「あなたにとって仕事とは」自分だけの答えが見つかる回答パターン10選

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目次

面接やエントリーシートで「あなたにとって仕事とは何ですか?」「社会人とはどのようなものだと思いますか?」と質問されることがよくあります。

しかし、実際に社会人として働いたことがないのに「仕事とは何ですか?」と聞かれても、答え方がわからずに戸惑ってしまいますよね。仕事はお金を稼ぐためのツールだと考えている人だと、正直にそう答えていいのか迷っていることもあるでしょう。

一体この質問はどう答えるのが正解なのでしょうか? この記事ではわかりやすい例文をもとに「あなたにとって仕事とは何ですか?」と聞かれたときの答え方を徹底的に解説します。

面接で「仕事とは何か?」を質問する意図とは?

そもそもなぜ面接官は「あなたにとって仕事とは何ですか?」と質問するのでしょうか?質問の意図を考えてみましょう。

質問をしてくるということは、そこから合否の判断基準にしたいポイントがあるということです。「意図=なにが評価されるのか」を知ることで、アピールすべき点がわかって面接官を納得させる回答ができるようになるのです。

面接官の意図を押さえ、評価される回答ができるようになりましょう。

仕事に対する意欲を知りたい

給料をもらって働く以上は、企業の利益となる成果をあげることが求められます。となると、仕事に対して目標や目的を持って働いている人のほうが、ただなんとなく仕事に向かう人よりもより良い成果をあげることができると想像できますよね。

たとえば毎日ランニングをする場合、「健康づくりのため」と考えている人もいれば「マラソン大会で優勝する」と目標を掲げている人もいます。

健康のためにランニングをするのももちろんいいことなのですが、「タイムを短くする」という視点で見た場合は大会優勝という目標を持っている人のほうが成果を出せると考えられます

仕事に対する意欲の高さは、入社後の活躍につながるのです。

価値観が社風と一致するか

就活を始めるにあたって就活生は自分の将来のビジョンや仕事を通じてやりたいこと、成し遂げたいことなどを考えます。それが会社が求める人物像や目指す方向性と一致しているかどうかは、入社後の活躍度合いに大きく影響するのです。

たとえば、「仕事とは挑戦である」と考えている人が保守的な企業に入ったら、自分が思っていた仕事の進め方ができずに力を発揮しきれないかもしれません。どんなに足が速かったとしても、全員が右に向かっているのに一人だけ左に進んでいたら、その人は会社が目指す目的地に辿り着くことはできないのです。

「仕事とは何か?」を質問することで、会社と同じ方向に向かって進んでいけるか、その会社で能力を最大限発揮できるかを確認しようとしています。

何がモチベーションになるかを知りたい

就活生にとってのモチベーションがその企業に存在しなければ、働く意欲を持ち続けることは難しいといえます。

仮に「お客様から感謝されることがモチベーション」という人が製造メーカーに入社したとして、実際に製品を使用するエンドユーザー(消費者)から直接感謝の言葉を聞ける機会はそう多くありません。

また、「お給料として頑張りが返ってくることがモチベーション」と考えている人は、インセンティブがなく年功序列で昇給する制度の会社ではやりがいを感じることは難しいと考えられます。

モチベーションを見つけることができなければ、就活生自身も働き続けることが辛くなることが懸念されますし、企業が望むような活躍は期待できません。それを防ぐために、仕事に対する考え方を聞くことでモチベーションのありかを確認しているのです。

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「あなたにとって仕事とは」回答パターン

仕事に対する考え方や求めるものは一人ひとり違うため、「あなたにとって仕事とは」という回答に対する回答に正解はありません。

具体的なパターンを10種類紹介していきますが、この回答には大きく分けて「自分が何を得たいか」「周りにどのような価値(影響)を生み出したいか」という2つの視点で考えることができます。まずは漠然としたイメージでもかまわないので、「これなら私にも考えられそう」「私の考えに近いかも」というものを探してみてください。

①自分を成長させるもの

「新しいことができるようになるのが嬉しい」「より高いスキルを身につけたい」という人は、自己成長という視点で考えてみましょう。

新卒で入社すると、当然最初はできないことやわからないことばかりです。学生時代には経験したことがないほどの高い壁にぶち当たる人もいます。それを乗り越えることでどんどん経験値を積んで成長していくことができるのです。

「誰よりも多くのお客様に対応してトップ営業を目指したい」のように、「その仕事でどう成長したいのか」「そのためにどう行動するか」という具体的なイメージを伝えましょう。

②夢を叶える手段

叶えたい夢があって仕事を選んでいる場合は、仕事は夢を叶える手段といえます。

仕事で得られるものはお金だけではなく経験やスキル、人脈、社会や他人に与える影響など多岐に渡ります。たとえば「尊敬する父親のように〇〇な人になるための手段」「より安全な社会を作るために必要なもの」など、どのような夢を持っているのかを具体的にイメージし、仕事で得られるものが夢にどうつながるかを伝えましょう

ただし「幸せな家庭を築くこと」「一軒家を建てること」のようなプライベート面の夢だと、「働く」ということに対する熱意が伝わりづらいので注意が必要です。仕事を通して達成できることや、自分自身がどう成長したいかという将来像を選ぶようにしましょう。

③人生を豊かにするもの

社会人になると、1日のおよそ1/3を仕事に費やすことになります。そうなると、嫌々働くよりも楽しく働けたほうが、人生全体の充実感や幸福度が高くなりますよね。

また、宝くじが当たって一生遊んで暮らせる生活を想像してみてください。それを幸せだと感じる人もいる一方で、「遊んでるだけだと物足りなくなりそう」と考える人もいるのではないでしょうか。それは仕事から得られる成果や成長が、人生を豊かにする要素だからです

社会人にとっての仕事は学生の場合は学業や部活に当たるので、「部活で忙しくしていたときは充実していたけど引退したらつまらなくなった」という経験がある人は仕事によって人生が豊かになるかも知れません。

④生きがい

いわゆる「ライフワーク」に当たるもので、働くことが心底楽しい、仕事が人生そのものというケースです。プライベートの時間を楽しむよりもとにかく仕事をしたいという人が該当します。

ちなみに生活のための仕事は「ライフワーク」、好きなことを仕事にすることは「ライクワーク」と呼ばれます。

とはいえ、「仕事が人生を捧げるに値するか」は判断しづらい就活生も多いはずです。在学中に力を入れていた活動やアルバイトが楽しくて仕方がないという経験がある人は、そこから仕事に発展するかどうかを考えてみましょう。家族など身近な人で、仕事に生きがいを感じている人がいないか探してみるのも方法です。

⑤お金を稼ぐもの

「働きたい」というよりも「お金を稼ぐため(生活をするため)に働かなければいけない」と考えている就活生も多いのではないでしょうか。現実問題として、仕事をして収入を得ることができなければ自分の力で生きていくことはできません。また、何か欲しいものややりたいことのためにお金が必要という人もいます。

大変なことがあっても「お金のため」と割り切って乗り越えられるのであれば、それは一つの働く目的です

とはいえ、「だから仕方なく働く」と面接官に受け取られると、仕事に対して消極的な印象を持たれてしまいます。なぜお金を稼ぎたいのかを明確にし、前向きな印象につながるような伝え方をしましょう。

⑥趣味や休日を充実させるもの

仕事によって人生が充実する人もいれば、仕事で得たお金を使って趣味や休日を充実させることで人生が豊かになる人もいます。

「次の休みになにをしようか」と考えると楽しみのために1週間頑張れますし、仕事に多くの時間を割くからこそ自由に使える時間のありがたみが増すものです

しかし、「ただ遊ぶためのお金がほしいだけ」という印象を持たれると、仕事に対する真剣度が疑われます。「休日を楽しむことでまた1週間仕事に励む活力が湧く」「週末のご褒美を楽しみに仕事に取り組む」など、休日のリフレッシュが仕事にいい影響を与えることをアピールしましょう。

⑦人とのつながりを持つもの

他人から刺激を受ける、認められる、会話そのものが楽しいなど、人とかかわることに喜びを感じる人も多いのではないでしょうか。

一人で完結する仕事は存在しないので、働く以上は必ず自分以外の誰かとかかわることになります。顧客や社外の人と接する機会が多い仕事はもちろんですが、そうではなくても上司や同僚など社内でのコミュニケーションも欠かせません。だからこそ仕事をすることはイコール人とのつながりをもつといえるのです。

「自分以外の人の意見を聞いて価値観を広げたい」「人に認められることで頑張れる」「コミュニケーションそのものが楽しい」など、人とかかわることで何を得たいのかを明確にしましょう。

⑧責任を果たすもの

お給料という対価をもらって働く以上、与えられた役割を果たすという責任があります。しかし、社会人にとって「責任を果たす=ただ与えられた役割をこなすこと」ではありません。それはあまりにも当たり前のことであり、受け身な印象を持たれて最低限のことしかしないのではないかと懸念されます。

たとえば営業職であれば「製品の魅力を世の中に広める責任がある」、自動車業界であれば「事故のない社会を作る責任がある」のように、どのような責任を果たすのかを具体的にすることが大切です

「自分が企業に提供する価値」「企業が社会に対して提供する価値」のいずれかの視点で、求められていることに+αでなにを生み出すことができるかを考えてみましょう。

⑨社会に貢献すること

どんな仕事でもなんらかの形で社会や誰かの役にたっています。これまでの経験で誰かの役に立ちたい、誰かを助けてあげたいなどという思いを原動力として動いたことがある人もいるのではないでしょうか。

自分の行動によって「ありがとう」など感謝の言葉が得られたり、周囲の状況が改善したりすることが自身のモチベーションややりがいとなっているはずです。そういった人たちは、社会に貢献することが仕事の意味や目的となり得るでしょう。

ただし、「社会貢献」はあらゆる業種・就活の軸や志望動機などのさまざまな質問の回答としてよく聞かれるフレーズです。そのため、伝え方には一工夫が必要となります。まずは、あなたがどのように社会に貢献したいかを考えてみましょう。

「ITの力で世の中をさらに便利にしたい」という人もいれば、「バリアフリーにより高齢者が生きやすい社会にしたい」と考えている人もいます。ほかにも「新しいものを生み出す」「商品のよさを世の中に伝える」「安全を守る」など、貢献することにはさまざまな方法があります。

誰にどのように貢献したいのかという、「貢献の対象となる人(高齢者、地元の住民など)」や「貢献する手段(IT、バリアフリーなど)」を具体的に考えてみましょう。

⑩人を喜ばせること

自分の行動によって誰かが喜んでいる姿を見るのは気持ちがいいもので、それは仕事のやりがいや働く意義にもつながります

接客のアルバイトで臨機応変な対応をして感謝された経験は「人を喜ばせること」につながりますし、エンタメ業界であれば「友達にサプライズを仕掛けることが好き」ということも理由として挙げられるでしょう。

また、誰かが困っているときにすぐに気がついて助けてあげることができれば、一緒に仕事をしている人を喜ばせることもできます。

仕事は必ず誰かの役に立ち、誰かを喜ばせます。だから仕事とは人を喜ばせるものであるといえるのです。

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「あなたにとっての仕事とは」答えの見つけ方10選

回答パターンがわかっても、ではこの中から「自分にとっての仕事」は何にあたるのか、具体的にイメージできていない人もいるのではないでしょうか。人の受け売りでは深掘りされたときに言葉に詰まってしまうため、「自分だけの答え」を持つ必要があります。

一人ひとり経験も考えも異なるため、もちろん答えの見つけ方も違います。具体的な方法を10個紹介するので、できそうなものから試して自分なりの答えを見つけましょう。

①アルバイトやインターンの経験から考える

「自分にとっての仕事」を考える際に一番イメージしやすいのが、アルバイトやインターンの経験を掘り起こすことです。アルバイトやインターンの多くは実際に働くことであるため、仕事がどんなものであるべきかは考えやすいのではないでしょうか。実際に働いてみて嬉しかったことや、やりがいを感じたことなどを思い出してみましょう

たとえば「アルバイトでお客様からありがとうといわれるとやりがいを感じる」という人にとっての仕事は、「誰かの役に立つこと」「人を喜ばせること」かもしれません。「新しい仕事を任せられることに喜びを感じる」のであれば、「自分を成長させるもの」が該当します。

なにに喜びややりがいを感じたのか、それはなぜなのかを考えてみましょう。

②部活やサークルの経験から考える

たとえば「チームが円滑に回るように縁の下の力持ち的な役割をしていた」という人は、「誰かのサポートをすることにやりがいを感じていた」と考えられます。

そこから、「私にとっての仕事とは、人の活躍を支えること」という答えにつなげることが可能です。特にほかの社員の業務をサポートするバックオフィス系の仕事や求職者が活躍できるフィールドを一緒に見つける人材系の仕事では評価されやすい回答ですね。

個人でおこなう業務がありつつも部署や会社というチームの中での役割もあるもので、それはチームスポーツはもちろん個人競技の部活にもいえます。ぜひ部活やサークルの経験からもあなたにとって仕事とは何か、考えてみてください。

③志望動機から考える

志望動機をさらに深堀して「なぜそれがしたいのか」という根本的な理由を考えると、「自分にとっての仕事とは」の答えが見つかります。

「お金を稼ぐために働く」と考えている人でも、数え切れないほどの企業の中からその企業を選んだのにはなにかしら理由があるはずです。

たとえば地域密着型の事業展開に魅力を感じているのであれば、仕事を「恩返しをするもの」と考えているかもしれません。「ITによって社会がより便利になる」という考えからIT業界を志望している場合、仕事とは「社会をよりよくするためのもの」といえます。

その仕事、企業を選んだ理由から、自分が仕事に求めているものを考えてみましょう。

④就職活動の軸から考える

企業を選ぶ際に「就活の軸」を定めているはずですが、その軸がどこから出てきたのかを考えてみましょう。

たとえば「風通しのいい会社」というのを軸としているとして、なぜそれを大切にしたいと思うようになったのでしょうか。「先輩後輩関係なく意見がいい合えてチームワークがよくなった」という経験から来ている場合、あなたにとっての仕事とは「目標のために協力し合うこと」かもしれません。「多くの人の考えに触れることで自分を成長させるもの」という考えもあります。

「なぜそれが大切なのか」という視点から、「自分にとっての仕事」が見えてきます。

⑤マインドマップを作成する

「働く」というワードから連想されることを自由に書き出してみましょう。

誰に見せるためでもなく自分の考えを整理するためのものなので、「こんなこと面接でいえない」など気にせず、思いついたことをありのままに書き出すことがポイントです。出てきたワードから連想されるワードをどんどんつなげていくうちに、自分で気づいていなかった本音に辿り着くことがあります。その中から自分が大切だと感じるものをひとつピックアップしましょう。

こうすることで、「人から認められたいんだ」と気づくこともあれば、「人と人をつなぐ役割を果たしたい」と考える人もいるでしょう。どう連想されるかは人それぞれなので、細かいことは気にせずにどんどん書いてみましょう。

⑥好きな言葉や座右の銘から考える

好きな言葉や座右の銘には、あなたの価値観が反映されています。そこから「働くとはどういうことか」を考えてみましょう。その際その言葉をそのまま答えるのではなく、必ず自分なりの考えを併せて伝えてください。

Apple社の創設者の一人であるスティーブ・ジョブズの名言の一つに、「​​何かを成し遂げてそれがすごくうまく行ったとすれば、さらに別の何か素晴らしいことをするようにすべきだ。」というものがあります。これに共感するのなら「仕事とは日々成長し続けること」「仕事とはより良い製品を生み出し続けること」と考えられます

大切にしている言葉や印象に残っている言葉などがあれば、なぜその言葉を大切にしているのか、そこからどう行動につなげたいのか考えてみましょう。

⑦将来の夢から考える

叶えたい将来の夢があれば、そこから質問の答えにつなげることができます。

「自分が作った製品を日本中の人が使ってほしい」という夢を持っている場合、その製品を使った人に何がもたらされるのか、社会にどんな影響を与えるのかというところから仕事の意味を考えてみましょう

あなたにとっての仕事は「人々の生活をより便利にするもの」かもしれませんし、「安全な社会を作るもの」や「世の中を明るくするもの」かもしれません。

なぜその夢を持つようになったのかという理由を考えてみたり、その夢を抽象化させたりすることであなたにとっての仕事とは何か意味を考えてみましょう。

⑧周りの人の考えを聞く

家族や先に働いている大学の先輩、インターンやOB・OG訪問で出会った先輩社員など、周りの人に「仕事とは何か」を聞いてみましょう。

仕事に対する価値観は十人十色です。働く中で変化するものでもあるので、年齢やキャリア、仕事内容や家族構成などによっても異なります。すでに社会に出ている人は学生時代にはできないことをたくさん経験しているので、就活生にとっては想像もしていなかった話が聞けるかもしれません。

さまざまな考えに触れ、「自分の考えと近い」「こんな風に働けたらいいな」「そんな考え方があるのか」など参考になる話を探しましょう。聞いたエピソードを回答に取り入れる場合は、「その話に対してどう思ったか」という自分の考えを必ず入れてください。

⑨本を読む

周りの人の話を聞くことはもちろん有益ですが、どうしても話を聞ける人は限られてしまいます。日常生活ではなかなか知り合うことのできない職種や働き方の人もいるので、本を読むことでより幅広い価値観を知ることができるのです。

働くことに関して書かれているビジネス書や経営者の自伝、仕事をメインテーマにした小説など、さまざまなジャンルの本から「仕事」について考えることができます。「働くこと」について考えるワークが設けられているビジネス書もあります。

雲の上の存在に思える人でも、過去を遡ってみると自分に近いところがあったり、根本的な考え方はいたってシンプルだったりするものなので、あなたにとっての仕事を考えるうえで参考になる考えが見つかるかも知れません

⑩得意なことから考える

仕事は自分の得意や強みを発揮する場所という視点で考えてみましょう。仕事に励むうえでは、持っているスキルを使って活躍することが求められます。

仕事では成果を出すことが求められますが、苦手なことよりも得意なことの方が成果を出しやすいです。ということは、自分の得意なことを活かして成果を出したい先・目指したいものが、自分にとって仕事をする意味だと言い換えることもできます

たとえば粘り強さが強みの場合、仕事は「課題解決を目指して努力し続けるもの」といえますし、チャレンジ精神がある人は「失敗を恐れず挑戦することができる」人です。チャレンジにより新しい価値を生み出すことを望むのであれば、それがあなたにとっての仕事の意義だといえるでしょう。

ただし、自己PRで話す内容とまったく同じになってしまうと、せっかくのアピールチャンスを無駄にしてしまいます。自己PRでは伝えきれていない強みをこの回答に忍ばせてみましょう。

「あなたにとって仕事とは何ですか?」と質問された時の回答例

これから質問に対する実際の答え方を解説していきます。まずは例文を確認して、全体のイメージを掴んでおきましょう。

例文

私にとって仕事とは「新しい価値を提供する」ことです。新規市場の開拓に携わるという意味だけでなく、日々の仕事でも、「より優れた方法」を見つけ出す意識で働くべきだと思っています。

このように考える理由は、学生時代のベンチャー企業でのインターンの経験です。そこで、社長に「どんな経験でも一工夫をすればおもしろくなる」と教えられました。

たとえば、エクセルでのデータ集計作業でも、「その数字から何が見えてくるか」を考え、事業改善案を企画することが出来ると学びました。

貴社においても、「これでいい」と現状に満足せずに、「何か新しい価値を提供できないか」という視点を常に持ち、働きたいと考えています。

「あなたにとっての仕事とは」に的確に答えるための「型」

紹介した例文をもとに、実際に質問に対する回答をどう組み立てていけば良いのか基本となる「型」を解説します。

  1. 結論
  2. 根拠(理由)
  3. 入社後の意気込み

この型に当てはめることで、伝えるべき内容を漏らさずにわかりやすい回答を作りましょう。

①まずは結論から伝える

例文
   

私にとって仕事とは「新しい価値を提供する」ことです。新規市場の開拓に携わるという意味だけでなく、日々の仕事でも、「より優れた方法」を見つけ出す意識で働くべきだと思っています。

面接での受け答えは「簡潔でわかりやすいこと」が重要なため、どのような質問でも結論から伝えることが基本です。

たとえば「好きな食べ物は?」と聞いたときに「スパイシーで食欲が増すしいろんな具材を楽しめて〜」と理由から先に話されると、「結局何が好きなの?」ともどかしく感じるのではないでしょうか。また、何について話しているかわからないため、理解が追いつかず共感もしづらいです

「好きな食べ物は?」「カレーライスです。」というように、まずは聞かれたことに対する答えから始めましょう。

②そう考えるようになった理由を伝える

例文
   

このように考えるようになったきっかけは、学生時代のベンチャー企業でのインターンの経験で社長に「どんな経験でも一工夫をすれば面白くなる」と教えられたことです。

たとえば、エクセルでのデータ集計作業でも「その数字から何が見えてくるか」を考え、事業改善案を企画することができると学びました。

最初に結論を伝えたら、続いて根拠となる理由を述べて話に説得力を持たせます。

「好きな食べ物は?」と聞いたときに「カレーライスです。」で終わるよりも、「スパイシーで食欲が増すしいろんな具材を楽しめて〜」と理由を語られた方が、本当にカレーライスが好きなことが伝わりますよね。同じように、考えの根拠を伝えることで面接官を納得させることができるのです

実際に経験した、人から聞いた話に影響を受けたなど、そう考えるようになったのはどんなきっかけがあったのか思い出してみましょう。

③入社後の意気込みを語る

例文
   

貴社においても、「これでいい」と現状に満足せずに、「何か新しい価値を提供できないか」という視点を常に持ち、働きたいと考えています。

最後に「貴社においても、〜という風に働きたい」と抱負を語りましょう。自分にとっての「仕事とは何か?」を説明したうえで、企業の特徴に絡めて「貴社でこんな風に働きたい」と、自分にとっての仕事とその企業の働き方や事業内容などが合っていることを述べればその会社にマッチする人材であることをアピールできます

また、入社後について明確にイメージし意気込みを語れるのは、あなたがやりたいことがその企業で実現できるということの表れであり、入社意欲への説得力も増します。

そうすると、面接官もあなたが自社にマッチし、かつ実際に活躍する姿をもイメージしやすくなることで、「採用したい」という思いにつながるのです。

「あなたにとって仕事とは」で好印象を持ってもらうための工夫

より魅力的な回答をするためには、「型」に当てはめたうえでさらに押さえておくべきポイントがあります。評価される回答は企業ごとに異なりますが、これから解説する内容はどの企業でも重視されることです。

このポイントを押さえて志望企業に合わせた回答を考えることで、「自社に入社してほしい」と面接官に思ってもらいましょう。

志の高さを示そう

この質問にはあなたの仕事に対する意識を問う意図があるため、例文のように「〜をやりたい」と、前向きな志を示した回答を心がけてください。

志の高い人は言われたことだけをこなすのではなく、やるべきことを考えて自発的に動くことができます。その結果企業にとってより大きな成果が期待できるため、面接官からも評価されるのです。

例文

私にとって、仕事とは誇りを持って取り組むことができるものです。時には辛いことや苦しいこと、悩むこともあるかもしれませんが、それを乗り越えた先にある喜びや達成感は他の何ものにも代え難いものだと思います。

いつまでも自分の仕事に胸を張っていられるよう、精一杯頑張りたいと思います。

企業理念や社風を参考に「働く」を考えよう

会社の企業理念や社風、採用HPで社員が語る「仕事のやりがい」などを参考に、社風とマッチする回答を考えましょう。

「お金を稼ぎたい気持ちが強い人は頑張れる」と考える企業もあれば、「どんな成果を生み出すかを重視している人がいい」という企業もあります。求める人物像はさまざまなので、そこにマッチする考えを持っている人のほうが会社に馴染んで能力を発揮することができるのです。

たとえば「仕事とは社会貢献」という答えを想定した場合に、大きくわけて2つアプローチがあります。一つは「自分がやりたいこと」ではなく「社会が求めていること」をするという考え方。これはイメージしやすいでしょう。一方で、「自分がやりたいこと」に軸をおいたとしても、社会貢献につなげることはできます。

例として、挑戦を重視するベンチャー企業を想定して「社会貢献」を重視した回答を見てみましょう。

例文

【社風が「主体性を大切にする」の場合】
私にとっての仕事とは、「自分で考えて行動し、社会へ貢献していくこと」です。どんな仕事でも決して受け身にならず、自分にできることは何なのか、常に考えて行動する必要があると考えています。

もちろん、その行動に責任は伴いますが、自分の考えが反映され、最終的に世の中のためになることは、働く喜びであると思います。

一見その企業にはそぐわない答えでも、企業の理念や風土に合わせて解釈を変えることでマッチングをアピールすることは可能なのです。

志望動機や将来像との一貫性を持たせよう

面接では一つひとつの質問に対する回答に意識が行ってしまいがちですが、選考全体を通して一貫性があるかという点もよく見られています。

仕事に関する考え方が表れる質問として代表的なものは、ほかに「志望動機」「自己PR」「就活の軸」などがあります。この質問で「仕事は人生そのものです」と答えているのに、就活の軸として「ライフワークバランス」を挙げると、「仕事は生きがいなの?プライベートを大事にしたいの?」と疑問が生まれますよね

突っ込まれたときに面接官を納得させられる答えが用意できるのであれば問題ないのですが、それができないとマイナス評価になってしまいます。自分の考えをしっかりまとめ、ブレのない回答ができるようにしておきましょう。

「あなたにとって仕事とは何ですか?」について質問された時の回答例

ここまで解説してきたポイントを押さえて、テーマの異なる具体的な回答例を6つ紹介します。答え方の型にどのように当てはめているかや、各テーマをどのように回答に盛り込んでいるかチェックしてみてください。

回答例を見てイメージが沸いたら、「あなたにとって仕事とは」に対する自分なりの回答を作ってみましょう。

①価値を提供すること

例文

私にとって仕事とは、その道のプロとして求められる価値を提供し、その対価として給料をもらうことです。

会社で働くサラリーマンでも、世界で活躍するプロ野球選手でも、笑いを仕事とする芸人さんでも、働くことの意味は同じだと思います。

それぞれの立場に求められる技術やサービスを提供し合い、みんなで社会を作っていくことが、「社会人」というものなのだと思います。

私自身もいち早く仕事を覚え、御社のライフソリューション事業分野の営業として、人不足が叫ばれる保育業界をより良くしていきたいです。

Point:

この例では、「仕事とは」という質問に対しての回答の最後に、さりげなく入社意欲をアピールできている点が良いポイントです。

その際、ありきたりな内容では「別にうちの会社じゃなくても良いのでは…」と思われてしまうため、その企業ではないといけない理由を盛り込むようにしましょう。

②社会とつながるため

例文

仕事とは、「社会とつながる」ことだと思います。

地元から出てきたばかりの大学入学当初、近所の小さな定食屋さんでアルバイトを始めたところ、顔を覚えていただけたようで、徐々に常連の方から話しかけられるようになっていきました。

その後もアルバイトを通してたくさんのお客様と話していると、たまたま道ですれ違った際などにも声をかけられるようになり、第2の地元のような温かさを感じるようになりました。

この頃から、働くとは社会とつながる手段なのだと感じるようになりました。

貴社では全国転勤の可能性があるということですが、営業職としてさらに多くの方とかかわりつながることでそれぞれの地域の良さに触れたいと考えています。

Point:

なぜ「社会とつながること」に価値を感じているのか、過去の経験から説得力のある回答ができています。その企業に入社することでどう社会とつながることができるかを具体的に説明しつつ、転勤を前向きに捉えていることも同時にアピールしている点もポイントです。

③目標を叶える手段

例文

私にとっての仕事は「目標を叶える手段」であると思います。

私の目標は在宅介護の抱える問題を解消し、家族が末永く共に暮らせる世の中を作ることです。特に入浴介助は介護の中でも最も負担が大きいとされており、老老介護が多くなってきてしまっている現代において、その問題は深刻化してきています。

この問題の対策として、御社では介護ロボットが開発されていますが、まだ安全面を気にしていたり、ロボットそのものへの抵抗感から導入をためらっているご家庭も多いのが現状です。

私は自分の仕事を通して介護ロボットをより身近なものとし、介護する側もされる側も気持ち良く、共に過ごすための力になりたいと考えています。

Point

この例の良いところは「仕事を通して成し遂げたいこと」と「そのために何をするのか」が具体的に書かれており、説得力がある点です。

志望する業界の時事問題も組み込まれているため、きちんと業界研究ができていることも伝わり、好印象な回答です。

④生きがい

例文

仕事とは、生きがいだと考えています。

私の祖父はかつて銀行で忙しく働いており、私もその姿に憧れていました。しかし定年を迎えて家にいるようになると、日々をなんとなく過ごしていることを子供ながらに感じておりました。父も同じように感じていたのか祖父にアルバイトをすることを提案し、再び仕事を始めた祖父は輝きを取り戻して現在も元気に働き続けています。

その様子を見ながら、働く目的とはお金だけではなく、生きる目的そのものだと考えるようになりました。

私も貴社の事業を通じて社会をよりよくすることで、祖父のように生きがいを感じながら働き続けたいと考えています。

Point

家族の姿から影響を受けたパターンです。「祖父の様子」に終始せず、そこから得た「自分の考え」をしっかりと伝えられていることが評価されるポイントです。

社会人経験がないことは当然なので、その中でも働くことに対して真剣に考えていることを伝えましょう。

⑤自己成長のため

例文

私にとって仕事とは、自分を成長させるものです。

私は大学の演劇サークルに所属しているのですが、部員一人ひとりが異なる考えを持っているため意見がまとまらずに悩んだ経験が何度もあります。

はじめは「どうしてわかってくれないんだろう」と思っていましたが、違う意見を出し合うことでより良いものが出来上がることを徐々に実感し、さまざまな考えを知ることの大切さを知りました。

社会人になれば、会社の中で同じことが起きると考えています。風通しのよさが魅力である御社で自分とは違う意見を知ることで、価値観を広げて成長していきたいです。

Point

この例文では、学生にとってのサークルを社会人にとっての会社に置き換えて考えています。仕事の経験はなくても、このような他者との関わり方は学生でも社会人でも共通する点が多いです。

どのような経験から何を考えたのか、それが仕事にどうつながるのかを伝えましょう。

⑥お金を稼ぐ手段

例文

私にとって仕事とは、お金を稼ぐ手段です。

私の夢は50代で早期退職をして海外旅行を楽しむことで、それまでは精一杯働いて資金を作りたいと考えています。

高校時代は野球部に所属しており、甲子園出場を目指して厳しい練習を乗り越えてきました。この経験から、明確な目標があれば苦しいことも乗り越えられることを身を持って知りました。

貴社の営業はハードな世界だと聞いていますが、持ち前の根性で人一倍努力してトップセールスを目指し、私の人生における目標を達成します。

Point

「お金のため」という理由も、稼ぐことがモチベーションであることを明確にできれば評価されるケースがあります。

特に年収が高い仕事になると、非常に高いレベルが要求されたり忙しくて体力的にもハードだったりする場合も珍しくありません。それを乗り越えるためには、揺るぎない「目指すもの」が必要になります。

要は企業の社風や採用方針、求める人物像に合致しているかどうかが重要なのです。

⑦誰かの役に立つこと

例文

働くとは、身近な誰かの役に立つものだと思います。1人で完結できる仕事というのはとても少なく、たいていの仕事は共に頑張ってくださる「誰か」が存在します。

人とコミュニケーションをとり、相手を思いやりながら働くことは、楽しいことでもあり、自分を理解して成長させるものでもあります。

そして、そこで身につけた新しい能力をまた別の誰かのために発揮していく、ということを繰り返し、自分自身をより大きく成長させることができると考えています。

仕事を通して、今の自分の何倍も成長し、周りの人のためになるような働きをしたいと思います。

Point

誰かの役に立つというあなたが思う仕事を述べるだけでなく、そのために「自分がより成長する」という仕事への取り組み方も示せている点が好印象です。仕事への意欲あふれた回答で、入社後の姿にも期待が持てますね。

「あなたにとって仕事とは何ですか?」について質問された時のNG回答例

「あなたにとって仕事とは」という質問に回答する際のNG例と注意点を解説します。避けるべきポイントを押さえているかどうかで、面接官が受ける印象は大きく変わるものです。

どう改善するとより良い回答になるかも併せて説明しているので、これから回答を考える人はこうならないように注意し、すでに回答ができている人は該当していないかチェックしてみましょう。

①わからない・考えたことがない

例文

仕事というものが何なのかについては、まだ働いた経験がないためわかりません。

働いていくうちにわかってくるものだと思うので、これから御社の一員として働いていく中で、自分なりの働く意味や意義を見つけていきたいです。

Point

働いた経験がないとはいえ、「わからない」という答えはもちろん避けるべき回答です。

新卒として採用をする以上、社会人経験がないことは当然面接官もわかっています。そのうえでこの質問をするのは、「働くことについてどの程度真剣に考えているのか」「働くイメージを持とうとしているか(理解しようとしているか)」を確かめるためです。

「経験がないからわからない」と諦めてしまうのではなく、自分がどんな仕事をしたいのか、その時に仕事はどのような存在なのか、しっかり考えて回答することが大切です。

②漠然としている

例文

私にとって仕事とは、社会貢献の一環だと思います。一人一人にできることは小さなことかもしれませんが、私も日本社会を構成する一員である以上、働くことを通して日本に貢献していく必要があると思います。

自分の仕事を通して社会のために何ができるのかを常に考え、地域のため、国のために行動していきたいです。

Point

「仕事は社会貢献の一環」としているこちらの回答ですが、具体的なことが書かれておらず、全体的に漠然とていて説得力がありません。話のスケールが大きすぎると、結局なにがいいたいか伝わりづらくなります。

「社会貢献のため」とするならば、「どう社会貢献できるのか」を企業の事業内容と絡めて具体的に説明しましょう。

③お金や生活のため

例文

仕事とは、働いた対価としてお金をもらうことです。特に、御社の営業職は業績に応じてインセンティブも支給されると伺いましたので、いち早く仕事を覚えて誰よりも良い成績を残し、高い給与をいただけるよう頑張りたいと思います。

Point

仕事の定義として「労働の対価に給与をもらう」というのは間違っていません。

しかし、「生活のため」「とりあえずお金がほしい」というスタンスを面接で出してしまうと、「お金がもらえればなんでもいいのか」「あまり深く考えていない」と思われてしまいます。営業成績に応じてインセンティブが支給される企業はたくさんあるので、「嫌なことがあったらすぐにやめてしまうかも」と思われるのです。

お金のためと答えるのであれば、「なぜお金を稼ぎたいのか」を明確にし、そのために頑張れるという姿勢を見せましょう。

自分にとっての仕事とは何か、自分なりの答えを見つけて伝えよう

人それぞれ仕事に対する考え方や求めていることは違って当然なので、「こう答えなければいけない」という模範解答はありません。

とはいえ、どんな答えでもいいというわけではなく、企業の求める人物像にマッチしていることをアピールする必要があります。そのために、自分の考えをしっかり整理し、企業の考えを理解したうえで回答を作りましょう。

面接でその答えを自信を持って伝えれば、面接官にも好印象を持ってもらえるはずですよ。

自己分析の浅さは、人事に見透かされる

就活で内定を勝ち取るためには、自己分析をして自己理解を深める必要があります。自己分析を疎かにしていると浅い答えしか浮かばず、説得力のある回答ができません。

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