があるとされていますが、確認できず自分では動かしようのない事実を前に悩むのはナンセンスです。入社したい気持ちと応募のチャンスがあるのなら、まずはエントリーシートに熱意をつぎ込みましょう。
読みたくなるESを書く
学歴フィルターによる足切りが想定される企業は、就職人気ランキング上位常連の有名企業が中心です。当然応募総数も多く、企業は数多のエントリーシートに対応しなければなりません。仮に学歴フィルターにかからずに目を通してもらえたとしても、他とは違う読みたくなるESでなければ目に止まることはないかもしれません。
国内大学の画一的な教育のせいか、あるいは就活対策の普及のせいか、企業の人事担当者はありきたりで無難なエントリーシートの内容に飽き飽きしているという声もあります。「サークルで委員長をやっていました」「バックパッカーとして海外を旅していました」といった経験を語るだけでは逆に埋もれてしまうのです。
企業は必ずしも面白いエピソードや人と違う経験を求めているわけではありません。応募者が企業に合っているか、入社後にどう活躍できるかを見ているのです。テクニックを凝らした「通過しやすい」エントリーシートではなく、あなたらしさを感じられる内容にしましょう。例えば、着飾った良いことばかりではなく、失敗談や短所にフォーカスするのもおすすめです。
それでもどのようなエントリーシートを書けばいいのかわからない場合は、内定者のエントリーシートを参考にしてみましょう。この「人気企業の内定者ES100社まとめ」が無料で手に入る割に中身が充実しているのでおすすめです。
出来るだけ多くの企業を受ける
どの企業が学歴フィルターを設けているか?これは受けるまではわかりません。「少ししか受けませんでした。全部学歴で落とされました」では困ります。
HRプロの調査によれば、55%の企業は学歴フィルターを設定していません。多く受ければ受けるほど、学歴ではなく、人物で学生を判断する企業と出会える確率が高くなります。
チャンスを逃さないために、出来るだけ多くの企業を受けてください。
「突き抜け経験」を獲得する
『リクルートを辞めたから話せる、本当の「就活」の話 無名大学から大手企業へ (PHPビジネス新書) 』という、元リクルートの著者が書いた本によれば、「突き抜け経験」をしていれば、無名大学でも大手に内定できる、といいます。
突き抜け経験とは、「今やっていることを頑張りつくし、結果を出した経験」のこと。たとえば、
- 100円ショップの売り場にちょっとした提案を出し、売上を伸ばした
- コールセンターの業務を改善する方法を提案し、採用され、業務を効率化した
と、このように「今やっているアルバイト・ゼミの中で、出来る努力を精一杯し、何らかの結果を出す」経験が突き抜け経験です。
これらの経験をしていると、就活で話すことになる「学生時代に頑張ったこと」「自己PR」の質が向上し、説得力がアップ、結果内定につながりやすくなるのです。
今からでもいいので、アルバイトやゼミ、サークルで何か「改善したら良い結果が出そうな課題」はないのかを探し、それを解決するための提案をつくり、周りを巻き込んで行動を起こしてみましょう。
学校内会社説明会に参加してくる企業を積極的に受ける
これは確実&安心な方法です。あなたの大学にわざわざ会社説明会に来るということは「あなたの大学から積極的に採用する気がある」ということの証左です。
ですから、学校内に説明会に来る企業を受けていけば、ほぼ確実に『学歴で不利にならない企業』と出会えるといえるでしょう。学校によっては、中小企業等の参加も多いとは思いますが、財務や業績を調べると、実は。「隠れた優良企業」であることも多い。
積極的に学内企業説明会に参加し、自分にあう企業を探してみましょう。
筆記試験で高得点を獲得し面接選考に持ち込む
そもそも学歴フィルターは「高学歴である」=「頭が良い」という考えが、企業にあることによります。
それならば、大学名以外で、地頭の良さや、努力など他の材料で判断してもらうしかありません。
実際には仕事ができるかどうかは、勤務開始後しかわかりません。
しかし、学歴によりその可能性を判断しようとする企業の考え方が変わらない限り、そのやり方に従うより仕方ありません。
筆記試験で高得点を取り差別化を図ることによって、「頭が良い」と思ってもらうことも不可能ではありません。
筆記試験は具体的な数字でアピールできるため、得点が高いということは説得力があります。
自分が学歴フィルターの対象になってしまうという場合は、筆記試験で高得点を取ることが内定への近道だと言えるでしょう。
早めの対策により点数の獲得は可能
筆記試験自体は、通常簡単な問題ばかりで、誰にでも回答できるような問題がほとんどです。
しかし、指定時間内でプレッシャーがある中で、数多くの問題を正確にこなしていくには、やはり慣れが必要となってきます。
時間配分や、解き方のコツをつかむためにも、事前の対策は必須です。
また、企業によって行われる筆記試験のタイプが違います。志望先の企業の傾向を調べ、その試験に合わせた対策問題をこなすことが、点数アップへつながります。
全てのタイプの問題の勉強をしようと思っても、時間がかかり大変です。
一つの試験の結果が複数企業に利用できるものもあるので、志望企業が当てはまるかどうか調べてみるとよいでしょう。
早めの対策により、効率的に点数を獲得できる方法を見つけ、自分なりに有意義な就活のやり方を見つけてみましょう。
学歴フィルターを超えるために、まず自己分析
学歴フィルターをかけている企業はありますが、もちろん、無い企業も多々あります。無い企業の選考を突破するためにも、まず自己分析で、売り込む商品である「あなた」を深く理解しておく必要があります。
ただ、自己分析をするのも結構大変ですよね。
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