目次
就職活動の面接では「学部を選んだ理由は何ですか?」「現在の学部を選択した理由を教えて下さい」と質問されることがあります。
しかし、大学受験の時に「将来は会社を立ち上げたいから、商学部にしよう!」というように、意識の高い理由で選んでいる人は少ないはず。だから、どう答えればいいかわからず、困りますよね。
そこで、わかりやすい例文をもとに、この質問への回答法を徹底的に解説いたします!
面接で「今の学部・学科を選んだ理由」を聞かれた時の回答例
まず、「学部を選んだ理由」を聞かれた時の回答例を先に読んでみましょう。回答例を読んだほうが、回答のポイントが直感的に掴めると思います。
英語圏の人とコミュニケーションをとるには、語学だけではなく、その考え方のバックグラウンドも理解する必要があると感じ、現在の学部を選択しました。
英文学には、その時代の空気・考え方が如実に現れます。たとえば、イラク戦争以降の現代アメリカ文学は「正義」について非常に懐疑的なニュアンスが示されています。
文学を通して、言葉だけでなく、その言葉を使う人の思考のバックグラウンドも理解することで、より良いコミュニケーションをとれるのではないか?と感じ、現在の学部を選択しました。
学生時代に身につけた「語学力」「異文化理解力」はビジネスにも活かせると思います。
【質問の意図】面接官が「今の学部・学科を選んだ理由」を質問する理由とは?
では、就職の面接官が、今の学部や学科を選んだ理由をなぜ質問をするのでしょうか。
3つほど考えられる理由があります。具体的に説明しましょう。
目的意識を持って学生時代を過ごしたかを知りたい
面接官は「今の学部・学科を選んだ理由」を質問することで、就活生が目的意識を持って学生時代を過ごしていたかを確認しています。
学業でも仕事でも、何かで成果を上げようと行動する際には目的意識が必要です。目的意識とは、「目的を達成しようとする明確な意識」のことを言います。
学生の時からしっかりと目的をもって取り組める就活生は、社会人となってからも目的意識をもって働けると考えられます。
スキルや知識は入社後にいくらでも学べますが、人生経験から形成された価値観や考え方を変えるのは一筋縄ではいきません。
そのため、スキルや知識よりも人柄や性格を重視して採用するのが一般的です。
質問内容に関わらず、学生時代の経験を語る際は、目的をもって行動していたことを明確に示してアピールしましょう。
学部選択理由から学生の関心・性格を知りたい
学部・学科の選択理由は、就活生の興味・関心や性格を知るための材料の1つにもなります。
同じ学科を選んだ就活生でも、その理由は千差万別です。得意科目や好きな科目を学べる学科を選んだ学生もいれば、就職先を見据えて学科を決めた学生もいます。
学部や学科を選んだ理由を聞くことで就活生の興味があることや価値観を知り、何を優先するかを知ることで性格や人柄を推し量れます。
また、その興味・関心や価値観が企業選びや志望動機にどのように反映されているかを確認することも目的の1つです。
しっかりと軸が決まっていて主張に一貫性があれば、その就活生の発言の信ぴょう性が高まります。
一方、もし軸がブレていたら自己分析の掘り下げが不十分な可能性があり、ミスマッチが懸念されます。
勉強に対する姿勢や考えを知りたい
学科選択の理由を尋ねるのは、単純に就活生の勉強に対する姿勢や考え方を知りたいという意図もあります。
社会人となってからも学びを得る機会は多くありますが、時には学校のように教えてくれる人がいなかったり、学べる環境が整ってなかったりするケースも珍しくありません。
そのため、課題解決のために何が必要かを正確に把握して、自発的に学ぶことが求められます。
目的をもって勉強に取り組んだ学生や、自分から積極的に学ぼうという姿勢が見える学生は、社会人になってからも自分から意欲的に学んで成長することが期待できます。
また、そのような意識は、仕事に対する姿勢にも表れる可能性が高いです。
学部・学科を選んだ理由から、勉強に対する前向きな姿勢や考えを伝えられれば、好印象が与えられるでしょう。
【39点以下は危険度MAX】
本番前に、面接偏差値を診断しておこう
今年はweb面接をおこなう企業も増えていますが、自分の弱点を把握し適切に対策しなければ、どんな形式であれ面接を突破することはできません。
そこで活用したいのが、面接偏差値診断ツールの、「面接力診断」です。
24の質問に答えるだけで、自分の強みと弱みをグラフで見える化できます。
診断であらわになった自分の弱点を効率的に対策し、志望企業の面接を突破しましょう。
面接で「今の学部・学科を選んだ理由」を質問された時の的確な答え方
学部・学科を選んだ理由についてなぜ質問するのか、分かっていただけたでしょう。
では次は、答え方について解説します。
1.なんとなく…はNG!
ほとんどの学生は、学部を選んだ理由について「なんとなく…」「受かった中で一番良さそうだったから」という人が多いでしょう。
しかし、学部を選んだ理由に「なんとなく‥」で答えてしまうと、「この学生は仕事選びも『なんとなく…』で決めているのでは?」と仕事への意欲を疑われてしまいます。
私は英語を使用する外国人とのコミュニケーションを取るために、その背景を理解したいと考えたことがきっかけで、英文学科への進学を決めました。
本当は「行ける学科を選んだ」、「友人や家族の勧めで学科を選んだ」という理由でも、自分で「今の学部・学科を主体的に選択した」ことを感じさせる言い切りが大切です。
2.目的意識を語ろう
例文のように「こんな目的があったので、この学部を選びました」と説明すれば、「目的意識を持って行動できる人」だという印象を面接官に与えられます。
「将来はこんなことがしたい!」という夢があり、それを達成するために現在の学部を選択した…という形で語れれば、ベストです。
「なぜその学部を選んだか?」目的意識をベースに説明してください。
英文学ではその言葉を上手にもちいるための方法や知識だけでなく、歴史的背景や正しいニュアンスを感じながらの学習をおこなえます。
日本人はキレイな英語を話そうと考える傾向にありますが、英語を使用する外国人ならではの文化である、ジェスチャーを含めたコミュニケーションの重要性に気づくことができました。
人事担当者は、自分の目的意識に基づいた行動がとれる人材かを確認しています。
学部・学科を決める入学前に学べることや、身につけられることが不明確だったとしても、あらかじめ目的があったことがわかる表現をもちいましょう。
3.学部を選んだ理由を思い出せないなら現実の実感から考える
学生の中には「選んだときは、目的意識なんてなかった。なんとなく偏差値がよかったから決めただけ」「大学の学部を片っ端から受けて、受かった所が現在の学部」という人も多いでしょう。
そういう方は、「目的意識?ないよ!」と感じるかもしれません。
そんな時は、大学で実際に授業を受けてわかった「その学問の魅力」を元に、目的意識を語ると良いでしょう。
たとえば、英文学部になんとなく入ってしまった学生なら、大学入学後に感じた「英文学を学ぶことは、その言語圏に住む人の思考のバックグラウンドを学ぶことにつながる」という魅力をもとに、
英語圏の人とコミュニケーションをとるには、語学だけではなくその考え方のバックグラウンドも理解する必要があると感じ、現在の学部を選択しました。
英文学には、その時代の空気・考え方が如実に現れます。たとえば、イラク戦争以降の現代アメリカ文学は「正義」について非常に懐疑的なニュアンスが示されています。
文学を通して、言葉だけでなく、その言葉を使う人の思考のバックグラウンドも理解することで、より良いコミュニケーションをとれるのではないかと感じ、現在の学部を選択しました。
このように「目的意識バリバリ」の回答をつくりあげることができます。学生時代を過ごして感じた「学部の魅力」をもとに、「学部を選んだ理由」をつくりましょう。
私は最初はなんとなく入学したのですが、入学後に英文学部では英語という言語だけでなく、コミュニケーションの大切さを学べることに気づきました。
仮に入学前までは学べることや、身につけられることを深掘りしていなかったとしても、「入学後に気づいた」という表現はNGです。
学部・学科に入学したのちに学んだ事柄も、あらかじめ目的としていたという表現に置き換えましょう。
4.ビジネスに関係がなさそうな学部は「ビジネスにも役立てられる」とアピールしよう
就職実績から見ても「文学部」系の学生は、就職活動で不利になっていることがわかります。たとえば、株式会社 大学通信が掲載する2021年 学部系統別実就職率ランキングを見てみましょう。
看護・保健・医療や薬学、経済学部の上位校は90%後半の就職率ですが、対して法学部、文・人文・外国語系の学部は上位校でも就職率は95%代です。
しかし、選んだ学科がビジネスに関係がなさそうだからと就職を諦めてはいけません。
説明の仕方次第でこの不利を挽回できます。それは「こんな視点はビジネスに役立つ」と説明することです。
たとえば、例文では、
学生時代に身につけた「語学力」「異文化理解力」はビジネスにも活かせると思います。
このように「学部での学びは、ビジネスにも活かせる」と語るわけです。ビジネスに活かす視点を語れば、学部の不利を挽回できます。
私は、アメリカを始めとした海外の日本との文化や慣習の違いに強い関心を持ち歴史学を専攻しました。
そのため、日本と同じ商品を、日本と同じように販売するのではなく、その土地の生活に合わせた商品の改良や販売方法を企画、提案していきたいです。
語学や経済などのそのままビジネスに繋げられない学部でも、抽象度をあげて会社で活かせるスキルに置き換えましょう。
日本や海外の文化を学んだことで、グローバルな視点を身につけたとアピールできれば、さまざまな価値観の人々が集まる社会でも活躍できると評価してもらえるでしょう。
学部・学科の志望度理由について困った時は第3者の意見を取り入れる
学部・学科を選んだ理由がどうしても思いつかない時は、頼りになる誰かにアドバイスを求めると良いでしょう。
頼る相手は誰でも構いません。一緒に就活をしている友人やゼミ・部活の先輩、OB、就活支援サービスのキャリアアドバイザーなど、あなたの周りには力強い味方がたくさんいます。
自分1人で考えていると思考が偏ったり、主観的になりすぎてしまったりと、思うように考えが進まないことが多々あります。
そのような時は第3者に意見を求めると、客観的な立場から意見をもらえるだけでなく、上手くあなたの考えを引き出してもらえるかもしれません。
OBに聞いてみる
OB訪問では、その業界や企業に合わせたアドバイスをもらえるのでおすすめです。
いくつかの案を用意しておき、添削してもらったり、どれが良いかを一緒に考えてもらったりするのも良いかもしれません。
志望度の高い企業がある場合は、その企業のOB訪問がおすすめです。社風や企業、求める人物像を考慮して、どのように答えるとより高評価が得られるのかを質問しましょう。
また、OBは社会人としての先輩であると同時に就活の先輩でもあります。OBが就活生の時に用意していた回答や対策を聞くだけも大きな助けとなるはずです。
OB訪問は約束を取り付けるまでが大変ですが、その分得られる見返りも大きく、上手く活用できれば大きなアドバンテージを得られるでしょう。
就活のプロに相談する
就活の悩みや疑問は、就活のプロに相談するのが一番です。最近では無料で簡単に利用できる就活支援サービスが数多くあるので、積極的に活用していくと良いでしょう。
その中でもおすすめのサービスは「就職エージェント」です。
就職エージェントでは、就活生1人ひとりに専任のアドバイザーが付き、企業探しから紹介企業の選考対策まで全面的にサポートしてもらえます。就活の悩みや疑問をいつでも気軽に相談できるので、モヤモヤを抱えたまま就活を進める必要がなく、目の前の選考に集中できます。
客観的な人物把握を重視する「JobSpring(ジョブスプリング)」、キャリア形成を見据えた企業選びが強みの「キャリチケット」などから、自分の就活スタイルに合わせてサービスを選ぶと良いでしょう。
【15分で自己分析&自己PR完了!】
10万人以上が使用する自己分析ツール
こちらの適性検査は、仕事に関する適性を測定するために開発された『人気の自己分析ツール』
15分であなたの強み・職務適性が客観的に分かります。
さらに、検査後は大手・有名企業から特別スカウトを受けとることも可能!
<スカウト実績(一部)>
YKKAP/スズキ/ ニトリ/ロート製薬/あおぞら銀行 /湖池屋/毎日新聞/POLA/一条工務店など
面接で「その学部・学科を選んだ理由」について質問された時の回答例
私は昔から授業の中では化学実験が好きで、今までにない全く新しい素材を開発する研究者になりたいと思い、理学部に進学しました。
しかし、研究室で研究用試薬や実験機器を提供して頂ける営業の方と関わりを持つ中で、化学メーカーの営業職に興味を持つようになりました。
私の悩みや希望を瞬時に把握し、適切な提案をして頂いたおかげで、気持ちよく研究を進められました。そして、私も理学部で培った知識と経験を活かして、研究者をサポートする立場として研究開発に貢献したいと考えるようになりました。
学部を選んだ目的と今やりたいことが違う場合の例文です。やりたいことが変わることは悪いことではありません。
価値観が変わったキッカケやその理由を具体的に説明すれば、十分に説得力のある回答になるはずです。
ただし、本気度を確認するために突っ込まれた質問を受ける場合もあるので、しっかりと対策しておいてください。
面接で「その学部・学科を選んだ理由」について質問された時のNG回答例
私にはもともと本が好きという特長があり、さらにその関心を深めるために文学部に進学しました。その関心をビジネスでも活かしていきたいと考えています。
目的意識を上手に表現できてない例文です。本が好きという特性から、文学部に進学したことは理解できるものの、具体的にどのようなことを学ぶために進学したのかがわからないという印象を与えてしまいます。
私は友人や家族の勧めから英文学科に進学し、日本人にはない海外の文化や慣習を深く学んでまいりました。
日本人にはない感性こそが、これからのグローバル社会を生き抜く大きなポイントだと考えているため、学生生活のなかで身につけたスキルを御社で活かしたいと考えています。
主体性が弱いと感じられてしまいやすい例文です。学生生活のなかで身につけられたことをビジネスに結びつけているため、能力の高さをアピールすることはできています。
ただし、人事担当者は学生一人ひとりの個性を把握するために、「その学部・学科を選んだ理由」を確認しているため、自分が目的をもって選択したことを強調する必要があります。
私は歴史学科に進学し、日本だけでなく海外の歴史についても深く学びました。アメリカを始めとした海外の文化や慣習の違いに強い関心をもっているため、グローバルに活躍したいと考えています。
どのようなスキルをビジネスに活かしたいのかがわかりにくい例文です。
日本や海外の文化を学んだことはわかるものの、グローバルという抽象的な言葉を利用してしまっているために、人事が必要な人材がどうかを判断できない状態にさせてしまうでしょう。
「今の学部・学科を選んだ理由」の質問は目的意識が見られる
学部・学科を選んだ理由を問われる質問では、「目的意識の有無」、「興味・関心がある事柄」、「勉強に対する姿勢」が見られています。
ネガティブな内容や抽象的な答えになってしまうと、業界や企業選びも適当なのではと疑われてしまいかねません。また、入社後に活躍する姿をイメージしてもらうのも難しくなってしまいます。
しっかりと目的もって学部・学科を選び、その目的に向けて意欲的に勉学に励んだことが伝わるような内容を意識すれば、好印象を持ってもらえる答えになるでしょう。
関連記事
本番前に面接力を診断してみよう
面接では、身だしなみ、自己PR、志望動機…様々な評価項目があります。どれか一つに大きな抜けがあると、内定を取るのが一気に大変になります。
思わぬ失敗を防ぐため、志望企業の本番の前に一度、「面接力診断」やっておきましょう。
面接力診断なら、24の簡単な質問に答えていくだけで、あなたの面接力のチェックができます。自己分析、企業理解…主要な分野におけるあなたの実力がレーダーチャートでわかります。
面接力診断で自分の足りないスキルを把握し、対策をしておくことで、万全の状態で本番に臨みましょう。