簡単!地方銀行の志望動機の書き方の3つの秘訣【例文あり】

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地銀の志望動機の書き方がわからず、困っていませんか?金融業への志望動機はかけても、地方銀行のための志望動機がかけずに苦戦する人も多いかと思います。

でも、大丈夫。少しのポイントを押さえれば、簡単に説得力のある地方銀行の志望動機が書けるようになります。わかりやすい例文とともに、地方銀行の志望動機の書き方を詳しく解説していきます。

地方銀行とは? 特徴やメガバンクとの違いを解説

地方銀行はメガバンクの縮小版だと思っている人も多いのではないでしょうか。確かにそう言える部分もありますが、メガバンクとは違った役割も持っており、各地域とって欠かせない存在です。メガバンクにはない、地銀ならではの魅力や強みもあるのです。

まずは改めて、地銀の特徴やメガバンクとの違いを確認しましょう。

地域貢献度が高い

地方銀行は地元企業とのかかわりが強く、メインバイクとしている地方企業も多いです。メガバンク以上に信頼を集めて地位を築いていることも珍しくありません

地元の中小企業を中心に融資や経営のサポートを提供することで、その企業のみならず地域経済の活性化に貢献しています。各企業と協力してイベントを主催や協賛することもあり、地域全体を盛り上げるために欠かせない存在なのです。

個人にとっても、預金だけでなく住宅ローンや教育ローン、地方には欠かせないマイカーローンなど、日常生活を支える大きな役割を持ちます。メガバンクに比べて支店やATMが多いため気軽に利用しやすいことが、選ばれる理由です。

仕事内容はメガバンクと同様

地方銀行もメガバンクも預金・貸出・為替という銀行の三大業務を扱っており、主な仕事内容は同じです。どちらも大手企業の資金調達や運用、M&Aなど経営のサポートを提供するホールセール部門と、個人や中小企業のローンや資産運用、保険などを扱うリテール部門を柱としています。

しかし、仕事のスケールや対象地域が異なります

メガバンクが顧客とする大手企業はグローバルに事業を展開する企業も多く、国内外含めた経営サポートをおこなっています。融資や運用、M&Aで扱う金額が大きいことも特徴です。

一方で地方銀行はメガバンクに比べると事業規模は小さく、地元の中小企業が主な顧客です。地元企業からの信頼が厚く、顧客一社一社とより深い関係性を築いていることが特徴といえます

地方銀行は地元出身者の方が受かりやすい?

地方銀行の行員には地元出身者が多いイメージがあるのではないでしょうか。確かに、地元出身者が大半を占める地方銀行が多いのは事実です。

しかし、その地域の大学に通っていたり、何かのきっかけでその地域に魅了されて入社を熱望している就活生もいます。選考において地元出身者の方が有利なのか、他の地域の出身者にとっては非常に気になるところですよね。

出身地は合否に影響するのか、面接の際に見られているポイントを解説します。

出身地は評価ポイントではない

地方銀行に限らずではありますが、企業が採用したいのは自社で活躍してくれる人なので、出身地は選考には関係ありません。しかし、他の地域出身者の場合「その地域で働きたい理由」が弱くなりがちなため、地域貢献の役割が強い地方銀行では志望意欲を伝えるのに苦労しやすいのです

また、その地域を選んだ理由に説得力がないと、すぐに退職して地元に戻ってしまうことが懸念されるので、銀行側は採用に慎重になります。

逆にその地域、地方銀行で働きたい理由をしっかり説明することができれば、「地元でもないのにそこまで考えてくれている」とプラスに働く可能性もあります。

見られているのは自社とのマッチ度

地元密着型の企業であろうと全国展開の大企業であろうと、見ているポイントは同じで「自社にマッチするか」です。どの企業でも企業の理念や経営方針、社風に合っていて入社後活躍しそうな人材を採用する、という点は共通しています。

地方銀行の場合は理念や経営方針に地域密着に関することが含まれることが多いため、そこに共感できて地域のために貢献したい気持ちを持てれば出身地はどこであろうと問題ありません。何がきっかけでその地域に興味を持って、どこに魅力を感じているのか、その地域をどうしていきたいのか、銀行と一緒に取り組んでいく姿勢を見せましょう。

地元出身者の応募が多い分採用者も多くなる

地方銀行の行員に地元出身者が多いのは、優先的に採用されているわけではなく単純に応募者に占める割合が高いからです。地元で知名度があり信頼と安定性の高い銀行は、地元で働きたい就活生からの人気が集まります。

遠方に支店を持つケースもありますが、銀行の主要営業エリア内での勤務が中心なので、地元から遠く離れた地域への異動は少ないです。

また、生まれ育った地域への思い入れが強く、面接で「なぜ地方銀行なのか」「その地域で働きたい理由」について説得力のある説明ができるため、高評価につながりやすいメリットもあります。他の地域出身者でも、この点をしっかり説明することができれば不利になることはありません

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地方銀行(地銀)の志望動機(例文)

ここからは具体的な志望動機の書き方について、例文をもとに解説します。まずは例文を確認しましょう。

例文

横浜銀行の志望動機(例文)

私が貴行を志望するのは、法人渉外として、生まれ育った神奈川で活動する企業の経営を支え、地域を活性化していきたいからです。

大学時代に中小企業で販促業務のインターンをした経験から、「どんな拡大戦略にも、まず資金」と中小企業の切実な資金ニーズを実感しました。その経験から、ファイナンスを通じて、中小企業の経営を支えられる地銀の渉外業務に携わりたいと考えるようになりました。

地銀の中でも、貴行は、私の生まれ育った神奈川県を金融を通じて長年支えてきた銀行です。また、地銀No1という地位に奢ることなく、「横浜アジア倶楽部」等のアジア進出支援や、「ゆめ基金」による成長産業支援など、機動的に事業を展開しておられます。貴行でこそ、細やかな金融支援を通じて、企業のニーズに応え、神奈川を活性化していけると感じ、貴行を志望しております。

入社後は渉外営業として中小企業をサポートするとともに、「みらい海図」事業を通じて創業を支援することでさらに多くの企業とともに神奈川を盛り上げていきたいと考えています。

例文では、下記の順で話を展開しています。

  1. 仕事を通じてやりたいこと(結論)
  2. 銀行を志望する理由
  3. 銀行の中でも地方銀行を志望する理由
  4. 入社後のビジョン

この内容を盛り込むことで、わかりやすく説得力のある志望動機を作ることができるのです。これらのポイントについて、1つずつ解説していきます。

志望動機が書けない時は、志望動機作成ツールを活用してみよう

ここまで地方銀行の志望動機を作成する方法を解説してきましたが、例文のような志望動機を一人で書き上げる自信がない方も多いはず。

そんな時は、「志望動機ジェネレーター」を活用してみましょう。

志望動機ジェネレーターなら、簡単な質問に答えるだけで説得力のある志望動機が完成します。

志望動機作成ツールを活用して、人事を唸らせる志望動機を完成させましょう。

会社の仕事を通じてやり遂げたいことを述べる

例文

私が貴行を志望するのは、法人渉外として、生まれ育った神奈川で活動する企業の経営を支え、地域を活性化していきたいからです。

まず志望動機の結論として、「その地銀の仕事を通じてやり遂げたいこと」を書いてください。

ビジネス文書において結論から書くことは基本の作法の1つであり、それにより文章のなかで最も言いたいことが明確になるため、読みやすい志望動機となります。

銀行がほしいのは、「銀行のファン」ではなく、「一緒に銀行のビジネスを動かす人」です。志望動機の結論として「この仕事を通じて、こんなことを成し遂げたい」というビジョンを語ることで、その銀行や地域への熱意を伝えましょう。

例文1

「私は、個人渉外として貴行を通して、地域の人々が頼れる金融マンになりたいと考えております。そうすることで、地域の住民の方々が安心して生活できる街づくりをすることに貢献したいため、貴行を志望いたします。」

例文2

「私は法人渉外として、愛する地元である、千葉県の優れた技術や商品・サービスを日本中に伝播させることに貢献したいため、貴行を志望いたします。」

これらの例文では、「その企業を通して成し遂げたいこと」を結論として書き出せています。

このあと「なぜその地方銀行なのか」「入社後にどうしたいか」を述べていきますが、それらはすべてこの「成し遂げたいこと」を達成するためです。「達成したい目的がある→そのためにこの地銀を選んだ→目的を達成するためにどうするか」という順で話が展開するため、まずは目的をはっきりさせておきましょう。

OK例:地域活性化に貢献したい

地方銀行が持つ役割の一つである「地域活性化への貢献」は、高評価につながりやすい志望動機です。銀行が大切にしていることに共感して同じ方向を向くことは、行員としてやるべきことを自ら考えて行動するために重要だからです

目指す先を理解していなければ、自分が何をすべきかわかりません。指示されたことしかできない人よりも、主体的に動ける人の方が成長が期待できるので、銀行は当然後者を採用します。

また、複数の銀行がある中でその地方銀行が提供する価値に魅力を感じる人が顧客となるので、「銀行が大切にしていることを理解できる=顧客のニーズを理解できる」ということになり、銀行や顧客の利益につながるのです。

NG例:銀行で働いて成長したい

金融志望者には、「御行で働けば人間的に成長できる」というような志望動機を書く人が多いです。しかし、銀行が欲しいのは、成長したい人ではなく、銀行の事業がしたい人です。したがって「御行の〜な点に魅力を感じる」という志望動機はあまり評価されません。そもそも「成長する」のは、銀行に限らず、どの会社でもできることです。志望動機の材料としては弱いでしょう。

その会社の仕事を通じて、どんなことをやり遂げたいか?を書いてください。

数ある業界の中でなぜ銀行を志望するのか?

例文

大学時代に中小企業で販促業務のインターンをした経験から、「どんな拡大戦略にも、まず資金」と中小企業の切実な資金ニーズを実感しました。

結論(仕事を通じてやりたいこと)を述べたら、次はそれをやりたいと考えるようになった理由を説明しましょう。数ある業界の中からなぜ金融業界、その中でも銀行を選んだのか、根拠となるエピソードや就活の軸をもとに伝えます。

2種類のアプローチを解説するので、どちらの方が書きやすいか考えてみてください。

①過去の経験から銀行とのつながりを考える

過去の経験のなかで銀行にかかわったエピソードがある場合、そこからなぜ銀行を志望するようになったかを説明することで志望動機に説得力を持たせましょう。

例文では、過去のインターンの経験を通して資金ニーズを実感し、「中小企業の経営を支えたい」と考えるようになったと語っています。「中小企業の経営を支えたいので」と伝えるだけでは漠然としていて本当にやりたいことなのか疑問が残りますが、このように過去の具体的な経験を根拠として話すことで思いの強さを伝えることができます

その際に注意したいのが、銀行とのつながりをアピールしようとするあまり「〇〇でかかわったし△△でも利用しました。◇◇というつながりもあります。」と複数のエピソードを入れることです。重要なのはつながりの数ではないので、特に伝えたい話に絞りましょう。

②数ある業界の中から銀行の魅力を考える

銀行に関する過去のエピソードがなくても心配いりません。学生の中には、もともと銀行を志望していた人ばかりではなく、就活を通して地方銀行に魅力を感じた人もいるはずです。

たとえば銀行口座はほとんどの人が開設していますし、当たり前にお金を預けて当たり前にATMでおろしています。ライフスタイルが多様化している時代ですが、どのような生活をしていてもお金は必要です。その中でも地域密着型の地方銀行は、より生活の身近なところにあります

代表的な就活の軸に「人々の日常生活を支えたい」「地域に貢献したい」などがあり、実際にこれらを就活の軸としている人も多いはずです。そしてその軸と銀行の役割とが一致していることから地方銀行を目指す人もいるでしょう。ほかの業界にはない地方銀行ならではの魅力に、就活の軸を絡めて伝えましょう。

「企業選びの軸」を的確に伝えるための戦略|回答例文付き

2021.03.15

数々の銀行の中でも、なぜその地銀を志望するのか?

例文

地銀の中でも、貴行は、私の生まれ育った神奈川県を金融を通じて長年支えてきた銀行です。また、地銀No1という地位に奢ることなく、「横浜アジア倶楽部」によるアジア進出支援や「みらい海図」による成長産業支援など、機動的に事業を展開しておられます。貴行でこそ、細やかな金融支援を通じて企業のニーズに応え、神奈川を活性化していけると感じ、志望しております。

例文では、これから解説する「その銀行の特徴」「地域性に絡める」が押さえられています。多くの地域では複数の地銀やメガバンクが競合しているため、一方だけでは「その地銀を選んだ理由」として弱いのです。

2つのポイントをうまくつなげることで、メガバンクでもほかの地銀でもなくその銀行で働きたい理由を伝えましょう。

地域性にからめる

地銀は地域密着型の銀行であり、その地域における存在感はメガバンクを上回っているところも多いです。地元の企業の経営をサポートし、地域全体の活性化に一役買っているのです。そのため、「その地域の経済に貢献したい→この地域に密着した事業を展開する御行で働きたい」と志望動機をつくれば、「その銀行でなければならない理由」が簡単に作成できます。

地元出身とそうでない場合で志望動機を作る際の貴行視点が異なるので、それぞれについて解説します。

その地域の出身者の場合

その地域の出身者は「生まれ育った地域の〜」と思いを語れば自然に志望動機がつくれます。進学で遠方に引っ越しても「地元は安心する」という人が多いですが、やはり長年過ごしている地域はほかとは違う思い入れがあるのではないでしょうか。

例文では「私の生まれ育った神奈川県を金融を通じて長年支えてきた銀行です。」と、地域における役割や存在感について触れ、続けて具体的な取り組みを挙げています。そこから「貴行でこそ、細やかな金融支援を通じて企業のニーズに応え、神奈川を活性化していける」と書いているように、その地銀で働くことにより地元をどうしていきたいのかを伝えましょう。

また、その地域の魅力や強みを知っているのも、地元で生まれ育ったからこそです。地元のスポーツチームを応援する、地域のお祭りを盛り上げる、特産物を世に広めるなど、地域の経済が活性化するとはどういうことか、そのために地方銀行ができることや取り組んでいることは何かを考えてみるのも一つです。

地元でもない地域の場合の書き方

地元でない地域の地方銀行について、志望動機を作成するにおいても、必要なのは説得力と熱意です。

ただし、やはり企業側からすると「どうしてこの学生は地元でもないのに、この会社に興味を持ったのだろう?」と気になってしまうものです。

その疑問を払拭するために、下記のような「その地域に注目している理由」を伝えましょう。

  • ①観光で訪れた経験があり、地方銀行員として貢献したいと思うほど魅力的なものがある
  • ②授業やボランティア、サークル等、なんらかの活動でその地域に携わったことがある
  • ③その地域の発展に地方銀行員として貢献することが、自分の入社後の目標と関連している
  • ④他の地銀にはない特徴がその地銀にあり、魅力を感じている

もし、あなたが考えている志望動機が、上記の例に該当しない理由であっても、最終的には「なぜその企業なのか」という問いに対し、企業側が納得できるような回答ができれば問題はありません

縁もゆかりもない地域で働くと決心するのは勇気がいることです。そこに至った理由やきっかけが必ずあるはずなので、強い思いを面接官にぶつけましょう。

その銀行の特徴を活かす

地銀は単に「その地域に根をはった銀行」というだけではありません。その地銀ごとにさまざまな特徴があります。その特徴をうまく志望動機にからめれば、「その地銀でなければならない理由」が書けるでしょう

たとえば、スルガ銀行はメガバンクに先駆けて、visaデビットカードの提供や、豊富な確定拠出年金の商品ラインナップを用意するなど、革新的な経営をしています。「地銀の中でも、御行の『挑戦』の文化に魅力を感じます。御行は都市銀行に先駆けて、(具体的な事例をあげる)」と志望動機をつくれるでしょう。

入社後はどうしたいか

例文

入社後は渉外営業として中小企業をサポートするとともに、「みらい海図」事業を通じて創業を支援することでさらに多くの企業とともに神奈川を盛り上げていきたいと考えています。

最後は携わりたい仕事や希望部署を挙げて、入社後の具体的なビジョンを伝えましょう。最初に述べた「仕事を通じてやりたいこと」を達成するために、より具体的な行動に落とし込むイメージです。

ここで伝える内容が具体的であるほど、その地銀の仕事内容をしっかり理解できている証拠なので、高評価を得ることができます。

地方銀行の仕事内容を盛り込むとGood

例文では横浜銀行の事業の1つである「みらい海図」に携わりたいと書いています。このように、その地銀の取り組みや仕事内容を具体的に挙げることで、理解度と熱意を伝えることができます

必ずしも独自の取り組みを挙げる必要はありませんが、ただ「神奈川を盛り上げたい」のであれば銀行でなくてもできます。「地元の中小企業への融資」のような、地銀だからこそできる内容を挙げましょう。

仕事内容そのものは他の地銀でもできることでもいいので、その前に伝えている「その地銀を志望する理由」と絡めることで話に一貫性を持たせるようにしてください。

完成したら要確認! 地方銀行ならではの理由になっているか?

志望企業に向けた志望動機を作っているつもりでも、改めて見てみると他の企業にも共通する内容になっているというのはよくあることです。特に地方銀行の場合は、メガバンクや信用金庫との差別化がポイントとなります。

志望動機を作成してすぐ企業に提出する前に、一度読み直し地方銀行ならではの魅力を押し出せているかを確認しましょう。

メガバンクでも通じてしまう

銀行の基本業務に関する志望動機の場合、メガバンクにも共通するため説得力に欠けます。その地方銀行独自の珍しい取り組みがあれば、そこに注目してみましょう

また、メガバンクと共通の業務であっても、それを通じて地域に何をもたらしたいか、業務内容そのものではなく地域に与える影響を中心にすることで面接官を納得させることができます。

たとえば「経済活性化」について話しているのであれば、対象をその地域に絞ることで地方銀行でなければいけない理由になります。逆に地元でのみ事業展開している地方銀行で全国規模、世界規模の話をしてしまうと、「メガバンクの方が合っているのでは?」と思われてしまうので避けましょう。

信用金庫でも通じてしまう

地方銀行と信用金庫の業務内容は共通する点もありますが、実はまったく違う役割や目的を持ちます。

信用金庫…地域社会の相互扶助を目的とする非営利の組織。地元企業や個人が会員となって出資することで成り立っており、融資を受けられるのは会員のみ。また会員になるためには地域や企業規模の制限がある

銀行…株式会社として設立されており、利益を出すことを目的としている。融資の際は審査はあるものの信用金庫のような制限はなく、資金調達や運用の方法も幅広いことが特徴

地域の個人や中小企業への融資は地方銀行でも共通する業務のため、「個人の生活を支えたい」「中小企業の経営を支援したい」のような志望動機だと信用金庫にも通じてしまいます。差別化するためには+αの理由が欲しいところです。

たとえば企業同士をつなげるビジネスマッチングでは、信用金庫は会員条件を満たす企業しか紹介できませんが、地方銀行は顧客の制限がないためより多くの企業が選択肢に入りマッチングの可能性が広がります。また、大手企業からも資金調達ができるため、高額の融資に対応できることも地方銀行の強みです。

このように地方銀行の持つ顧客の幅広さや資金調達力に注目することで、信用金庫には通じない地方銀行ならではの志望動機をつくりましょう。

銀行別に紹介! 地方銀行の例文

ここからは、各地方の銀行に向けた例文を4つ紹介します。

これまで解説してきた通り、地方銀行の志望動機では「地域性」と「銀行独自の特徴」がポイントです。そのため、志望動機に盛り込むべき内容は当然銀行ごとに異なります。

例文のポイントや注意点についても解説しているので、どのような地域性と銀行の特徴を挙げ、それをどう絡めているか注目してみてください。

七十七銀行の志望動機例文

例文

七十七銀行の場合

私は、旅行で宮城に訪れた際にまだまだ復興途上である現状を目の当たりにし、地元経済の活性化によって宮城の復興を後押ししたいと考えるようになりました。

そのために、宮城の魅力を他の地域にも広く知ってもらうことが復興の一助になると考えます。貴行は地方創生の取り組みに加えて、国際的なネットワークを持っていることが強みです。

貴行でなら宮城の産業を国内外にアピールし、発展させることができると考え志望いたします。

Point:

東北最大の地方銀行である七十七銀行は、地銀でありながら海外にも行員を派遣し現地での事業をサポートしていることが特徴です。

しかし、国際ネットワークを強みとしてあげながらやりたいこととして「地元活性化」にしか触れていないと、志望動機に矛盾が生まれます。例文では、「地元企業を国内外にアピールする」という目的を加えることで、七十七銀行ならではの志望動機を作ることができています。

静岡銀行の志望動機例文

例文

静岡銀行の場合

私は、貴行での個人渉外を通して、地域のお客様が安心して人生100年時代を楽しめるように貢献することを目標としております。

貴行は、我々静岡県民が『しずぎん』と呼んで愛する、昔ながらの地方銀行です。
そんな貴行と地域住民の強固な関係性があれば私の目標は実現可能であると考えるため、貴行を志望いたします。

Point:

この例文では、「しずぎん」という呼称にまつわる地域性と企業の特徴を語ると同時に、それらを入社後の目標とうまく関連付けることで、静岡銀行でなければならない理由を説明できています。

このように「貴行には〇〇という特徴があり、それを活用することで自分の目標が実現可能になる」という論理で説明することで、説得力と熱意が伝わる志望動機にすることができます。

広島銀行の志望動機例文

例文

広島銀行の場合

私はゼミの研究により老後資金の重要性を実感し、地域の方々の資産形成をサポートしたいと考え貴行を志望します。

『貯蓄から投資へ』と言われる今、お金に関する悩みや選択肢は多様化しており、銀行の役割が大きくなっています。貴行の新しい本社ビルにはカフェや雑貨店を併設し、気軽に入れる空間にしたことでより身近な存在になりました。そんな貴行の窓口でお客様を迎え、広島の方々にとって何かあったらいつでも相談できる、安心できる存在になりたいです。

Point:

窓口はどの銀行にも共通する基本業務ですが、気軽に入れる本社ビルという珍しい取り組みを志望動機に挙げることで、広島銀行を選んだ理由に説得力が生まれます。

このように業務内容そのもので差別化を図ることは難しい場合もあるので、その業務を遂行するために用意された取り組みや環境に注目してみましょう。

福岡銀行の志望動機例文

例文

福岡銀行の場合

私は、生まれ育った大好きな土地に貢献したいと考え、地元企業の経営を支援することで経済を盛り上げる銀行に興味を持ちました。

中でも貴行はグループのネットワークを活かしたビジネスマッチングやオンラインストア『エンニチ』など、多方面から地元企業の支援をおこなっています。

DXにもいち早く対応し幅広い事業に取り組む貴行では、企業それぞれの課題や目標に合わせた提案ができると考え、志望いたします。

Point:

福岡銀行はふくおかフィナンシャルグループとして熊本銀行、十八親和銀行と連携しており、例文でもエリアを越えたネットワークに触れています。

さらにDX関連の取り組みと併せた選択肢の広さを、企業のサポートというやりたいことを達成できる理由に挙げることで、福岡銀行ならではの志望動機になっています。

このように、特徴をかけ合わせることでその銀行でなければいけない理由を強化することが可能です。

志望動機では地方銀行だからこそ達成できる目標を伝えよう

地方銀行はメガバンクや信用金庫と業務内容が類似するため、いかに差別化できるかが説得力のある志望動機をつくるポイントです。まずはそれぞれの役割の違いを把握したうえで、「やりたいこと」と「その地銀にしかできないこと」がどう交わるのかを考えましょう。

出身地にかかわらず、その地域に対する思いがあって地銀を選んでいるはずです。地銀もあなたも地域のことを大切に思っているのは同じなので、その地域をどうしたいのか、真剣な思いが伝われば内定が近づくはずです。

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