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就活の面接で「なぜ留年したのか?」と留年した理由を聞かれることがあります。この質問に、上手く切り返せないと、「自己管理ができない学生なのか」と落胆され、評価が下がってしまうでしょう。
「留年した」という負い目がある分、どうしても答えに詰まってしまいますよね。どうすれば、留年した理由を上手く伝えられるのでしょうか?回答例文つきで解説致します!
なぜ面接官は留年理由を聞くのか(質問の意図)
自己管理能力を確認したい
大学の授業をきちんとやっていれば、留年はしません。だから、留年をしている学生は「自己管理が下手なのかな」と疑われてしまうのです。相手を納得させる理由をつくっておきましょう。
学業よりも優先するものがあったかどうかを知りたい
留年する場合、学業よりも何かを優先させた、ということもあります。何を思って、どんな活動を優先させたかを知り、あなたの思考パターンや行動様式を確認しようとしています。
自己改善能力を確かめたい
人間誰しも、ミスをする、失敗をするもの。大事なのは、「それを踏まえてどう行動するか、自分を改めるか」ですよね。失敗した時こそ、自分の本質が試されます。
学生が「留年」という失敗に対して、どう反省し、行動を変え、対処したのか?を見て、面接官は学生の「自己改善能力」を見ようと考えています。
面接評価シートで、面接官の意図を理解しよう
ここまで解説したように、面接では、面接官の質問意図を理解し、回答を考える必要があります。
面接官の意図を理解するには、「面接官の視点がわかる!面接評価シート」を活用してみましょう。
面接評価シートとは、企業の人事が学生を評価するために使用しているシートのことです。このシート内の評価項目をチェックするために、学生に様々な質問をしているのです。
面接評価シートを確認しておけば、面接官がどんな意図でその質問をしているのかがわかり、面接で圧倒的に有利になります。面接評価シートを活用して、面接官の視点を手に入れましょう。
上手な留年理由の答え方のポイント
「はい、部活動に時間をとられ学業がおろそかになっていました。
ただ、いくら忙しかったといっても、勉強しない言い訳にはなりません。
自分の自己管理の下手さが招いたことだと思います。」
自らの失敗を反省し、なぜ留年という結果に結びついたのかを分析し、自己管理が下手であったという理由まで分析しています。
「一年の前期に必修単位を落としてから猛省し、二年生からはどれだけ忙しくても勉強の時間をスケジュールに真っ先に組み込むようにしました。」
留年という結果を招かないように、自己管理の中で勉強時間をスケジュールで優先するという改善結果が確認できました。
「後期からはひとつも単位を落としていません。」
勉強時間をスケジュール内で優先した結果、結果として、現状が改善していることがわかります。
「もちろん、当たり前のことで誇るべきことではありません。」
改善後も、過去の反省から、現状に満足せずに更なる結果につなげようとする意欲も感じることができます。
「これからもしっかりと自己管理をして、就活中を言い訳にせずに本分である学業もしっかりやっていきたいと考えています。」
新たに就職活動もスケジュールに加わりますが、しっかりと優先順位を考えて今後も様々なことに取り組んでいくという、意欲の高さを感じます。全体を通じて、留年という挫折体験を隠さずに、事実としてしっかりと向き合い、そこからの成長を感じる自己PRになっていることに好感が持てます。
反省を素直に述べる
学業が本分にも関わらず、留年をするのはまずいことです。だから、「学生の本分は勉強であるにも関わらず、おろそかにしていた点については反省しています」とまず素直に反省し、自分の非を認めましょう。あなたが非を認めれば、面接官があなたの話をすっと受け入れてもらいやすくなります。
留年理由を正直に述べる
留年した理由を述べましょう。相手が納得できる理由を述べられれば、(ボランティアやNPO活動等)、マイナス評価を避けられます。
もし、正当な理由がなく、ただ遊んでしまっていた場合は、素直に「サークル活動に熱心になり、学業がおろそかになっていました」と誤りを認めるのも手です。留年したという事実だけで、落とされることはありません。面接は総合評価です。一つの質問への回答で評価は決まりません。
これからの改善行動を述べる
大事なのは失敗を教訓にして、行動を変えることです。だから、「なぜ出来なかったのか」という理由を振り返り、これから学業にいかに取り組もうとしているかという改善計画を述べて下さい。
失敗は誰でもするものです。重要なことは、「教訓にして、二度としない」ことです。具体的な改善計画をのべましょう。
留年理由の回答例文
では、以上を踏まえた、面接官に留年理由を聞かれた時の上手い答え方を、例文で見て行きましょう。
はい、部活動に時間をとられ学業がおろそかになっていました。ただ、いくら忙しかったといっても、勉強しない言い訳にはなりません。自分の自己管理の下手さが招いたことだと思います。一年の前期に必修単位を落としてから猛省し、二年生からはどれだけ忙しくても勉強の時間をスケジュールに真っ先に組み込むようにしました。
後期からはひとつも単位を落としていません。もちろん、当たり前のことで誇るべきことではありません。これからもしっかりと自己管理をして、就活中を言い訳にせずに本分である学業もしっかりやっていきたいと考えています。
留年が自分の非であることをしっかり認め、反省し、行動を改善しています。これなら、むしろ「謙虚である」「自己改善ができる」という評価にも繋げられるはずです。
- 休学をして、留学を通じて得た体験を活かす
社会に出る前に、どうしても、自分の目で世界中を見て回りたかったので、休学をして、8か月間海外を回っていました。
海外を見て回ったことは、私にとって、大きなプラスを与えてくれる期間でした。
アメリカやヨーロッパを中心に6か国を回りましたが、その土地の空気感や
ルーブル美術館の雰囲気や匂いは、写真やインターネットでは、わからないものでした。
今後、社会に出て情報を発信する時に、実物の持つ生々しさを、いかに伝えることが難しいかがわかった気がします。
留年で大きなものを得たとすぐにアピールできているのが好印象です。
最後に、体験を通じて自分が得たことを仕事でどう活かせるのかまで、アピールしているのも良いです。
- 留年という挫折体験を通じて、資格取得につなげる
留年したことで、自分の至らなさを痛感しました。
ただ、今では留年をして本当に良かったと心から思います。
留年する前は、ただ漠然と勉強していましたが、留年してから必死で勉強することで、
効果の上がる勉強法と効果の上がらない勉強法があることがわかりました。
勉強の仕方そのものを身につけられたことが、今でも自分の最大の武器になっています。
日商簿記2級の試験に1度で合格できたのも、まず短期間で合格するための勉強法を考え、それを実践してきたからです。
留年というマイナスイメージを覆す回答ができています。
非常に良い経験をしていて、勉強の仕方を知ったことで、
学業の充実や資格取得で、それが活かされているのが好印象です。
留年理由のNG回答例
- 部活動を理由に、留年理由を分析していないケース
「部活動に集中しており、2年次に取るべき科目を取得できず、留年しましたが、
部活動では、全国大会に出場することができました。
現在も部活動を中心に活動をしていますが、後輩の協力を受けながら卒業を目指しています。」
部活動での成果があり、学生生活が充実していたことはわかりますが、
留年という状況と向き合っていない印象を与えます。
部活動での立場もはっきりしないため、何を頑張ったのかも曖昧な印象です。
留年という問題をいかに自分の問題として克服してきたがが伝わりにくいでしょう。
どのように考えているのか、そこから何を学んだかが、もっとわかるような文章への修正が必要です。
- アルバイトを理由にして、目的意識がなく学生生活を送っているケース
飲食店でのアルバイトに熱中しすぎたため、留年をしてしまいました。
その場で「ありがとう」という感謝の言葉がもらえることから、接客にやりがいを感じて、
アルバイトの時間や頻度が多くなりました。
最初は両立できていたのですが、体力が続かず、万全な体調で授業に出席することができなくなり必修科目を落としてしまいました。
現在は反省をし、両立を目指しています。
留年はしてしまいましたが、アルバイト先での経験は大きな財産になっています。
留年という結果に対して、どのように考え対策をしてきたかが、わかりにくいです。
経済的な理由等で、やむを得ない場合もありますが、学業に対する改善点や目的意識が乏しいため、
アルバイト先で貴重な経験をしていても、両立ができていないため、マイナスのイメージを与えてしまいます。
- 遠距離通学を理由になっているケース
家庭の事情で、遠距離通学をしており、登下校の時間の関係で、
履修できる授業時間に制限がありました。
試験勉強をする時間も確保できず、2年次に進級ができませんでした。
現在は家族の協力を得て、時間の確保を行っています。
経済的な理由で遠距離通学となることはやむを得ないですが、進学先の大学や、遠距離通学を選んだのは自分自身です。
通学時間を利用して、予習・復習を行うなど、単位修得のためにできる努力や、問題の改善点が見えにくいため、卒業についても不安になるため、マイナスのイメージを持たれてしまいます。
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