他の学生と合同で行う集団面接。たまに隣の学生が凄すぎて、「俺はなんて駄目なのだろう」と尻込みしてしまっている学生を見かけます。確かに、同時に面接する集団面接は比べられている感じがします。だから、隣の学生が凄いと、自分が比較されマイナスに評価される気がして、自信を無くしてしまうものです。
しかし、実は、隣の学生が凄い学生でもあまり心配する必要はないのです。その理由を解説します。
集団面接は絶対評価である
その理由とは、集団面接は絶対評価だからです。つまり、ある面接グループの中で「この学生はA、それと比べてこの学生は駄目だからB」というように相対比較をするものではないのです。
これはよく考えればわかることです。
「とてつもなく凄い学生A」「普通なら合格ラインの学生B」が同じ面接グループにいたとして、「とてつもなく凄い学生A」に比べて駄目だからといって、「普通なら合格ラインの学生B」を落とすのは馬鹿げています。
だから、集団面接は絶対評価で決まります。たとえば、「説明力」「コミュニケーション力」「行動力」のような評価基準があり、それらの項目でどれだけの絶対評価が得られるか、で合否が決まります。相対評価ではなく、絶対評価ですから、隣の学生の自己PRにくらべて自分が劣るような気がしても、怯える必要はありません。
とはいっても、隣の学生が凄い自己prをすると、どうしても自分が情けなく見え、自信を失ってしまうもの。ただ、集団面接でライバルになる学生を選ぶことは出来ません。あなたは「隣に凄い学生がいる」という環境でベストをつくさなければなりません。では、どうすればベストをつくせるのか?
面接評価シートで面接官のチェックポイントを確認しよう
面接をする際、面接官は面接評価シートを元に就活生を評価しています。面接評価シートには、質問に対する受け答えなどの内容をチェックする項目があるのです。企業や職種によって設定されている項目は異なりますが、参考にすることで面接官視点を把握することができます。
面接官は、どのような就活生を評価するのでしょうか。
「面接評価シート」を無料でダウンロードして、面接前に最終調整をしたり、就活生同士の練習で活用したりしましょう。
話し方だけでも自信満々に
一番駄目なパターンは、となりの学生が凄いからダメだと諦めてしまうことです。声に自信がなくなり、どんどん不利になってしまいます。とはいっても、集団面接を受けている他の学生に劣等感を抱いてしまうと、自信を持って話すのは難しいですよね。では、どうすればいいのか?
それは「大きな声で話す」ということです。体育会系の教師のようなアドバイスですが、これは効果的な方法です。
身体の振るまいが、心理に影響を与える
心理学の様々な実験で、人が最も説得力を感じるのは「大きな声で歯切れよく簡潔に話す」スピーチであることがわかっています。たとえば、ブランダイス大学の実験では、人は70デシベルの声よりも75デシベルの声の方が、「自信に溢れていて、論理的である」と被験者は評価しました。あなたの自己PRがたとえ普通のものだとしても、話し方を工夫することで魅力的に演出できるのです。
さらに、人間の心理には「心理効果の錯覚帰属」という働きがあります。たとえば、吊り橋効果が代表的な例です。吊り橋効果とは、男女が吊り橋にいくと、吊り橋におびえて心臓がドキドキし、そのドキドキを相手への好意と勘違いしてしまうという心理効果です。つまり、人間の心理は「感情⇒体に現れる』というだけでなく、「体に現れる効果⇒その身体状態に対応した心理の発生」という流れもあるのです。
人間の心理は身体の状態に多大な影響を受けます。たとえば、「マッスルポーズ」をすると、直後、男性はテストステロンレベルが有意に向上するとわかっています。また、1分間背筋を伸ばしてから、テストを受けると、テストの成績が向上し、自信のスコアも上がるのです。
集団面接で自信を持って振る舞う方法
このように人間の心理は、身体の状態に影響を受けます。この原理を応用して、「自信満々に」振る舞ってみましょう。そうすれば。自信満々な身体の振るまいが、心理に影響を与え、自然と自信が湧いてくるからです。大きな声で語れば「俺は大きな声で話している。大きな声で話しているということは、自分に自信を持っているのだ」と、自信が生まれるでしょう。
だから、他の学生に比べて自信がないのならば、「自信を持っているふり」をすればいいのです。フリをすれば、心理が勘違いして、勝手に自信がわいてきます。格好だけでも自信満々に振るまいましょう。
自信満々な人は、以下の態度をとります。だから、まずは以下を真似てみてください。
- 大きな声で話す
- 身振り手振りで話す
- 背筋を伸ばす
- 言い淀まず、ハッキリと断言する
- 相手の目を見て話す
振りだけでも自信満々に振る舞えば、自信は後からついてきます。一番悪いのは、「隣の学生が凄いから、もう駄目」と諦めて、自信無さそうな態度をとることです。すると、心理も影響を受け、ますます消え入りそうな態度になってしまいます。
おわりに
隣の学生に比べて自分が劣っていると感じても、怯えるのはやめましょう。どれだけ自信が持てなくても、むしろ自信が持ていないからこそ、自信満々にふるまうのです。不利な状況は、フリをすれば覆せます。