面接マニュアルを読むと落ちる!?面接テクニックを科学的に検証してみた

面接マニュアルを見ると落ちる?ってホント?

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よく就活を終えた学生や就活コンサルタントが「就活にマニュアルなど一切通用しない。逆に、マニュアルに頼る学生は落とされる」といいます。

でも、本当にそうなのでしょうか?全く効果がないのなら、なぜそんなマニュアルができたのか。実は、マニュアルのノウハウにも意味があるのではないでしょうか。

そこで、マニュアルのノウハウ「笑顔で話せ」「大きな声でハキハキと」「結論から話せ」「アイコンタクトをせよ」には、どれだけ有効性があるか、科学的に検証してみました。

マニュアルは意味があるからマニュアルなのである

結論から先に言えば、就活マニュアルに書いてあるような「大きな声で話す」「笑顔で話す」「結論から話す」等のメソッドは、非常に効果的なものです。これらの行動は、相手に「好感が持てる」「論理的である」という印象をあたえると、心理学の実験でわかっているからです。

意味があるからこそ、マニュアルになっているのですね。そこで、これらの行動がどれだけプラスに働くのかを、実際の実験と共に紹介していきます。

あなたの面接力はどのくらい?

面接では、自己分析や業界・企業理解がどの程度できているかも、高評価を受けるために大切な要素です。今の時点で、あなたの面接力はどのくらいでしょうか?

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大きな声で話す

自信を持った人物と思われたいならば、ハキハキと大きな声で話しましょう。

ブランダイス大学の心理学者、ジャネット・ロビンソンは、声の大きさが説得力に与える影響を調べました。

二人の男の会話を録音し、被験者に70デシベルと75デシベルに分けて聞かせました。もちろん、内容は同じです。5デシベルは、人間の耳ではなかなか判別できないほどの僅かな差です。しかし、、被験者は75デシベルの会話の方がより「論理的で説得力がある」と回答しました。

考えてみてください。大きなハキハキとした声と、消え入りそうな小さな声、どちらが「リーダーシップがある」「自信にあふれて活動的だ」という印象をあたえるでしょうか?
大きなハキハキとした声ではないでしょうか?

「大きくハキハキと喋れ」というと、いかにもマニュアル的ですが、高い効果があるのです。

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結論から話す

「まず、結論から話してください」これも就活セミナー等でよく言われることです。「私の強みは~です」と言うと、確かにマニュアル的ですよね。ただ、やはり結論から話したほうが相手の印象には残ります。

初頭効果…最初の重要が印象を支配する

心理学には「初頭効果」という言葉があります。これは、最初に与えられた情報がより印象に残りやすいという心理の働きのことです。

たとえば、アメリカで行われたこんな実験があります。この実験では、大学の生徒たちに、新しく講師が来ると言い、彼の人格について書いたプリントを渡しました。半分のプリントには「温かくて、勤勉で、批判力に優れ、実際的で決断力がある」と書かれていて、もう半分のプリントには「冷たくて、批判力に優れ、実際的で決断力がある」と書かれていました。

前者のプリントを渡された生徒たちは、新しく来る講師を好意的に評価し、後者のプリントを配られた生徒たちは、好意を持ちませんでした。

このように、人は「最初に触れた情報を最も高く評価する」傾向があります。

最初に与えられたトピックが印象に残る

最初に与えられた情報は記憶にも残ります。

テキサス大学のグレン・キャメロンは、ニュース番組を20分間学生に見せました。ニュースのうち、どんなトピックを覚えているのか調べた所、最初のものほどよく覚えており、後半に行くにしたがい、覚えが悪くなっていました。

最初に触れた情報以外、印象から消えやすくなってしまうのです。だから、大事なことは一番最初に。あなたの強み、PRの革新、志望動機の結論……これらの情報は、結論に言わなければならないのです。

どんなことを聞かれても、結論先行で話せるようになりましょう。

笑顔で話す

「学生は元気よく笑顔で話しましょう」これもよくマニュアルに書かれていることですよね。これも効果的な方法です。

アムステル大学のアニーク・ヴル-トは、笑顔が相手の好意を引き出せるかを調査しました。笑顔で買い物をしている人に募金を依頼するのと、無表情で募金を依頼するのを分けて試した結果、笑顔の場合、募金に応じてくれる人は51.3%、無表情の場合は29.3%が募金に応じました。

また、笑顔で接した場合、買い物客は笑顔になり、無表情で接した場合は、相手も無表情で対応することもわかりました。笑顔は笑顔を生み、好意を引き出し、相手からの行動を引き出しやすいのです。

なぜこんなことが起こるのか?それは人間の心理には「好意の返報性」という働きがあるからです。これは「好意を示されると、好意で返したくなる」という心理の働きです。

笑顔は「あなたに敵意はないですよ」と示すサインです。だから、笑顔を示すと、あなたに好意を返したくなるのですね。ということで、「笑顔で話す」は実は、かなり有効な手段です。

また、無表情の人よりも表情豊かな人の方が信頼されやすいという研究もあります。できるだけ表情豊かに、元気よく笑顔で話しましょう。

目を見て話す

「目を見て話せ」もマニュアルでよく言われることです。実は、これかなり効果的な方法です。

J・ケラーマンはクラーク大学と共同で、アイコンタクトが好感に与える影響を実験しました。この実験では、グループを二つに分け、会話をせずに「まばたきを数える」「目を合わせないように」とそれぞれに指示をし、その後、相手にどのくらい魅力を感じたかを調査します。まばたきを数えるグループは必然的に相手の目を見つめることになります。

すると、まばたきを数えたグループは、相手に愛情を感じ、尊敬の念まで抱くようになっていたのです。

また、他の実験でも「アイコンタクトをすると、聞きては話し手の話をより注意深く効くようになる」「アイコンタクトをしている時間が会話の50%以上になると、説得が成功する確率が上がる」等の結果が出ています。

ただ、自殺幇助や死刑制度の問題のようなセンスティブな議論をするときは、アイコンタクトは逆に、相手に警戒心を与えるそうです。

もちろん、就活ではそのような話題はないでしょうから、安心してアイコンタクトをしましょう。

じゃあ、なぜ就活マニュアル批判が盛り上がるのか?

ここまで見てきたとおり、マニュアルにのっているようなメソッドには、かなりの効果があります。では、なぜマニュアルが批判されるのか?3つのパターンがあると思います。

1つは「マニュアル学生は丸暗記をしていて、こちらの質問にきちんと答えられない」というものです。
しかし、「マニュアルを読んで有効な方法を知り、応用する」ということと、「丸暗記をして、応用がきかなくなる」ということは、あまり関係のないことではないでしょうか?それは、丸暗記が悪いのであって、マニュアルに従うのが悪いのではないと思います。

二つ目に、「マニュアルを批判すると、何か言った気になれる」というのもあるでしょう。
「マニュアルなんか役に立たない。信じるな」というと、一般的な意見よりも優位な意見を言っているような気になれるものです。
就活に成功し、束の間の万能感に浸っている学生が、そういうふうな意見を言いたくなっても自然でしょう。

3つ目に、トンチンカンなことを言っているマニュアルが多い、とうのもあるでしょう。
たとえば、就活生に人気のあるマニュアル本には「広告業界を目指すのに、広告研究会に入っていたのをアピールするのはNG。逆に、浅いと思われてしまう」というのがありました。

これ、ホントか?って思いますよね。
実際、広告研究会に入って広告代理店に内定する学生は多いです。広告業界への興味から、広告研究会に入るわけです。少なくとも熱意や志望度はアピールできるでしょう。

おわりに

「マニュアルだから駄目」「マニュアルだから正しい」と一概に判断するのは、やめましょう。

大事なのは「なぜこの方法は有効なのか?」「なぜこの方法はダメそうなのか?」とマニュアルの背後にある根拠を精査し、納得できるものは取り入れていく姿勢だと思います。いいメソッドは取り入れ、万全の状態で就活に立ち向かってください。