就活で「やりたいこと」「適職」は無理に探さなくていい理由

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就職活動が始まる時期になると「やりたいことを見つけろというけど、やりたいことなんてないよ。とりあえず飯に困らなくてブラック企業でなければいいのに」という学生の声をよく聞きます。

今の就職活動には「自己分析をして、本当のやりたいことを見つけて軸をつくらなければならない」風潮が蔓延しています。

しかし、本当にやりたいことを見つけないといけないのでしょうか?

結論から言えば、無理にやりたいことを見つける必要はありません。なぜなら、やりたいことがなくても就職活動はできるからです。また、無理にやりたいことを見つけても、それは信用出来ないからです。

無理やり見つけたやりたいことは、やりたいことではない

自己分析をして無理やり見つけた「やりたいこと」は多くの場合、本当に人生を賭けるに値する「やりたいこと」ではありません。なぜなら、本当にあなたが心のそこからやりたい、興味があると思っているなら、わざわざ自己分析なんてしなくても、やりたいことはわかっているはずだからです。

大仰なワークシートを何枚もこなさなければ見つからないやりたいことは、そもそも「やりたいこと」とは言えないでしょう。無理に見つけた「やりたいこと」に人生を縛られるのは得策ではありません。

第一志望でない職に就いた人の割合

公益財団法人日本生産性本部の独自調査によれば、平成31年3月11日から4月26日にかけてのアンケートに回答した新入社員の「第一志望の会社に入れた割合」は、過去最高の60.3%に上ります。
逆にいえば、残り4割は第一志望以外の企業に就職したということがわかります。

ただしこの数字は、調査によってかなりばらつきがあり、例えばマイナビが2019年6月に出している「2020年卒マイナビ学生就職モニター調査5月の活動状況」によれば、第一志望から内定を取れた人は4割弱、つまり、6割以上が第一志望の企業から内定をもらえていないということになります。

このように4~6割が、第一志望であるという結果は、少なくとも半数ほどは第一志望以外の企業に就職しているということになります。

ここで注意しなければならないことは、大学等の第一志望とは違い、就活に関しては「このあたりに入れればいいな」といった「第一志望群」にあたる企業に入れているという可能性があるため、第一志望企業に就職できている割合が必ずしも一致しないという点です。

また、就活を進めるにつれ「やっぱりこの企業いいかも」と思い始めることにより、結果として内定が出た企業を第一志望にする、という可能性も否定できません。

自分の納得できるやりたいことができる企業かどうかが、もともと第一志望であるかどうかよりも大切だと考えれば、「〇%の人は第一志望の企業に入れているのに・・・」と悲観的にならずにすむのです。

給与や福利厚生から選ぶ

大学の学部と違い、企業の部署は予め自分で選べない場合もあり、配属によっては志望職種と全く違う業務の担当になる可能性もあります。
そんな理由から、たとえ志望業界であっても、思い道理の仕事ができないという状況にもなりかねません。

それならば、業種や職種にこだわらず、給与や研修制度などの福利厚生といったことに主眼を置いて、就活をするということも視野に入れてみるのも一案です。

近年は、ライフワークバランスに重きを置く就活生も多く、仕事の内容よりも、残業の少なさや、通勤時間の短さなど、自分の時間を多くとれる仕事を選ぶ人も多くなりました。

このように、自分のやりたい仕事であるかどうかは、仕事の内容だけでなく、色々な視点で見てやりたいことかどうかです。自分のライフスタイルに合わせて、最も自分にあった仕事を選ぶことができればベストです。

36の質問に答えてパーソナリティータイプを診断しよう

自己分析をいざ始めようと思っても、何を参考にすればいいのかや準備するものは何かなどが気になって、すぐに行動に移せないことが多いです。今すぐできたら、その時間が省けますよね。
そこでおすすめなのが「自己分析マニュアル」です。

このマニュアルを使えば、質問に答えるだけで自分のパーソナリティタイプが診断できます。技術者タイプやクリエータータイプ、実務家タイプなどがありますが、あなたはどのタイプでしょうか?

無料でダウンロードできるため、すでに自己分析が終わっているけどさらに深めたいという就活生にもおすすめです。

やりたいことはゆっくり探せばよい

経営学の神様、ドラッカーも「最初の就職はくじ引きである。最初に向いた職に出会える可能性は低い」と述べています。働く前は、自分がどんな能力があるか?どんなことなら他人に貢献できるか?がなかなかわかりません。だから、「本当に向いている仕事」は容易にはわからないのですね。

自分の適性は、社会人の人生をかけて、ゆっくりゆっくり探していくものです。せいぜい数週間自己分析のワークシートをこなしても見つからないのですね。

向かない仕事に就職しても、第二新卒として転職できる

第二新卒とは、学校を卒業し一度は企業に就職したが、短期間の内に転職を志す者のことをいいます。

第二新卒の強みは、社会人としての基本的なマナーは身に着いているため、新卒よりも研修期間が短くて済むところ、転職よりも会社の色に染まり切っていないところです。そのため、新卒よりも第二新卒のほうが使いやすいと考える企業はたくさんあります。

マイナビの「転職中途採用状況調査」によると、第二新卒の採用ニーズは年々広がりつつあります。例えば、マイナビ転職に掲載されている全求人の約84%が「第二新卒歓迎」としているのです。

そのため、仮に新卒の就職で不本意な就職をしてしまったとしても、企業が積極的に採用したいと考えている第二新卒を狙えば、簡単に次の就職先を見つけることができるでしょう。

「就職してしまったらオシマイ!」ではありません。実際に社会人として働いてみたからこそ自分の適性がわかるようになったり、自分に対する気づきができるような経験を経たからこそ、どんな仕事が自分に向いているのかがより分かるようになるのです。

それからの転職活動は、初めての就職活動とは全く違った目線で、冷静に企業とのマッチングを考えられるようになっているはずです。

社会人としての経験を積んだからこそ、自分にぴったりの仕事がわかるようになったのです。
自分なりの基準を決め、ご自分に合った企業・仕事は何なのか、焦らずにしっかりと見極めましょう。

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志望動機をどうするか?

ただ、やりたいことがなければ志望動機はつくれないのでは?という意見もあるかもしれません。しかし、やりたいことがなくても志望動機はつくれます。方法は、「なんとなく気になっている理由を言語化してみる」ことです。

たとえば、あなたが、NECやNTT東日本のような大企業には全く魅力を感じず、GREEやDenaのようなITベンチャーに魅力を感じるとします。その時には、

  • 「なぜGREEに魅力を感じるのか?」
  • 「具体的にどの点が良いのか?」
  • 「なぜその点に魅力を感じるのか?」
  • 「魅力を感じる自分のパーソナリティを形作っているエピソードはあるか?(たとえば、「どんどん新規タイトルを打ち出せるスピード感のある企業風土」に魅力を感じるのは、自分でサークルを立ち上げた時のエピソードが関係しているかもしれません)」

このように、「なぜその企業に魅力を感じるのか」を徹底して深堀りをしていきます。この方法で、自分が企業に魅力を感じる点を深掘りすれば、志望動機をつくれるでしょう。

ただ、これだけだとまだ弱いかもしれません。会社に入って具体的に何をしたいかが見えないからです。そんな時は、OB訪問をしたり、採用ホームページで先輩社員の具体的な仕事内容を見て、「とりあえずやってみたい仕事」を具体的に決めましょう。

たとえば、OB訪問で聞いた「ポータルサイトの企画営業がやりたい」ということを具体的に決めます。次に、「なぜ企画営業に興味があるのか」「企画営業になったら、具体的にどう働きたいか」を決めておくのです。

「結局、やりたい事を決めているじゃないか」という批判があるかもしれません。「会社に入って何がやりたいですか?」と聞かれる以上、最低限の回答は準備する必要があります。ただ、『自分が本当にやりたいこと』は決めなくて良いのです。

『仮にその会社に入るとしたらやってみたいこと』を『ひとまず』仮決めしておけば、就職活動の志望動機としては充分です。

やりたいことについて真剣に悩むのはやめましょう。「やりたいこと」は仮決めしてください。

例文

GREEの志望動機例
私は、多くの人々とつながることのできる仕事をしたいと考えています。
貴社のSNS事業はまさに世界とつながることのできる事業で、今後のテクノロジーの発展ともに失われていきがちな人と人とのつながりを作っていくことができるツールになると考えています。

生き方の多様化とともに、周りにロールモデルがいなくて悩んでいる女性は私以外にも大勢います。
昨今SNSで知らない人々とつながることで、様々な価値観を分かち合うことのできる貴社の「MINE」に共感する女性は多いと感じます。

そんな女性たちに使ってもらえる、前向きに生きるお手伝いのツールを提供することにより、多用な人生の選択肢を提案していきたいと考え、貴社を志望しました。

Point

まず結論から述べています。
自分のビジョンを述べ、問題提起をしています。その問題点は企業の事業により解決できているため、企業の魅力を語ることができています。
自分の経験と重ね合わせて、どんなふうに仕事で活かしたいか、どんなふうに問題を解決していきたいかを述べることにより、説得力のある志望動機となっています。

例文

EC事業の志望動機例
私はテクノロジーを通じて、お客様に喜んでいただける仕事をしたいと考えています。
ECサイトの運営は、最新のテクノロジー集大成とも言えます。お客様の希望に合わせた商品の提案から発注、決済、発送など全てを滞りなくオンラインで行うためには、システムの開発や事故・障害に対する対策が重要になります。

私はいつも、友人や知人、家族にパソコンの不具合があったときは対応してきましたが、知識を活かして喜んでもらえることに大変やりがいを感じていました。
システムエンジニアとして御社で働くことにより、お客様に喜んでいただける仕事をすることは、正に私のビジョンと重なると考え、御社を志望しました。

Point

冒頭で結論を述べています。
業界に興味を持った点、業務について具体例を挙げています。自分の経験に基づき、なぜその仕事に興味を持ったのか、どういう風に貢献できるのかについて、自分のビジョンと共に説明できています。
受け売りではない自分の言葉で語る志望動機は、非常に魅力的で好印象が与えられます。